英検1級

【英検1級 二次試験(面接)完全攻略】流れ・採点基準・過去問トピック・想定問題20・合格フレーズ30選

EIKEN GRADE 1 / SECOND STAGE
英検1級 二次試験は
最初の1分で決まる
850点満点中602点。約10分の面接を「設計図」に変える
流れ・採点基準・スピーチ型・想定トピック20・合格フレーズ30選
一次試験を突破した瞬間、多くの人がこう思います。「あとは話すだけだ」と。
ところがフタを開けてみると、英検1級の二次試験で落ちる人は決して少なくありません。英語力が足りないからではなく、10分間の「設計図」を持たずに部屋に入ってしまうからです。
逆に言えば、流れと採点基準と型さえ体に入っていれば、本番でやることは驚くほど単純になります。この記事は、その設計図を丸ごと渡すために書きました。
CONTENTS / この記事の中身
SECTION 01
まず数字から。英検1級二次試験は「何点」で受かるのか
対策の前に、ゴールの位置を正確に知っておきます。ここがぼやけたまま練習を始めると、「なんとなく話せた気がする」で終わってしまうからです。英検1級の二次試験は、次のような数字でできています。
項目
内容
形式
個人面接/面接委員2人
所要時間
英語での面接 約10分
測定技能
スピーキングのみ
満点
英検CSEスコア 850点
合格基準スコア
602点(約7割)
素点
40点満点(4観点×各10点)
合否判定
一次試験とは独立して判定される
受験方式
従来型のみ(英検S-CBTは準1級〜3級が対象)
「7割」が意味するのは、全観点で7点前後という現実
素点は4つの観点にそれぞれ10点ずつ、合計40点。合格基準の602点は満点850点のおよそ7割にあたります。つまり感覚としては、4つの観点すべてで7点前後をそろえるのが合格ラインのイメージです。
ここが英検1級二次の怖いところで、どれかひとつが極端に低いと、他で稼いでも届きにくくなります。発音が良くても中身が薄ければ落ちるし、内容が鋭くてもQ&Aで沈黙すれば落ちる。「全部を7点にそろえる」という発想が、そのまま対策方針になります。
POINT
一次と二次は独立判定です。「一次で貯金を作ったから二次は少々ミスしても大丈夫」は成立しません。二次は二次だけで602点を取り切る必要があります。
なお、合格率は公式には発表されていませんが、一般には6割前後という数字が語られることが多い試験です。一次を通った人だけが受ける試験でこの水準、という事実は、対策の必要性をそのまま物語っています。
SECTION 02
入室から退室まで──約10分を完全再現する
本番の緊張の正体は、たいてい「次に何が起きるか分からない」ことです。逆に、順番を体で覚えてしまえば緊張は激減します。試験は次の順で進みます。
1
入室・あいさつ
ドアをノックして入り、Hello. / Good morning. と声を出す。ここから採点は始まっていると考えて構いません。
2
面接カードを渡す
Here you are. の一言を添えて手渡す。無言で差し出さないだけで印象が変わります。
3
着席
Please have a seat. と言われてから座る。Thank you. を忘れずに。
4
氏名の確認と簡単な日常会話
仕事や趣味などについて1分ほど。採点対象外の「雑談」に見えますが、ここで口が回り始めるかどうかが、直後のスピーチの出来を左右します。
5
トピックカードを受け取る
社会性のあるテーマが5つ並んだカードが渡されます。
6
スピーチの考慮時間 1分(メモ不可)
紙に書き出すことはできません。頭の中だけで組み立てる1分。ここが試験全体の分岐点です。
7
スピーチ 2分
選んだトピックについて自分の意見を述べます。2分経つと止められます。
8
Q&A 約4分
スピーチの内容やトピックそのものについて質問されます。時間としては最長のパートです。
9
トピックカードを返却
Here you are. と渡します。
10
退室
Thank you. Have a nice day. と言って部屋を出ます。
見落としがちな事実
時間配分を並べると、スピーチ2分に対してQ&Aは約4分。持ち時間が長いのはQ&Aのほうです。ところが多くの受験者はスピーチ練習ばかりして本番を迎えます。ここが合否を分ける最大のズレです。
SECTION 03
採点4観点の正体。面接委員が本当に見ているもの
採点は「スピーチ」「応答」「文法・語彙」「発音」の4観点、各10点。ここでは、その4つを「本番で何をすれば点が入るのか」という言葉に翻訳しておきます。抽象的な基準のままでは練習に落とせないからです。
① SHORT SPEECH / スピーチ(10点)
立場が最初の一文で明確か。理由が論理的に並んでいるか。2分をきちんと使い切ったか。
加点されるのは「賢い意見」ではなく「たどれる構造」です。凡庸な主張でも、構造が澄んでいれば点は入ります。
② INTERACTION / 応答(10点)
質問に正対しているか。会話が続いているか。詰まったときに自力で立て直せるか。
ここは「英語力」というより「会話を止めない技術」が測られます。沈黙・無反応・的外れが最も失点します。
③ GRAMMAR AND VOCABULARY / 文法・語彙(10点)
正確さと幅の両方。難単語を並べる場所ではありません。1級の一次で覚えた語彙のうち、口から自然に出る層だけが得点になります。無理に使って文が壊れるより、確実な語で言い切るほうが高得点です。
④ PRONUNCIATION / 発音(10点)
ネイティブらしさではなく「聞き手に負担をかけないか」。強勢・区切り・速度の3点が実質的な採点対象です。早口で崩れるより、ややゆっくり均一に話すほうが確実に有利になります。
ここが本質
4観点のうち2つ(応答・発音)は「内容の深さ」とほぼ無関係です。つまり半分の点は、知識ではなく「話し方の設計」で取りに行ける。ここに気づくと、対策の優先順位が一気に変わります。
SECTION 04
勝負は60秒。トピック選びの「3秒判定法」
カードには5つのトピックが並び、考慮時間は1分、メモは取れません。この60秒でやるべきことは決まっています。逆に、決めていないと5つの英文を読み返しているだけで時間が溶けます。
選ぶ基準は「知識」ではなく「立つかどうか」
多くの人が「詳しいテーマ」を探そうとして失敗します。詳しさは2分スピーチにはほとんど寄与しません。判定基準は次の3つだけです。上から順に、各トピックを3秒でチェックします。
判定
自分に問うこと
1秒目
賛成か反対か、迷わず一方に立てる
2秒目
その立場を支える理由が2本すぐ立つ
3秒目
理由のどちらかに具体例が1つ浮かぶか
3つそろったトピックが見つかった時点で即決。5つ全部を吟味する必要はありません。むしろ、「一番語れそうなテーマ」を探し続けることが最大の時間ロスです。
60秒の使い方(そのまま覚えてください)
時間
やること
0〜15秒
5つを一読しつつ、3秒判定で候補を絞る
15〜20秒
1つに決定。もう戻らない
20〜45秒
理由1・理由2・例を英語のキーワードで固定する
45〜60秒
冒頭の一文だけ、頭の中で声に出してリハーサル
最後の15秒が効く理由
スピーチが崩れる人のほとんどは、最初の一文でつまずいてそのまま立て直せなくなります。逆に、冒頭の一文さえ完成していれば、あとは型が勝手に走り出す。だから最後の15秒はリハーサルに使います。
SECTION 05
2分スピーチの黄金テンプレート(秒単位の設計)
2分は、体感よりずっと長く、そして構造がないとあっという間に迷子になります。まず「どれくらい話せばいいのか」を数字で押さえます。
パート
目安
中身
Introduction
約15秒
立場を1文で宣言+理由が2つあると予告
Body 1
約45秒
理由1→説明→具体例→小結論
Body 2
約45秒
理由2→説明→具体例→小結論
Conclusion
約15秒
立場をもう一度、言い換えて言い切る
語数の目安は220〜260語。1分あたり110〜130語という、学習者向け音声とほぼ同じ速度です。ネイティブのニュース速度(毎分200語前後)を目指す必要はまったくありません。
理由は「3つ」ではなく「2つ」にする
理由を3本立てると、1本あたり30秒未満。説明も例も入らず、結果として「浅い羅列」になります。さらに最後の1本が時間切れで尻切れになると、構造そのものが壊れて大きく失点します。2本を深く、これが2分の最適解です。
下がそのままの型です。空欄に単語を放り込むだけで2分が埋まるように作ってあります。声に出して30回。本番では考えずに口が動く状態にしておきます。
2分スピーチ 黄金テンプレート

コピー

【Introduction / 約15秒】
I firmly believe that ____________.
I'd like to give two reasons to support my position.

【Body 1 / 約45秒】
First and foremost, ____________.
Let me elaborate on this point. ____________.
For example, ____________.
This clearly demonstrates that ____________.

【Body 2 / 約45秒】
Moving on to my second reason, ____________.
Another key factor is ____________.
In fact, ____________.
Therefore, ____________.

【Conclusion / 約15秒】
Admittedly, some people argue that ____________.
However, the benefits far outweigh the drawbacks.
For these two reasons, I am convinced that ____________.
2分に届かないときの保険
Conclusionの前に置いた Admittedly 〜 However 〜 の2文が、そのまま時間調整弁になります。早く終わりそうなら反対意見への言及を1文足し、押しているなら省略して着地する。この可変パーツを1つ持っておくだけで、時間の事故はほぼ起きません。
SECTION 06
本当の山場はQ&A。4分を乗り切る3ステップ応答法
スピーチが2分、Q&Aが約4分。時間だけ見れば、Q&Aは試験の主戦場です。しかもここは原稿が使えません。だからこそ、答え方の「型」を先に決めておきます。
1問あたり20〜30秒。この3ステップで統一する
1
まず一文で答える
Yes / No、あるいは立場を先に出す。ここを曖昧にすると、以降が全部「話がずれている」と判定されます。
2
理由を1つだけ足す
Q&Aで理由を2つ3つ並べる必要はありません。1つを丁寧に。
3
具体例か言い換えで着地する
For example 〜 か In other words 〜 で締める。ここまでで20〜30秒。そして黙る。次の質問を待つ。
飛んでくる質問は、だいたい5タイプに収まる
タイプ
聞かれ方と、返し方の軸
反論型
「でも逆の見方もあるのでは?」→ 認めてから、それでも自分の立場が勝る理由を1つ
具体化型
「例を挙げられますか?」→ 身近な例で十分。統計は不要
拡張型
「日本以外でも同じですか?」→ 一般論に広げて答える
実現性型
「現実的に可能ですか?」→ 条件つきで肯定し、必要な前提を1つ挙げる
代替案型
「他に方法はありますか?」→ もう1案出して、なぜ本命が上かを述べる
聞き返しは減点ではない
Could you repeat that, please? は、黙り込むより圧倒的に良い選択です。減点されるのは「聞き返したこと」ではなく「会話が止まったこと」。質問が分からないまま見当違いの答えを続けるのが最悪で、これは応答の観点を直撃します。
Q&Aは、ひとりで練習するのが最も難しいパートです。原田英語.comでは2分スピーチ×Q&A 計200題をAI採点してくれる無料アプリを公開しています。賛成・反対の両モデルスピーチと音声つきなので、この記事の型を入れたあとの実戦練習にそのまま使えます。
SECTION 07
想定トピック20+どこでも使える万能ネタ6
出題されるのは、社会性のあるテーマで、賛否が割れるもの。どちらが正しいと決められない問いが選ばれます。分野としては環境、テクノロジー、教育、経済、医療、政治、国際関係、文化あたりが中心です。
下は、その傾向をもとに組んだ練習用の想定トピック20題です。1日2題、10日で一周できます。
練習用 想定トピック20題
01
Should developed nations do more to combat climate change?
先進国は気候変動対策にもっと取り組むべきか
02
Is artificial intelligence a threat to human employment?
AIは人間の雇用にとって脅威か
03
Should governments regulate social media more strictly?
政府はSNSをより厳しく規制すべきか
04
Is nuclear power a realistic solution to the energy crisis?
原子力はエネルギー危機の現実的な解決策か
05
Should Japan accept more foreign workers?
日本はより多くの外国人労働者を受け入れるべきか
06
Are university degrees losing their value?
大学の学位は価値を失いつつあるか
07
Should the death penalty be abolished?
死刑は廃止されるべきか
08
Is space exploration worth the enormous cost?
宇宙開発は莫大な費用に見合うか
09
Should schools place more emphasis on moral education?
学校は道徳教育をもっと重視すべきか
10
Can economic growth and environmental protection coexist?
経済成長と環境保護は両立できるか
11
Should governments introduce a universal basic income?
政府はベーシックインカムを導入すべきか
12
Is globalization beneficial for developing countries?
グローバル化は途上国にとって有益か
13
Should companies prioritize employee well-being over profit?
企業は利益より従業員の幸福を優先すべきか
14
Are traditional media still necessary in the digital age?
デジタル時代に既存メディアは依然必要か
15
Should genetic engineering of humans be permitted?
ヒトの遺伝子操作は認められるべきか
16
Is remote work better for society than working in an office?
リモートワークは社会にとって出社より良いか
17
Should governments spend more on renewable energy than on defense?
政府は防衛より再生可能エネルギーに投資すべきか
18
Are international organizations effective in solving global problems?
国際機関は地球規模の問題解決に有効か
19
Should tourism be restricted to protect local communities?
地域社会を守るため観光は制限されるべきか
20
Is it realistic to eliminate poverty in this century?
今世紀中に貧困をなくすことは現実的か
想定トピック20題(練習用リスト)

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1. Should developed nations do more to combat climate change?
2. Is artificial intelligence a threat to human employment?
3. Should governments regulate social media more strictly?
4. Is nuclear power a realistic solution to the energy crisis?
5. Should Japan accept more foreign workers?
6. Are university degrees losing their value?
7. Should the death penalty be abolished?
8. Is space exploration worth the enormous cost?
9. Should schools place more emphasis on moral education?
10. Can economic growth and environmental protection coexist?
11. Should governments introduce a universal basic income?
12. Is globalization beneficial for developing countries?
13. Should companies prioritize employee well-being over profit?
14. Are traditional media still necessary in the digital age?
15. Should genetic engineering of humans be permitted?
16. Is remote work better for society than working in an office?
17. Should governments spend more on renewable energy than on defense?
18. Are international organizations effective in solving global problems?
19. Should tourism be restricted to protect local communities?
20. Is it realistic to eliminate poverty in this century?
どんなトピックにも刺さる万能ネタ6
1分でゼロから理由をひねり出すのは無理があります。実際には、あらかじめ持っている6本の「切り口」から2本を選ぶという作業をしているだけ。この6本を英語のフレーズごと暗記しておけば、初見のテーマでも理由が立ちます。
① 経済的コスト / Economic cost
「費用対効果が見合わない/長期的には利益になる」。ほぼ全テーマに接続できる最強の切り口。
It would impose a heavy financial burden on taxpayers.
② 技術革新 / Technology and innovation
「技術が解決する/技術だけでは足りない」。AI・環境・医療・教育すべてに使えます。
Rapid technological progress has made this far more feasible than before.
③ 教育と意識 / Education and awareness
「規制より教育が効く/教育には時間がかかりすぎる」。両方向に使えるのが強み。
Lasting change comes from education rather than from regulation alone.
④ 環境と持続可能性 / Sustainability
「次世代への責任」という論点は、経済・都市・観光・エネルギーに横断的に効きます。
We have a responsibility to leave a sustainable planet for future generations.
⑤ 公平性と人権 / Equality and human rights
「誰が取り残されるのか」を問う切り口。格差・移民・医療・司法で即使えます。
The policy would widen the gap between the privileged and the vulnerable.
⑥ 政府の役割と規制 / Government and regulation
「国家が介入すべきか、個人の自由に委ねるか」。政治・経済・メディア系で必ず使います。
Government intervention is justified when individual choices harm the public good.
万能ネタ6(暗記用センテンス)

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1. Economic cost
   It would impose a heavy financial burden on taxpayers.
2. Technology and innovation
   Rapid technological progress has made this far more feasible than before.
3. Education and awareness
   Lasting change comes from education rather than from regulation alone.
4. Sustainability
   We have a responsibility to leave a sustainable planet for future generations.
5. Equality and human rights
   The policy would widen the gap between the privileged and the vulnerable.
6. Government and regulation
   Government intervention is justified when individual choices harm the public good.
SECTION 08
サンプル問題と、実際に出題されたトピック
「予想問題より、まず本物を見たい」という人は多いはず。ここでは公開されているサンプル問題と、過去に実際に出題されたトピックを見ながら、本番のトピックがどんな肌ざわりなのかを掴んでおきます。
公開されているサンプル問題
Is adopting orphans from other countries a good thing?
他国から孤児を養子に迎えることは good なことか
見てのとおり、専門知識を問う問題ではありません。賛成でも反対でも成立する。どちらが正しいとは決められない。この「割れる問い」であることが、1級のトピックカードの最大の特徴です。
過去に実際に出題されたトピック(例)
過去に出題されたトピック
01
Will printed newspapers become obsolete in the Internet-driven 21st century?
インターネット主導の21世紀に紙の新聞は廃れるか
02
Which should school curriculums emphasize more, competition or cooperation?
学校教育は競争と協調のどちらをより重視すべきか
03
Does more need to be done to create a sustainable global fishing industry?
持続可能な世界の漁業のために、もっと手を打つ必要があるか
02番のような「AかBか」型が混ざるのがポイントです。Yes/No型のつもりで身構えていると、この形式で一瞬フリーズします。対処は簡単で、「Aを選ぶ」と宣言してから、理由2本の型に流し込むだけ。構造は何も変わりません。
「AかBか」型の冒頭テンプレ
If I had to choose one, I would say that schools should emphasize cooperation more. I’d like to give two reasons to support my position.
どちらか選ぶなら、学校は協調をより重視すべきだと考えます。理由を2つ挙げます。
過去問はどこで手に入るのか
ここは正確に押さえておいたほうがいいところです。公式サイトで公開されているのは一次試験の問題(直近回分)で、二次試験のトピックカードそのものは公開されていません。公式にあるのは、入室から退室までの流れを見せる「バーチャル二次試験」のコンテンツです。
では実際のトピックはどこにあるかというと、市販の過去問題集に収録された各回のトピック一覧が実質的な過去問リストになります。1回につき複数のトピックが載っているため、まとまった量の練習素材として使えます。
入手先
得られるもの
英検公式サイト
試験の流れ(バーチャル二次試験)とサンプル問題
過去問題集(全問題集)
各回で実際に使われたトピックの一覧
面接専用の予想問題集
本番形式の予想トピックとモデルスピーチ
この記事の想定トピック20
出題分野の傾向に沿った練習用リスト(無料)
過去問の使い方を間違えないこと
過去問トピックは「当てるため」ではなく「型を回すため」の素材です。同じトピックが再び出る確率に賭けるより、30題を型どおりに処理して「初見でも2分埋まる」状態を作るほうが、はるかに合格に近づきます。
SECTION 09
「面接は甘い」「ボロボロでも受かる」は本当か
英検1級の面接について検索すると、正反対の証言が並びます。「採点は甘い」「ボロボロだったのに受かった」という声と、「手応えがあったのに落ちた」という声。どちらも本当に起きていることです。理由は、受験者の体感と、採点基準がズレているからです。
「甘い」と言われる理由は、たしかにある
問われないこと
中身
意見の正しさ
賛成でも反対でも減点されない。立場に正解はない
専門知識
統計も固有名詞も不要。身近な例で足りる
ネイティブらしい発音
求められるのは明瞭さ。訛りそのものは失点ではない
言い間違いゼロ
言い直せば問題ない。完璧な英語は基準ではない
つまり「甘い」と感じる人は、減点されない領域で緊張していただけ、ということが多いのです。発音を気にしすぎていた人、知識不足を恐れていた人ほど、終わってから「思ったより見られていなかった」と感じます。
「ボロボロだったのに受かった」が起きる仕組み
合否は4観点の合計で決まります。だから1つが崩れても、残り3つで拾える。スピーチが1分半で終わってしまった人でも、Q&Aで質問に正対し続けていれば応答の点は入るし、文法・語彙・発音も独立して評価されます。
逆に言えば、体感の「ボロボロ」は多くの場合「言いたかったことを言えなかった」という自己評価であって、採点基準とは別の物差しです。面接委員が見ているのは、内容の完成度ではなく、話が最後までたどれたかどうかです。
むしろ危ないのは「手応えがあった人」
危険サイン1|流暢に話せたが、立場が途中で変わった
よく喋れた感覚は残るのに、構造の観点が伸びません。話し慣れている人ほど陥ります。
危険サイン2|Q&Aで長く話したが、質問に答えていない
たくさん話した=高評価ではありません。応答の観点は「正対」を見ています。
危険サイン3|難しい語彙を並べたが、文が崩れていた
語彙の観点は正確さも見ます。背伸びは、そのまま失点になり得ます。
結論
甘くもなければ、理不尽に厳しくもありません。ただ基準が「知識」ではなく「話し方の設計」に置かれているだけです。この記事の型を入れておけば、体感がどうであれ、点が入るところにはきちんと入ります。
SECTION 10
落ちる人に共通する7つのパターンと処方箋
英語力が足りなくて落ちる人より、設計ミスで落ちる人のほうが多いのがこの試験です。よくある崩れ方を7つ、対処法とセットで並べます。心当たりのあるものから潰してください。
パターン1|1分でトピックを決められない
5つを何度も読み返し、気づけば残り10秒。理由も例も用意できないまま話し始めることになります。
処方:3秒判定法を機械的に適用。15秒で決めると決めておく。
パターン2|話しているうちに立場が揺れる
賛成で始めたのに、途中から反対側の話が長くなる。構造の観点で最も重く減点されます。
処方:反対意見への言及はConclusion直前の1文に限定する。
パターン3|理由を3つ立てて時間切れ
3本目の途中で2分が来て、結論を言えずに終わる。着地なしは印象が悪い。
処方:理由は必ず2本。これは例外なしのルールにする。
パターン4|1分半で話し終えて沈黙
緊張で早口になり、内容も薄いまま終了。残り30秒の空白が重くのしかかります。
処方:各理由に「具体例」と「小結論」を必ず入れる。この2文が時間を埋めます。
パターン5|Q&Aでスピーチを繰り返す
質問に正対せず、さっき言ったことをもう一度言う。応答の観点が伸びない典型です。
処方:最初の一文で必ずYes/Noか立場を出す。そこから初めて説明に入る。
パターン6|聞き取れず、黙る
分からないまま固まる数秒が、そのまま失点になります。
処方:Could you repeat that, please? を反射で出せるまで練習する。聞き返しは技術です。
パターン7|難語にこだわって文が壊れる
一次で覚えた語を使おうとして詰まり、主語と動詞がねじれる。語彙の観点はむしろ下がります。
処方:「口から出る語」だけで話す。難語は1〜2語、確実なものだけ差し込む。
SECTION 11
二次試験の日程・会場・持ち物
対策と同じくらい事故が起きやすいのが、ここです。1級の二次試験は会場が限られているため、住んでいる場所によっては前泊が必要になります。早めに確認しておいてください。
日程の基本構造
項目
内容
実施回数
従来型は年3回(第1回・第2回・第3回)
二次の時期
一次試験のおよそ1〜2か月後の日曜日
A日程・B日程
2つの日程があり、受験者は選べません。協会が指定します
日程による差
問題は異なりますが、合格基準と評価方法は共通です
受験地の指定
希望受験地は一次の受験時に選択。一次免除の場合は申込時に指定
会場の通知
一次の合否確定後に郵送される二次受験票で分かります
具体的な試験日は年度ごとに変わるため、申込前に公式サイトの試験日程ページで必ず確認してください。特に、一次だけを見て申し込むと二次と予定がぶつかるという事故が毎回起きています。
1級の二次は全国14受験地しかない
ここが他の級と決定的に違うところです。1級の二次試験(A日程・B日程)は、次の受験地での実施となります。
札幌/仙台/横浜市/千代田/新宿・豊島/世田谷/新潟/名古屋/京都/梅田/天王寺/広島/福岡/沖縄本島南部
つまり、四国や北陸の一部、九州の多くの県からは県外への移動が前提になります。午前の早い時間に集合がかかる可能性を考えると、遠方の人は前泊を織り込んでおくのが安全です。移動で消耗した状態で10分の面接に臨むのは、それだけで不利になります。
当日の持ち物
1
二次受験票・本人確認票(面接カードとして提出する書類。事前記入欄があるので前日までに書いておく)
2
身分証明書(学生証・運転免許証・パスポートなど)
3
筆記用具(HBの黒鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム)
4
上履き・下足袋(会場によって必要。受験票の案内を確認)
5
直前に読む自分用の紙1枚(テンプレートと万能ネタ6だけ書いたもの。控室での待ち時間は意外と長く、ここで型を1周させておくと口が動きます)
当日の裏ワザ
会場に着いたら、控室に入る前に英語で独り言を2〜3分。日本語だけで数時間過ごしたあと、いきなり英語で話し始めると、最初の30秒が確実に鈍ります。最初の日常会話パートを「ウォームアップ」ではなく「本番」にしてしまうのが、いちばんもったいない失点です。
SECTION 12
本番までの4週間ロードマップ
一次の合否発表から二次まで、実際に使える時間はおおむね1か月前後。順番を間違えると、直前になって「型はあるのにQ&Aが返せない」という一番まずい状態になります。次の順で積みます。
時期
目的
やること
1週目
型を体に入れる
テンプレートを音読30回。同じトピックで毎日1本、型どおりに2分話す
2週目
トピックの幅
想定トピックを1日2題。万能ネタ6のどれを当てたかを毎回記録する
3週目
Q&A特化
1本のスピーチにつき、自分で質問を5つ作って即答する。1問30秒以内
4週目
通し稽古
入室から退室まで10分を毎日1回、録音して聞き返す
ポイントは3週目です。スピーチ練習だけを4週間続けても、Q&Aは1点も伸びません。持ち時間が長いほうを鍛える週を、意識的に確保してください。
毎日の練習メニュー(1日25分)

コピー

[ 05分 ] テンプレートを音読(見ないで言えるまで)
[ 01分 ] トピックを1つ選び、立場・理由2本・例を頭の中で固定
[ 02分 ] 録音しながら2分スピーチ
[ 05分 ] 自分で質問を5つ作り、1問30秒以内で即答
[ 07分 ] 録音を聞き返す(止まった箇所/立場のブレ/2分に届いたか)
[ 05分 ] 詰まった表現だけを書き出し、声に出して固定する
SECTION 13
そのまま使える合格フレーズ30選
最後に、本番で口から出てほしい表現を30本。スピーチの骨格12/Q&A対応10/リカバリー8という内訳です。数を増やすより、この30本を反射で出せるようにするほうが確実に点になります。
A|スピーチの骨格をつくる12
01
I firmly believe that …
私は~だと強く考えます/立場を出す一発目。ここを曖昧にしない
02
I’d like to give two reasons to support my position.
理由を2つ挙げます/構造の予告。聞き手が一気に聞きやすくなる
03
First and foremost, …
何よりもまず/First より一段強く、印象に残る
04
Let me elaborate on this point.
この点を詳しく述べます/考える時間も稼げる便利な一文
05
For example, …
たとえば/具体例の合図。1本の理由に必ず1つ
06
In fact, …
実際に/主張を一段補強する。統計がなくても使える
07
This clearly demonstrates that …
これは~を明確に示しています/小結論。ここで理由1本が閉じる
08
Moving on to my second reason, …
2つ目の理由に移ります/転換を明示すると構造点が上がる
09
Another key factor is …
もう一つの重要な要素は/Second を言い換えたいときに
10
Admittedly, some people argue that …
確かに~という意見もあります/譲歩。長くしすぎないのがコツ
11
However, the benefits far outweigh the drawbacks.
しかし利点が欠点をはるかに上回ります/譲歩からの切り返し定番
12
For these two reasons, I am convinced that …
以上2つの理由から、~だと確信します/必ず言い切って終える
A|スピーチの骨格12(暗記用)

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01. I firmly believe that ...
02. I'd like to give two reasons to support my position.
03. First and foremost, ...
04. Let me elaborate on this point.
05. For example, ...
06. In fact, ...
07. This clearly demonstrates that ...
08. Moving on to my second reason, ...
09. Another key factor is ...
10. Admittedly, some people argue that ...
11. However, the benefits far outweigh the drawbacks.
12. For these two reasons, I am convinced that ...
B|Q&Aを乗り切る10
13
That’s an excellent question.
いい質問ですね/2秒の思考時間を自然に確保できる
14
Yes, absolutely. Let me explain why.
はい、まさに。理由を説明します/立場提示→説明の橋渡し
15
I see your point, but …
おっしゃることは分かりますが/反論型の質問への基本形
16
It depends on the situation, but generally speaking, …
状況によりますが、一般的には/断定しづらい質問の受け方
17
To put it simply, …
簡単に言うと/話が複雑になったときの立て直し
18
What I mean is that …
つまり私が言いたいのは/伝わっていない気配を感じたら即使う
19
I’d say the most important factor is …
最も重要な要素は~だと思います/論点を1つに絞って答える
20
That’s exactly why I believe …
だからこそ私は~だと考えます/質問を自分の立場に接続し直す
21
If I had to choose one, I’d say …
あえて1つ選ぶなら/二択を迫られたときの逃げ道になる
22
I’m not sure about the exact figures, but my sense is that …
正確な数字は分かりませんが、感覚としては/知らない話題でも止まらない
B|Q&A対応10(暗記用)

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13. That's an excellent question.
14. Yes, absolutely. Let me explain why.
15. I see your point, but ...
16. It depends on the situation, but generally speaking, ...
17. To put it simply, ...
18. What I mean is that ...
19. I'd say the most important factor is ...
20. That's exactly why I believe ...
21. If I had to choose one, I'd say ...
22. I'm not sure about the exact figures, but my sense is that ...
C|崩れたときに立て直す8
23
Could you repeat that, please?
もう一度お願いできますか/黙るより百倍いい。反射で出るまで練習
24
Do you mean … ?
~という意味でしょうか/質問の意図を確認して的外れを防ぐ
25
Let me rephrase that.
言い直させてください/文がねじれたときの脱出口
26
Sorry, let me start again.
すみません、言い直します/崩れたまま進むより減点が小さい
27
That’s a difficult question. Let me think for a moment.
難しい質問ですね。少し考えさせてください/沈黙を「間」に変える
28
In other words, …
言い換えれば/同じ内容を別の語で言い直して時間も稼げる
29
To sum up, …
まとめると/2分が迫ったとき、強制的に着地するための一言
30
I hope that answers your question.
回答になっていればよいのですが/答え切ったことを示して次へ渡す
C|リカバリー8(暗記用)

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23. Could you repeat that, please?
24. Do you mean ... ?
25. Let me rephrase that.
26. Sorry, let me start again.
27. That's a difficult question. Let me think for a moment.
28. In other words, ...
29. To sum up, ...
30. I hope that answers your question.
表現の在庫をさらに増やしたい場合は、英検1級「決まり文句」完全辞典(150超)にライティング・スピーチ・要約で共通して使える表現をまとめてあります。二次だけでなく一次のライティングにも効きます。
SECTION 14
よくある疑問Q&A
Q. 考慮時間の1分でメモは取れますか?
取れません。紙に書き出せない前提で練習しておく必要があります。だからこそ、頭の中に「型」という書式を持っておくことが決定的に効きます。
Q. スピーチが2分に届かなかったら不合格ですか?
それだけで不合格が決まるわけではありません。ただ、時間を大きく余らせると内容量そのものが不足しがちです。優先順位は「結論まで言い切る」ことが第一、「2分を使い切る」ことが第二です。
Q. 面接委員はどんな人が来ますか?
面接委員は2人。組み合わせは会場や回によって異なります。誰が来ても対応は同じで、ゆっくり・はっきり・構造を明示して話す。それだけです。
Q. 二次で落ちたら、また一次から受け直しですか?
いいえ。一次試験に合格して二次が不合格(または欠席)だった場合、次回以降の申込時に一次試験免除を申請できます。二次のウェブ合否公開日から翌年度の同じ回まで使えるので、実質的にチャンスは複数回あります。
Q. 1級は英検S-CBTで受けられますか?
英検S-CBTの対象は準1級〜3級です。1級は従来型での受験になります。つまり1級のスピーキングは、必ず対面の面接ということです。
Q. 難しい語彙を使ったほうが有利ですか?
使いこなせるなら有利、詰まるなら逆効果です。語彙の観点は「幅」と「正確さ」の両方で見られるため、思い出そうとして文が壊れると総合的にはマイナスになります。確実な語で言い切るほうが点は安定します。
まとめ──10分は、準備した人にだけ短くなる
英検1級の二次試験でやるべきことは、実はとても少ない。
立場を決め、理由を2本立て、例を1つ添えて、言い切る。そしてQ&Aでは、質問に正対して20〜30秒で着地する。
この繰り返しを体に入れた人にとって、10分はあっという間に終わります。
合格ラインは850点満点中602点。4観点すべてを7点前後にそろえる
4観点のうち半分は「話し方の設計」で取りに行ける
トピックは知識で選ばない。立場・理由2本・例1つの3秒判定で決める
理由は必ず2本。3本は時間切れと構造崩壊を招く
持ち時間が長いのはQ&A。ここを鍛えた人が受かる
聞き返しは減点ではない。会話を止めることが減点
その場で考える試験ではなく、準備した型を出す試験
そう捉え直した瞬間から、二次試験はぐっと近づきます。