
Black Friday
ブラックフライデーの由来と歴史(詳しく)
いつから?なぜ?名前の意味は? ブラックフライデーの本当の話を、確かな資料でたどります。
1ブラックフライデーの由来:名づけ親はフィラデルフィアの警察官
1950年代、アメリカ東部の大都市フィラデルフィア。感謝祭の翌日の金曜日になると、街の中心に買い物客がどっと押し寄せました。しかも翌日の土曜日には、陸軍と海軍の士官学校どうしが戦う人気のアメフトの試合「アーミー・ネイビー・ゲーム」がこの街で開かれ、観客もやってきます。道は大渋滞、店の前は人の波です。
休みも取れずに交通整理に追われた警察官たちは、この2日間を皮肉をこめて「ブラックフライデー」「ブラックサタデー」と呼びました。英語の black には「最悪の、不吉な」という意味があります。これが、買い物の日としての「ブラックフライデー」の始まりと考えられています。
商店の人たちは、この暗い名前が気に入りませんでした。1961年には、PRの専門家の提案で「ビッグフライデー」「ビッグサタデー」に言い換えようとしましたが、すぐに忘れられてしまいます。全国紙のニューヨーク・タイムズが初めてこの言葉を使ったのは1975年11月29日。それでも1985年の時点で、シンシナティやロサンゼルスの小売業者はまだこの言葉を知らなかったそうです。全米に広まったのは、そのあとのことでした。

2ブラックフライデーの歴史:感謝祭の日付まで動かした「クリスマス商戦」
感謝祭の翌日からクリスマスの買い物が始まる、という習慣は古くからありました。1939年には、ローズベルト大統領が「クリスマスまでの買い物期間を長くするため」に感謝祭を1週間早めています。皮肉をこめて「フランクスギビング」(大統領の名前フランクリンとのかけ合わせ)と呼ばれ、1941年に議会が感謝祭を「11月の第4木曜日」と法律で決めました。
その後、店の開店時間はどんどん早くなります。目玉商品を数量限定で安く売る「ドアバスター(ドアを壊すほど客が殺到する商品)」を目当てに、夜明け前から行列ができるようになりました。2011年には感謝祭の木曜日の夜8時や9時に開店する店が相次ぎ、「ブラックサーズデー」と批判されます。家族で過ごす祝日を奪う、という声が強まり、2020〜2021年の新型コロナの流行をきっかけに、大手の多くは感謝祭の日の営業をやめました。
ネットの買い物も加わりました。2005年、全米小売業協会のネット部門が、週明けの月曜日を「サイバーマンデー」と名づけています。
🕰️ ブラックフライデーの年表
- 1869年9月24日金相場の暴落。この日が最初の「ブラックフライデー」と呼ばれる。
- 1939年ローズベルト大統領が、買い物期間を長くするため感謝祭を1週間早める。
- 1950年代フィラデルフィア警察が、感謝祭翌日の大混雑を「ブラックフライデー」と呼ぶ。
- 1961年フィラデルフィアの商店が「ビッグフライデー」への言い換えを試みるが失敗。
- 1981年「赤字が黒字になる日」という説明が初めて新聞に出る。
- 2014年日本トイザらスがセールを開き、日本でのブラックフライデーが始まる。
3アメリカのブラックフライデーの過ごし方:行列派、ネット派、買わない派
感謝祭の木曜日に家族で七面鳥のごちそうを食べ、翌朝はまだ暗いうちに家を出て、開店前の行列に並ぶ。ブラックフライデーといえば、そんな姿が思い浮かびます。
ただ、早朝の行列に参加するのは実は少数派です。2012年のギャラップ社の調査では、ブラックフライデーに買い物に行くつもりだと答えたアメリカの大人は18%だけでした。最近はスマホで買う人が増え、店に行かずに済ませる人も多くなっています。
大きなチェーン店ばかりがもうかることへの反対もあります。2010年にはクレジットカード会社のアメリカン・エキスプレスが、翌日の土曜日を地元の小さな店で買い物をする「スモール・ビジネス・サタデー」として始めました。
さらに正反対の日もあります。1992年にカナダの芸術家テッド・デイブが始めた「バイ・ナッシング・デー(何も買わない日)」です。北米ではブラックフライデーと同じ日に行われ、空っぽのショッピングカートを押して店の中をただ歩き回る、という変わった抗議まであります。
🎁 シンボルと小物
数量限定の目玉商品。開店前から行列ができる。
赤い「SALE」の札が店じゅうにあふれる。
1950年代のフィラデルフィアで、この試合が大混雑の原因のひとつだった。
週明けの月曜日のネットセール。2005年に名づけられた。
4日本のブラックフライデーはいつから?世界に広がるセール
日本で最初とされるのは、2014年の日本トイザらスのセールです。2016年には経団連の会長が「日本版ブラックフライデー」を提案して注目され、同じ年にイオンも始めました。2017年に楽天市場、2019年にAmazonジャパンが加わり、すっかり定着しました。
日本の特徴は、アメリカより1週間ほど早く、11月中旬から始まって1〜2週間続くことが多い点です。勤労感謝の日(11月23日)に合わせる店もあります。ダジャレも得意で、「クロ」と読める96円の商品を並べるなど、名前にちなんだ工夫が見られます。
イギリスでは、もともと「ブラックフライデー」は警察や救急の言葉で、クリスマス前の最後の金曜日のことでした。街に飲みに出る人が多く、警察や救急が大忙しになる夜だったのです。2010年代にアメリカ系のアマゾンやアズダがセールを持ちこみ、2014年には店に客が殺到して、各地で警察が呼ばれる騒ぎになりました。
5よくある誤解とホントのところ
誤解1:「お店が赤字から黒字になる日」だからブラック
ホント:これはあとづけの説明です。帳簿で赤字を赤、黒字を黒で書くことから「1年中赤字だった店が、この日に黒字になる」という話ですが、新聞に初めて出たのは1981年11月28日のフィラデルフィア・インクワイアラー紙。暗い名前を嫌ったお店側が、明るい意味に読みかえたものとされています。
誤解2:奴隷が安く売られた日だから
ホント:SNSで広まった話ですが、歴史の資料による裏づけはありません。
誤解3:アメリカの祝日
ホント:国の祝日ではありません。ただ感謝祭から4連休になる人が多いので、買い物に出かけやすいのです。
ちなみに、ブラックフライデーという言葉はもっと昔にもありました。1869年9月24日、金の買い占めが失敗して相場が暴落した日です。こちらは文字どおり「最悪の金曜日」でした。
💡Fun Factsブラックフライデーの豆知識 6連発
1961年、フィラデルフィアの商店は「ビッグフライデー」に改名しようとしましたが、だれも使いませんでした。
In 1961, stores tried to change the name to Big Friday. It did not work.
1985年になっても、ロサンゼルスの小売業者はブラックフライデーという言葉を知りませんでした。
In 1985, many stores in Los Angeles still did not know the name.
1939年、ローズベルト大統領は買い物期間を長くするため、感謝祭を1週間早めました。
In 1939, the president moved Thanksgiving one week earlier to help shopping.
1992年、カナダの芸術家テッド・デイブが、何も買わない「バイ・ナッシング・デー」を始めました。北米ではブラックフライデーと同じ日です。
Some people join Buy Nothing Day on the same day. They do not buy anything.
サイバーマンデーという名前は、2005年に全米小売業協会のネット部門が考えました。
The name Cyber Monday was made in 2005.
日本では、「クロ」と読める96円の商品を並べる店もあります。
Some shops in Japan sell things for 96 yen. Nine and six can sound like kuro, or black.
▶️Videos & Linksブラックフライデーの動画とリンク集
The 1929 Stock Market Crash - Black Thursday - Extra HistoryExtra History
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