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【やさしい英文de多読!】<56> Why Are 90% of People Right-Handed? なぜ9割の人が右利きなのか? ~英文を楽しく&音声つきで読もう!~

原田英語マン
原田英語マン
今日のテーマは「なぜ9割の人が右利きなのか?」です。実はこの謎、長年科学者たちを悩ませてきたんです。オックスフォード大学の最新研究が、ついにその答えを突き止めました!

📖 英文(221 words)

About 90 percent of people in the world are right-handed. This is true in every country and every culture. But here is something amazing: no other animal is like us! Monkeys and apes use both hands equally. So why are humans so different? Scientists from Oxford University in the UK say they finally have the answer.

They studied 2,025 animals from 41 kinds of monkeys and apes. They compared their brains and bodies with humans. The result was surprising. Two special things made humans right-handed: walking on two legs and having a big brain.

First, when our ancient family started walking on two legs, their hands became free. They did not need their hands to walk anymore. So they could use their hands to make tools, cook food, and hunt together. Second, our brain got much bigger over time. The left side of our brain controls the right hand. It also helps us with language and careful movements. As our brain grew, the right hand became stronger and stronger.

Here is a fun fact: there is one ancient human, called the “Hobbit,” who lived in Indonesia. He had a small brain and was not fully two-legged. Scientists think he was probably not strongly right-handed!

One researcher said this mystery has finally been solved. Right-handedness is part of what makes us human.

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📝 重要語句

percent:パーセント
one part in a hundred(百のうちの一つの部分)
culture:文化
the way of life of a group of people(ある集団の人々の生き方)
equally:等しく
in the same amount or way(同じ量や同じやり方で)
ancient:古代の
from a very long time ago(とても昔の)
tools:道具
things you use to do work(仕事をするために使うもの)
control:操る、支配する
to make something do what you want(思いどおりに動かす)
language:言葉、言語
words people use to talk and write(人が話したり書いたりするときに使う言葉)
careful:注意深い、細かい
done with great attention(よく気をつけて行う)
movement:動き
the action of moving(動くこと)
mystery:なぞ
something that is hard to understand or explain(理解したり説明したりするのが難しいこと)
solve:解く、解決する
to find the answer to a problem(問題の答えを見つける)

🇯🇵 日本語訳

世界の人々のおよそ9割が右利きです。これはどの国でも、どの文化でも変わりません。ところが、驚くべきことに、人間以外にこんな動物はいないのです。サルや類人猿は、右手と左手を同じように使います。では、なぜ人間だけがこんなにも違うのでしょうか? イギリスのオックスフォード大学の科学者たちが、ついにその答えを突き止めたといいます。

研究チームが調べたのは、41種類のサルや類人猿、合計2,025頭。彼らの脳や身体のつくりを、人間と比べたのです。すると、意外な結果が見えてきました。人間を右利きにした「2つの特別な要素」——それは、二本足で歩くこと、そして大きな脳を持つことでした。

まず、私たちの祖先が二本足で立ち上がったとき、両手は歩くという仕事から解放されました。手が自由になったことで、道具を作ったり、料理をしたり、仲間と狩りをしたりできるようになったのです。次に、私たちの脳は時を経て大きくなっていきました。脳の左側は右手を操ると同時に、言葉や細かい動作も司っています。脳が発達するにつれて、右手の働きはどんどん強くなっていったというわけです。

ちなみに、こんな面白い話もあります。インドネシアにかつて住んでいた「ホビット」と呼ばれる古代人類は、脳が小さく、二足歩行も完全ではありませんでした。科学者たちは、彼らはおそらく強い右利きではなかっただろうと考えているのです。

長年の謎がついに解けた——研究者の一人はそう語ります。右利きであることは、人間を人間たらしめる特徴の一つだったのです。

✋ コラム:右利き・左利きの不思議な世界

「世界の9割は右利き」——シンプルな事実ですが、その裏側には進化と文化、そして人間そのものの物語が詰まっています。読めば誰かに話したくなる、右利き・左利きの不思議な世界をのぞいてみましょう。

🔸 中国の左利きは「たった1%」?

世界中どこの国でも、右利きが約9割を占めることは変わりません。しかし、左利きの割合は地域によって大きく違うのです。欧米では人口の13%ほどが左利きなのに対し、アジアや中東ではわずか6%前後。さらに衝撃的なのが中国で、自分を左利きと申告する学生はわずか1%という調査結果があります。これは生まれつきの差ではなく、「左は不吉」とする文化と、徹底した矯正教育の結果だと考えられています。ラテン語で「左」を意味する「sinister」が「不吉な」という意味に転じたように、左への偏見は世界共通の歴史でもありました。

🔸 武士は左利きを許されなかった

日本でも、左利きはかつて「直すもの」とされていました。特に厳しかったのが武家社会です。刀は必ず右腰に差し、右手で抜くものとされていたため、左利きの武士は徹底的に矯正されました。源平合戦の英雄・源為朝、剣豪・宮本武蔵、新撰組の斎藤一など、歴史に名を残す剣豪に左利き説があるのは興味深いところ。「左から抜き打つ斎藤一の太刀筋は、誰にも読めなかった」——そんな逸話が残るほど、当時の左利きは「裏」の力を秘めていたのかもしれません。

🔸 NASAも驚いた「左利き宇宙飛行士」の謎

左利きには、意外な強みがあります。NASAによれば、月へ向かったアポロ計画の宇宙飛行士のうち、なんと約4分の1が左利きでした。これは一般人口比の2倍以上の割合です。月面に人類初の足跡を残したニール・アームストロングも左利き。テストパイロットには右利きが有利とされる中、なぜ左利きの宇宙飛行士が多かったのか——NASA自身も「予測の2倍以上」と認める、未解明の謎です。

🔸 スポーツ界で左利きが「得をする」理由

テニス、野球、ボクシング、フェンシング、卓球——一対一で戦うスポーツでは、左利きが明らかに有利です。世界トップ10のテニス選手のうち左利きの割合は、人口比の2〜5倍にもなります。理由はシンプル。ほとんどの選手は右利きを相手に練習するため、左利きの球筋に慣れていないのです。あのラファエル・ナダルは、もともと右利きにもかかわらず、有利になると考えて左手で打つよう徹底訓練を受けた選手です。野球界のレジェンド、ベーブ・ルースも左利きでした。

🔸 天才と左利きの不思議な関係

歴史に名を刻んだ「天才」たちには、なぜか左利きが多いのです。レオナルド・ダ・ヴィンチ、アイザック・ニュートン、マリ・キュリー、アラン・チューリング、ニコラ・テスラ。現代では、オバマ元大統領、ビル・ゲイツ、レディー・ガガ、ジェニファー・ローレンス。アメリカの近代大統領8人が左利きという統計も。ダ・ヴィンチは左手でインクが汚れないよう、右から左へと「鏡文字」を書いたことで知られています。左利きは右脳をよく使うため、創造性や空間把握能力に優れるという説もあります。

あなたの利き手はどちらですか? 右手の動きの裏には、二足歩行を始めた祖先たちの長い旅路があり、左手の中には、世界を変えた天才たちの遺伝子が眠っているかもしれません。利き手は、ただの「クセ」ではなく、人類が歩んできた壮大な物語そのものなのです。

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