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眠気覚ましに「階段10分」。寝不足の女子大学生では、少量のカフェインより元気が出た

眠気覚ましに「階段10分」。寝不足の女子大学生では、少量のカフェインより元気が出た

読む前に予想してみよう!

眠気覚ましには、カフェインより短い運動のほうが必ず効く

研究カード(どんな研究?)
対象
寝不足ぎみの女子大学生
規模
18人
研究の種類
ランダム化クロスオーバー試験
確かさ
★★☆☆☆
3秒でわかる

寝不足ぎみの女子大学生18人の実験で、10分の階段歩きは少量のカフェインより「元気が出た感覚」を高めた。ただし効果は一時的で、作業成績の差は出なかった。

ひとことで言うと眠いときは、コーヒーの前に「階段10分」もアリかも!

もくじ
  1. カフェイン vs 階段、元気が出たのは?
  2. カフェインは眠気のもと「アデノシン」を邪魔する
  3. 光は? 「明るさ」はある程度効く
  4. まとめ

テスト勉強中、仕事中、運転前……。どうしても眠いとき、あなたは何をしますか?

コーヒーを飲む、明るいところに行く、体を動かす。いろいろな方法がありますが、どれが一番効くのかを同じ人で比べた研究は、意外と多くありません。

そんな中、米国の研究チームが「カフェイン vs 階段」というユニークな対決を行いました。

01カフェイン vs 階段、元気が出たのは?

その前後で気分や集中力をテストしたところ、「元気が出た」と感じる度合い(活力)は、階段歩きの後がカフェインや偽薬より高くなりました。

一方で、記憶や注意力、反応の速さといった作業成績には、3つの間で差は出ませんでした。また、効果は一時的でした。

02カフェインは眠気のもと「アデノシン」を邪魔する

もちろん、カフェインの効果がないわけではありません。

起きている時間が長くなると、脳にはアデノシンという物質がたまり、「そろそろ眠りなさい」という合図になります。カフェインはこのアデノシンが受け取られるのを邪魔して、眠気を一時的に感じにくくする働きをします。

今回の実験で使われた50mgは、かなり少なめの量です。量が多ければ結果は変わったかもしれません。

ただし、カフェインにも得意・不得意があります。2008年の米国の研究では、昼間の仮眠(60〜90分)、カフェイン(200mg)、偽薬を比べました。言葉の記憶では仮眠の方が成績が良く、決まった順番で指を動かす運動の学習では、カフェインがむしろ成績を下げました。

眠気覚まし3番勝負。でも勝敗は「何を測るか」で変わる
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03光は? 「明るさ」はある程度効く

明るい光を浴びることも、よく知られた眠気対策です。

光の覚醒効果について68件の研究をまとめた2018年のレビューでは、白い光を明るくすると主観的な眠気が減るという結果が多く報告されていました。ただし効果が見られなかった研究も少なくなく、「青い光が特に効く」という点については結果がばらついていました。

昼間なら、窓際に移動したり外に出たりするのが手軽な方法です。外に出て少し歩けば、光と運動の合わせ技にもなります。

ちなみに、階段の実験の参加者はふだんからカフェインをとっている人たち(1日40〜400mg)でした。毎日コーヒーを飲んでいる人は、カフェインの効き方に慣れが生じている可能性があります。いつもの一杯が「効かないな」と感じる人ほど、階段を試してみる価値があるかもしれません。

04まとめ

眠気覚ましの「最強」は、目的によって変わりました。気分をシャキッとさせたいなら短い運動、言葉の記憶なら仮眠。カフェインは、指の動きの手順を覚える課題では、むしろ成績を下げることがありました。

でもどれも、寝不足の根本を解決するものではありません。眠気は「寝てね」という体からのメッセージでもあるのです。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerWhich wakes you up better, coffee or a short walk on the stairs? 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Which wakes you up better, coffee or a short walk on the stairs? In 2017, two researchers at the University of Georgia tested this with 18 female college students who usually slept less than 45 hours a week. On different days, each student walked up and down stairs at an easy pace for ten minutes, took 50 milligrams of caffeine, or took a placebo containing flour.

That is about the amount in 80 milliliters of brewed coffee. That is a fairly low dose, so a larger one might have worked differently. After stair walking, the students said they felt more energetic than after caffeine or the placebo. But tests of memory, attention and reaction time showed no difference, and the boost wore off after a while.

126 words ・ CEFR B1

和訳を見る

目を覚ますのに効くのは、コーヒーと階段の短い上り下りのどちらでしょうか?2017年、ジョージア大学の2人の研究者が、ふだん週45時間未満しか眠っていない女子大学生18人でこれを試しました。別々の日に、各学生は、楽なペースで10分間階段を上り下りするか、カフェインを50mgとるか、小麦粉の入った偽薬を飲みました。

これは、いれたコーヒー80mLほどに含まれる量です。かなり少ない量なので、もっと多ければ違う効き方をしたかもしれません。学生たちは、カフェインや偽薬の後より、階段歩きの後のほうが元気が出たと答えました。しかし、記憶、注意力、反応時間のテストには差がなく、その元気もしばらくすると消えました。

4択リーディングクイズ

Q1. What was in the placebo?

Q2. Which result is true according to the passage?

Q3. Why does the writer mention that the caffeine dose was fairly low?

重要単語

  • alertB2
    形容詞頭がさえた、油断のないA short walk helps me stay alert. stay alert「注意を保つ」。名詞で「警報」の意味もある。
  • caffeineB1
    名詞カフェインCoffee and tea both contain caffeine. caffeinated「カフェイン入りの」、decaf「カフェイン抜きの」。
  • vigorC1
    名詞活力、元気Participants reported more vigor after exercise. 形容詞 vigorous「元気な、激しい」。英国つづりは vigour。
  • placeboC1
    名詞偽薬One group received a placebo pill. placebo effect「プラセボ効果」。比較実験の基本用語。
  • temporaryB1
    形容詞一時的なThe energizing effect was only temporary. 反意語 permanent「永続的な」。temporarily「一時的に」。
  • remedyB2
    名詞対処法、治療法Coffee is a common remedy for sleepiness. a remedy for ~「~の対処法」。remedy は動詞で「改善する」の意味も。

動画でもっと知る

寝不足の女子大学生18人で比べたら、10分間ゆっくり階段を上り下りしたほうが、カフェイン50mg(コーヒーなら80mLほど)より「元気が出た」と感じたらしい。ただし集中力テストの成績には差がなかった。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. Randolph DD, O'Connor PJ (2017) Stair walking is more energizing than low dose caffeine in sleep deprived young women, Physiology & Behaviordoi.org
  2. Souman JL et al. (2018) Acute alerting effects of light: A systematic literature review, Behavioural Brain Researchdoi.org
  3. Mednick SC et al. (2008) Comparing the benefits of caffeine, naps and placebo on verbal, motor and perceptual memory, Behavioural Brain Researchdoi.org
  4. 厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&Amhlw.go.jp