まずはこの3つ
- 脳の主なエネルギー源はブドウ糖。朝食で午前の活動を支える
- 甘い物は「少しずつ」。一度に大量は逆効果になりやすい
- 当日は食べ慣れた物を腹八分目。初めての物は試さない
脳はエネルギーの大食い
脳の重さは体重の約2%なのに、安静時に体が使うエネルギーの約2割を使うとされる(Raichle & Gusnard, 2002)。その主な燃料がブドウ糖(グルコース)。寝ている間も脳はエネルギーを使っていて、朝食は午前中の活動を支える。ただし、「たくさんとるほど頭が働く」わけではない。大事なのは量より、長い空腹を避け・急に上下させないこと。
おやつの使い分け表
| 食べ物 | 特徴 | 使いどころ | 注意 |
|---|---|---|---|
| ブドウ糖が主成分のラムネ | ブドウ糖そのものなので吸収が速い | 休み時間・試験前に数粒 | 原材料表示の最初が「ぶどう糖」の物を。一度に大量に食べない |
| チョコレート | 糖分+脂質。吸収の速さは製品による | 休み時間に1〜2かけ | 少量でも高カロリー。カフェインを少し含む |
| バナナ | 糖質・食物繊維・カリウム | 朝食・夕方の補食 | 持ち歩くと傷みやすい |
| おにぎり | 炭水化物が中心で腹持ちがよい | 昼食・塾の前の補食 | 具は食べ慣れた物を |
| ナッツ(素焼き) | 脂質・たんぱく質が中心 | 空腹しのぎの間食 | 量を決めて。アレルギーに注意 |
| ゼリー飲料 | 食欲がない時も口にしやすい | 朝・移動中 | これだけで食事を済ませない |
血糖値を急に上下させない食べ方5
甘い物を一度に多くとると血糖値が急に上がりやすい。少しずつが無難(食後の眠気の原因は血糖値だけではない)
- 1甘い物は少しずつラムネなら数粒、チョコなら1〜2かけ。小分け包装なら量を決めやすい。
- 2甘い飲み物をだらだら飲まない清涼飲料は糖分が多い物がある。勉強中は水・お茶を基本にする。
- 3主食を抜かないごはん・パンなどの主食は大事なエネルギー源。受験期の極端な糖質制限は避ける。
- 4野菜・たんぱく質と一緒に野菜や肉・魚・卵・大豆製品と組み合わせたり先に食べたりすると、食後の血糖値の上がり方がゆるやかになるという報告がある。
- 5長時間空腹にしない昼食から夕食まで間があく日は、おにぎりやバナナで補食する。
朝ごはん:抜かない・同じ時刻に4
- 1食べる習慣をつける研究をまとめた報告では、朝食は授業中の集中などに良い影響を示す研究が多い。ただし研究の質にはばらつきがある(Adolphus ほか, 2013)。
- 2最低ラインを決める時間がない日は、おにぎり・バナナ・ヨーグルト・牛乳のどれかだけでも口にする。
- 3本番と同じ時刻に朝の光と朝食は体内時計を整える助けになる。直前期は試験当日と同じ時刻に起きて食べる。
- 4食欲がない時は夜を見直す夜遅い食事や夜ふかしが、朝の食欲のなさにつながっていることがある。
試験当日の食べ方タイムライン5
- 1朝食試験開始の2〜3時間前までに、食べ慣れた物をふだんの量で。初めての物・脂っこい物は避ける。
- 2移動中・会場水かお茶を少しずつ。一度にたくさん飲むとトイレが気になる。
- 3試験前の休み時間おなかがすいていたら、ラムネ数粒やチョコ1かけ。食べなくて平気なら無理に食べなくてよい。
- 4昼食食べ慣れた物を腹八分目。揚げ物や量の多い物は消化に時間がかかる。傷みやすい物も避ける。
- 5午後の休み時間少量の補給と水分。満腹にしない。
編集部おすすめ「補給セット」
①ブドウ糖が主成分のラムネ(小袋)②小分けのチョコ ③水かお茶 ④食べ慣れたおにぎり。どれも模試の日に一度試して、自分の体に合うか確かめておく。会場の近くで買えるとは限らないので、常温で保存できる物は前日に用意。おにぎりなど傷みやすい物は当日に(市販品は表示の保存方法と期限を守る)。
栄養のよくある失敗6
- ✕試験直前に甘い物を一気に食べる○数粒・1〜2かけを少量血糖値の急上昇や胃の負担になりやすい
- ✕チョコを食べれば記憶力が上がる○糖分補給の手段の一つと考える受験生の記憶力を高めると言える確かな根拠はない
- ✕当日に初めてエナジードリンク○ふだんどおりの飲み物カフェインへの体の反応が読めない
- ✕朝食を抜いて眠気を防ぐ○軽くても朝食をとる空腹は集中を妨げやすい
- ✕昼食をおなかいっぱい食べる○腹八分目にする満腹は午後の眠気につながりやすい
- ✕「頭が良くなるサプリ」に頼る○ふだんの食事と睡眠を整える受験生への効果の確かな根拠は乏しい
持病・アレルギーのある人へ
このシートは一般的な情報で、医療上の助言ではない。糖尿病などで血糖値の管理をしている人、食物アレルギーのある人、体重や食事のことで悩んでいる人は、補給の仕方や食事の内容を主治医に相談する。カフェインのとりすぎは動悸や不眠の原因になり得るので、量にも気をつける。
確認テスト
- 1脳が安静時に使うエネルギーは、体全体のおよそ?正解は 2割。重さは約2%なのに約2割
- 2ラムネを選ぶ時に見るとよいのは?正解は 原材料表示の最初が「ぶどう糖」か。ブドウ糖が主成分の物を
- 3試験当日の昼食として良いのは?正解は 食べ慣れた物を腹八分目。満腹は眠気のもと
- 4勉強中の飲み物の基本は?正解は 水・お茶。甘い飲み物をだらだら飲まない
参考にした資料
栄養(チョコ・ラムネ)を一覧にまとめ、A4 2枚で印刷できる無料PDFにしました。Web版は赤シート・覚えたチェック・カード・4択テストつき。