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【広島大の入試に出た】犬も「寝て覚える」。お昼寝中の脳波が、覚えた指示の上達を予言した

【広島大の入試に出た】犬も「寝て覚える」。お昼寝中の脳波が、覚えた指示の上達を予言した

読む前に予想してみよう!

犬の睡眠中の脳波を測る研究では、頭に手術で電極を埋め込む必要がある

研究カード(どんな研究?)
対象
家庭で飼われている犬
規模
各十数〜数十頭
研究の種類
実験研究(非侵襲的な睡眠脳波)
確かさ
★★☆☆☆
3秒でわかる

新しい指示を覚えた犬が昼寝すると、脳波が変化し、その変化が起きた犬ほど寝た後に成績が上がった。嫌な体験の後は、寝つきも早かった。

ひとことで言うと犬も人間と同じで、寝ているあいだに覚えたことを整理しているらしい!

もくじ
  1. 痛くない方法で、犬の睡眠脳波を測る
  2. 覚えたあとの昼寝で、脳波が変わった
  3. 犬にも人間の「睡眠紡錘波」に似た波がある
  4. 嫌なことがあった日は、すぐ寝る
  5. まとめ

テスト前に「一夜漬けより、寝たほうが覚えられる」と言われたことはありませんか? 人間では、睡眠が記憶を定着させることが多くの研究で知られています。

では、犬はどうでしょう。犬も、寝ているあいだに覚えたことを整理しているのでしょうか。ハンガリーの研究チームが、ペットの犬の「お昼寝」を調べて、その答えに迫りました。

「犬の睡眠パターンの研究がもたらす知見」は、2026年度の広島大学(前期)の英語で長文のテーマになりました(河合塾の解答速報・講評で確認)。

01痛くない方法で、犬の睡眠脳波を測る

これまで動物の睡眠研究では、脳に電極を埋め込む方法が使われることもありました。でもペットの犬にそんなことはできません。

そこでハンガリー科学アカデミーやエトヴェシュ・ロラーンド大学などの研究者たちは、頭の表面に電極を貼るだけの、痛みのない方法を開発しました。人間の睡眠検査とほぼ同じやり方です。飼い主のそばで、犬はふつうにスヤスヤ眠ります。

02覚えたあとの昼寝で、脳波が変わった

研究チームは、これを犬の人間に近い社会的な学習能力が睡眠による記憶の定着と関係している可能性を示す、初めての証拠だとしています。

03犬にも人間の「睡眠紡錘波」に似た波がある

人間の睡眠中には、睡眠紡錘波(スピンドル)と呼ばれる、ほんの短い時間だけ現れる脳波の波があります。学習した内容の定着に関わるとされる波です。

同じ年に発表された別の研究では、犬の睡眠中に見られるこのスピンドルに似た波を、はじめて数値で測り、学習との関係を調べました(Scientific Reports, 2017)。そして、学習した後のほうがこの波が多く、波が多い犬ほど、後のテストで成績が伸びていたのです。メスの犬のほうが波が多いという、人間とよく似た性差も見られました。

犬も寝ているあいだに、その日覚えたことを復習しているのかもしれない
犬も寝ているあいだに、その日覚えたことを復習しているのかもしれない

04嫌なことがあった日は、すぐ寝る

感情と睡眠の関係も調べられています。寝る前に、なでたりボールで遊んだりする楽しい体験をした場合と、飼い主と離されたり、人に威圧的な態度で近づかれたりする嫌な体験をした場合で、16頭の犬の睡眠を比べました(Proceedings of the Royal Society B, 2017)。

すると、嫌な体験のあとは寝つくまでの時間が短く、睡眠の段階の配分も変わっていました。研究チームは、感情的な出来事が犬の睡眠に影響することを示す、初めての直接的な証拠だとしています。

05まとめ

犬も人間と同じように、眠っているあいだに学んだことを整理しているらしい。

愛犬に新しい芸を教えたら、そのあとはゆっくり昼寝させてあげましょう。そしてあなたも、勉強のあとは夜ふかしせずに眠るのが、いちばんの復習法かもしれません。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMany studies show that sleep helps humans store new memories. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Many studies show that sleep helps humans store new memories. Researchers in Hungary wanted to know if the same is true for dogs. They developed a painless way to record brain waves by simply attaching sensors to the surface of a dog's head, much like a human sleep test.

In a 2017 study, pet dogs learned new commands and then took a nap. After learning, their brain waves during sleep changed, and these changes were linked to how much their performance improved after waking. Another study found short bursts of brain activity similar to human 'sleep spindles'. Dogs that showed more of these bursts improved more on later tests.

109 words ・ CEFR B1

和訳を見る

多くの研究が、睡眠は人間が新しい記憶を蓄えるのに役立つことを示しています。ハンガリーの研究者たちは、同じことが犬にも当てはまるのかを知りたいと考えました。彼らは、人間の睡眠検査とよく似た、犬の頭の表面にセンサーを付けるだけで脳波を記録できる、痛みのない方法を開発しました。

2017年の研究で、ペットの犬たちは新しい指示を覚え、その後昼寝をしました。学習の後、睡眠中の脳波は変化し、その変化は、起きた後に成績がどれだけ伸びたかと関係していました。別の研究では、人間の「睡眠紡錘波」に似た短い脳活動の波が見つかりました。この波を多く示した犬ほど、後のテストで成績が伸びました。

4択リーディングクイズ

Q1. What was special about the researchers' method?

Q2. What was linked to the dogs' improvement after sleep?

Q3. Which advice for dog owners do these results support?

重要単語

  • consolidationC1
    名詞(記憶の)定着、固定化Sleep plays a role in memory consolidation. consolidate(強化する、固める)の名詞形。memory consolidation は睡眠と記憶の長文で必須。
  • non-invasiveC1
    形容詞非侵襲的な(体を傷つけない)The scientists used a non-invasive method. invade(侵入する)の形容詞 invasive に否定の non-。invasive species(外来種)も入試頻出。
  • polysomnographyC1
    名詞睡眠ポリグラフ検査Polysomnography records brain waves during sleep. poly(多くの)+somn(眠り)+graphy(記録)。insomnia(不眠症)の somn と同じ。
  • commandB1
    名詞・動詞命令、指示/命じるThe dog learned a new command. have a good command of English「英語を自由に使いこなせる」の用法も入試頻出。
  • sleep spindleC1
    名詞(句)睡眠紡錘波Sleep spindles are linked to learning. spindle は糸を紡ぐ「紡錘」。脳波の形が紡錘に似ていることから。
  • latencyC1
    名詞潜時(反応までの時間)Sleep latency is the time it takes to fall asleep. latent(潜在的な)の名詞形。ITの「遅延」の意味でも使われる。
  • resembleB2
    動詞~に似ているThe bursts resemble human sleep spindles. 他動詞なので resemble to ~ は誤り。正誤問題の定番。進行形にもしない。

動画でもっと知る

犬も人間みたいに「寝て覚える」らしい。新しい指示を覚えた後に昼寝させて脳波を測ったら、睡眠中の脳波の特徴が、起きた後の上達ぶりと関係していた。ハンガリーの研究チームが、頭に電極を貼るだけの痛くない方法で確かめた。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Kis et al. (2017) The interrelated effect of sleep and learning in dogs (Canis familiaris); an EEG and behavioural study, Scientific Reportsdoi.org
  2. Iotchev et al. (2017) EEG transients in the sigma range during non-REM sleep predict learning in dogs, Scientific Reportsdoi.org
  3. Kis et al. (2017) Sleep macrostructure is modulated by positive and negative social experience in adult pet dogs, Proceedings of the Royal Society Bdoi.org