まずはこの3つ
- つづりは「昔の発音」と「学者の見栄」の化石(knight・debt)
- 単語の意味は変わる:nice は元「無知な」、silly は元「幸せな」
- 頭字語の語源説(posh・tip・golf)はほぼ俗説と疑え
1つづりと文字のなぞ12
- knight / know★★★k は昔は発音していた中英語のころまで「クニヒト」のように読んだ。発音だけが先に変わった
- debt / doubt★★★b は一度も発音されていないフランス語由来の dette に、15〜16世紀ごろ学者がラテン語 debitum に似せて b を足した
- island★★★s は「勘違い」で入った古英語は igland。isle(ラテン語 insula)と関係があると誤解されて s が入った
- colonel★★★なぜ「カーネル」と読む?フランス語経由の発音 coronel と、イタリア語に合わせたつづり colonel が混ざった
- Wednesday★★★d を読まない曜日北欧の最高神ウォーデン(オーディン)の日。Woden's day の名残
- color / colour★★★米英でつづりが違う理由米国のウェブスターが辞書(1828年)で簡単な方のつづりを採用し広めた
- I★★★「私」はなぜいつも大文字?小文字1字の i は見落とされやすかったから、という説が有力
- ghoti★★★fish と読める?(言葉遊び)enough の gh+women の o+nation の ti。実際は位置の規則上そう読めない、つづりの皮肉
- &(ampersand)★★★名前は and per se and の変化アルファベットの最後に唱えた and per se and(それ自体で and)がなまった
- Xmas★★★X はキリストの頭文字ギリシャ語の「キリスト」の頭文字 Χ(カイ)。手抜きではない
- lb(pound)★★★なぜ lb でポンド?重さの単位を表すラテン語 libra の略。英国通貨の £ も同じ L から
- e.g. / i.e.★★★「例えば」と「すなわち」ラテン語 exempli gratia/id est の略。2つの取り違えは英作文の定番ミス
2語源で「へえ」:意味は旅をする15
- goodbye★★★元は「神があなたと共に」God be with ye の短縮。good day などにつられて God→good に
- nice★★★元の意味は「無知な」ラテン語 nescius(知らない)→「愚かな」→ 何百年もかけて「すてきな」に
- silly★★★元の意味は「幸せな」古英語では「祝福された」。ドイツ語 selig(幸せな)と同じ語源
- disaster★★★「悪い星回り」dis(悪い)+aster(星)。星占いの時代の発想。asteroid・astronaut と同じ aster
- companion★★★「パンを共にする人」com(共に)+pan(パン)。company(会社・仲間)も同じ
- muscle★★★「小さなネズミ」ラテン語 musculus。力こぶが皮膚の下で動く様子をネズミに見立てた
- window★★★「風の目」古ノルド語 vindauga(風+目)。昔の窓はガラスのない穴だった
- lady / lord★★★「パンをこねる人」と「パンの番人」古英語 hlǣfdīge/hlāfweard。hlāf は loaf(パン)
- breakfast★★★「断食を破る」break+fast(断食)。夜の間の断食を終える食事
- robot★★★チェコ語の「強制労働」作家チャペックの戯曲『R.U.R.』(1920年)で生まれた語
- quarantine★★★「40日間」ペスト流行時のベネチアで、船を40日(quaranta giorni)留め置いたことから
- December★★★decem(10)なのに12月古代ローマの暦は3月始まりで、10番目の月だった。October(8)も同じずれ
- eleven / twelve★★★「(10数えて)1つ残る・2つ残る」ゲルマン語の「1つ余り」「2つ余り」。だから -teen が付かない
- clue★★★元は「糸玉」clew(糸玉)。英雄テセウスが糸をたどって迷宮を脱出した話から「手がかり」に
- tea / cha★★★大まかに海の道は tea、陸の道は cha中国福建の te がオランダ船で欧州へ。陸路の地域は cha(chai)系。例外もある
3日本語から英語になった単語5
- tycoon★★★大物実業家日本語の「大君(たいくん)」。幕府の将軍を外国向けにこう呼んだ
- honcho★★★責任者、ボス日本語の「班長」。戦後の占領期に米兵が持ち帰った
- emoji★★★絵文字「絵+文字」。emotion(感情)と似ているのは偶然で語源は無関係
- tsunami★★★津波tidal wave に代わり科学・報道の標準語に。語頭の ts を s で読む人も多い
- futon★★★(米)折りたたみマットレス・ソファーベッドアメリカの futon は木枠付きで折りたためるソファー兼ベッドが多い
4俗説を見抜け!有名だけど根拠なし9
「〜の頭文字」「〜の時代の習慣から」系は特に疑う
- salary★★★【俗説】兵士の給料は塩だったラテン語 sal(塩)と関係はあるが、「塩で給料を払った」確かな証拠はない
- sincere★★★【俗説】sine cera=蝋なし「蝋でひびを隠していない彫刻」説は後付け。語源は sincerus(純粋な)
- posh★★★【俗説】Port Out, Starboard Homeインド航路の上等な船室の頭文字説は証拠なし。語源は不明
- SOS★★★【俗説】Save Our Souls の略実は略語ではない。モールス信号で打ちやすく聞き取りやすい組み合わせ
- news★★★【俗説】North・East・West・South実は new の名詞化。フランス語 nouvelles(新しい物事)にならった
- golf★★★【俗説】Gentlemen Only, Ladies Forbidden完全な作り話。オランダ語の kolf(棒)など説はあるが不明
- tip★★★【俗説】To Insure Promptness頭字語で単語を作る習慣が広まったのは20世紀。古い語の頭字語説は疑う
- OK★★★【確か】oll korrect の略1839年ボストンの新聞の言葉遊び(all correct のわざと誤ったつづり)が定説
- sirloin★★★【俗説】王がナイトの称号 Sir を与えた実はフランス語 surlonge(腰肉の上)。sur=上
5言い回しと記録のふしぎ9
- an apron★★★元は a naprona napron を an apron と切り直した。napkin と仲間(異分析)
- a nickname★★★元は an ekenameeke=「追加の」名前。apron とは逆に n が後ろへ移った
- pea★★★pease を複数と勘違い元は pease(豆)で1語。-s で終わるので複数と思われ pea が生まれた
- It's raining cats and dogs.★★★土砂降りだ由来ははっきりしない。18世紀のスウィフトの作品などに見える。会話では古風
- Break a leg!★★★がんばって!(舞台の前に)由来は諸説で不明。「幸運を」と言うと逆になるという俳優の縁起かつぎ説が有名
- Bless you.★★★(くしゃみをした人に)お大事に疫病の時代に始まったなど由来は諸説。言われたら Thank you. と返す
- hello★★★電話のあいさつはエジソンが推したベルは Ahoy! を提案したが、エジソンが勧めた hello が定着した
- pineapple★★★元は「松ぼっくり」pine(松)+apple(果実)は松かさのこと。似た果物に名前が移った
- facetious★★★a・e・i・o・u が順に1回ずつ意味は「ふざけた」。abstemious(節制した)も同じ並び
目から鱗!「頭字語の語源」はまず疑え
posh・golf・tip・news・SOS…「頭文字をつないだ」という語源説の多くは後付け。理由は簡単で、頭文字で単語を作る習慣(NASA・UNESCO など)が広まったのは20世紀だから。それより古い単語に頭字語説があれば、まず俗説を疑うのが言語学者の常識。逆に OK のように新聞や資料で年代まで確かめられたものが「定説」になる。
入試につながる!語源の使い方
語源は知らない単語の意味を推測する武器。dis(悪い・否定)+aster(星)→disaster、com(共に)→companion・company・compassion(共に苦しむ=思いやり)。ただし nice・silly のように意味が大きく変わった語もあるので、最後は文脈で確かめる。
確認テスト
- 1debt の b について正しいのは?正解は 学者がラテン語に似せて足した。debitum に合わせた
- 2December の decem- の元の意味は?正解は 10。ローマ暦は3月始まり
- 3SOS について正しいのは?正解は 打ちやすいモールス信号。略語ではない
- 4tycoon の語源は?正解は 日本語の「大君」。将軍の外国向けの呼び名
- 5companion の pan- の意味は?正解は パン。パンを分け合う仲間
- 6OK の語源として定説になっているのは?正解は oll korrect。1839年の新聞の言葉遊び
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