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英単語は「語呂+イメージ」で一瞬で覚えられる? キーワード法の実力と、意外な弱点

英単語は「語呂+イメージ」で一瞬で覚えられる? キーワード法の実力と、意外な弱点

読む前に予想してみよう!

語呂やイメージを使うキーワード法は、時間がたっても忘れにくい万能の暗記法だ

研究カード(どんな研究?)
対象
英語を話す大学生
規模
数十〜百数十人規模の実験
研究の種類
実験研究+学習法レビュー
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

外国語の単語を似た音の日本語とイメージで結ぶ「キーワード法」は、覚えた直後には強力。ただし時間がたつと忘れやすいという報告もあり、使いどころが大事。

ひとことで言うとにた音のことばと絵でむすぶと、英単語がサッと覚えられる!

もくじ
  1. ロシア語の単語で大差がついた
  2. 弱点:1週間後に効果が薄れることも
  3. 「全部」ではなく「苦手な単語だけ」に使う
  4. 「似た音」が見つからないときの工夫
  5. まとめ

「鳴くよウグイス平安京」「いい国つくろう…」。日本の受験生にはおなじみの語呂合わせ。実はこれ、英単語にも使える世界的な記憶術なんです。

外国語の単語を、似た音の日本語(キーワード)とイメージで結びつけて覚える方法を、心理学ではキーワード法と呼びます。

たとえば「cram(詰め込む)」なら、「クラム→蔵(くら)む」と考えて、蔵の中に荷物をぎゅうぎゅうに詰め込む場面を思い浮かべる。これで「cram=詰め込む」がつながります。

01ロシア語の単語で大差がついた

まったくなじみのない外国語の音を、自分の知っている言葉に「引っかける」ことで、記憶の取っかかりが生まれるわけです。

さらにイメージを使うことで、言葉と絵の両方で覚える二重符号化の効果も期待できます。

02弱点:1週間後に効果が薄れることも

ところが、キーワード法には弱点もあります。

1992年、ワンらの実験では、キーワード法は覚えた直後のテストでは強かったものの、1週間後のテストでは、ふつうに覚えた方と比べて忘れ方が大きかったという結果が出ました。

2013年に心理学者たちが10種類の学習法を比べたレビューでも、キーワード法は「効果低め」に分類されています。理由は、①イメージを作りにくい単語が多い、②作るのに時間がかかる、③長期的な記憶への効果がはっきりしない、など。

キーワード法は「どうしても覚えられない単語」専用の切り札に
キーワード法は「どうしても覚えられない単語」専用の切り札に

03「全部」ではなく「苦手な単語だけ」に使う

つまりキーワード法は、すべての単語に使う万能薬ではなく、どうしても覚えられない単語の「切り札」として使うのが賢い使い方です。

いずれ英語を使えるようになると、語呂を思い出さなくても意味が浮かぶようになります。語呂は、そこへ行くまでの補助輪と考えましょう。

04「似た音」が見つからないときの工夫

キーワード法の最大の壁は、ちょうどいい日本語が見つからないことです。そんなときは、無理に語呂を作らず、別の手を使いましょう。

1つは語源で分解する方法。「inspect(調べる)」なら「in(中を)+spect(見る)」のように、単語のパーツの意味を知ると、まとめて覚えられる単語が一気に増えます。

もう1つは、単語の一部だけを語呂にする方法。全部の音を日本語に置きかえなくても、最初の音だけ引っかかりがあれば十分なこともあります。

どの方法でも共通するのは、覚えたあとに何度か思い出すこと。語呂は「入口」を作るだけで、記憶を太くするのはその後の復習です。

05まとめ

キーワード法は「一瞬で覚えられる」魔法の暗記術…ではありませんでした。でも、どうしても頭に入らない単語の取っかかりとしては、とても頼れる存在です。

今日の単語帳で一番手ごわい単語に、ばかばかしいイメージを一つ作ってみてください。そして明日、ちゃんと思い出せるかテストを忘れずに。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerThe keyword method connects a foreign word to a similar-sounding word in your own language and then joins… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

The keyword method connects a foreign word to a similar-sounding word in your own language and then joins them with a vivid image. For example, a Japanese learner might remember "cram" by imagining a kura, a traditional storehouse, packed full of boxes. In 1975, Atkinson and Raugh at Stanford University found that English-speaking students who used this method scored much higher on a test of 120 Russian words.

However, in a 1992 study by Wang and colleagues, the method was strong right after learning but led to more forgetting one week later. A 2013 review also rated it as low in usefulness. It is best used for a few especially difficult words, together with spaced review.

116 words ・ CEFR B1

和訳を見る

キーワード法は、外国語の単語を自分の言語の似た音の単語と結びつけ、それから鮮やかなイメージでつなぎます。たとえば日本の学習者なら、「cram(詰め込む)」を、伝統的な倉庫である「蔵」に箱がぎゅうぎゅうに詰め込まれている様子を思い浮かべて覚えるかもしれません。1975年、スタンフォード大学のアトキンソンとラウは、この方法を使った英語を話す学生が、120語のロシア語の単語テストではるかに高い得点をとったことを発見しました。

しかし、ワンらによる1992年の研究では、この方法は覚えた直後には強かったものの、1週間後にはより多く忘れる結果になりました。2013年のレビューでも、有用性は低いと評価されました。特にむずかしい少数の単語に、間隔をあけた復習と一緒に使うのが一番です。

4択リーディングクイズ

Q1. In the example, what helps the learner remember "cram"?

Q2. What did the 1992 study find?

Q3. What is the writer's advice?

重要単語

  • mnemonicC1
    名詞・形容詞記憶術(の)A mnemonic can help you remember a hard word. 最初の m は発音しない(ニーモニック)。ギリシャ語の mnēmōn(覚えている)が語源で、記憶の女神 Mnemosyne と同じ語根。
  • vocabularyB1
    名詞語彙Reading widely builds your vocabulary. 「単語1つ」ではなく「語彙全体」を表す集合名詞。a large vocabulary(語彙が豊富)、many vocabularies とは普通言わない。
  • vividB2
    形容詞鮮やかな、生き生きしたCreate a vivid image in your mind. viv-は「生きる」(survive・revive)、vit-は「命」(vital)。a vivid memory「鮮明な記憶」。
  • acquireB2
    動詞習得するChildren acquire language naturally. 名詞 acquisition。language acquisition(言語習得)は英語教育・入試長文の頻出語。
  • long-termB1
    形容詞長期のSpaced review improves long-term memory. 反対は short-term。in the long term「長い目で見れば」も一緒に覚える。
  • stubbornB2
    形容詞頑固な・なかなか直らないUse the keyword method for stubborn words. 人について「頑固な」が基本。a stubborn stain(しつこい汚れ)のように物にも使える。
  • visualizeB2
    動詞思い描く・視覚化するAbstract words are hard to visualize. visual(視覚の)+-ize(~化する)。visualize oneself doing「~している自分を思い描く」。

動画でもっと知る

英単語を「似た音の日本語+イメージ」で覚えるキーワード法。1970年代の実験では、ロシア語の単語テストで大きな差がついたらしい。ただし“1週間後”には弱点も…。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Atkinson & Raugh (1975) An application of the mnemonic keyword method to the acquisition of a Russian vocabulary, Journal of Experimental Psychology: Human Learning and Memorydoi.org
  2. Wang, Thomas & Ouellette (1992) Keyword mnemonic and retention of second-language vocabulary words, Journal of Educational Psychologydoi.org
  3. Dunlosky, Rawson, Marsh, Nathan & Willingham (2013) Improving students' learning with effective learning techniques, Psychological Science in the Public Interestdoi.org