原田英語の英語大全勉強法ぜんぶ入り
英文法大全16 / 25入試の重要度 ★★★★★

比較英語の比べっこは「3段ギア」と「シーソー」で全部見える

講義 12レッスン問題 196問瞬間英作文 20基礎〜超難関

この単元で

「AはBより背が高い」「クラスでいちばん速い」──比べる表現は日常会話にも長文読解にも毎日出てきます。比較は形の変化(-er / -est)だけなら中学で終わりますが、入試ではそこに倍数・慣用表現・no more than・くじらの構文・比較対象のそろえ方が乗ってきて、一気に差がつく単元になります。この単元では「as ~ as は≧」「no は差ゼロ」「than の後ろは“もう1つの文”」という3本の軸で、丸暗記に頼らずに全部を読み解けるようにします。

知ってた? 目から鱗

Q1than の後ろは I と me、どっちが正しい?

書き言葉の規範では than I (am) です。ただ日常会話では than me のほうがずっと自然で、than I で文を終えると硬く聞こえることもあります。試験で迷ったら、後ろに am などの動詞を補った than I am にすれば確実です。

Q2fun の比較級は funner? それとも more fun?

fun はもともと名詞なので、伝統的には more fun / the most fun を使います。ただ形容詞として使う人が増え、くだけた会話では funner / funnest も聞かれるようになっています。作文や試験では more fun を選ぶのが安全です。

Q3-er と more は、単語の長さだけで決まる?

1音節は -er、3音節以上は more が基本ですが、2音節の語は揺れます。quiet, simple, narrow などは -er と more の両方が使われます。逆に real, wrong は1音節でも more real, more wrong が普通です。

Q4最上級なのに the をつけないことがある?

同じ人や物の中で条件を比べるときは the をつけないのが普通です。The lake is deepest here.(この湖はここがいちばん深い)は、ほかの湖ではなく同じ湖の場所どうしを比べています。the deepest lake のように名詞が続く形とは発想がちがいます。

Q5「3倍大きい」は three times bigger than と言っていい?

言えます。ネイティブは three times as big as と three times bigger than をほぼ同じ意味で使います。ただし2倍は twice as big as が普通で、twice bigger than はあまり使われません。

01比較は「3段ギア」:原級・比較級・最上級の作り方 基礎

比較の文には3つのギアがあります。原級(そのままの形:tall)、比較級(2つを比べて「より〜」:taller)、最上級(3つ以上の中で「いちばん〜」:tallest)。形が変わるのは 形容詞と副詞だけ です。名詞や動詞は変身しません。

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ルール原級比較級最上級
ふつうの短い語(1音節=母音の音のかたまりが1つ)tall / fasttaller / fastertallest / fastest
-e で終わるlarge / nicelarger / nicerlargest / nicest
短母音(短く読む母音)+子音1つ(子音を重ねる)big / hotbigger / hotterbiggest / hottest
子音+y(y→i)easy / happy / earlyeasier / happier / earliereasiest / happiest / earliest
長い語(2音節の多く・3音節以上)useful / beautifulmore useful / more beautifulmost useful / most beautiful
-ly の副詞(early は例外)slowly / carefullymore slowly / more carefullymost slowly / most carefully

tall は1音節、use-ful は2音節、beau-ti-ful は3音節。語が長いほど -er が重くなるので、前に more を置く。これが大原則

原級比較級最上級メモ
good / wellbetterbest「良い」も「上手に」も同じ変身
bad / badly / illworseworstworse を worst と混同しない
many / muchmoremost数でも量でも more
littlelessleast量が「少ない」。数は few → fewer → fewest
farfarther / furtherfarthest / furthestfurther は「さらに(程度)」にも使う
oldolder / elderoldest / eldestelder は家族の「年上の」。than と一緒に使わない
latelater / latterlatest / lastlater・latest=時間、latter・last=順番

不規則変化は表で一気に。特に good と well が同じ better になるのが盲点

比較級は「2者」、最上級は「3者以上」
比較級は「AとB、どっちが上?」のシーソー、最上級は「全員並べて1位は誰?」の表彰台。問題文に of the two とあれば比較級、of the three / of all / in the class とあれば最上級、と数で決まります。※口語では2者でも the best of the two のように最上級を使う人がいますが、入試・作文では比較級が正解。

  • This question is easier than the last one.
    この問題は前の問題より簡単だ。
  • My new phone is more expensive than my old one.
    新しいスマホは古いのより高い。
  • Emma plays the guitar better than I do.
    Emma は私よりギターが上手だ。(well(上手に)の比較級も better)
  • August is the hottest month of the year here.
    ここでは8月が1年でいちばん暑い月だ。
ひっかけ注意:二重比較はNG

more と -er を両方つけるのは1つの語に比較級マークを2つ貼るのと同じ。✕ more taller / ✕ most happiest は現代の標準英語では誤り(古い英語には例がありますが、入試では即アウト)。どちらか一方だけです。

超絶テク:-er か more かの3秒判定

①1音節 → -er ②子音+y で終わる2音節(easy, happy, busy)→ -ier ③それ以外(2音節の多く・3音節以上・-ly 副詞)→ more。迷ったら「声に出して -er がつっかえるか」で判断。beautifuller は口がもつれるので more beautiful。※real / right / wrong のように1音節でも more をとる語が少しある。

なぜ効く? 英語は長い語の後ろにさらに音節を足すのを嫌う傾向がある。だから長い語は前に more を置いて1語を軽く保つ。発音のしやすさが形を決めている。

ちょっと脱線:2音節は“どっちもアリ”組がいる

clever, quiet, simple, narrow, polite などは cleverer / more clever のどちらも使われます。入試で「どちらか一方だけが正解」とされることはまずないので、心配しすぎなくて大丈夫。ただし後で出てくる「同じ人の2つの性質の比較」では more clever の形しか使えません。

生徒funner って言ってる動画を見たんですけど、あれアリなんですか?

先生口語ではよく聞くね。でも入試や作文では more fun が安全。fun はもともと名詞だったから、比較級の作り方も揺れているんだ。

生徒へえ、ネイティブでも迷うんだ。

先生言葉は生きものだからね。ただ試験は“教科書どおり”が正解。そこだけは割り切ろう。

確認問題 This math problem is ( ) than the one we did yesterday.

02as ~ as の正体:2つ目の as は「接続詞」 基礎

as tall as は「同じくらい背が高い」。ここで大事なのは、2つ目の as は接続詞(文と文をつなぐ語) だということです(1つ目の as は「同じくらい」を表す副詞)。接続詞の後ろには本来「S V」が続きます。つまり as の後ろには、比べる相手の文がまるごと隠れているんです。

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KenS isV as副詞 tallC as接続詞 his fatherS (is)V.

Ken は父親と同じくらい背が高い。

as ~ as は「=」ではなく「≧」
Ken is as tall as his father. は厳密には「Ken は少なくとも父と同じ高さはある」という意味です。だから否定の not as ~ as は「同じじゃない」ではなく「〜ほど…ない(<)」になります。「≧ を否定すると <」。これが not as ~ as の正体です。

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as ~ as(肯定)

「同じくらい〜」。1つ目の as は so にできない。

This bag is as light as a feather.

not as ~ as / not so ~ as

「〜ほど…ない」。否定文なら so も使える(やや硬い)。

This bag is not so heavy as it looks.

  • I can't run as fast as my brother.
    私は兄ほど速く走れない。(動詞 run を修飾するので副詞 fast)
  • Emma speaks English as fluently as her teacher (does).
    Emma は先生と同じくらい流ちょうに英語を話す。
  • The test wasn't as difficult as I expected.
    テストは思っていたほど難しくなかった。(as の後ろに S V がそのまま来る例)
  • My room is as large as yours.
    私の部屋はあなたの部屋と同じくらいの広さだ。(yours=your room)
超絶テク:as と as の間は「形容詞か副詞か」を動詞で決める

as _ as の空所は、前の動詞を見る。be動詞・look・become なら形容詞(as happy as)、一般動詞を修飾するなら副詞(as happily as / as fast as)。as ~ as を消した文(She sings _.)で考えると一発。

なぜ効く? as ~ as は元の文に「程度」を足しただけの飾り。飾りを外して残る文で品詞が決まる。

名詞の「数・量」を比べるときは、as と as の間に many / much + 名詞 をまるごと入れます。I have as many comics as Ken. / She has as much money as I do. many は数えられる名詞、much は数えられない名詞。

ひっかけ注意:as a good player as は✕

形容詞+a+名詞 を as で挟むときは as + 形容詞 + a + 名詞 + as の語順。She is as good a player as her sister. が正解。so / too / how も同じ語順(so good a player / too big a risk / how good a player)になる「アソトハウ語順」です。

ちょっと脱線:as の後は I? me?

学校文法では He is as tall as I (am). が正式。でも会話では as me がふつうに使われます。いちばん安全なのは as I am と動詞まで書く形。入試では「後ろに動詞があるなら主格 I」と決めておけばまず間違えません。

確認問題 Emma can speak French as ( ) as her teacher.

03倍数表現と「できるだけ〜」 標準

「2倍」「3倍」「半分」は、倍数 + as ~ as で表します。倍数は 1つ目の as の前 に置くのが鉄則。twice(2倍)、three times(3倍)、half(半分)、one third(3分の1)、two thirds(3分の2)。

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Yuki's roomS isV three times倍数 as largeC as Ken'sM.

Yuki の部屋は Ken の部屋の3倍の広さだ。
as ~ as 型the + 名詞 + of 型意味
three times as large as Athree times the size of AAの3倍の大きさ
twice as long as Atwice the length of AAの2倍の長さ
twice as heavy as Atwice the weight of AAの2倍の重さ
twice as old as Atwice the age of AAの2倍の年齢
three times as high as Athree times the height of AAの3倍の高さ

size / length / weight / age / height が「名詞版」。数(人数など)は twice as many people as A の形がふつう

ひっかけ注意:倍数の位置と twice

✕ as twice large as は語順ミス。倍数は as の前。また「2倍」は two times より twice がふつう(two times も口語では使われる)。3倍以上は three times, four times … と times を使います。

ちょっと脱線:three times larger than は3倍?4倍?

実際の英語では three times larger than も「3倍の大きさ」の意味でよく使われます。ただ、理屈っぽく「3倍“ぶん”大きい=4倍」と読む人もいて、ときどき論争になる表現です。作文では誤解のない three times as large as か three times the size of を使いましょう。

「できるだけ〜」は as ~ as possible か as ~ as S can。後者に書きかえるときは、主語と時制をそろえる のがポイント。過去の話なら can → could になります。

  • Please reply as soon as possible.
    できるだけ早く返信してください。
  • I ran as fast as I could to catch the last train.
    終電に間に合うよう、できるだけ速く走った。(過去なので could)
  • Our gym is twice the size of the one at my old school.
    うちの体育館は前の学校の体育館の2倍の広さだ。
  • This battery lasts half as long as the new one.
    この電池は新しい電池の半分しかもたない。
超絶テク:as ~ as possible → as ~ as S can の変換3ステップ

①文の主語を as の後ろにコピー ②時制を見て can / could を選ぶ ③possible を消して置きかえ。She studied as hard as possible. → She studied as hard as she could.

なぜ効く? possible は「可能な範囲で」をぼかして言う形。S can は「誰が」「いつ」を明示した形。主語と時制を具体化するだけなので機械的に変換できる。

生徒「半分」って half as ~ as なんですね。「3分の1」は?

先生one third as ~ as。分数も倍数と同じで as の前に置けばOK。

生徒じゃあ「10倍」は ten times as ~ as で、「10倍の大きさ」は ten times the size of?

先生完璧。倍数はいつも一番前、って覚えておけば迷わない。

確認問題 My new bag is ( ) my old one.

04原級の慣用表現:as many as から as ~ as ever lived まで 応用

as ~ as には、意味がひとひねりされた決まり文句がたくさんあります。どれも「≧(少なくとも同じ)」という芯から考えると、丸暗記しなくても意味がほどけます。

表現意味例
as many as + 数〜も(数が多いという驚き)As many as 500 fans came.
as much as + 量〜も(量が多いという驚き)It cost as much as 30,000 yen.
as few as / as little asたった〜(少ないという気持ち)as few as ten people
as early as早くも〜にas early as the 8th century
as good as〜も同然(almost)The work is as good as finished.
as ~ as any + 名詞どの〜にも劣らずShe is as kind as any girl in our class.
as ~ as ever lived古今まれな・史上最高クラスのHe was as great a pianist as ever lived.
as ~ as ever相変わらず〜She is as busy as ever.
not so much A as BAというよりむしろBHe is not so much a singer as an actor.
not so much as + 動詞〜さえしないHe did not so much as say hello.
without so much as ~ing〜さえしないでShe left without so much as saying goodbye.

表の上ほど頻出。not so much の2つは入試の大好物

as many as は「数字の前」で強調になる
As many as 500 fans came. は「500人もの」ファン。数字の直前の as many as / as much as は「多いね!」という話し手の気持ちを表します。逆に as few as / as little as は「たった〜」。many は数えられる名詞、much はお金・時間・量に使います。

  • As many as 3,000 people signed the petition in one day.
    1日で3,000人もの人が署名した。
  • The new game is as good as sold out.
    新作ゲームは売り切れも同然だ。
  • Emma is as hardworking as any student in our class.
    Emma はクラスのどの生徒にも劣らず勤勉だ。
  • Ken is as cheerful as ever.
    Ken は相変わらず陽気だ。
not so much A as B

「Aというより、むしろB」。A の度合いは B の度合いほどではない → B のほうが当たっている。

He is not so much a teacher as a friend to us.

not so much as + 動詞

「〜さえしない」。much の後に A がなく、直後が動詞の原形。without so much as ~ing は「〜さえせずに」。

He did not so much as look at me.

超絶テク:not so much A as B の3つの言いかえ

not so much A as B = B rather than A = less A than B = more B than A。並べ替え・書きかえ問題はこの4つを同じ箱に入れておく。

なぜ効く? 「Aの度合い < Bの度合い」という同じ不等式を、どちらを主語側に置くかで書き分けているだけ。不等式に戻せば全部同じ。

ノット・ソー・マッチ、軍配はBに

not so much A as B は「Aじゃなくて B の勝ち」。後ろにいる B に軍配が上がる、と覚える。訳は「AというよりむしろB」。

as ~ as any は「どれにも劣らない」=トップクラス。ただし「同率1位」もありうるので、最上級そのものではありません。as ~ as ever lived は「これまでに生きた誰にも劣らない」→「古今まれな」。He was as great a pianist as ever lived. の語順(as + 形容詞 + a + 名詞 + as)も要注意。

ひっかけ注意:as long as / as far as は別もの

as long as(〜する限り・〜しさえすれば:条件)、as far as(〜する範囲では)は接続詞としての慣用句。「同じくらい長い」の as long as と見た目は同じなので、後ろに S V が来て「条件」になっていないか確認しよう。

生徒as good as が「〜も同然」ってピンとこないです。

先生The job is as good as finished. は「その仕事は“終わった”と言ってもいいくらいの状態」。as ~ as は≧だから、「終わりと同じレベルに達してる」ってこと。

生徒あ、almost finished と同じか。

先生そう。ただ as good as のほうが「もう終わったも同然!」って気持ちが強い。

確認問題 He left the party without so much as ( ) goodbye to anyone.

確認問題 Emma is not so much a singer ( ) an actress.

05比較級の基本・強調・数量差 標準

比較級は 比較級 + than ~ で「〜より…」。than も as と同じく 後ろに文が隠れている接続詞 です。He is taller than I (am). の am が省略されているイメージ。

very は比較級を強められない
very は「とても」で、原級(very tall)専用。比較級の「差」を強めるのは much / far / a lot / even / still です。✕ very taller は入試の定番ワナ。※very much なら比較級を強められる(very much better)。✕なのは very 単独。

強調語意味例
much / far / a lotずっと・はるかに(差が大きい)much taller / far better / a lot cheaper
way(口語)めちゃくちゃ(差が大きい)way more fun
even / stillさらに・いっそう(もともと〜なのに、もっと)even colder than yesterday
a little / a bit / slightly少しa little older
✕ veryvery 単独では比較級に使えない(very much なら可)✕ very taller

even / still は「比べる相手も、もともと〜だ」という含みがある

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even taller

「(もともと背が高い)Ken よりさらに高い」。比べる相手も高いことが前提。

Ken is tall, but his brother is even taller.

much taller

「ずっと高い」。差が大きいことだけを言う。相手が高いかどうかは言わない。

My brother is much taller than me.

名詞の数・量が「もっと多い」ときは要注意。数えられる名詞 なら many more books、数えられない名詞 なら much more money。more の前の強調語は、後ろの名詞で決まります。

ひっかけ注意:much more books は✕

more books の more は many の比較級。だから強めるのも many。much more books は「much と many の取り違え」。

less + 原級 は「より少なく〜」= not as ~ as。This test was less difficult than the last one.(前ほど難しくなかった)。数えられる名詞には本来 fewer(fewer mistakes)、数えられない名詞に less(less time)を使います。

ちょっと脱線:less people は間違い?

学校文法では less + 数えられる名詞は✕で fewer が正解。ただ実際の会話やスーパーのレジ表示(10 items or less)などでは less もよく見かけます。入試は fewer を選べばOK。「現実の英語はゆるいけれど、試験はルールどおり」と分けて考えるのがコツ。

差を数字で言うときは2通り。差 + 比較級(three years older)か、比較級 + by + 差(older by three years)。by は「〜の差で」の by です。

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  • This phone is much lighter than my old one.
    このスマホは前のよりずっと軽い。
  • It's cold today, but it will be even colder tomorrow.
    今日も寒いが、明日はさらに寒くなる。
  • My sister is three years older than I am.
    姉は私より3つ年上だ。
  • Our team lost by two points.
    うちのチームは2点差で負けた。(差の by は比較級以外でも使う)
  • I made fewer mistakes than last time.
    前回よりミスが少なかった。
超絶テク:「very 検出器」

比較級の前の空所に very がある選択肢は、原則すべて捨てる。比較級の強調は「マッチ・ファー・イーブン・スティル・ア・ロット」。

なぜ効く? very は「状態の度合い」を強める語で、比較級が表す「差」を強める機能を持たない。差を測るのは much(量)や far(距離)など、量や距離の語。

確認問題 My brother is ( ) taller than I am.

06the がつく比較級:〜すればするほど/そのぶんだけ 応用

比較級に the がつく3つの場面
①the 比較級 of the two(2つのうちで〜なほう)②the 比較級 ~, the 比較級 …(〜すればするほど…)③all the 比較級 for / because ~(〜だからそのぶんいっそう)と none the 比較級 for ~(〜だからといって少しも…ない)。

  • Emma is the taller of the two sisters.
    Emma は姉妹2人のうち背が高いほうだ。(2人の中で1人に決まるので the)

「the 比較級, the 比較級」は 〜すればするほど、ますます…。作るときは元の2つの文から「比較級(+名詞)」を the ごと文頭に引っこ抜きます。この“引っこ抜き”が並べ替え問題の核心です。

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語順の復元テク
  1. 元の2つの文を作る:You read many books. / You learn many words.
  2. 比べる語を比較級に:many books → more books / many words → more words
  3. the をつけて、比較級(+名詞)をまるごと節の先頭へ:the more books / the more words
  4. 残りは元の語順のまま:The more books you read, the more words you learn.
  • The more books you read, the more words you learn.
    本を読めば読むほど、多くの単語を覚える。(the more books でひとかたまり)
  • The older we grow, the weaker our memory becomes.
    年をとるほど記憶力は弱くなる。
  • The sooner, the better.
    早ければ早いほどいい。(S V の省略形)
ひっかけ注意:形容詞を置き去りにしない

more difficult は2語で1つの比較級。the のすぐ後に 形容詞ごと 持ってくる。

比較級 and 比較級 は「ますます〜」。It's getting colder and colder. more 型は more and more interesting(✕ more interesting and more interesting)。変化を表す get / become / grow と相性抜群。

all the 比較級 for 名詞 / because S V は「〜だから、そのぶんだけいっそう…」。none the 比較級 for 名詞 は「〜だからといって少しも…ない」。この the は冠詞ではなく「その分だけ」という副詞です。

形意味例
all the 比較級 for 名詞〜のためにいっそう…I like him all the better for his honesty.
all the 比較級 because S V〜なのでいっそう…I studied all the harder because I had failed once.
none the 比較級 for 名詞〜だからといって少しも…ないHe is none the wiser for his mistakes.
none the worse for 名詞〜でも少しも悪くなっていない(無事だ)The car was none the worse for the crash.
so much the betterそれならなおさらいいIf it's free, so much the better.

all は強め(なくてもよい)。none は「差ゼロ」=少しも〜ない

ザ・ぶん(the=そのぶん)

比較級の前の the は「その分だけ」。the more, the better は「その分だけ多く、その分だけ良く」。all the better for ~ は「〜の分だけいっそう良く」。the を見たら「ぶん」と読みかえると全部つながる。

ちょっと脱線:この the は冠詞じゃない

the more ~, the better … の the は、古英語の指示詞(「その」を表す語)の「具格」(「〜によって・その分だけ」を表す語形)から来たと説明されます。見た目は冠詞の the と同じになってしまったけれど、働きは「程度を示す副詞」。だから名詞がなくても the がつけられるんです。

確認問題 ( ) you study, the better your grades will be.

07ラテン比較と「比べる相手をそろえる」ルール 応用

superior(〜より優れた)などは、もともとラテン語の比較級。英語に入ってきてからも「比較級の心」を持ったままなので、than ではなく to を使います。

語意味例
be superior to AAより優れているThis model is far superior to the old one.
be inferior to AAより劣っているCheap earphones are often inferior to expensive ones.
be senior to AAより年上・地位が上She is two years senior to me.
be junior to AAより年下・地位が下He is junior to me in the club.
prior to AAより前にPlease arrive prior to the meeting.
prefer A to BBよりAを好むI prefer tea to coffee.
be preferable to AAより好ましいWalking is preferable to driving here.

-or で終わるラテン比較語(上の5語)+ to。※major / minor も語源はラテン比較級だが、今は比較の意味で to をとらない。prefer も「前に(pre)置く」という比較の心を持つので to

ひっかけ注意:more superior / superior than は✕

superior 自体が比較級なので more はつけない。強めるなら much / far superior。than も✕で to。

  • She is my senior by two years.
    彼女は私より2歳年上だ。(= She is two years senior to me. = She is two years older than me.)
  • I prefer walking to taking the bus.
    私はバスに乗るより歩くほうが好きだ。(prefer A to B の A と B は同じ形(動名詞どうし))
  • I prefer to walk rather than take the bus.
    バスに乗るより歩きたい。(不定詞なら prefer to do rather than (to) do)

もう1つの大事なルールが「比べる相手をそろえる」。人口は人口と、値段は値段と比べる。The population of Tokyo is larger than Osaka. だと「東京の人口」と「大阪(という街)」を比べてしまっています。

The populationS of TokyoM isV largerC than that of OsakaM.

東京の人口は大阪の人口より多い。
that of ~(単数・数えられない名詞)

前の名詞が単数なら that でくり返す。that = the population。

The climate of Tokyo is milder than that of Sapporo.

those of ~(複数名詞)

前の名詞が複数なら those。those = the ears。

The ears of a rabbit are longer than those of a cat.

所有格で比べるときは 所有代名詞(mine, yours のように1語で「〜のもの」を表す語)や「's」で止めます。My bike is newer than Ken's.(Ken's = Ken's bike)。than Ken だと「自転車 vs Ken」になってしまいます。

超絶テク:than / as の直後チェック

than や as の直後を見たら「前の主語と同じ種類のモノ?」と自問。人口 vs 都市、耳 vs 猫、自転車 vs 人ならアウト → that of / those of / 's を入れる。正誤問題はこれだけで1問取れる。

なぜ効く? 比較は「同じ物差しで測れるものどうし」でしか成り立たない。英語は省略が多いぶん、何と何を比べているかを形で明示しないといけない。

リンゴはリンゴと、耳は耳と

英語にも apples and oranges(比べられないもの同士)という言い方がある。比較するときはリンゴ vs リンゴ。人口 vs 人口、耳 vs 耳。そろっていなければ that / those を足す。

確認問題 The price of this laptop is higher than ( ) of that one.

確認問題 My hair is longer than ( ).

08最上級:the + 最上級 + in / of、強調、「〜でさえ」 標準

最上級は「3つ以上の中で1位」。基本は the + 最上級 + in / of ~。1位は1つに決まるから the がつきます。

in + 範囲(入れ物)of + 仲間(中身)
in Japan / in the worldof the three / of the four
in my class / in our teamof all (the students)
in my familyof the four seasons
in this townof us / of them

in の後は場所や集団を1つのまとまりとして見る単数名詞、of の後は複数のメンバー

超絶テク:in か of か、秒速判定

後ろの名詞が「1つの入れ物」(class, Japan, team)なら in、「複数の中身」(the three, all, us)なら of。数字や all が見えたら of。※ただし the hottest month of the year / the best day of my life のように「期間」は of が定番。

なぜ効く? in は「中に」、of は「〜のうちの」。範囲を示すか、メンバーの集合を示すかの違いがそのまま出ている。

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one of the + 最上級 + 複数名詞
「最も〜なものの1つ」は one of the best players。「1つ」を選ぶ母集団なので名詞は 必ず複数形。✕ one of the best player。

最上級の強調は by far / much / the very。by far the best(断トツで1位)、the very best(まさに最高の)。very は「the very + 最上級」の語順でだけ使えます。

  • This is by far the best ramen in town.
    ここは町で断トツにおいしいラーメンだ。
  • She is the very best player on our team.
    彼女はチームでまさに最高の選手だ。
  • It was one of the most exciting games I've ever seen.
    今まで見た中で最も興奮した試合の1つだった。
  • The richest man in the world cannot buy time.
    世界一の金持ちでさえ時間は買えない。(最上級で「〜でさえ」)

最上級は「〜でさえ」と訳すことがある
The wisest man can make mistakes. は「最も賢い人でも間違えることがある」。1位の人でさえ〜なのだから、他の人はなおさら、という 譲歩(「〜でも」といったん認めてから、逆の内容を続ける言い方)のニュアンス。even を補って訳すと自然です。

the がつかない最上級もあります。①同じ人・物の中での比較:The lake is deepest at this point.(この湖はこの地点でいちばん深い)②副詞の最上級は the を省略可:Ken runs (the) fastest in our class. ③所有格:my best friend ④a most / most = very:a most beautiful view(とても美しい景色)。

the most beautiful

「いちばん美しい」(他と比べて1位)。

This is the most beautiful view in Japan.

a most beautiful

「とても美しい」(比べていない。very と同じ)。やや硬い言い方。

It was a most beautiful sunset.

ひっかけ注意:most と most of the

Most students(たいていの生徒)、Most of the students(その生徒たちの大部分)。the がつく特定集団なら most of が必要。✕ Most of students は入試頻出のワナ。

確認問題 Yuki is the fastest runner ( ) all the members.

09原級・比較級で「最上級の意味」を出す+at best / make the most of 応用

「富士山は日本一高い」は最上級だけでなく、原級や比較級でも言えます。書きかえ問題の超定番なので、5つの形をセットで持っておきましょう。

型英文
最上級Mt. Fuji is the highest mountain in Japan.
比較級 than any other 単数名詞Mt. Fuji is higher than any other mountain in Japan.
比較級 than all the other 複数名詞Mt. Fuji is higher than all the other mountains in Japan.
No other 単数名詞 ~ 比較級 thanNo other mountain in Japan is higher than Mt. Fuji.
No other 単数名詞 ~ as 原級 asNo other mountain in Japan is as high as Mt. Fuji.

全部「富士山は日本でいちばん高い山だ」。any other / no other の後は単数、all the other の後は複数

型英文
Nothing is 比較級 than ANothing is more important than health.
Nothing is as 原級 as ANothing is as important as health.
A is 比較級 than anything elseHealth is more important than anything else.
人なら nobody / anyone elseNobody in our class runs faster than Ken. / Ken runs faster than anyone else in our class.

主語が「物」なら nothing / anything else、「人」なら nobody (no one) / anyone else

超絶テク:any other の後ろは単数・自分は除く

any other / no other の直後は 単数名詞。any と other はセットで「自分以外のどの1つと比べても」。other を落とすと「自分自身とも比べる」ことになり理屈が崩れる。

なぜ効く? 比較級は「AとBの2者比較」なので、相手を1つずつ取り出す any + 単数になる。other は「比べる自分を除外する」ための語。

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経験を使った言いかえもよく出ます。This is the most beautiful sunset I have ever seen. = I have never seen a more beautiful sunset (than this). = I have never seen such a beautiful sunset. 「見たことがないほど」→「いちばん」。

表現意味例
at (the) bestせいぜい・よくてもWe'll finish third at best.
at (the) most多くても・せいぜい(数量の上限)It will take an hour at most.
at (the) least少なくともYou should sleep at least seven hours.
at (the) latest遅くともHand it in by Friday at the latest.
at (the) worst最悪の場合でもAt worst, we'll have to wait an hour.
make the most of AA(好条件)を最大限に活かすMake the most of your summer vacation.
make the best of AA(悪条件)でなんとか最善を尽くすWe made the best of the rainy day.

at + 最上級は「限度」。most(量の上限)と best(出来の上限)は使い分ける

make the most of

チャンス・時間・才能など「良いもの」を最大限に活用する。

Make the most of every chance you get.

make the best of

雨・狭い部屋・不利な状況など「悪いもの」を、それなりに最善に使う。

The room was tiny, but we made the best of it.

  • Time is more precious than anything else.
    時間は何よりも貴重だ。
  • No other student in my class is as tall as Yuki.
    クラスで Yuki ほど背の高い生徒はいない。
  • I have never tasted a better curry than this.
    これよりおいしいカレーは食べたことがない。
  • There were fifty people there at most.
    そこにいたのは多くても50人だった。
ひっかけ注意:No other の後ろの名詞も単数(入試)

No other students are ... も英語としては使われますが、入試の「最上級の書きかえ」では No other + 単数名詞 + is の形が標準。選択肢に両方あれば単数を選ぶ。

確認問題 Mt. Fuji is higher than any ( ) in Japan.

10no more than 4兄弟・much less・know better than to 難関

数字の前の no more than / no less than / not more than / not less than。4つそっくりで混乱しがちですが、no は「差がゼロ」、not は「〜ではない(範囲)」 という1点さえ押さえれば全部ほどけます。

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表現言いかえ意味気持ち
no more than 3only 3たった3少ない!
no less than 3as many (much) as 33も多い!
not more than 3at most 3多くても3(3以下)上限を言うだけ
not less than 3at least 3少なくとも3(3以上)下限を言うだけ

no = 差ゼロ+気持ち、not = 範囲

なぜ no more than が「たった」になるのか
no more than 1,000 yen は「1,000円より多い度合いが ゼロ」。差がゼロだから金額はぴったり1,000円。そのうえで more(多い)を no で打ち消しているので、「多くなんかない=たったの」という気持ちがのります。no less than は逆に「少なくなんかない=〜も」。

ノーは気持ち、ノットは範囲

no more / no less は「たった!」「〜も!」と気持ちを叫ぶ。not more / not less は「〜以下」「〜以上」と範囲を冷静に言う。no はノリ、not は数学。

  • The concert ticket cost no more than 1,000 yen.
    コンサートのチケットはたった1,000円だった。
  • She has no less than five cats.
    彼女は猫を5匹も飼っている。(数えられる名詞には no fewer than も使える)
  • Not more than 30 people can join the tour.
    ツアーに参加できるのは多くても30人だ。
  • You need not less than 60 points to pass.
    合格には少なくとも60点必要だ。
ちょっと脱線:実際の英語の no more than

学校文法では no more than = only(たった)ですが、実際の英語では「上限」の意味でも広く使われます。試験の指示文 Answer in no more than 50 words.(50語以内で答えよ)がその代表。「気持ちがのる(たった)」のは、文脈が「少ない」と言いたいときです。入試の4択では「no =気持ち、not =範囲」の区別で解けば問題ありません。

否定文の後ろにつく much less / still less は「ましてや〜ない」。I can't ride a bike, much less drive a car.(自転車にも乗れない、ましてや車の運転なんて)。同じ意味の let alone も頻出です。肯定文の後の much more / still more(ましてや〜だ)は古めかしく、今はあまり使いません。

know better than to do は「〜するほど愚かではない」。直訳は「〜するよりもよく分かっている」。You should know better than to use your phone while walking.(歩きスマホなんてしないくらいの分別はあるはずだ)。

more or less は「だいたい・ほぼ」。no longer = not ~ any longer = not ~ any more は「もはや〜ない」。I no longer live in Osaka. = I don't live in Osaka any longer.

表現意味例
much less / still less(否定の後で)ましてや〜ないHe can't read hiragana, much less kanji.
let aloneましてや〜ない(同上)I don't have time to eat, let alone cook.
know better than to do〜するほど愚かではないI know better than to trust him.
more or lessだいたい・多かれ少なかれThe work is more or less finished.
no longer / not ~ any longerもはや〜ないHe is no longer a child.
sooner or later遅かれ早かれSooner or later, you'll understand.
ひっかけ注意:much less と much more の取り違え

前が否定文なら much less。「ましてや〜ない」は否定をさらに重ねるので「より少なく」の less、と覚える。

確認問題 The ticket cost me ( ) 500 yen. It was a real bargain!

11くじらの構文:A is no more B than C is D 難関

先生いきなりだけど、くじらって魚?

生徒え、漢字は魚へんだし……いや、哺乳類でした。

先生正解。肺で息をして、子どもをお乳で育てる。見た目は魚っぽいけど魚じゃない。

生徒それが英文法と何の関係が?

先生この「くじらは魚じゃない」を、英語は “比較” を使って最高にキザに言えるんだ。それが今日の主役、くじらの構文。

A whale is no more a fish than a horse is. ──これが「くじらの構文」です。訳は 「くじらが魚でないのは、馬が魚でないのと同じだ」。than の後ろは肯定文なのに、訳すと 両方とも否定 になるのがミソ。

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シーソーで考える
no more ~ than は「くじらが魚である度合い」と「馬が魚である度合い」をシーソーに乗せて、差がゼロ(no) と言っています。馬が魚である度合いは誰が見てもゼロ。それと釣り合っているのだから、くじらが魚である度合いもゼロ。つまり「どっちも魚じゃない」。

A whaleS isV no moreM a fishC than a horse is (a fish)M.

くじらが魚でないのは、馬が魚でないのと同じだ。
くじらの構文の訳し方
  1. no more ~ than の文を見つけたら、than の後ろ(C is D)を確認する
  2. C is D が「明らかにありえないこと」なら、くじらの構文
  3. 両方を否定で訳す:「AがBでないのは、CがDでないのと同じだ」
  4. 言いかえ:A is not B any more than C is D. / A is not B, just as C is not D.
no more ~ than(両方否定)

「AがBでないのはCがDでないのと同じ」。than の後ろに「ありえないこと」が来る。

A whale is no more a fish than a horse is.

no less ~ than(両方肯定)

「CがDであるのと同様にAもBだ」。than の後ろに「当然のこと」が来る。

A whale is no less a mammal than a horse is.

  • I am no more a genius than you are.
    あなたが天才でないのと同様、私も天才ではない。
  • You can no more master English without practice than you can learn to swim without getting wet.
    練習なしで英語を身につけられないのは、水に濡れずに泳ぎを覚えられないのと同じだ。
  • A whale is not a fish any more than a horse is.
    くじらが魚でないのは、馬が魚でないのと同じだ。(no more = not ~ any more の分解形)
  • Emma is no less talented than her sister (is).
    Emma は姉に劣らず才能がある(姉と同じく才能がある)。
ひっかけ注意:than の後ろを肯定で訳したら負け

than a horse is を「馬がそうであるより」と訳すとぐちゃぐちゃになる。no more ~ than を見たら、than の後ろにも 心の中で not を入れて訳す。

超絶テク:「ありえない」検出でくじら判定

no more ~ than の than の後ろが「馬が魚」「石が泳ぐ」「猫が空を飛ぶ」のような ありえないこと なら、くじらの構文と見てまず間違いない。両方に×をつけて訳す。no less ~ than で後ろが「当然のこと」なら、両方に○をつける。

なぜ効く? この構文は「誰でも否定する明白な例」を物差しにして、主張したい方も同じ(ゼロ)だと言う論法。物差しがありえないほど、主張も強く否定される。

ひっかけ注意:no more than + 数字と見分ける

no more than の直後が 数字 なら「たった」(前のレッスン)。no more than a child のように直後が名詞なら「ほんの〜にすぎない」。no more と than の間に 名詞や形容詞 がはさまり、than の後ろに S V があればくじらの構文。

くじらも馬も、魚じゃない

no more ~ than は「くじらも馬も魚じゃない」の両方否定。no less ~ than は「くじらも馬も哺乳類」の両方肯定。no more = ✕✕、no less = ○○。

確認問題 A bat is no more a bird than a mouse is. の意味として最も適切なものを選べ。

12難関大の差がつく比較&ネイティブの比較感覚 超難関

最後は、知っているだけで一気に周りを抜ける上級ポイント。どれも「理屈」がわかれば忘れません。

同じ人の2つの性質を比べる more A than B
「Ken は失礼というより内気なのだ」は Ken is more shy than rude.。1人の中の2つの性質を比べるときは、短い形容詞でも -er にせず more A than B。✕ shyer than rude。ここの more は shy の程度を上げているのではありません。「rude と言うより shy と言ったほうが当たっている(rather)」という“言葉選びの比較”なので、形容詞そのものは -er にしないのです。

  • Ken is more shy than rude.
    Ken は失礼というより内気なのだ。
  • The story was more sad than scary.
    その話は怖いというより悲しかった。
  • Her success was due more to hard work than to luck.
    彼女の成功は運というより努力のおかげだった。

the last ~ to do は「最も〜しそうにない」。He is the last person to break a promise. 直訳は「約束を破る人の列の最後尾」→「約束を破るような人では決してない」。否定語がないのに強い否定になる表現で、否定の単元でも主役級です。

as ~ as の二義性(1つの文が2通りの意味に読めること)。I love my dog as much as my sister. は2通りに読めます。①姉が犬を愛しているのと同じくらい(my sister = 主語の比較)②姉を愛しているのと同じくらい(my sister = 目的語の比較)。はっきりさせたいときは as my sister does(①)/ as I love my sister(②)と動詞まで書きます。

IS loveV my dogO as muchM as接続詞 my sisterS (does)V.

①姉が犬を愛しているのと同じくらい、私は犬を愛している。

IS loveV my dogO as muchM as接続詞 (I)S (love)V my sisterO.

②姉を愛しているのと同じくらい、私は犬を愛している。

否定+比較級=最上級(ネイティブ頻出)
I couldn't agree more. は「これ以上賛成することはできない」→「大賛成!」。It couldn't be better. は「最高」。Nothing could be further from the truth. は「真実からこれ以上遠いものはない」→「全くの誤りだ」。否定+比較級で「上限いっぱい」を言う、会話の決め台詞です。

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More than one + 単数名詞 は、意味は複数なのに 動詞は単数 で受けます。More than one student has asked me about it.(1人ではなく何人もの生徒が尋ねてきた)。直後の名詞 one student に動詞が引っぱられるからです。

than の後ろの省略にも慣れておきましょう。than expected(予想より)、than usual(いつもより)、than necessary(必要以上に)、than ever(これまでになく)。The exam was easier than (I had) expected. のように S V が丸ごと消えています。

ちょっと脱線:最上級 + possible / imaginable

the best possible way(考えうる最高の方法)のように、最上級の後に possible / imaginable を置くと「ありうる限りの」と強まります。the best way possible の語順も使われます。英作文で使うと一段上の表現に見えます。

確認問題 Ken is more ( ) than rude; he just doesn't talk much.

確認問題 "How's your new part-time job?" "It ( ) be better. I love it!"

瞬間英作文チャレンジ

日本語を見て、3秒で英語にして声に出す。カードをタップすると答えが出ます。

超絶テク

as の外に何があるかで倍数を即決 標準

倍数(twice / three times / half)は必ず1つ目の as の前。選択肢に as twice ~ as や twice ~er as があれば即消去。

なぜ効く? 倍数は「as ~ as 全体」にかかる副詞。as ~ as でひとまとまりの“物差し”を作り、その外から何倍かを指定するので、内側には入れない。

three times as large as(○) / as three times large as(✕)

very 検出器 基礎

比較級の直前の空所に very があれば捨てる。比較級は much / far / even / still / a lot、最上級は by far / much / the very。

なぜ効く? very は「状態の強さ」を強める語。比較級が表す「差」は量や距離なので、量の much、距離の far で測る。

much taller(○) / very taller(✕)

many more か much more かは「後ろの名詞」で決める 応用

more の後ろに数えられる名詞の複数形 → many more、数えられない名詞 → much more、名詞なし(形容詞・副詞)→ much more。

なぜ効く? more books の more は many の比較級、more money の more は much の比較級。元の語(many / much)で強めるのが筋。

many more books / much more money / much more difficult

the 比較級 の並べ替えは「頭デッカチ」 応用

the の直後に「比較級+(名詞)」を丸ごと置き、その後に S V を元の語順で並べる。the more difficult it is / the more books you read。

なぜ効く? the 比較級 は疑問詞(how difficult)と同じく、修飾する語ごと文頭へ移動する。how difficult it is と同じ語順になる。

The more difficult the question is, the harder I try.

than / as の直後の「種類チェック」 応用

than / as の直後の名詞が、主語と同じ種類か確認。違えば that of / those of / 所有格's が抜けている。

なぜ効く? 比較は同じ物差しで測れるもの同士でしか成立しない。人口と都市、耳と動物は比べられない。

The ears of a rabbit are longer than those of a cat.

ラテン比較は -or + to 応用

superior / inferior / senior / junior / prior の後は to。than の選択肢は即消去。prefer A to B も同じ仲間。

なぜ効く? これらはラテン語の比較級を借りた語で、英語の than の仕組みには乗らない。「〜に対して」の to で相手を示す。

far superior to the old model

any other の後は単数・No other の後も単数 応用

比較級 + than any other +単数名詞 / No other +単数名詞 + is。入試では複数形の選択肢は捨てる。

なぜ効く? 比較級は2者比較。「ほかのどの1つと比べても」と相手を1つずつ取り出すので単数になる。

higher than any other mountain in Japan

no は気持ち、not は範囲 難関

no more than = only(たった)、no less than = as many / much as(〜も)、not more than = at most(〜以下)、not less than = at least(〜以上)。

なぜ効く? no +比較級は「差がゼロ」を表し、打ち消された方向と逆の気持ち(多くない→たった)がのる。not は単に「〜を超えない/下回らない」という範囲の否定。

no more than 500 yen = only 500 yen

くじら判定:than の後ろが「ありえない」なら両方否定 難関

no more A than B の B がありえない内容なら、A も B も否定で訳す。no less なら両方肯定。

なぜ効く? 明白にゼロのものと「差がゼロ」と言うことで、主張したい方もゼロだと示す論法。基準が明白なほど主張が強まる。

I am no more a genius than you are.(あなた同様、私も天才ではない)

同一人物の2性質は more A than B 超難関

1つの主語の2つの性質を比べる文なら、短い形容詞でも -er にしない。more shy than rude。

なぜ効く? ここの more は「〜と言うほうが正確だ(rather)」という意味の副詞。形容詞そのものの程度を比べていないので、-er 形は使えない。

Ken is more shy than rude. = Ken is shy rather than rude.

as ~ as possible ⇔ as ~ as S can 標準

主語をコピーし、時制に合わせて can / could を選ぶだけで機械的に書きかえられる。

なぜ効く? possible は主語と時制をぼかした形、S can は具体化した形。情報を足すだけで意味は変わらない。

I ran as fast as possible. → I ran as fast as I could.

語呂・暗記フック

マッチ・ファー・イーブン・スティル・ア・ロット(ベリーは入れない)比較級を強める語

much, far, even, still, a lot をリズムで唱える。very はパーティーに呼ばれていない、と覚えると very taller のワナに引っかからない。

倍数は前に立つ見張り番倍数表現の語順

twice / three times / half は as ~ as の門の外に立つ見張り番。門の中(as と as の間)には入れない。

ザ・ぶん(the=そのぶん)the 比較級 の the

比較級の前の the は「その分だけ」。the more, the better =「その分多く、その分良く」。all the better for ~ =「〜の分だけいっそう」。

オア(-or)にはトゥー(to)ラテン比較

superior / inferior / senior / junior / prior の5語は -or で終わる比較語で、後ろは to。「オアにはトゥー」と語尾で反応する(major / minor は例外で to をとらない)。

ノーは気持ち、ノットは範囲no more than / no less than / not more than / not less than

no more は「たった!」、no less は「〜も!」と叫ぶ気持ち。not more は「以下」、not less は「以上」と冷静な範囲。

くじらも馬も、魚じゃないくじらの構文

no more ~ than は両方否定。no less ~ than は「くじらも馬も哺乳類」で両方肯定。モアでバツバツ、レスでマルマル。

ノット・ソー・マッチ、軍配はBにnot so much A as B

AというよりむしろB。勝つのは後ろの B。rather than で言いかえるときは B rather than A と順番が逆になるので注意。

アザー(other)がいないと自分と戦うthan any other +単数名詞

Fuji is higher than any mountain in Japan だと富士山が富士山自身とも比べられてしまう。other が「自分を除外」してくれる。

リンゴはリンゴと、耳は耳とthat of / those of

比べる相手の種類をそろえる。単数なら that of、複数なら those of。

ひっかけ図鑑

very で比較級を強める

very taller / very more は✕。比較級の強調は much / far / even / still / a lot。

✕ My brother is very taller than me.

○ My brother is much taller than me.

倍数を as の中に入れる

倍数は1つ目の as の前。as twice ~ as は語順ミス。

✕ This park is as twice large as that one.

○ This park is twice as large as that one.

比較対象のズレ

人口と都市を比べてしまうミス。単数なら that of、複数なら those of で相手をそろえる。

✕ The population of Tokyo is larger than Osaka.

○ The population of Tokyo is larger than that of Osaka.

superior than

ラテン比較は to。more superior も✕(superior 自体が比較級)。

✕ This model is more superior than that one.

○ This model is far superior to that one.

any other + 複数名詞

any other / no other の後は単数名詞。

✕ He is taller than any other boys in his class.

○ He is taller than any other boy in his class.

much more + 数えられる名詞

数えられる名詞の複数形の前は many more。

✕ She has much more friends than I do.

○ She has many more friends than I do.

the 比較級で形容詞を置き去り

the more difficult のように形容詞ごと文頭へ。

✕ The more it is difficult, the more I enjoy it.

○ The more difficult it is, the more I enjoy it.

no more than と no less than の逆転

「たった」は no more than、「〜も」は no less than。文脈の「安い!」「多い!」から判断する。

✕ It was a bargain: it cost no less than 300 yen.

○ It was a bargain: it cost no more than 300 yen.

同一人物の比較で -er

1人の2つの性質を比べるときは more A than B。

✕ He is shyer than rude.

○ He is more shy than rude.

one of the + 最上級 + 単数名詞

「〜の1つ」は複数の中から選ぶので名詞は複数形。

✕ She is one of the best player on the team.

○ She is one of the best players on the team.

生徒のギモン

as ~ as の1つ目の as と2つ目の as は、何が違うんですか?

1つ目の as は「同じくらい」という程度を表す副詞で、後ろの形容詞・副詞を修飾します。2つ目の as は「〜と比べて」という接続詞で、後ろに比べる相手の文(S V)が続きます。重なる部分が省略されるので、as his father だけに見えるわけです。than も同じ仕組みの接続詞です。

not as ~ as が「同じではない」じゃなくて「〜ほど…ない」になるのはなぜ?

as ~ as は厳密には「少なくとも同じ(≧)」という意味だからです。「≧」を否定すると「<」になる。だから Ken is not as tall as his father. はふつう「Ken の方が低い」と読みます。「父より高い」可能性は、この形の意味には含まれていないんです(「いや、もっと高いよ」と言い返すような特別な文脈は別)。

than の後は I と me のどっちが正しいんですか?

学校文法では than I (am) が正式で、than は接続詞だから主格、と説明します。一方、会話では than me がごくふつうに使われ、than を前置詞のように扱っています。入試の4択では後ろに動詞があるなら主格(than I do)、英作文では than I am / than I do と動詞まで書くのが一番安全です。

比較級の前に the がつくのはどんな時?

①「2つのうち〜なほう」と1つに決まるとき(the taller of the two)②the 比較級 ~, the 比較級 …(〜すればするほど)③all the 比較級 for / none the 比較級 for(その分だけ)。②③の the は冠詞ではなく「その分だけ」という副詞の働きです。

くじらの構文って、実際のネイティブも使うんですか?

くじらの例文そのものは教科書的ですが、no more ~ than の型は書き言葉や演説で使われます。会話では A is not B any more than C is D. や just as C is not D の形のほうが自然なことも多いです。読解で出たときに「両方否定」と即座に読めることが大事です。

最上級なのに the がつかないことがあるのはなぜ?

the は「他と比べて1つに決まる」ことを示します。The lake is deepest here. のように同じ物の中で場所を比べるときは、他の湖と比べていないので the をつけません。また a most beautiful view の most は「とても」の意味で、比べていないので the ではなく a がつきます。

prefer A to B の to は前置詞? 不定詞の to とまぎらわしいです。

prefer A to B の to は前置詞です。だから B に動詞を置くなら動名詞:prefer walking to driving。一方「〜するほうが好き」を不定詞で言うなら prefer to walk rather than (to) drive。to の後ろが名詞・動名詞なら前置詞、原形なら不定詞と見分けます。

超絶おもしろコラム

good の比較級はなぜ gooder じゃないのかbetter と best は、実は good とは「別の家」から養子に来た単語です。

tall → taller → tallest、fast → faster → fastest。こんなに素直なルールがあるのに、いちばんよく使う good だけが better → best と別人のように変身します。bad → worse → worst、many → more → most、little → less → least も同じ。なぜ一番大事な単語ほどルールを守らないのでしょうか。

じつは better / best は、もともと good とは語源の違う単語だったとされます。古い英語には「良い」を表す系統がいくつかあり、そのうち原級では good の系統が、比較級・最上級では bet- の系統が生き残りました。別々の単語の形が、1つの単語の変化表の中で合体してしまったわけです。言語学ではこれを「補充法(suppletion)」と呼びます。go の過去形が went なのも同じ現象で、went はもともと wend(進む)という別の動詞の過去形でした。

この bet- の仲間は、to boot(おまけに・そのうえ)という熟語の boot(利益・足し)とつながっていると説明されます。「足しになる」→「より良い」という発想です。靴のブーツとは別の語なので、混同しないでくださいね。

補充法は英語だけのものではありません。ラテン語でも「良い」は bonus、「より良い」は melior、「最も良い」は optimus と、まるで別の単語です。bonus(ボーナス=良いもの)、optimist(楽観主義者)、optimum(最適)といった英単語は、この変化表のかけらです。フランス語の bon → meilleur も同じ仲間です。

ではなぜ、よく使う単語ほど不規則になるのでしょう。有力な説明は「使用頻度」です。めったに使わない単語は、話し手が形を忘れて規則どおりに作り直してしまいます(その結果、規則形にそろっていく)。一方、毎日何百回も口にする単語は、不規則な形のまま丸ごと記憶され、世代を超えて受け継がれます。be動詞(am / is / are / was / were)が英語でいちばん不規則なのも、いちばんよく使う動詞だからだと考えられています。

小さな子どもが「gooder」や「goed」と言い間違えるのは、実はルールをちゃんと学んでいる証拠です。規則を見つけて、例外にまで当てはめてしまう。やがて耳から何度も better や went を聞いて、例外を上書きしていきます。つまり不規則変化を覚える近道は、子どもと同じく「何度も声に出して、丸ごと聞き慣れる」こと。good-better-best、bad-worse-worst を3拍子で口ずさめるようになれば、もう間違えません。

「3倍大きい」は3倍か、4倍かthree times larger than は、英語のネイティブの間でも時々ケンカになる表現です。

The new stadium is three times larger than the old one. この文、あなたなら何倍と読みますか? たいていの人は「3倍の大きさ」と読みます。ところが理屈っぽい人はこう反論します。「larger than は“差”を言う形だ。旧スタジアムより“3倍ぶん”大きいなら、1+3で4倍じゃないか」。

実際、英語の辞書や語法の解説でもこの表現は「あいまいになりうる」として注意されることがあります。日常の英語では three times larger than = three times as large as として使われるのがふつうで、ほとんどの場面で問題は起きません。でも、科学のレポートや契約書のように数字の正確さが命の文書では、誤解を避けるために three times as large as や three times the size of を使うのが無難とされます。

この問題がもっとややこしくなるのがパーセントです。「100% larger」は「2倍」でしょうか、それとも……? 「100%増し」なら元の100に100を足して200、つまり2倍です。では「300% larger」は? 素直に計算すれば4倍ですが、「3倍」のつもりで書かれている文章も見かけます。数字の世界では、比較級+倍数はまさに地雷原なのです。

逆に、1.5倍のようなハンパな倍数は one and a half times as large as と言えます。英語には half again as large as(さらに半分ぶん大きい=1.5倍)という言い方もあります。

入試の世界では話はシンプルです。倍数は「倍数+as ~ as」か「倍数+the 名詞 of」が正解。twice as many / three times the size of の形を体にしみこませておけば、読むときも書くときも迷いません。そしてもし英作文で「3倍大きい」と書きたくなったら、あえて larger than を避けて as large as を選ぶ。それが、ネイティブの論争を横目にスマートに点を取る方法です。

日本語でも「3割増し」と「3割に増えた」は大違い。数字と比較が組み合わさると、どの言語でも人はつまずきやすいのです。だからこそ、形で意味をはっきりさせる英語の倍数表現は、覚える価値があります。

広告の比較級は than を隠す「もっと白い歯へ!」──いったい何より白いのでしょうか。

Whiter teeth! Now with more flavor! Faster than ever! 英語圏の広告には比較級があふれています。でも、よく見るとおかしなことに気づきます。than の後ろがないのです。何より白いのか、何よりおいしいのか、どれくらい速いのか。肝心の比べる相手が書かれていません。

これは言語学や広告論で「比較の対象が宙ぶらりんの比較級」として、よく話題にされる手法です。than 以下を隠すと、読み手は勝手に「ライバル商品より」「今までのどの商品より」と都合よく補ってくれます。ところが実際は「以前の自社製品より」だったり、「何も使わないより」だったりするかもしれません。書き手は嘘をついていないのに、読み手は大きく受け取る。比較級の省略が生む、ちょっとずるい魔法です。

日本の広告にも同じ仕組みがあります。「当社比」という小さな文字を見たことはありませんか。あれは than 以下をこっそり明かしているわけです。「当社比1.5倍」は「うちの前の商品と比べて1.5倍」という意味で、他社製品と比べてはいません。

文法の目で見ると、この広告は「than の後ろは文の省略」というルールの応用です。than we used to be、than before、than other brands……と、補える候補はいくらでもあります。省略は本来、言わなくても分かるときに使う技ですが、広告ではわざと分からなくしているのです。

逆に、入試の英文ではこの「省略」を読み手がきちんと復元できるかが試されます。The exam was easier than expected. なら than I had expected、Prices are higher than last year. なら than they were last year。than の後ろに何が隠れているかを意識するだけで、長文の比較の文がぐっと正確に読めるようになります。

次にテレビやネットで比較級の広告を見かけたら、心の中で「than what?」とつっこんでみてください。英文法の練習になるうえに、ちょっとだけ賢い消費者にもなれます。

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最終まとめ(暗記カード)

  1. 原級 as ~ as は「≧」。否定の not as / so ~ as は「〜ほど…ない(<)」
  2. 2つ目の as と than は接続詞。後ろに比べる相手の文が隠れている
  3. as + 形容詞 + a + 名詞 + as(as good a player as)
  4. 倍数は as の前:twice / three times / half as ~ as = 〜 times the size of
  5. as ~ as possible = as ~ as S can(時制をそろえる)
  6. as many as(〜も)/ as good as(〜も同然)/ not so much A as B(AというよりB)/ not so much as(〜さえしない)
  7. 比較級の強調は much / far / even / still / a lot(very は✕)。差は three years older / older by three years
  8. the 比較級 ~, the 比較級 …:比較級(+名詞・形容詞)を the ごと節の先頭へ
  9. all the 比較級 for(その分いっそう)/ none the 比較級 for(少しも〜ない)
  10. ラテン比較 superior / inferior / senior / junior / prior と prefer A to B は to
  11. 比較対象をそろえる:that of(単数)/ those of(複数)/ Ken's
  12. 最上級 in(範囲)/ of(仲間)。強調は by far / much / the very。「〜でさえ」の譲歩も
  13. No other +単数 ~ 比較級 than / than any other +単数 で最上級の意味
  14. no more than=only、no less than=as many as、not more than=at most、not less than=at least
  15. くじらの構文:no more ~ than は両方否定、no less ~ than は両方肯定
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