ことわざ・教養・背景知識No.349確認問題集あり

目から鱗の英語雑学50

黙字のなぞ、意外な語源、日本語生まれの英語、そして広まっている俗説の正体。確かな話だけを集めた英語雑学50。

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まずはこの3つ

  1. つづりは「昔の発音」と「学者の見栄」の化石(knight・debt)
  2. 単語の意味は変わる:nice は元「無知な」、silly は元「幸せな」
  3. 頭字語の語源説(posh・tip・golf)はほぼ俗説と疑え

1つづりと文字のなぞ12

  • knight / know★★★
    k は昔は発音していた
    中英語のころまで「クニヒト」のように読んだ。発音だけが先に変わった
  • debt / doubt★★★
    b は一度も発音されていない
    フランス語由来の dette に、15〜16世紀ごろ学者がラテン語 debitum に似せて b を足した
  • island★★★
    s は「勘違い」で入った
    古英語は igland。isle(ラテン語 insula)と関係があると誤解されて s が入った
  • colonel★★★
    なぜ「カーネル」と読む?
    フランス語経由の発音 coronel と、イタリア語に合わせたつづり colonel が混ざった
  • Wednesday★★★
    d を読まない曜日
    北欧の最高神ウォーデン(オーディン)の日。Woden's day の名残
  • color / colour★★★
    米英でつづりが違う理由
    米国のウェブスターが辞書(1828年)で簡単な方のつづりを採用し広めた
  • I★★★
    「私」はなぜいつも大文字?
    小文字1字の i は見落とされやすかったから、という説が有力
  • ghoti★★★
    fish と読める?(言葉遊び)
    enough の gh+women の o+nation の ti。実際は位置の規則上そう読めない、つづりの皮肉
  • &(ampersand)★★★
    名前は and per se and の変化
    アルファベットの最後に唱えた and per se and(それ自体で and)がなまった
  • Xmas★★★
    X はキリストの頭文字
    ギリシャ語の「キリスト」の頭文字 Χ(カイ)。手抜きではない
  • lb(pound)★★★
    なぜ lb でポンド?
    重さの単位を表すラテン語 libra の略。英国通貨の £ も同じ L から
  • e.g. / i.e.★★★
    「例えば」と「すなわち」
    ラテン語 exempli gratia/id est の略。2つの取り違えは英作文の定番ミス

2語源で「へえ」:意味は旅をする15

  • goodbye★★★
    元は「神があなたと共に」
    God be with ye の短縮。good day などにつられて God→good に
  • nice★★★
    元の意味は「無知な」
    ラテン語 nescius(知らない)→「愚かな」→ 何百年もかけて「すてきな」に
  • silly★★★
    元の意味は「幸せな」
    古英語では「祝福された」。ドイツ語 selig(幸せな)と同じ語源
  • disaster★★★
    「悪い星回り」
    dis(悪い)+aster(星)。星占いの時代の発想。asteroid・astronaut と同じ aster
  • companion★★★
    「パンを共にする人」
    com(共に)+pan(パン)。company(会社・仲間)も同じ
  • muscle★★★
    「小さなネズミ」
    ラテン語 musculus。力こぶが皮膚の下で動く様子をネズミに見立てた
  • window★★★
    「風の目」
    古ノルド語 vindauga(風+目)。昔の窓はガラスのない穴だった
  • lady / lord★★★
    「パンをこねる人」と「パンの番人」
    古英語 hlǣfdīge/hlāfweard。hlāf は loaf(パン)
  • breakfast★★★
    「断食を破る」
    break+fast(断食)。夜の間の断食を終える食事
  • robot★★★
    チェコ語の「強制労働」
    作家チャペックの戯曲『R.U.R.』(1920年)で生まれた語
  • quarantine★★★
    「40日間」
    ペスト流行時のベネチアで、船を40日(quaranta giorni)留め置いたことから
  • December★★★
    decem(10)なのに12月
    古代ローマの暦は3月始まりで、10番目の月だった。October(8)も同じずれ
  • eleven / twelve★★★
    「(10数えて)1つ残る・2つ残る」
    ゲルマン語の「1つ余り」「2つ余り」。だから -teen が付かない
  • clue★★★
    元は「糸玉」
    clew(糸玉)。英雄テセウスが糸をたどって迷宮を脱出した話から「手がかり」に
  • tea / cha★★★
    大まかに海の道は tea、陸の道は cha
    中国福建の te がオランダ船で欧州へ。陸路の地域は cha(chai)系。例外もある

3日本語から英語になった単語5

  • tycoon★★★
    大物実業家
    日本語の「大君(たいくん)」。幕府の将軍を外国向けにこう呼んだ
  • honcho★★★
    責任者、ボス
    日本語の「班長」。戦後の占領期に米兵が持ち帰った
  • emoji★★★
    絵文字
    「絵+文字」。emotion(感情)と似ているのは偶然で語源は無関係
  • tsunami★★★
    津波
    tidal wave に代わり科学・報道の標準語に。語頭の ts を s で読む人も多い
  • futon★★★
    (米)折りたたみマットレス・ソファーベッド
    アメリカの futon は木枠付きで折りたためるソファー兼ベッドが多い

4俗説を見抜け!有名だけど根拠なし9

「〜の頭文字」「〜の時代の習慣から」系は特に疑う

  • salary★★★
    【俗説】兵士の給料は塩だった
    ラテン語 sal(塩)と関係はあるが、「塩で給料を払った」確かな証拠はない
  • sincere★★★
    【俗説】sine cera=蝋なし
    「蝋でひびを隠していない彫刻」説は後付け。語源は sincerus(純粋な)
  • posh★★★
    【俗説】Port Out, Starboard Home
    インド航路の上等な船室の頭文字説は証拠なし。語源は不明
  • SOS★★★
    【俗説】Save Our Souls の略
    実は略語ではない。モールス信号で打ちやすく聞き取りやすい組み合わせ
  • news★★★
    【俗説】North・East・West・South
    実は new の名詞化。フランス語 nouvelles(新しい物事)にならった
  • golf★★★
    【俗説】Gentlemen Only, Ladies Forbidden
    完全な作り話。オランダ語の kolf(棒)など説はあるが不明
  • tip★★★
    【俗説】To Insure Promptness
    頭字語で単語を作る習慣が広まったのは20世紀。古い語の頭字語説は疑う
  • OK★★★
    【確か】oll korrect の略
    1839年ボストンの新聞の言葉遊び(all correct のわざと誤ったつづり)が定説
  • sirloin★★★
    【俗説】王がナイトの称号 Sir を与えた
    実はフランス語 surlonge(腰肉の上)。sur=上

5言い回しと記録のふしぎ9

  • an apron★★★
    元は a napron
    a napron を an apron と切り直した。napkin と仲間(異分析)
  • a nickname★★★
    元は an ekename
    eke=「追加の」名前。apron とは逆に n が後ろへ移った
  • pea★★★
    pease を複数と勘違い
    元は pease(豆)で1語。-s で終わるので複数と思われ pea が生まれた
  • It's raining cats and dogs.★★★
    土砂降りだ
    由来ははっきりしない。18世紀のスウィフトの作品などに見える。会話では古風
  • Break a leg!★★★
    がんばって!(舞台の前に)
    由来は諸説で不明。「幸運を」と言うと逆になるという俳優の縁起かつぎ説が有名
  • Bless you.★★★
    (くしゃみをした人に)お大事に
    疫病の時代に始まったなど由来は諸説。言われたら Thank you. と返す
  • hello★★★
    電話のあいさつはエジソンが推した
    ベルは Ahoy! を提案したが、エジソンが勧めた hello が定着した
  • pineapple★★★
    元は「松ぼっくり」
    pine(松)+apple(果実)は松かさのこと。似た果物に名前が移った
  • facetious★★★
    a・e・i・o・u が順に1回ずつ
    意味は「ふざけた」。abstemious(節制した)も同じ並び
目から鱗!「頭字語の語源」はまず疑え

posh・golf・tip・news・SOS…「頭文字をつないだ」という語源説の多くは後付け。理由は簡単で、頭文字で単語を作る習慣(NASA・UNESCO など)が広まったのは20世紀だから。それより古い単語に頭字語説があれば、まず俗説を疑うのが言語学者の常識。逆に OK のように新聞や資料で年代まで確かめられたものが「定説」になる。

入試につながる!語源の使い方

語源は知らない単語の意味を推測する武器。dis(悪い・否定)+aster(星)→disaster、com(共に)→companion・company・compassion(共に苦しむ=思いやり)。ただし nice・silly のように意味が大きく変わった語もあるので、最後は文脈で確かめる。

確認テスト

  1. 1
    debt の b について正しいのは?
  2. 2
    December の decem- の元の意味は?
  3. 3
    SOS について正しいのは?
  4. 4
    tycoon の語源は?
  5. 5
    companion の pan- の意味は?
  6. 6
    OK の語源として定説になっているのは?

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