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知らない英単語は「推測してから辞書」が最強? 実験すると記憶は同じで、時間だけ多くかかっていた

知らない英単語は「推測してから辞書」が最強? 実験すると記憶は同じで、時間だけ多くかかっていた

読む前に予想してみよう!

知らない単語は、自分で意味を推測してから確認したほうが、最初から意味を教えてもらうより必ずよく覚えられる

研究カード(どんな研究?)
対象
オランダの中高生、上級フランス語学習者など
規模
数十〜100人規模
研究の種類
実験研究
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

文脈から推測→辞書で確認→暗記の手順は、最初から意味を教わって暗記するのと記憶量は同程度で、時間は大幅に多くかかった。

ひとことで言うと意味を「推測してから調べる」は思ったほど得じゃない。最後に覚えるのが大事!

もくじ
  1. 推測しても、記憶はほぼ同じだった
  2. でも「推測だけ」は危ない
  3. カギは「どれだけ深く関わるか」
  4. まとめ

英語の長文で知らない単語に出会ったら、まず文脈から意味を推測して、それから辞書で確かめる。英語の先生がよくすすめる方法です。

「自分で考えたほうが記憶に残る」。直感的には正しそうですよね。ところが、オランダの研究者がこれを実験で確かめると、意外な結果が出ました。

01推測しても、記憶はほぼ同じだった

つまり、「推測→確認」の手順そのものに特別な記憶効果があるわけではなかったのです。推測と確認にも記憶の効果はありましたが、その大きさはほぼ同じくらいで、暗記の効果には及びませんでした。

02でも「推測だけ」は危ない

では、推測はムダなのでしょうか? ここで別の研究が登場します。

推測だけに頼ると、誤った意味のまま覚えてしまうか、そもそも気にせず読み流してしまうことが多いのです。

推測は出発点。確認と暗記でゴールまで
推測は出発点。確認と暗記でゴールまで

03カギは「どれだけ深く関わるか」

ラウファーとフルスティーンは2001年、単語の記憶はその単語にどれだけ深く関わったか(関与の深さ)で決まるという考えを提案しました。

関与の深さを決めるのは3つの要素です。

  • 必要性:その単語を知る必要があるか(読解や作文で困るか)
  • 検索:意味を自分で調べたか
  • 評価:文脈にどの意味が合うか、比べて判断したか

推測→辞書確認は「検索」と「評価」を含むため、関与は深いと言えます。しかし、モンドリアの結果からは、同じ時間を使うなら、最初から意味を見て暗記したほうが効率がよい場合もあると読めます。大事なのは、最終的にきちんと覚えるステップを省かないことです。

04まとめ

「推測してから辞書」は悪い方法ではありません。でも、それだけで記憶が強くなるわけではなく、時間もかかることがわかりました。

大事なのは、推測は軽く、確認は確実に、そして最後にちゃんと覚えること。今日の長文で調べた単語を、3つだけ単語帳に書き写して、明日テストしてみましょう。

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原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Many teachers recommend guessing an unknown word from context before checking a dictionary, because thinking for yourself seems to strengthen memory. A 2003 study by Mondria tested this idea with Dutch students learning French.

One group guessed the meaning from context, checked it in a word list, and then memorized it. The other group was given the meaning from the start and memorized it right away. Both groups remembered about the same amount, but the guessing method took much more time.

The memorizing step had the biggest effect. Guessing alone is risky, however. In a 1996 study, advanced readers without glosses or a dictionary often ignored unknown words or guessed wrong meanings. The best approach is to guess briefly, check carefully and then memorize the word.

126 words ・ CEFR B1

和訳を見る

多くの先生は、辞書を確認する前に文脈から知らない単語を推測することをすすめます。自分で考えることが記憶を強めるように思えるからです。

モンドリアによる2003年の研究は、フランス語を学ぶオランダの生徒たちでこの考えを検証しました。一方のグループは文脈から意味を推測し、単語リストで確認し、それから暗記しました。もう一方のグループは最初から意味を与えられ、すぐに暗記しました。どちらのグループもほぼ同じ量を覚えていましたが、推測する方法はずっと多くの時間がかかりました。

最も大きな効果があったのは暗記の段階でした。しかし、推測だけに頼るのは危険です。1996年の研究では、注釈も辞書もない上級の読み手は、知らない単語を無視したり、間違った意味を推測したりすることが多かったのです。最もよいやり方は、短く推測し、しっかり確認し、それから単語を暗記することです。

4択リーディングクイズ

Q1. In Mondria's study, what did the second group do?

Q2. Which step had the biggest effect on memory?

Q3. What can we infer from the 1996 study?

重要単語

  • inferC1
    動詞推測するTry to infer the meaning from context. infer A from B「B から A を推測する」。名詞 inference。guess より硬く、根拠にもとづく推測を表す。
  • verifyB2
    動詞確かめる・検証するVerify your guess with a dictionary. ver-(真実)+ -ify(~にする)。very と同語源。名詞 verification。
  • glossC1
    名詞注釈(欄外の訳や説明)The gloss gave the meaning in Japanese. marginal gloss「欄外注」。教科書の脚注の語注がこれ。glossary「用語集」と同語源。
  • incidental learningC1
    名詞(句)付随的学習(読みながら自然に覚えること)Incidental learning happens while reading. incidental は「付随的な・偶然の」。反対は intentional / deliberate learning(意図的学習)。SLA の基本用語。
  • involvementB2
    名詞関与・深く関わることHigher involvement leads to better memory. 動詞 involve。involvement load hypothesis「関与負荷仮説」は語彙学習研究の有名な仮説。
  • memorizeB1
    動詞暗記するMemorize the word after you check its meaning. memory の動詞形。memorize は「意図して覚える」、remember は「覚えている・思い出す」。
  • deliberateC1
    形容詞意図的な・計画的なDeliberate memorization is still necessary. 副詞 deliberately「わざと」。動詞では「熟考する」(発音が変わる:形容詞 -rət、動詞 -reɪt)。
「知らない単語は文脈から推測してから辞書で確認すると覚えられる」とよく言うけど、オランダの実験では、最初から意味を教えてもらって覚える方法と記憶の量は同じくらいで、時間はずっと多くかかったらしい。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Mondria (2003) The effects of inferring, verifying, and memorizing on the retention of L2 word meanings. Studies in Second Language Acquisitiondoi.org
  2. Hulstijn, Hollander & Greidanus (1996) Incidental vocabulary learning by advanced foreign language students: The influence of marginal glosses, dictionary use, and reoccurrence of unknown words. The Modern Language Journaldoi.org
  3. Laufer & Hulstijn (2001) Incidental vocabulary acquisition in a second language: the construct of task-induced involvement. Applied Linguisticsdoi.org