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オウムは意味をわかって話している? 6までの数と「ゼロのような概念」を使ったヨウムのアレックス

オウムは意味をわかって話している? 6までの数と「ゼロのような概念」を使ったヨウムのアレックス

読む前に予想してみよう!

オウムがしゃべる言葉は、すべて意味をわかって使っている

研究カード(どんな研究?)
対象
ヨウム「アレックス」1羽ほか、セキセイインコなどの脳
規模
単一個体の長期研究+脳の解析
研究の種類
行動実験・遺伝子発現と神経連絡の解析
確かさ
★★☆☆☆
3秒でわかる

たいていのオウムは音をまねているだけ。でも訓練を受けたヨウムのアレックスは、6までの数を英語で答え、「何もない」を「none」と言い表した。

ひとことで言うと多くのオウムはものまね。でも、意味をわかって話した天才ヨウムもいた!

もくじ
  1. 30年近く続いた「アレックス・プロジェクト」
  2. 6までの数を「理解」していた
  3. オウムの脳には「二重の歌回路」があった
  4. まとめ

「オハヨー」「ピーちゃん、かわいいね」。オウムやインコのおしゃべりは、聞いていて楽しいものです。でも、彼らは意味をわかって話しているのでしょうか?

答えは、「ほとんどの場合はものまね。でも、そうとは言い切れない例がある」。その“例外”として世界的に有名なのが、ヨウム(アフリカの灰色のオウム)のアレックスです。

0130年近く続いた「アレックス・プロジェクト」

アメリカの研究者ペッパーバーグ(Pepperberg)さんは、1970年代からアレックスと一緒に研究を続けました。教え方はユニークです。

2人の人間が、アレックスの前で「これは何色?」「緑!」「正解!」とやりとりして見せる。アレックスは、正しく答えた人がほめられる様子を見て学ぶ――「モデル/ライバル法」と呼ばれるやり方です。正解すると、その物そのもの(たとえば好きなおもちゃ)がもらえるので、言葉と物が直接結びつくように工夫されていました。

026までの数を「理解」していた

さらに面白いのは、「何色のものがいくつ?」に対して、該当するものが1つもないとき、アレックスが「none(ない)」と答えたこと。研究者はこれを「ゼロに近い概念」と呼びました。

2006年の総説では、アレックスが小さな数の足し算もできたことが紹介されています。

「何色のものが4つある?」のように、数を手がかりに答えさせた
「何色のものが4つある?」のように、数を手がかりに答えさせた

03オウムの脳には「二重の歌回路」があった

なぜオウムは、ここまで声をあやつれるのでしょう?

鳥の中で、聞いた音をまねて自分の声を作り変えられる(発声学習ができる)のは、オウム・スズメの仲間(鳴き鳥)・ハチドリの3グループだけです。

04まとめ

オウムのおしゃべりのほとんどは、音のものまねです。でも、長い時間をかけて言葉と物を結びつけたアレックスは、色や形、数、そして「何もない」まで、意味をもった言葉として使ってみせました。

オウムの頭の中には、私たちが思うより多くのことが入っているのかもしれません。2007年にアレックスが亡くなったあとも、その研究は「動物の心」を考える大切な手がかりであり続けています。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMost talking parrots simply imitate sounds without understanding them. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Most talking parrots simply imitate sounds without understanding them. An African gray parrot named Alex suggested that some parrots may understand more. For almost 30 years, the researcher Pepperberg trained him with a special method.

Alex watched two people ask and answer questions, and he learned by seeing the correct person get praised. In a 2005 study, Alex was shown mixed groups of colored objects and asked questions like "Which color has four?" He answered correctly more than 80 percent of the time.

When no group matched the number, he said "none." That is close to the idea of zero. Scientists have also found that parrot brains have a special song system.

112 words ・ CEFR B1

和訳を見る

話すオウムのほとんどは、意味を理解せずに音をまねているだけです。アレックスという名のヨウムは、もっと多くを理解しているオウムもいるかもしれないことを示しました。30年近くにわたり、研究者のペッパーバーグは特別な方法でアレックスを訓練しました。アレックスは2人の人が質問し答えるのを見て、正しく答えた人がほめられる様子から学んだのです。

2005年の研究では、アレックスに色の違うものをまぜたグループを見せ、「4つあるのは何色?」のような質問をしました。

アレックスは80%以上の確率で正しく答えました。その数に合うグループがないときは「none(ない)」と言いました。これはゼロの考え方に近いものです。科学者たちは、オウムの脳に特別な歌の回路があることも見つけています。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the passage mainly about?

Q2. How often did Alex answer correctly in the 2005 study?

Q3. Why did Alex's use of "none" interest researchers?

重要単語

  • imitateB2
    動詞まねるParrots can imitate human speech. 名詞 imitation。mimic, copy も同じ意味で、言い換え問題で出る。
  • labelB1
    名詞・動詞名前(をつける)、ラベルAlex used English labels for colors. 発音は /ˈleɪbəl/(レイベル)。label A as B「AにBというレッテルを貼る」。
  • vocal learningC1
    名詞(句)発声学習Vocal learning is rare in the animal kingdom. 聞いた音をまねて自分の声を作り変える能力。鳥ではオウム・鳴き鳥・ハチドリだけに見られる。
  • comprehensionB2
    名詞理解His comprehension of numbers was tested carefully. comprehend(理解する)の名詞形。reading comprehension「読解」。comprehensive(包括的な)と区別。
  • gray parrotB2
    名詞(句)ヨウムThe gray parrot named Alex became famous. gray はアメリカ綴り、イギリスでは grey。どちらも正しい。
  • conceptB1
    名詞概念Alex seemed to have a zero-like concept. conceive(考えつく)と同語源。conception(概念・妊娠)も入試頻出。
  • generalizeB2
    動詞一般化するResults from one bird cannot be generalized to all parrots. 名詞 generalization。研究の限界(少数例からの一般化)を述べる定番語。

動画でもっと知る

オウムのおしゃべりは、ほとんどが音のものまね。でも長年訓練を受けたヨウムのアレックスは、色や6までの数を英語で答え、ものが1つもないときは「none」と言った。意味をわかって話せた例だ。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Pepperberg & Gordon (2005) Number comprehension by a grey parrot (Psittacus erithacus), including a zero-like concept, Journal of Comparative Psychologydoi.org
  2. Pepperberg (2006) Grey parrot numerical competence: a review, Animal Cognitiondoi.org
  3. Chakraborty et al. (2015) Core and Shell Song Systems Unique to the Parrot Brain, PLOS ONEdoi.org