まずはこの3つ
- 長い主語の後、前置詞・接続詞・関係詞の前で切る
- 区切ったら前から順に意味をとり、後ろから訳さない
- 慣れたら区切りを大きくし、最後は頭の中だけで切る
基本の8ルール:まずここだけ8
例文の下は「前から読む訳(直読直解)」。日本語として不自然でも、英語の順に意味をとる。
- 1長い主語の後修飾語がついて主語が長い時は、動詞の前で切る。どこまでが主語かが一目で分かる。The students in my class / enjoy the new English lessons.私のクラスの生徒は/楽しんでいる、新しい英語の授業を
- 2前置詞句の前in / on / at / for / with / during などで始まり、場所・時・手段などを表すかたまりの前で切る。※depend on など動詞と一体のものは切らない。She studied / in the library / for three hours.彼女は勉強した/図書館で/3時間
- 3従属接続詞の前because / when / if / although / while / after など、文と文をつなぐ接続詞の前で切る。We stayed home / because it was raining.私たちは家にいた/雨が降っていたので
- 4文をつなぐ and・but の前and / but / or が2つの文をつないでいる時は、その前で切る。語と語をつなぐだけなら切らない。He called her twice, / but she didn't answer.彼は彼女に2回電話した/しかし彼女は出なかった
- 5関係代名詞の前who / which / that(関係代名詞)の前で切り、前の名詞を説明するかたまりと考える。I met a woman / who speaks five languages.私は女性に会った/その人は5つの言語を話す
- 6不定詞 to do の前目的(〜するために)・名詞の説明(〜するための)など、to do のかたまりの前で切る。She went to Canada / to study environmental science.彼女はカナダへ行った/環境科学を学ぶために
- 7名詞を後ろから説明する分詞の前名詞+doing / done で分詞が名詞を説明している時は、分詞の前で切る。「どんな名詞か」の説明が続く。※I saw him running の running(補語)は別。The boy / playing the guitar / is my brother.その少年は/ギターを弾いている/私の弟(兄)だ
- 8that節(名詞節)の前think / say / know / show / believe that 〜 の that の前で切る。that が省略されても同じ位置で切る。Research shows / that sleep improves memory.研究は示している/睡眠が記憶をよくすることを
中級の8ルール:文の形で切る8
- 1文頭の副詞句・前置きの後In 2020, / However, / According to 〜, など、文の前に置かれたかたまりの後で切る。According to the survey, / most teens own a smartphone.その調査によれば/ほとんどの10代はスマホを持っている
- 2分詞構文の前後doing / done で始まり、カンマで区切られたかたまりは独立した1チャンク。Walking along the beach, / I found a beautiful shell.浜辺を歩いていて/私は見つけた、美しい貝殻を
- 3疑問詞・whether 節の前know / wonder / ask の後の what / how / why / whether 〜 の前で切る。I don't know / why she left so early.私は分からない/なぜ彼女があんなに早く出ていったのか
- 4関係副詞・前置詞+関係代名詞の前where / when / in which / by which の前で切る。場所・時・方法の説明が続く。This is the town / where I grew up.これは町だ/私が育った
- 5挿入の前後カンマやダッシュで挟まれた , however, / , I think, / — and this is important — は、前後で切って一度脇に置く。The plan, / I believe, / will succeed.その計画は/私が思うに/成功するだろう
- 6同格の前名詞の後のカンマ+名詞、the fact / idea / news that 〜 の that の前で切る。前の名詞の中身が続く。The news / that he had won / surprised everyone.その知らせは/彼が勝ったという/皆を驚かせた
- 7比較の than・as の前than / as 〜 as の後半の前で切る。何と何を比べているかが見える。Cycling is often faster / than driving / in big cities.自転車のほうがしばしば速い/車で行くより/大都市では
- 8形式主語 it の真主語の前It is important(easy / true など)to do / that 〜 では、to / that の前で切る。そこからが本当の主語。※It is A that 〜 の強調構文(下)とは区別。It is important / to get enough sleep.大事だ/十分に睡眠をとることが
上級の4ルール:切りすぎない4
- 1強調構文の that の前It is A that 〜 は、A の後(that の前)で切る。A が強調されている部分。It was in Kyoto / that they first met.京都でのことだった/彼らが初めて会ったのは
- 2コロン・セミコロン・ダッシュの後記号の位置は大きな区切り。コロンの後は説明・具体例、セミコロンは関連する2文をつなぐ、ダッシュの後は補足が多い。She had one goal: / to become a doctor.彼女には1つの目標があった/医者になること
- 3短いまとまりは切らない冠詞+形容詞+名詞(a very old house)、句動詞(look forward to)、be able to などは1つのかたまり。切ると意味が壊れる。We are looking forward to / the summer festival.私たちは楽しみにしている/夏祭りを
- 4慣れたら区切りを大きく最初は細かく、慣れたら「主語/述語/修飾」の3〜4チャンクに。最後は鉛筆を使わず、頭の中で切りながら読む。The new library near the station / has become popular / among students.駅の近くの新しい図書館は/人気になっている/学生の間で
実演:1文を細かく→大きく
| 段階 | 区切り方 |
|---|---|
| 初級(細かく) | Students / who read a lot / in their free time / tend to write better essays / than those / who do not. |
| 前から読む訳 | 学生は/たくさん読む/自由な時間に/よりよい作文を書く傾向がある/人たちより/そうしない |
| 上級(大きく) | Students who read a lot in their free time / tend to write better essays / than those who do not. |
| ふつうの和訳 | 自由な時間にたくさん読む学生は、そうしない学生よりよい作文を書く傾向がある。 |
実演:難しめの1文
| 段階 | 区切り方 |
|---|---|
| 区切り | What surprised the researchers / was the fact / that the plants grew faster / in the dark. |
| 前から読む訳 | 研究者たちを驚かせたのは/事実だった/植物がより速く育ったという/暗い所で |
| ポイント | What 〜 の長い主語の後、同格の that の前、前置詞句の前で切る |
なぜ効く?
なぜ区切ると読める? 人が一度に頭にとどめておける情報の量(作業記憶)は限られている。単語をばらばらに覚えておくより、意味のかたまりにまとめる(チャンク化)ほうが、同じ容量で多くを保てる(Miller 1956 がチャンクの考えを示した)。区切って前から意味をとっていけば、後ろから訳すために文全体を抱え込む必要がなくなる。
練習の進め方5
- 1精読して意味を確認まず文構造と意味を確認した英文を使う。意味の分からない英文に線を引いても練習にならない。
- 2スラッシュを書き込む上の20ルールで区切る。迷ったら「その位置で一息つけるか」で判断。
- 3前から日本語にするチャンクごとに前から意味をとる。後ろの語から訳し上げない。
- 4音声に合わせて読むモデル音声の区切り(ポーズ)とスラッシュを比べる。音声のポーズは意味の区切りと重なることが多い。
- 5スラッシュなしで読む同じ英文を、線のないコピーで読む。最終目標は初見の英文を頭の中で区切ること。
区切りのNG4
- ✕a / very / old / house と1語ずつ切る○a very old house で1チャンク細かすぎると単語を拾うだけになる
- ✕look / forward to と句動詞を割る○look forward to でひとまとまり句動詞は全体で1つの意味
- ✕区切った後、後ろから訳し直す○チャンクごとに前から意味をとる返り読みが減らず練習の意味がない
- ✕いつまでも線を引いて読む○慣れたら頭の中だけで切る本番で線を引く時間はない
確認テスト
- 1The man who lives next door is a doctor. 最初に切るのは?正解は man の後。関係代名詞 who の前
- 2It is easy to forget names. 切る位置は?正解は easy の後。形式主語の真主語 to の前
- 3I think that she is right. どこで切る?正解は think の後。that節の前
- 4切ってはいけない位置は?正解は look と forward to の間。句動詞は1つのかたまり
参考にした資料
スラッシュの区切り方を一覧にまとめ、A4 2枚で印刷できる無料PDFにしました。Web版は赤シート・覚えたチェック・カード・4択テストつき。