
Meat Day (Niku no Hi)
肉の日(2月9日・毎月29日)の由来と歴史(詳しく)
いつから?なぜ?名前の意味は? 肉の日(2月9日・毎月29日)の本当の話を、確かな資料でたどります。
1肉の日の由来:「2・9」で「にく」
肉の日は、数字遊びから生まれました。
日本語では、数字をいろいろな読み方で読めます。2は「に」、9は「く」。並べると「にく」です。こうした数字の読みかえを「語呂合わせ」と言い、日本には語呂合わせの記念日がたくさんあります。
肉の日のもとは、毎月29日です。全国の都道府県にある食肉の消費者対策の協議会などが、29日を「肉の日」としてきました。昭和40年代(1965〜1974年ごろ)には、もう29日を肉の日と呼んでいた例が確かめられています。今も、精肉店の全国団体である全国食肉事業協同組合連合会(全肉連)が、29日をはさむ数日間に加盟店で特別販売を行っています。
でも、2月には29日がありません(うるう年をのぞく)。そこで生まれたのが、2月9日の「お肉の日」です。始まりは平成29年の2017年。「29」の年なので「肉の年」と呼ばれた年でした。全肉連は「2月9日はお肉の日」として、精肉店で抽選キャンペーンを行っています。2027年の回は1月15日から2月9日までで、賞品は黒毛和牛のすき焼き用の肉です。
英語で説明するなら、In Japanese, 2 can be read ni and 9 can be read ku. Together, they make niku, which means meat. と言えば伝わります。

2日本の肉食の歴史:天皇の「肉食禁止」から牛鍋ブームへ
今の日本人は肉が大好きです。でも、長いあいだ肉をあまり食べない国でした。
675年、天武天皇は「牛・馬・犬・猿・鶏の肉を食べてはいけない」という命令を出したと『日本書紀(にほんしょき)』に書かれています。おもしろいのは、鹿と猪(いのしし)は入っていないことです。この命令が4月から9月までの期間限定だったのか、一年中だったのかは、研究者の間でも意見が分かれています。
その後も、仏教の考え方などから、肉を食べることは表向き避けられてきました。それでも江戸の町には「ももんじ屋」という獣の肉を出す店があり、猪・鹿・うさぎ・熊などが売られていました。大名行列は、ももんじ屋の前を通るのをいやがったそうです。一方で彦根藩(滋賀県)は、毎年冬に牛肉のみそ漬けを将軍に献上していました。
大きく変わったのは明治時代です。1872年(明治5年)、明治天皇が牛肉を食べたことが伝えられ、肉食は「文明開化」の象徴になりました。その前年の1871年には、牛鍋屋を舞台にした仮名垣魯文(かながきろぶん)の小説『安愚楽鍋(あぐらなべ)』が出ています。東京の牛肉屋は、1877年ごろには558軒にまで増えました。
それでも、1883年の日本人ひとりあたりの1年間の肉の消費量は、わずか約4グラム。それが1926年には500グラムを超えました。肉が毎日の食卓にのぼるのは、まだずっと先のことです。
🕰️ 肉の日(2月9日・毎月29日)の年表
- 675年天武天皇が牛・馬・犬・猿・鶏の肉を食べることを禁じる(『日本書紀』)。鹿と猪は対象外。
- 江戸時代獣肉を出す「ももんじ屋」が町にあり、彦根藩は牛肉のみそ漬けを将軍に献上していた。
- 1872年明治天皇が牛肉を食べたと伝えられる。仮名垣魯文が「焼肉」を barbecue の訳語に使う。
- 1965〜1974年ごろ毎月29日を「肉の日」と呼ぶ例が確かめられる(昭和40年代)。
- 1993年全国焼肉協会が8月29日を「焼肉の日」にする。
- 2017年平成29年の「肉の年」。2月9日の「お肉の日」の取り組みが始まる。
3肉の日の楽しみ方:29日の仲間がいっぱい
「29=にく」の語呂合わせは、ほかの記念日にも使われています。
8月29日「焼肉の日」:1993年、焼肉店の団体である全国焼肉協会が決めました。
10月29日「国産とり肉の日」:日本食鳥協会が広めています。
11月29日「いい肉の日」:「いい(11)にく(29)」。宮崎牛の団体などがPRしています。
4月29日「シカにくの日」:「シ(4)カにく(29)」。徳島県の宿が、鹿肉などのジビエ料理を広めようとしています。
焼肉の歴史にも、へえ、という話があります。「焼肉」という言葉は、1872年に仮名垣魯文が書いた『西洋料理通』で、英語の barbecue(バーベキュー)の訳語として使われています。今のような焼肉店は、戦後の食料が足りない時代に、在日韓国・朝鮮の人々が内臓などの肉を焼いて出した店から広がったとされます。1960年代の後半までは、焼肉は「朝鮮料理」と呼ばれることが多かったそうです。
1968年には家庭用の焼肉のたれが発売され、家でも焼肉が楽しめるようになりました。1991年4月に牛肉の輸入が自由化されると、焼肉のチェーン店が次々に生まれました。
🎁 シンボルと小物
「2(に)9(く)」の語呂合わせで、肉の日の主役。
明治の文明開化を象徴する料理。すき焼きのルーツの一つ。
テーブルで肉を焼いて食べる料理。戦後に広まった。
4よくある誤解とホント:江戸時代の人は肉をまったく食べなかった?
誤解1:江戸時代の人は、肉をまったく食べなかった。 ホントは、ももんじ屋のような獣肉の店があり、猪や鹿の肉を食べる人もいました。彦根藩の牛肉のみそ漬けのように、大名の世界でも牛肉が贈り物になっていました。「表向きは避けるが、食べる人もいた」というのが実際の姿に近いでしょう。
誤解2:675年の命令で、肉はすべて禁止された。 禁止されたのは牛・馬・犬・猿・鶏で、鹿と猪は入っていません。しかも、期間を区切った命令だったという読み方もあります。
誤解3:肉の日は国が決めた日。 国の祝日でも、国が決めた記念日でもありません。食肉業界の団体などが、肉をもっと食べてもらうために広めてきた日です。1988年に日本が牛肉の輸入自由化に合意したときには、畜産振興事業団が輸入牛肉をまとめて買い入れ、協力店で売る制度がなくなることになり、「肉の日」を続けるかどうかが話し合われたこともありました。
誤解4:2月の肉の日はない。 2月9日が「お肉の日」です。さらに、うるう年の2028年には2月29日もあるので、2月に肉の日が2回やってきます。
💡Fun Facts肉の日(2月9日・毎月29日)の豆知識 6連発
毎月29日を「肉の日」と呼ぶ習慣は、昭和40年代にはもうありました。
People in Japan have called the 29th of the month Meat Day since the 1960s or 1970s.
2月9日の「お肉の日」が始まった2017年は平成29年。「肉の年」と呼ばれました。
In 2017, the Japanese year number was 29. So people called it the Year of Meat.
675年の肉食禁止の命令に、鹿と猪は入っていませんでした。
In 675, an emperor banned some kinds of meat. But deer and wild boar were not on the list.
1883年の日本人ひとりあたりの1年間の肉の消費量は、約4グラムでした。
In 1883, one person in Japan ate only about 4 grams of meat in a whole year.
「焼肉」という言葉は、1872年に英語の barbecue の訳語として本に登場しています。
The word yakiniku appeared in a book in 1872. It was used for the English word barbecue.
うるう年の2028年は、2月9日と2月29日の2回、2月に肉の日があります。
In 2028, February has 29 days. So there are two meat days in February that year.
▶️Videos & Links肉の日(2月9日・毎月29日)の動画とリンク集
What would happen if everyone stopped eating meat tomorrow? - Carolyn BeansTED-Ed
内田温- ぼくらは肉でできている [ENG SUB] Halle Uchida - We are made of meatyu
