社会科学部

【早稲田大学社会科学部英語徹底研究】過去5年分析&2027年度 超絶入試予想|設問42→24問の変化と、定型化した4類型の攻略

WASEDA / SCHOOL OF SOCIAL SCIENCES
早稲田 社会科学部の英語は
設問が42問→24問に激減した
2022〜2026年の全24大問・176設問を1問単位で解剖。
入試改革の断層・定型化した設問構成・誤り指摘36問の全解答
早稲田社会科学部の英語は、2025年度に別の試験になりました。
共通テスト併用型への移行にともない、独自試験の英語は60分・60点に。設問数は2024年度までの42問から26問(2025年度)、24問(2026年度)へと激減し、2026年度には長年出ていた誤り指摘が完全に消滅しました。
つまり、2024年度以前の過去問をそのまま解いても、時間感覚も設問構成もずれます。
この記事では過去5年(2022〜2026)の全24大問・176設問を1問単位で数え直し、改革の前後で何が変わり何が変わらなかったのかを示したうえで、2027年度の予想までを渡します。
CONTENTS / この記事の中身

SECTION 01

まず全体像。2025年度の入試改革で何が変わったか
社会科学部は2025年度入試から、従来の3教科型を廃止し、大学入学共通テストと学部独自試験の併用型に移行しました。ここを押さえないと対策の前提が崩れます。
時期
入試の形
〜2024年度
3教科型。外国語50点+国語40点+地歴または数学40点=130点満点。共通テストは不要
2025年度〜
共通テスト120点+独自試験120点=240点満点。共通テストが必須に
現行の入試は2つの型に分かれ、併願はできません。出願時にどちらか1つを選びます。
方式
募集
科目(時間/配点)
総合問題型
270名
共通テスト3教科3科目120点+外国語(60分/60点)+総合問題(60分/60点)
数学型
100名
共通テスト3教科3科目120点+外国語(60分/60点)+数学(60分/60点)
独自試験の英語は「60分」です。90分ではありません
ここを取り違えている情報が少なくありません。2026年度入試の時間割は1時限 13:00〜14:00 が外国語、2時限 15:00〜16:00 が総合問題または数学。どちらも60分です。試験日は2月22日。
後述しますが、設問数が42問から24問へ激減したのは、この時間短縮と完全に整合します。90分の想定で演習していると、本番でまったく違う体感になります。必ず60分で解いてください。
英語の比重は「240点中100点」相当
共通テストは国語40点・外国語40点・選択科目40点=120点に圧縮されます。つまり英語は、共通テスト40点+独自試験60点=100点。240点満点に対して約42%を占めます。
どちらの型を選んでも英語は必須です。社会科学部は、事実上の英語勝負だと考えてください。
共通テストの選択科目に注意
共通テストの3科目は国語・外国語・選択1科目(地歴公民/数学/理科から1つ)。国語と外国語は200点満点を40点に、選択科目は100点満点を40点に圧縮します。
つまり選択科目のほうが1点の重みが2倍になる計算です。得点しやすい科目を選ぶ設計が効きます。
なお制度は年度により変わりうるので、出願前に必ずその年度の募集要項で確認してください。

SECTION 02

設問数42→26→24問。数字で見る改革の断層
過去5年の全24大問・176設問を数え直しました。改革の断層が、これ以上ないほどはっきり出ます。
年度
大問数
誤り指摘
長文
設問合計
2022
5題
10問
4本×8問
42問
2023
5題
10問
4本×8問
42問
2024
5題
10問
4本×8問
42問
2025
5題
6問に減少
4本×5問
26問
2026
4題
廃止
4本×6問
24問
2段階で変わった、と理解するのが正確
第1段階(2025年度)|共通テスト併用型へ移行し、独自試験の英語が60分に。誤り指摘が10問→6問、長文の設問が8問→5問に削られ、合計42問→26問。
第2段階(2026年度)|誤り指摘が完全に廃止され、大問は5題→4題に。長文の設問は5問→6問へ戻り、合計24問。
つまり「文法をやめて読解に一本化した」のが2026年度の変化です。2025年度は移行期で、誤り指摘が縮小しつつ残っていました。
対策上の結論は明快です。2024年度以前の過去問は、誤り指摘の練習には使えるが、時間配分の練習には使えない。42問を解く感覚と、24問を60分で解く感覚はまったく違います。
逆に長文の設問形式そのものは改革前後で驚くほど変わっていないので、長文4本だけを抜き出して60分で解くのが、最も実戦的な使い方です。

SECTION 03

過去5年 出題マップ──24大問を1枚に並べる
2022〜2026年の全24大問を並べます。社会科学部が何を読ませたいのかが一望できます。
年度
大問
テーマ/出典
2026
1
モニカ・ルインスキー事件と、女性への社会的制裁の再検証/The Economist
2
手話を学ぶと、誰もがよい伝え手になれる/The New York Times Magazine, 2025年1月7日
3
(本文は著作権処理により非収録)/The Guardian
4
安定結婚問題──誰も離婚しないペアを作る数学/The Wall Street Journal
2025
1
誤り指摘(6問)|経済学・社会科学の文章を素材にした文法問題
2
(本文は著作権処理により非収録)/The Guardian
3
ウクライナ侵攻後、ルールに基づく国際秩序の防衛は進んでいない/The Wall Street Journal
4
南麻布のセブン-イレブンから見える、変わりゆく日本/The Economist
5
クジラに法人格を認める条約──ポリネシア先住民の動き/The New York Times, 2024年3月29日
2024
1
誤り指摘(10問)|反核運動・社会制度などを素材にした文法問題
2
(本文は著作権処理により非収録)/The Washington Post
3
(本文は著作権処理により非収録)/The Guardian
4
緑の革命は人類の偉業だったが、その後どうなったか/The Economist
5
ジョン・ナッシュは実際に何をしたのか(ゲーム理論)/The New York Times
2023
1
誤り指摘(10問)|物価・生産コストなどを素材にした文法問題
2
(本文は著作権処理により非収録)/Los Angeles Times
3
(本文は著作権処理により非収録)/The Washington Post
4
(本文は著作権処理により非収録)/The Guardian
5
ゼレンスキー大統領の豪州議会演説とMH17の記憶/ABC News
2022
1
誤り指摘(10問)|栄養表示制度などを素材にした文法問題
2
海外インターンシップは就活で効くのか/The Wall Street Journal
3
(本文は著作権処理により非収録)/The New York Times
4
(本文は著作権処理により非収録)/The Guardian
5
ビットコインと、金融を揺るがす技術変化/The Economist
この表から読み取れる3つの事実
出典が英米の主要メディアだけ。The Economist、The Guardian、The New York Times、The Wall Street Journal、The Washington Post、Los Angeles Times、ABC News。単行本は1冊も使われていません。
② テーマは国際政治・経済・社会制度が軸。ウクライナ、国際秩序、緑の革命、ゲーム理論、ビットコイン、栄養表示、先住民の権利。まさに「社会科学」です。
③ ただし硬い政治経済だけではない。手話とコミュニケーション、安定結婚問題、モニカ・ルインスキー事件。人間や文化を社会科学の目で見る英文も定期的に入ります。
なお過去問データベースでは、著作権処理の都合により長文20本のうち9本の本文が省略されています(設問と選択肢は収録)。本記事の語数などの実測値は、収録されている11本にもとづくものです。

SECTION 04

長文20本の設問は、完全に定型化されている
ここが社会科学部の最大の特徴であり、最大の攻略ポイントです。過去5年の長文20本の設問を全部並べたところ、4種類しかありませんでした。しかも配置まで決まっています。
設問の型
5年計
設問文(ほぼ固定)
空所補充
60問
Which one of the following best fits ( A ) in the passage?
語彙言い換え
39問
Which one of the following is closest in meaning to the word (1)…?
主旨
20本すべて
Which one of the following best describes the main point of this passage?
内容一致(最終問)
20本すべて
According to this passage, which TWO of the following are true?
「主旨」と「最終問の内容一致」は20本すべてに入っている
5年20本、1本の例外もなく「main point を選ぶ問題」と「最終問の内容一致」が入っています。
しかも最終問は20本中18本が「which TWO of the following are true」(2つ選ぶ)。ONE型だったのは2025年度大問5と2023年度大問3のわずか2本だけです。
つまり社会科学部の長文は、「空所を埋める」「語の意味を言い換える」「主旨を選ぶ」「正しいものを2つ選ぶ」——この4つしかありません。対策の的が、これ以上ないほど絞れます。
1本あたりの設問構成も、年度で決まっている
年度
1本の設問数
典型的な内訳
2022〜2024
8問
空所補充3〜4+語彙言い換え2〜4+主旨1+内容一致1
2025
5問
空所補充2+語彙言い換え1+主旨1+内容一致1
2026
6問
空所補充2+語彙言い換え2+主旨1+内容一致1
2026年度は4本すべてがこの6問構成で、完全に統一されています。1本目から4本目まで、設問1〜6の中身が同じ順番で並ぶ。本番では「何が問われるか」を読む前から知っている状態で臨めます。
この定型性が、60分という時間への答えになる
60分で4本。1本15分です。厳しく見えますが、設問が固定されているので「設問を読む時間」がほぼゼロにできます。
空所(A)(B)の位置と、下線が引かれた語(1)(2)の位置だけ先に確認しておけば、あとは読みながら順に処理できる。読み終えたときには主旨も内容一致も答えが出ている、という状態が理想です。

SECTION 05

語彙言い換え39問|多義語と時事語で決まる
設問文は毎回同じです。Which one of the following is closest in meaning to the word (1)…? 下線が引かれた1語(まれに句)について、最も意味の近いものを4択から選びます。
実際に出た語を並べると、レベル感がはっきりします。
2026年度|unprecedented(前例のない)
2025年度|spearheaded(先導した)
2024年度|redemptive(救いとなる)、devised(考案した)
2023年度|decrying(非難する)、proliferated(急増した)、whittled down(削減された)
2022年度|condemned(非難した)、tramping(歩き回る)、vexed(悩ませる)
選択肢の作り方に、はっきりしたクセがある
2026年度の unprecedented の選択肢はこうでした。
a.producing no advantages/b.not very noticeable/c.never having happened before/d.not likely to be successful
見てのとおり、4つとも「否定形の説明文」で形をそろえてあります。接頭辞 un- から連想して選ばせないための設計です。
2023年度の proliferated も同じで、became controversial/became rare/became infamous/became popular と、すべて became で始まります。形が同じなら、意味だけで勝負するしかない。語源や綴りからの推測が効きません。
対策の方向は2つです。①準1級〜1級レベルの動詞・形容詞を、日本語訳ではなく「英語の言い換え」で覚える。proliferate=急増する、ではなく proliferate=become popular/widespread と結びつける。
②時事的な語を押さえる。unprecedented、spearhead、decry、whittle down は、いずれも英字メディアの見出しや本文に頻出する語です。単語帳より、記事を読むほうが早く身につきます。
語彙言い換えで狙われる「英字メディア頻出語」60

コピー

【過去5年で実際に出た語】※英語の言い換えとセットで覚える
unprecedented = never having happened before/前例のない
spearheaded = led/先導した
redemptive = saving, restoring/救いとなる
devised = invented, worked out/考案した
decrying = criticizing publicly/公然と非難する
proliferated = became popular, spread rapidly/急増した
whittled down = limited, reduced/削減された
condemned = criticized strongly/非難した
tramping = walking heavily/歩き回る
vexed = annoyed, troubled/悩ませる

【同レベルで出てもおかしくない50】
curtail = cut back/削減する
bolster = strengthen/強化する
undermine = weaken gradually/徐々に損なう
hamper = hinder/妨げる
exacerbate = make worse/悪化させる
mitigate = lessen/和らげる
galvanize = stimulate into action/奮い立たせる
scrutinize = examine closely/精査する
lambast = criticize harshly/酷評する
tout = promote/宣伝する
court = seek, try to win/(支持などを)求める
weather = get through/(困難を)乗り切る
stem from = result from/〜に由来する
hinge on = depend on/〜次第である
grapple with = struggle with/取り組む
usher in = bring about/到来させる
roll out = introduce/展開する
phase out = gradually stop/段階的に廃止する
crack down on = take strong action/取り締まる
step up = increase/強化する
soar = rise sharply/急騰する
plummet = fall sharply/急落する
stagnate = stop growing/停滞する
dwindle = become smaller/徐々に減る
surge = increase suddenly/急増する
entrenched = firmly established/根深い
rampant = widespread and uncontrolled/横行する
pervasive = present everywhere/広く行き渡った
contentious = causing disagreement/論争を呼ぶ
divisive = causing division/分断を招く
compelling = convincing/説得力のある
dire = extremely serious/深刻な
stark = clear and harsh/際立った
nascent = newly emerging/芽生えつつある
fledgling = new and inexperienced/駆け出しの
lucrative = profitable/もうかる
prohibitive = too expensive/法外な
arbitrary = based on random choice/恣意的な
inadvertent = unintentional/意図しない
tenuous = weak, uncertain/薄弱な
plausible = believable/もっともらしい
sweeping = wide-ranging/広範な
unwieldy = hard to manage/扱いにくい
belated = coming late/遅ればせの
unilateral = done by one side only/一方的な
reciprocal = mutual/相互の
incremental = step by step/漸進的な
overhaul = complete reform/抜本的な見直し
backlash = strong negative reaction/反発
watershed = turning point/転換点

【覚え方】
日本語訳を暗記するのではなく、英語の言い換えを1つ添える。
社会科学部の選択肢は「説明文」で並ぶため、
英英の感覚がそのまま得点になる。

SECTION 06

空所補充60問|文脈で名詞を選ばせる
5年で60問。長文の設問としては最多です。設問文は毎回同じで、Which one of the following best fits ( A ) in the passage?
重要なのは、選択肢の性格です。実際の出題を見てください。
2025年度(The Guardian)|a.pressures/b.precautions/c.preliminaries/d.preoccupations
2024年度(The Washington Post)|a.leadership capability/b.cognitive development/c.emotional intelligence/d.social competence
2024年度(The Guardian)|a.time zones/b.localities/c.phases/d.ecosystems
2023年度(Los Angeles Times)|a.unintentionally/b.independently/c.unsurprisingly/d.immorally
これは文法問題ではない。純粋な内容理解の問題
他学部の空所補充は前置詞や接続副詞が主役でした。社会科学部は違います。並ぶのは名詞と副詞、それも4つとも文法的には成立するものばかりです。
2025年度の pressures / precautions / preliminaries / preoccupations は、いずれも pre- で始まる名詞。品詞も語形も同じなので、文脈で意味を決めるしかありません。
つまりこの60問は、実質的には「その段落を正しく理解できているか」を測る問題です。文法知識では1点も取れません。
空所補充を速く解く3つの手順
1
読む前に空所の位置だけ確認する
(A)(B)が本文のどこにあるかを見ておく。読みながら埋められれば、戻る必要がありません。
2
空所の「前後1文」ではなく「段落全体」で決める
4択がすべて文法的に成立するので、直前だけ見ても絞れません。その段落が何を言おうとしているかを掴んでから選びます。
3
入れて音読し、次の文とつながるか確認する
正解の語は、次の文で言い換えられているか、具体例で受けられていることが多い。そこが決め手になります。

SECTION 07

最終問「which TWO are true」20本中18本の攻略
各長文の最終問は、必ず内容一致です。そして20本中18本が「According to this passage, which TWO of the following are true?」——正しいものを2つ選ぶ形式でした。ONE型(1つ選ぶ)だったのは2025年度大問5と2023年度大問3の2本のみです。
「2つ選ぶ」は、部分点がない前提で考える
解答は「a,e」「b,d」のように2つマークします。1つ合っていても、もう1つ外せば得点にならない可能性が高いと考えて臨むべきです(採点方法は非公表)。
1本あたり1問しかないので配点上の比重は限られますが、4本すべてで落とすと大きい。確実に取りにいく設問です。
2つ選ぶ問題は「消去法」でしか解けない
選択肢は通常6つ前後。そのうち2つが正解です。正解を探すより、確実に切れる4つを消すほうが速い。切る根拠は3つに絞れます。
①言い過ぎ|本文が「多くの場合」なのに選択肢が always / all / never / only。
②本文にない|世間的には正しいが、本文には書かれていない。社会科学部は時事的なテーマなので、「知識で正しい」選択肢が最大の罠です。
③すり替え|本文の語をそのまま使いつつ、主語と目的語、原因と結果を入れ替えている。
長文1本の処理手順(15分版)

コピー

【0〜1分】設問を読まずに、位置だけ確認する
 社会科学部の設問は毎回同じ4種類。読む必要がない
 ・空所(A)(B)が本文のどこにあるか
 ・下線の引かれた語(1)(2)がどこにあるか
 この2つに印をつけるだけ。設問文は飛ばしてよい

【1〜10分】本文を通読する(戻り読みをしない)
 空所に来たら、その場で候補を決めて薄く書き込む
 下線語に来たら、その場で意味を推測して余白にメモ
 各段落の横に日本語3〜5字メモ(主張/具体例/反論/データ)
 筆者の立場が見えた時点で「筆者=○○側」と余白に書く

【10〜13分】設問1〜4を処理する
 空所補充 → 段落全体で判断。入れて音読して確認
 語彙言い換え → 選択肢の「形」がそろっていることを確認し、
         意味だけで勝負する
 主旨 → 第1段落と最終段落だけ見る。具体例を指す選択肢は消す

【13〜15分】最終問「which TWO are true」
 正解を探さず、確実に切れるものを消す
 □ always / all / never / only が入っている → 消す
 □ 本文に根拠がない(常識では正しい)→ 消す
 □ 主語と目的語、原因と結果が逆 → 消す
 残った2つをマーク。必ず2つマークしたか指で確認する

【時間オーバーしたら】
 主旨と内容一致だけ埋めて次の長文へ
 4本を均等に処理するほうが、1本を完璧にするより得点は高い

SECTION 08

誤り指摘36問の全解答と、NO ERROR率22%
2026年度に廃止された形式ですが、記録として残しておきます。2022〜2025年度に計36問出題されました。
形式は、下線部a〜dのうち誤りを1つ選び、誤りがなければe(NO ERROR)を選ぶというもの。素材文は経済学・社会制度・統計など、社会科学部らしい硬い内容でした。
年度
問題数
正解の並び
NO ERROR
2025
6問
e・c・a・d・d・b
1問
2024
10問
a・b・d・c・e・c・d・e・b・e
3問
2023
10問
a・c・e・c・a・a・c・a・d・c
1問
2022
10問
c・e・d・b・a・b・e・d・b・e
3問
36問中8問がNO ERROR。実に22%
5問に1問以上が「誤りなし」でした。「必ずどこかが間違っている」と思い込んで探すと、正しい箇所を選んでしまうという設計です。
2024年度と2022年度は10問中3問がNO ERROR。2〜3問はeになるという前提で臨むのが正解でした。
2027年度に復活する可能性は低いとみていますが、他学部(法学部など)でも同型の問題が出るので、この感覚は持っておいて損はありません。
なお素材文は、たとえば2025年度の第1問がこうでした。
Economists usually make the simplifying assumption that economic agents are predictable folk and will always maximise their utility or self interest within certain constraints.(正解はe=誤りなし)
経済学の定型的な文章がそのまま使われています。社会科学系の英文に慣れていること自体が、文法問題でも効いていたわけです。

SECTION 09

出典は英米メディア一色。読むべき媒体は絞れる
過去5年の長文20本の出典を集計しました。単行本・学術書は1冊も使われていません。すべて英米の新聞・雑誌・放送局です。
媒体
出題された年度
The Guardian
2026・2025・2024・2023・2022(5年連続
The Economist
2026・2025・2024・2022(4年
The New York Times(Magazine含む)
2026・2025・2024・2022(4年
The Wall Street Journal
2026・2025・2022(3年
The Washington Post
2024・2023
Los Angeles Times/ABC News
2023(各1本)
4媒体で20本中大半をカバーしている
The Guardian、The Economist、The New York Times、The Wall Street Journal。この4つを読んでおけば、社会科学部の英文の「味」はほぼ掴めます。
とくに The Guardian は5年連続で出題されており、2026年度も使われました。
対策として、週3回、この4媒体のいずれかから国際・経済面の記事を1本読む。これが最も費用対効果の高い勉強です。1本800語前後を選べば、そのまま本番の演習になります。
語数も測りました。収録されている11本で674〜1,345語、平均約872語。1本800語前後という感覚です。ただし9本が非収録のため、この数値は参考値として扱ってください。
記事型の英文だから、構造も決まっている
冒頭に具体的な事例や人物、次に一般化、そして専門家の見解やデータ、最後に見通し。この順番がほぼ固定です。
2026年度大問1はモニカ・ルインスキーの逮捕場面から、大問2は手話教室に初めて行った日から始まります。2025年度大問4は南麻布のセブン-イレブンから。冒頭のエピソードは主張ではありません。「で、何が言いたいのか」は第2〜3段落に出ます。
主旨設問(20本すべてに出る)は、ここを掴めているかを問うています。

SECTION 10

頻出トピック20と、知っておくべき背景知識
背景知識があると、記事型の英文は驚くほど速く読めます。過去5年の20本を整理すると、次の20領域に集約されました。
#
トピック
押さえるキーワード
01
国際秩序と安全保障
rules-based order/deterrence/sovereignty/invasion
02
ウクライナと国際世論
sanctions/alliance/aid package/neutrality
03
暗号資産と金融技術
cryptocurrency/asset class/volatility/regulation
04
ゲーム理論と経済学
Nash equilibrium/incentive/rational agent/utility
05
マッチング理論と制度設計
stable marriage problem/algorithm/matching market
06
食料と農業技術
green revolution/yield/famine/food security
07
先住民の権利と自然
Indigenous/legal personhood/treaty/conservation
08
日本社会の変化
aging society/labour shortage/immigration/konbini
09
ジェンダーと社会的制裁
public shaming/double standard/reassessment
10
障害と言語・手話
sign language/accessibility/Deaf culture
11
労働市場とキャリア
internship/résumé/job market/credential
12
消費者保護と表示制度
nutrition labelling/mandatory/health claim
13
インフレと生活コスト
profit margin/price increase/cost of living
14
エネルギーと原子力
nuclear power/anti-nuclear movement/transition
15
気候変動と政策
emissions/net zero/adaptation/carbon pricing
16
AIと労働・規制
automation/displacement/governance/accountability
17
SNSと世論形成
misinformation/polarization/moderation
18
格差と再分配
inequality/redistribution/welfare state/safety net
19
移民と多文化社会
migration/integration/labour force/xenophobia
20
民主主義と選挙制度
populism/electoral system/legitimacy/turnout
背景知識は「読む速度」のためであって、解答のためではない
誤解しないでください。知識がないと解けない問題は出ません。設問はすべて本文の中に根拠があります。
背景知識が効くのは読む速度です。60分で4本という設計では、そこが決定的な差になります。逆に、知識で正しいと思った選択肢を選ぶのは最悪の失点パターン(セクション07参照)。知識は読むために使い、選ぶときは本文だけを見る。この使い分けが要ります。
2027年度 予想トピック20(読み込んでおく順)

コピー

01 AI規制と各国の対応 AI governance/liability
02 生成AIと労働市場 automation/reskilling/entry-level jobs
03 半導体と経済安全保障 export controls/supply chain/reshoring
04 米中関係と貿易 tariffs/decoupling/trade deficit
05 ウクライナ・中東情勢の行方 ceasefire/reconstruction/aid
06 選挙とポピュリズム populism/disinformation/turnout
07 SNS規制と若者 age verification/platform accountability
08 インフレと中央銀行 interest rates/soft landing/wage growth
09 円安と日本経済 exchange rate/tourism/import costs
10 日本の労働力不足と外国人材 labour shortage/visa reform
11 少子化と社会保障 fertility rate/pension/care work
12 気候変動と適応策 adaptation/loss and damage/resilience
13 再生可能エネルギーの限界 intermittency/grid/storage
14 食料安全保障 food security/fertilizer/crop failure
15 先住民・少数者の権利 Indigenous rights/legal personhood
16 ジェンダーギャップと賃金 pay gap/representation/quota
17 住宅危機と都市 housing affordability/rent control
18 医療制度と高齢化 healthcare cost/long-term care
19 大学と学費・奨学金 tuition/student debt/access
20 スポーツと社会(万博・五輪含む) mega-events/legacy/cost

【使い方】
1トピック15分。日本語の解説記事を1本読み、
上のキーワードを英語で書き出して意味を確認するだけでよい。
20トピック×15分=5時間。

【社会科学部だけの追加課題】
週3回、The Guardian/The Economist/The New York Times/
The Wall Street Journal の国際・経済面から800語前後の記事を1本読む。
過去5年、この4媒体が出典の中心だった。
記事の「冒頭は具体例、主張は第2〜3段落」という構造に慣れることが、
主旨設問(20本すべてに出る)への最短の対策になる。

SECTION 11

60分の時間配分と、解く順番
現行方式(2025年度以降)の英語は60分です。2026年度は長文4本・24問。1本15分という単純な割り算になります。
時間
やること
狙い
0〜1分
全体の下見
4本の長さをざっと見て、短い順に解く順番を決める
1〜15分
1本目
最も短い長文。ここでリズムを作る
15〜29分
2本目
14分。ペースを1本目より速める意識
29〜43分
3本目
14分
43〜56分
4本目
最も長い長文。残り時間を全部使う
56〜60分
見直し
「TWOを選ぶ問題」で2つマークしたか、マークずれの確認
60分・4本は「1本を捨てない」設計にする
1本あたり6問。1本まるごと落とすと24問中6問、つまり25%を失います。これは致命的です。
逆に、各本で1〜2問落としても全体では8割前後を確保できる。4本すべてに均等に手をつけることが、満点を狙うより重要だということです。
だから「1問に固執しない」が鉄則。1問90秒で決まらなければ飛ばす。4本目にたどり着けない答案が、最も点数を落とします。
本番用タイムテーブル(過去問演習でそのまま使う)

コピー

開始  0分 ─ 4本の長さを見て、短い順に番号を振る(1分)
    1分 ─ 1本目(15分)
   15分 ─ 2本目(14分)
   29分 ─ 3本目(14分)
   43分 ─ 4本目(13分)
   56分 ─ 見直し(4分)
終了 60分

【1本の中の配分(6問構成の場合)】
 0〜1分   空所(A)(B)と下線語(1)(2)の位置に印。設問文は読まない
 1〜10分  本文を通読。空所と下線はその場で処理
 10〜13分 主旨設問と内容一致(TWO)を処理
 13〜15分 見直し。TWOを2つマークしたか確認

【途中チェックポイント】
15分で1本目が終わらない → 主旨と内容一致だけ埋めて次へ
29分で2本目が終わらない → 同上
43分で3本目が終わらない → 4本目に必ず手をつける
              (1本落とすと24問中6問=25%を失う)

【捨てる基準】
1問90秒。決まらなければ印をつけて飛ばす
語彙言い換えが分からない → 前後の文の方向(肯定/否定)だけで2択に絞る
空所補充が分からない → 段落の最後の文を読み直す。それでも駄目なら飛ばす

【最後の4分でやること】
1. 「which TWO」の設問で、2つマークしたかを指で数える(4本分)
2. マーク番号のずれを、長文の変わり目だけ確認する
3. 空欄は必ず埋める。4択なので期待値は必ずプラス

【2024年度以前の過去問を使うとき】
誤り指摘の大問を飛ばし、長文4本だけを60分で解く。
そうしないと本番の時間感覚が身につかない。

SECTION 12

2027年度 超絶入試予想
ここから先は過去5年の実測からの推定です。的中を保証するものではありません。社会科学部は改革の途中にある学部なので、他学部より予想の幅を広めに取っています。
予想①|長文4本・オール読解が定着する(確度:高い)
2026年度に誤り指摘が廃止され、長文4本のみになりました。60分という時間から逆算しても、この構成が最も自然です。2027年度も長文4本・24問前後とみています。
予想②|設問の4類型は変わらない(確度:極めて高い)
空所補充・語彙言い換え・主旨・内容一致(TWO)。この4つは改革をまたいでも一切変わりませんでした。2022年度も2026年度も同じ設問文です。2027年度も同じとみて間違いありません。
とくに主旨設問と最終問の内容一致は、20本すべてに入っています。ここは確実に出ます。
予想③|誤り指摘の復活は考えにくい
10問→6問→廃止という流れは、時間短縮に対応した合理的な整理です。復活する可能性は低いとみています。ただし文法力そのものが不要になったわけではありません。語彙言い換えも空所補充も、正確な構文把握が前提です。
予想④|出典はThe Guardian・The Economistが軸
The Guardian は5年連続、The Economist は4年。この2媒体は2027年度も高確率で使われるとみています。加えて The New York Times、The Wall Street Journal。4媒体で押さえておけば十分です。
予想⑤|テーマは国際政治・経済+社会の話題
硬い国際政治・経済が2本、社会・文化寄りが2本、という配分が近年の傾向です。2026年度は「モニカ・ルインスキー事件」「手話」「安定結婚問題」と、意外なほど幅がありました。政治経済だけに絞らず、社会・文化の記事も読んでおくのが安全です。
予想⑥|共通テストの比重は変わらない
共通テスト120点+独自試験120点=240点という枠は、2025年度に始まったばかりです。当面は維持されるとみています。共通テスト英語40点+独自英語60点=100点。全体の約42%が英語という構造も同じでしょう。
ただし制度は変わりうるので、出願前に必ずその年度の募集要項で確認してください。

SECTION 13

逆算3か月ロードマップ
社会科学部は設問の型が4つしかないので、対策の的が絞れます。やることは「英字メディアの記事を速く正確に読む」の一点です。
時期
目的
やること
1か月目
記事に慣れる
4媒体から800語前後の記事を週5本。冒頭が具体例、主張が第2〜3段落という構造を体に入れる
2か月目
語彙と設問型
頻出語60を「英語の言い換え」で覚える。過去問の長文だけを1本15分で解く練習
3か月目前半
通し演習
長文4本を60分で通す演習を週2回。2024年度以前は誤り指摘を飛ばして使う
3か月目後半
背景知識と共通テスト
予想トピック20を消化。共通テスト英語(配点40点分)の対策も並行する
前日
確認だけ
頻出語リストとタイムテーブルを眺める。新しい問題には手を出さない
共通テスト対策を後回しにしない
現行方式では共通テストが120点、全体の半分を占めます。独自試験だけを磨いても届きません。
とくに英語は共通テスト40点+独自60点。共通テスト英語で高得点を取れば、独自試験の負担が実質的に軽くなります。1月までは共通テスト、そこから2月22日までの1か月で独自試験に集中する、という設計が現実的です。

SECTION 14

落ちる人に共通する7つのパターン
パターン1|90分の想定で演習している
現行方式の英語は60分です。90分で解いていると、本番の体感がまったく違います。
処方:必ず60分で計測する。2024年度以前の過去問は誤り指摘を飛ばし、長文4本だけを60分で解く。
パターン2|4本目に手が回らない
1本6問。まるごと落とすと24問中6問=25%を失います。
処方:1問90秒で見切る。4本すべてに均等に手をつけるほうが、1本を完璧にするより点数が高い。
パターン3|「知識で正しい」選択肢を選ぶ
時事的なテーマなので、世間的には正しいが本文にない選択肢が混ざります。内容一致(TWO)で最も多い失点です。
処方:背景知識は読む速度のために使い、選ぶときは本文の根拠だけを見る。
パターン4|「TWO」を1つしかマークしない
20本中18本が2つ選ぶ形式です。設問文を流し読みすると起きます。
処方:最後の4分で、4本分の「which TWO」を指で数えて確認する。
パターン5|語彙を日本語訳だけで覚えている
選択肢は4つとも「英語の説明文」で、形までそろえてあります。日本語訳の記憶では対応できません。
処方:proliferate=become popular のように、英語の言い換えを1つ添えて覚える。
パターン6|空所補充を文法問題だと思っている
4択すべてが文法的に成立します。品詞や語形からは絞れません。
処方:空所の前後1文ではなく、段落全体の趣旨で決める。入れて音読し、次の文とつながるか確認する。
パターン7|共通テストを軽視する
現行方式では共通テストが240点中120点。独自試験だけ磨いても届きません。
処方:1月までは共通テスト、そこから2月22日までの1か月で独自試験に集中する設計にする。
この記事のまとめ
2025年度に共通テスト併用型へ移行。独自試験の英語は60分・60点
設問数は42問→26問→24問。2026年度に誤り指摘が完全廃止
長文の設問は4類型のみ。主旨と内容一致は20本すべてに入っている
最終問は20本中18本が「which TWO are true」。2つ選ぶ
出典はGuardian・Economist・NYT・WSJの4媒体が中心
設問の型は4つしかありません。
あとは、記事を速く正確に読むだけです。