ENGLISH TEACHER’S BRIEFING ── CASBAH EDITION
中高英語教師のための授業アイデア&最新情報
2026年7月17日(金)| Vol.148 | アルジェの白いカスバより
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BAB I ── 今日のヘッドライン
中学英語教員の英語力、ついに「初の目標達成」── B2以上が58.5%に
旺文社教育情報センターが7月10日、文科省の2025年度「英語教育実施状況調査」を分析したPDF資料を公開しました。中学校教員のCEFR B2(英検準1級相当)以上の割合は58.5%となり、調査開始以来初めて国の目標を達成。中高生の英語力も向上が続いており、高3ではA2(準2級相当)15.3%・B1(2級相当)14.5%と上位層の厚みが増しています。「教師の英語力」はこれまで耳の痛いニュースが続いてきた領域だけに、現場の努力が数字に表れた画期的な一歩。夏の研修シーズン、自分の英語をもう一段磨く追い風にしたい結果です。
BAB II ── 5分でできる帯活動
対象:中1〜中3 | 時間:5分 | 準備:不要(扉の写真があればなお良し)
① 先生が「ここに青い扉があります」と宣言し、扉の向こうの部屋を心に決める(例:a kitchen)。
② 生徒は “Is there a bed behind the door?” のように there is/are の疑問文で質問。先生は Yes/No のみで回答。
③ 3つヒントを得たら “It’s a kitchen!” と推理。当たったら次は生徒が出題者に。
④ 慣れてきたら “There is a big window on the left.” と先生が描写→生徒が絵を描いて照合する逆バージョンも。
💡 ポイント:there is/are+前置詞句が「推理の道具」に変わる瞬間、文法練習が思考活動になります。アルジェのカスバに並ぶ青い扉のように、扉の数だけ部屋(お題)は無限です。
対象:中2〜高校 | 時間:5分 | 準備:教科書本文 or 30秒程度の英文
① 板書:NUMBERS / PLACES / ACTIONS の3列。アルジェリアの国獣・大耳のフェネックにちなみ「今日は耳を大きくして聞く」と宣言。
② 先生が英文を普通の速さで1回読む。生徒は聞こえた数字・地名/場所・動詞をメモ(書き取りではなく”拾い聞き”)。
③ ペアでメモを比較し、空欄を埋め合う。“Did you catch the number?” “I heard ‘thirty’, not ‘thirteen’!”
④ 2回目の読みで答え合わせ。3列すべて埋まったペアが勝ち。
💡 ポイント:「全部聞き取る」から「狙って聞く」への転換で、リスニングの負荷が一気に下がります。thirty/thirteen のような聞き分け弱点も自然に表面化。
BAB III ── AI × 英語指導 最前線
現役教師が共同創業した教育者特化AI。指導案・小テスト・フィードバック文・保護者向けお知らせ・許可書まで、50以上の目的別ツールから選ぶだけで生成でき、プロンプトを書く技術は不要です。FERPA(米教育プライバシー法)準拠で、利用教師は平均1日2.5時間の時短を報告。長い英文をレベル調整したり、本文からの発問リストを一括生成したりと英語科での使い道も豊富です。
✅ 指導案・評価・保護者連絡まで50+の穴埋め式ジェネレーター ✅ FERPA準拠・データ非売買 ✅ 7日間無料トライアル(月額10ドル) ✅ 英文の要約・難易度調整・発問生成に対応
🎓 活用例:2学期最初の単元本文を貼り付け→「Questions」ツールで理解確認Q10問+発展Q3問を一括生成。夏休み中の教材ストック作りに。
録画・録音するだけでAIが話す速さ・フィラーワード(um, uh)・文の出だしのクセ・アイコンタクトまで分析してくれるスピーチコーチ。Toastmasters International(世界最大のスピーチ団体)が公式採用し、面接・プレゼン・スピーチの練習シナリオも用意されています。「人に聞かれずに何度でも練習できる」判定なしの安心環境は、人前で話すのが苦手な生徒にこそ効きます。無料プランで始められます。
🎓 活用例:英語スピーチコンテストや発表前に、生徒が自宅で3回Yoodli練習→フィラーワード数と話速(WPM)の変化をスクショで提出。「練習の見える化」が自信につながります。
BAB IV ── 英語教育ニュース FLASH
🇯🇵 JAPAN ── 本日7/16発表
アイードが、都立高入試で活用される中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J YEAR 3)対策のオンライン模試を発表。8〜11月に全4回、自宅・Web完結で受験でき、AI採点×英語話者採点のダブル方式で本番スコア予測とPart別フィードバックを提供します(1回3,300円)。本番は11月22日。東京圏以外の先生も、スピーキングテストの「模試で慣らす」文化が全国に広がる兆しとして注目です。
🇯🇵 JAPAN
「生成AI時代、学びはどこへ向かうのか」をテーマに、OECDの視点から学びの再構築を議論する文科省委託シンポが7月30日に開催されます。基調講演とパネル「生成AIがもたらす学びの再構築とその可能性」を予定。現地参加は締切済みですが、オンライン参加は受付中・無料。夏休み中に”政策の風向き”をつかむのに最適な機会です。
🌍 GLOBAL
生成AIの影響を最も受ける教科と言われる英語科。NCTEは賛成・反対の「線引き」をせず、AIを教室の”現実”と位置づけたうえで、英語授業でどう考え・どう扱うかの原則と実例を示すフレームワーク(ドラフト版)を公表しました。「AIは動く標的」だとして、現場教師からのフィードバックを募りながら更新していく姿勢が特徴。5段落エッセイ指導の意味を問い直す議論も含まれ、日本の英語科にも示唆の多い内容です。
🔗 Education Week ── English Class Faces an AI Shakeup. A New Guide Helps Teachers Respond
BAB V ── 超絶使える!英語学習ツール
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📚 SKELL
単語を入れると巨大コーパスから本物の例文40個+よく一緒に使う語(コロケーション)を一瞬で表示。「この単語、実際どう使う?」に最強の回答。 |
✏️ UsingEnglish.com
文法クイズ・句動詞&イディオム辞典・教師用ハンドアウトが揃う老舗ポータル。印刷可能なワークシートが探しやすく、朝学習の穴埋めに便利。 |
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📖 Dreamreader
日本の大学教員が作ったレベル別リーディングサイト。音声付きの短い読み物+理解クイズがEasy〜Advancedで数百本。多読入門にぴったり。 |
BAB VI ── 世界の教室から
地中海に面したアフリカ最大の国アルジェリア。公用語はアラビア語と先住アマジグ(ベルベル)の言語タマジクト語ですが、132年に及ぶ植民地時代の名残でフランス語が行政・大学・ビジネスを長く支配してきました。その国が2022年、小学3年からの英語導入という歴史的転換に踏み切ります。「フランス語は過去の遺産、英語は世界への言語」という国民的議論のなか、数万人規模の英語教員を急ピッチで研修・採用し、大学でも理系学部を中心に英語での授業(EMI)への移行が進行中。子どもたちはアラビア語方言・標準アラビア語・タマジクト語・フランス語、そして英語という何層もの言語を行き来しながら学んでいます。新しい言語を「既に持っている言語の力」で受け止める教室が、いま地中海の南岸で生まれつつあります。
🔑 明日から使えるテクニック:Language Bridge Note(言語の橋ノート)
アルジェリアの生徒が新出英単語をフランス語の知識(table, information…)経由で理解するように、日本の生徒にはカタカナ語・外来語を「橋」として意識化させましょう。新出語の横に「知ってるカタカナ語?」欄を作り、energy→エネルギーのような橋と、mansion≠マンションのような「危ない橋(意味ズレ)」を色分けして記録。既有知識が資源に変わり、和製英語のワナ発見はクラスの盛り上がりポイントになります。
BAB VII ── TODAY’S QUOTE FOR TEACHERS
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“People learn about the things that they attend to
and do not learn much about the things they do not attend to.”
人は、注意を向けたことを学ぶ。
注意を向けなかったことは、ほとんど学ばない。
── Richard Schmidt(リチャード・シュミット/「気づき仮説 Noticing Hypothesis」提唱者・ハワイ大学名誉教授)
BAB VIII ── 金曜特集
アルジェのカスバは、海から丘の上へ階段状に積み上がった白い旧市街。金曜の放課後、その坂道をのぼるように今週の授業を3つの視点で振り返ってみませんか。手帳に1行ずつでOKです。
STEP(今週のぼれた一段)── 小さくても「先週より良くなった」と言えることは?(例:指示を英語で通し切れた日が2日あった)
DOORWAY(開けたけど、まだ中が見えない扉)── 手を付けたものの消化しきれていないことは?(例:Yoodliを触ったが授業導線が未設計)
TERRACE(屋上テラスからの眺め)── 一歩引いて見たとき、来週いちばん大事にしたいことは?(例:小テストより帯活動の質に時間を使う)
💡 今日の1分ティップス
リスニング前に「予測メモ30秒」を入れましょう。音源を流す前にタイトルや写真だけ見せ、「聞こえてきそうな英単語を3つ書いて」と指示。予測が当たっても外れても、生徒は”アンテナが立った状態”で聞き始めるので、聞き取れる量が体感で変わります。今日の名言のシュミット流に言えば、注意(attention)を先に配ってから聞かせる仕掛け。準備ゼロで明日から使えます。
📰 ニュース記事
・リシード ── 中高生・教員の英語力向上、中学教員は初の目標達成(7/14)
・リセマム ── 都立高入試「スピーキング模試」提供開始、自宅受験で全4回(7/16)
・リシード ── 文科省、教育×生成AIシンポ7/30…OECD視点から学びを再構築(7/14)
・Education Week ── English Class Faces an AI Shakeup(NCTEのAIフレームワーク)
🛠 ツール・サービス
・Fetchy ── 教師専用50+ジェネレーターのAIアシスタント
・UsingEnglish.com ── 文法クイズ&イディオム辞典
📬 原田先生のニュースレター Vol.148
haradaeigo.com
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