the は「その分だけ」。理由の分だけ上がるのが all the 比較級、少しも上がらないのが none the 比較級です
01しくみ:なぜこの意味になるのか
all the 比較級 for 〜 は「〜だから、そのぶんいっそう…」。the は The more 〜, the more の the と同じで、「その分だけ」という副詞です。for 〜 や because S V が理由を示し、the が「その理由の分だけ」、all が「まるごと」と強めています。もともとよいものが、理由の分だけ上乗せされる、という足し算で考えると分かりやすくなります。
none the 比較級 for 〜 は、none(少しも〜ない)が the を打ち消して、「〜だからといって少しも…ない」。理由があって変わりそうなのに、変化がゼロだったという意味で、「〜しても少しも…ない」と訳すと自然です。none the worse なら「少しも悪くなっていない」、none the wiser なら「少しも分かっていない」です。
長文では、理由の for 〜・because S V が文の最後に回り、the+比較級と離れていることがあります。文の中に the+比較級が出てきて、前に The+比較級の節もなければ、うしろに理由を探しましょう。理由が見当たらないときは、前の文が理由になっていることもあります(all the more=それだけいっそう)。
型
all the 比較級 for 名詞 / because S V
〜だから、それだけいっそう…
言いかえ・変形none the 比較級 for 名詞(〜だからといって少しも…ない)all the more because S Vthe 比較級 for 名詞
02例文3つを構造図で読む
色のカタマリは文の要素、カッコはカタマリの種類です。「飾り(M)を消す」を押すと、文の骨組みだけが残ります。黄色の語が、この構文の目印です。
記号と色の約束
仮S真S は It のような「仮の主語」と、うしろにかくれた本当の主語。接 は接続詞。カタマリの下の小さな S' V' O' は、節や句の中の要素です。
The cake tasted all the better for being homemade.
手作りだったので、そのケーキはいっそうおいしく感じられた。
前から訳そのケーキは / 味がした / その分いっそうよく / 手作りであることのために
- Call the betterthe=その分だけ
- Mfor being homemade副詞句|理由:手作りだから
ここを見るtasted good(おいしかった)が、手作りという理由の分だけ better になった形です。for+V-ing は「〜であるために」と理由を表します。
He was none the wiser for reading the manual twice.
説明書を2回読んでも、彼には少しも分からなかった。
前から訳彼は / だった / 少しも分かるようになっていない / 説明書を2回読んだことで
- Cnone the wisernone the 比較級:少しも〜ない
- Mfor reading the manual twice副詞句|理由:2回読んだのに
ここを見るwiser は「分かっている度合い」。説明書を読んだ分だけ上がるはずが、none で変化ゼロ。「〜しても少しも…ない」と訳すと自然です。
The students' victory in the robot contest was all the more impressive because they had built their machine from parts that other teams had thrown away.
ロボットコンテストでの生徒たちの優勝は、ほかのチームが捨てた部品でマシンを作っていたので、なおさら見事だった。
前から訳ロボットコンテストでの生徒たちの優勝は / だった / それだけいっそう見事 / 彼らは作っていたから / 自分たちのマシンを / ほかのチームが捨てた部品で
- SThe students' victory in the robot contest名詞句
- Mbecause they had built their machine from parts that other teams had thrown away副詞節|all the more の理由
- M'from parts that other teams had thrown awaythat 以下が parts を説明
ここを見る優勝しただけでも見事なのに、捨てられた部品で作った分だけさらに見事、という足し算で読みます。理由は because 以下全体です。
03誤読のわな
She felt none the worse for the long flight.
✕ やりがち長いフライトのせいで、彼女はこれ以上ないほど具合が悪かった。
○ 正しく長いフライトのあとでも、彼女の体調は少しも悪くなっていなかった。
none と worse が並ぶと「最悪」のように読みがちですが、none は the(その分だけ)を打ち消しています。「フライトの分だけ悪くなった、がゼロ」なので、「〜しても少しも悪くならない」です。
04似ている構文と見分ける
05確認問題(3問)
Q1英文の意味として正しいのは?
I respect her all the more because she admits her mistakes.
all the more の理由が because 以下です。もともと尊敬しているうえに、間違いを認める分だけ「なおさら」尊敬する、という意味です。
Q2「新しいスマホを買っても、彼は少しも幸せにならなかった」の意味になるように、空所に入るのは? He was ( ) the happier for buying a new phone.
none the 比較級 for 〜 で「〜しても少しも…ない」。all だと「買ったのでいっそう幸せだった」と逆の意味になります。no the という形はありません。
Q3「〜だから、それだけいっそう」の意味の文はどれ?
all the brighter のうしろに理由の for the new curtains があります。1つ目は「読むほど上手に書ける」、2つ目の all は「全員」です。
