朝勉強と夜勉強、結局どっちが正解? 答えは「あなたの体内時計」しだいだった

読む前に予想してみよう!
10代の若者は、体内時計が大人より夜型に傾きやすい
思春期には眠くなる時間が遅くなる傾向があり、20歳前後で最も夜型になるという大規模調査がある。
- 対象
- 欧州の一般市民/11〜14歳の子ども
- 規模
- 約2万5千人の調査+数十〜100人規模の実験
- 研究の種類
- 大規模調査+実験研究
- 確かさ
- ★★★☆☆
「朝が最強」とは言い切れず、頭が冴える時間帯は人によって違う。10代は体内時計が夜型に傾きやすい。暗記は寝る前、試験本番の時間帯に合わせる工夫も。
ひとことで言うと朝型か夜型かは人それぞれ。自分が冴える時間に、むずかしい勉強を!
「勉強は朝が一番はかどる」「いやいや、夜の方が集中できる」。勉強時間をめぐる永遠の論争です。
結論から言うと、科学的には「どちらが正解」とは決まっていません。カギになるのは、人それぞれの体内時計のタイプ、クロノタイプです。
クロノタイプとは、「朝型」「夜型」のように、一日のどの時間帯に体と頭が活発になりやすいかという個人の傾向のこと。生まれつきの部分もあれば、年齢によって変わる部分もあります。
0110代は「夜型」に傾きやすい
つまり、中高生が夜ふかししがちなのは、だらけているからだけではなく、体のしくみの影響もあるということ。朝が苦手でも、自分を責めすぎる必要はありません。
02「自分の時間帯」の方が成績が良い
心理学には同期効果という考え方があります。自分のクロノタイプに合った時間帯(朝型なら朝、夜型なら夕方以降)に課題をすると、成績が良くなりやすいというものです。
2007年、カナダ・トロント大学のゴールドスタインらは11〜14歳の子どもたちを対象に、知能テストを朝か午後に受けてもらいました。すると、積み木の模様づくりや数字の記憶といった課題では、自分のクロノタイプに合った時間帯に受けたときの方が、成績が良い傾向が見られたんです(語彙のテストでは差なし)。

03時間帯で勉強の中身を変える
では、どう使い分ければいいのでしょうか。ポイントは3つです。
1つ目は、頭が冴える時間帯に、むずかしい勉強(数学の応用問題、長文読解など)をすること。ただし、この「同期効果」は課題の種類によって出たり出なかったりで、どんな勉強にも当てはまるとは限りません。
2つ目は、暗記は寝る前に。覚えたあとに睡眠をはさむと記憶が安定しやすいので、夜型でも朝型でも、寝る前の暗記はおすすめです。
3つ目は、試験本番の時間帯を意識すること。入試や資格試験は、たいてい朝から始まります。夜型の人も、本番前は朝に頭を使う練習をしておくと安心です。
04それでも「朝勉強」が人気な理由
科学的に「朝が最強」とは言えないのに、朝勉強をすすめる人が多いのはなぜでしょう。理由の多くは、体内時計よりも環境にありそうです。
朝は家族がまだ寝ていて静か、スマホの通知も少ない。登校や出勤という締め切りがあるので、ダラダラ延長しにくい。こうした「ジャマが少なく、時間が区切られている」条件は、朝型か夜型かに関係なく集中を助けます。
夜型の人でも、この「静かさ」と「締め切り」を夜に作れれば同じ効果をねらえます。たとえば「夜9時から10時はスマホを別の部屋に置き、10時ぴったりに終える」と決めるだけで、夜の勉強の質はぐっと変わるはずです。
05まとめ
「朝勉強 vs 夜勉強」の答えは、あなたの体内時計しだい。大事なのは、冴える時間にむずかしいことを、寝る前に暗記を、そして本番の時間帯に慣れておくことです。
まずは1週間、自分の「冴える時間」を探すところから始めてみましょう。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerPeople have long argued about whether morning or night is the best time to study, but science gives no…
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4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
Is it better to study in the morning or at night? Science says there is no one answer. Some people are morning types, and others are night types. Teenagers often become more of a night type until about age 20.
In some studies, children did better on tests at their own best time of day. So find your best time for hard work. Also, try to memorize things before you sleep.
71 words ・ CEFR A2
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朝に勉強するのと夜に勉強するのと、どちらが良いのでしょうか。科学によると、答えは一つではありません。朝型の人もいれば、夜型の人もいます。10代の若者は20歳ごろまで夜型に傾くことが多いです。
いくつかの研究では、子どもたちは自分に合った時間帯の方がテストで良い成績をとりました。だから、むずかしい勉強のための自分の一番良い時間を見つけましょう。また、暗記は寝る前にしてみましょう。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
朝と夜どちらが勉強に良いか、自分に合った時間帯を見つけよう、という話なので B。
Q2. Until about what age do teenagers often become more of a night type?
Teenagers often become more of a night type until about age 20. とあるので C。
Q3. In this passage, "memorize" means ...
memorize は「暗記する」なので A。
People have long argued about whether morning or night is the best time to study, but science gives no single answer. It depends on your chronotype, your body clock's natural tendency to be active earlier or later in the day. In 2004, Roenneberg and his team surveyed about 25,000 people and found that people become more night-oriented through childhood and the teenage years, reaching a peak around age 20.
In 2007, a study of children aged 11 to 14 found that they tended to score higher on parts of an intelligence test when it was given at their own best time of day. So do difficult work when you feel sharp, memorize before sleep, and practice at the time of your real exam.
123 words ・ CEFR B1
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勉強に最適なのは朝か夜かについて、人々は長く議論してきましたが、科学は一つの答えを出していません。それはクロノタイプ、つまり一日のうち早い時間か遅い時間に活発になりやすいという体内時計の自然な傾向によって決まります。2004年、レネベルクらのチームは約2万5000人を調査し、人は子ども時代から10代にかけて夜型になっていき、20歳ごろにピークを迎えることを発見しました。
2007年には、11〜14歳の子どもを対象とした研究で、自分に合った時間帯に知能テストを受けると、テストの一部で点数が高くなる傾向があることが分かりました。だから、頭が冴えているときにむずかしい勉強をし、寝る前に暗記をし、本番の試験の時間帯に練習しましょう。
4択リーディングクイズ
Q1. What is a "chronotype"?
your body clock's natural tendency to be active earlier or later in the day と説明されているので D。
Q2. What did the 2004 survey find?
become more night-oriented through childhood and the teenage years, reaching a peak around age 20 とあるので A。
Q3. Why does the writer suggest practicing at the time of your real exam?
本番の時間帯に頭が働くよう慣れておくため、と推論できるので C。
The debate over whether studying is more effective in the morning or at night has no universal winner, because people differ in chronotype, the natural timing of their daily rhythms. In 2004, Roenneberg and colleagues surveyed about 25,000 people and found that individuals shift toward a later, more night-oriented pattern through childhood and adolescence, peaking at around age 20 before gradually moving back.
They even proposed this peak as a marker for the end of adolescence. This suggests that teenagers' late nights are partly biological rather than simply a matter of laziness. Related research points to a synchrony effect: performance may be better when tasks are done at one's optimal time of day. A 2007 study of 11- to 14-year-olds, for instance, found higher fluid intelligence scores when testing matched the child's chronotype.
The evidence, though, has limits. The large survey relied on questionnaires, the synchrony studies were small to medium in size, and the effect appears mainly in certain types of tasks and has not always been replicated. Practical advice is therefore modest: schedule demanding work for your sharpest hours, memorize before sleep, avoid cutting sleep, and rehearse at the time of day your exam will take place.
199 words ・ CEFR B2
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勉強は朝と夜のどちらが効果的かという議論には、誰にでも当てはまる勝者はいません。人によってクロノタイプ、つまり一日のリズムの自然なタイミングが違うからです。2004年、レネベルクらは約2万5000人を調査し、人は子ども時代から思春期にかけて、より遅い夜型のパターンへと移り、20歳ごろにピークに達したあと徐々に戻っていくことを見いだしました。
彼らはこのピークを思春期の終わりのしるしとすることさえ提案しました。これは、10代の夜ふかしが単に怠けの問題ではなく、部分的には生物学的なものだということを示唆しています。関連する研究は同期効果を指摘しています。自分にとって最適な時間帯に課題を行うと、成績が良くなる可能性があるというものです。たとえば11〜14歳を対象とした2007年の研究では、テストの時間が子どものクロノタイプに合っているとき、流動性知能(推論や記憶)の点数が高くなりました。
しかし、この証拠には限界があります。大規模な調査は質問票に頼っており、同期効果の研究は小〜中規模で、効果は主に特定の種類の課題で現れ、必ずしも再現されていません。したがって実践的な助言は控えめなものです。負荷の高い勉強は最も頭が冴える時間に入れ、暗記は寝る前に行い、睡眠を削らず、試験が行われる時間帯に予行演習をすることです。
4択リーディングクイズ
Q1. What does the 2004 survey suggest about teenagers' late nights?
teenagers' late nights are partly biological rather than simply a matter of laziness とあるので B。
Q2. What is the "synchrony effect"?
performance may be better when tasks are done at one's optimal time of day と説明されているので A。
Q3. Why does the author call the practical advice "modest"?
直前で質問票への依存、小〜中規模の研究、再現されないこともあると限界を挙げているので C。
重要単語
- chronotypeC1名詞クロノタイプ(朝型・夜型などの体内時計のタイプ)Your chronotype affects when you feel most alert.
chrono-は「時間」(chronic・chronological)。morning type / evening type(朝型/夜型)と言い換えられる。 - circadian rhythmC1名詞(句)概日リズム(約24時間の体内リズム)Light in the morning resets your circadian rhythm.
circa(約)+dies(日)=「約1日の」。body clock(体内時計)とほぼ同じ文脈で使う。 - adolescenceC1名詞思春期Sleep patterns shift during adolescence.
形容詞・名詞 adolescent(思春期の・若者)。teenager より硬い語で、論文や評論文で使われる。 - alertB2形容詞頭が冴えた、注意深いI feel most alert in the late morning.
名詞 alertness。be alert to ~「~に注意を払う」。名詞の alert は「警報」(a tsunami alert)。 - synchronyC1名詞同期、一致The synchrony effect means matching tasks to your best time.
syn-(共に)+chron(時間)=「同じ時間に」。synchronize(同期させる)、in sync(息が合って)も。 - optimalC1形容詞最適なFind your optimal time for difficult tasks.
optimum とほぼ同義。optimistic(楽観的な)と同じ「最善」の語源。 - demandingB2形容詞負荷の高い・きついDo demanding work when you feel sharp.
demand(要求する)から「多くを要求する」=骨の折れる。a demanding job / teacher のように使う。
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「朝勉強が最強」とよく聞くけど、研究的には“自分の体内時計に合った時間”の方が成績がいいという結果も出ているらしい。しかも10代は体のしくみ的に夜型に傾きやすい時期だった。
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出典・参考文献(4件)タップで表示
- Roenneberg et al. (2004) A marker for the end of adolescence, Current Biologydoi.org
- May, Hasher & Stoltzfus (1993) Optimal time of day and the magnitude of age differences in memory, Psychological Sciencedoi.org
- Goldstein, Hahn, Hasher, Wiprzycka & Zelazo (2007) Time of day, intellectual performance, and behavioral problems in Morning versus Evening type adolescents: Is there a synchrony effect?, Personality and Individual Differencesdoi.org
- Diekelmann & Born (2010) The memory function of sleep, Nature Reviews Neurosciencedoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。













