ことわざ・教養・背景知識No.339確認問題集あり

背景知識チートシート:AI・SNS・情報社会

AI・SNSの長文は「便利さの裏の代償」を読ませる。利点と危険の両方を言える人が、読解も英作文も強い。

背景知識チートシート:AI・SNS・情報社会 の1ページ目

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まずはこの3つ

  1. AIは仕事を丸ごとより「作業(task)」単位で置きかえる
  2. SNSと心の健康は「相関か因果か」で研究者も論争中
  3. 結論の定番は「技術は使い方次第。人間の判断が要る」
このテーマは「人間にしかできないことは何か」に行き着く

AIの長文は、機械ができることを並べた後、「では人間の役割は何か」という問いで終わることが多い。共感・判断の責任・問いを立てる力などが答えになりやすい。SNSの長文は「つながるための道具が孤立を生む」という逆説(パラドックス)が定番。

1入試で狙われる論点(対立する見方)7

  1. 1AIは仕事を奪うか
    見方A:多くの仕事が自動化される。見方B:過去の技術革新と同じく、なくなる仕事と生まれる仕事がある。多くの仕事は丸ごとではなく一部の作業が置きかわる、が今の主流の見方。
    AI is more likely to change jobs than to replace them entirely.AIは仕事を丸ごと置きかえるより、仕事を変える可能性が高い。
  2. 2生成AIと考える力
    賛:調べものや下書きが速くなり、一人ひとりに合った学習ができる。否:自分で考え書く力が落ちる、もっともらしい誤り(hallucination)をうのみにする、不正利用。
    AI should be a tool for thinking, not a substitute for it.AIは考えるための道具であるべきで、考えることの代わりではない。
  3. 3AIの判断は公平か
    人間の偏見から自由だという期待と、学習データに含まれる偏りをそのまま再現する(algorithmic bias)という懸念。判断の理由が説明できない「ブラックボックス」問題もある。
  4. 4だれが責任を負うか
    自動運転の事故やAIの誤診はだれの責任か。開発者・利用者・企業・AIそのもの?法律が技術に追いついていない、という形で論じられる。
  5. 5SNSと心の健康
    見方A:若者の不安やうつの増加とスマホの普及が重なり、SNSが原因だと主張する研究者がいる。見方B:多くは相関の研究で、影響は小さい・人による、と反論する研究者もいる。
  6. 6表現の自由か、規制か
    偽情報やヘイトを減らすため、国や企業が投稿を削除すべきか。削除は表現の自由を脅かす、だれが真偽を決めるのか、という反論がある。線引きが論点。
  7. 7便利さとプライバシー
    無料のサービスの代わりに個人データを差し出している(あなたが商品だ)という見方。おすすめ機能の便利さと、行動を監視・予測される不安が天秤にかけられる。

2論理の流れの典型

型流れ設問で狙われる所
歴史の繰り返し印刷・電話・テレビも「人をダメにする」と恐れられた→今回は?今回は同じか違うかの筆者の判断
逆説つながる道具なのに孤独が増える/情報が増えたのに偏るなぜそうなるかの説明部分
利点→危険→条件便利さ→代償→使い方次第条件(if・as long as)の中身
機械と人間の比較AIが得意なこと→苦手なこと→人間の役割人間に残る能力として挙がるもの
仕組みの解説アルゴリズムが好みを学ぶ→似た情報ばかり届く→意見が偏る因果の順番

3必須キーワード:概念で覚える20

英語和訳ひと言
machine learning機械学習データからパターンを学ぶ
large language model (LLM)大規模言語モデル次に来る語(トークン)を予測して文を作る
hallucination(AIの)もっともらしい誤り元は「幻覚」
training data学習データ偏りがあれば結果も偏る
algorithmic biasアルゴリズムの偏り採用・融資などの差別につながる
black boxブラックボックス中身・理由が見えない
automation自動化職業より作業(task)単位で進みやすい
reskilling学び直し(新しい技能の習得)upskilling=技能の向上
filter bubbleフィルターバブル好みの情報の泡に閉じこもる
echo chamberエコーチェンバー同じ意見が反響し強まる場
attention economy関心(注目)経済人の注意時間を奪い合う
misinformation / disinformation誤情報/偽情報dis- は意図的なうそ
deepfakeディープフェイクAIで顔・声を合成した偽の映像・音声
digital footprintデジタル上の足跡ネットに残る行動の記録
surveillance監視仏語 sur(上から)+veiller(見張る)
the digital divideデジタル格差機器・ネット・使う力の差
media literacyメディアリテラシー情報を批判的に読み解く力
cyberbullyingネットいじめ時と場所を選ばず続き、逃げにくい
the right to be forgotten忘れられる権利EU の司法裁判所が2014年に認めた
the Turing testチューリング・テスト会話で人間と区別できるか(1950)

4押さえたい研究と事実

項目中身
仕事の自動化の推計米国の雇用の47%が高リスクとする推計(Frey & Osborne 2013)と、作業単位で見ると OECD 諸国で約9%とする推計(Arntz ら 2016)。方法で大きく変わる
モラベックのパラドックスAIには高度な計算は簡単で、歩く・物をつかむなど子どもにできることが難しい
中国語の部屋規則どおりに記号を操作できても「意味を理解している」とは言えない、という思考実験(Searle 1980)
フィルターバブルEli Pariser が2011年の著書で広めた言葉
GDPREU の一般データ保護規則(2018年施行)。個人データの扱いに厳しい規則

5英作文で使える一文7

  • Technology itself is neither good nor bad; it depends on how we use it.
    技術そのものは善でも悪でもなく、使い方次第だ。
    結論の万能文。neither A nor B
  • We should not blindly trust information we find online.
    ネットで見つけた情報をうのみにすべきではない。
    blindly=やみくもに
  • Social media allows us to stay in touch with people far away.
    SNSのおかげで遠くの人とも連絡を取り合える。
    利点側。allow O to do
  • Spending too much time online can harm our sleep and concentration.
    ネットに時間を使いすぎると睡眠と集中力が損なわれうる。
    can で「〜しうる」とやわらげる
  • Humans should make the final decision, not machines.
    最終的な判断を下すのは機械ではなく人間であるべきだ。
    責任の論点。make a decision
  • Schools should teach students how to tell fact from opinion.
    学校は事実と意見を見分ける方法を教えるべきだ。
    tell A from B=AとBを見分ける
  • Convenience often comes at the cost of privacy.
    便利さはしばしばプライバシーを犠牲にして手に入る。
    at the cost of=〜を犠牲にして

6よくある誤解6

  • ✕生成AIは人間のように意味を理解して答えている
    ○大量のデータから、ありそうな答えを予測して出している
    だから自信満々に誤ることがある
  • ✕AIはデータで判断するから中立だ
    ○データに含まれる人間の偏りを学んでしまう
    biased data, biased results
  • ✕スマホを使う若者に不安が多い→スマホが原因
    ○相関だけでは因果は言えない
    不安な人がスマホに向かう逆の因果もありうる
  • ✕デジタルネイティブは情報を見抜くのが得意
    ○機器の操作に慣れていることと、情報の真偽を見抜く力は別
    だからリテラシー教育が必要という論
  • ✕フェイクニュースは信じる人が悪いだけ
    ○感情を動かす情報ほど広まりやすい仕組みの問題もある
    個人の責任と仕組みの責任の両方
  • ✕デジタル格差=機器を持っているかどうか
    ○ネット環境・使いこなす力・年齢などの差も含む
    持っていても使いこなせない差もある
読むときの注意:「新技術への不安」は昔からある

書き言葉は記憶力を弱める(古代ギリシャのプラトンの対話篇)、小説は若者を堕落させる、テレビは子どもをダメにする…新しい技術は繰り返し恐れられてきた。長文がこの歴史を出したら、「今回も同じだ」か「今回は違う」か、筆者がどちらに立つかを追う。

確認テスト

  1. 1
    AIがもっともらしい誤った情報を作ることを何と呼ぶ?
  2. 2
    意図的に流されるうその情報は?
  3. 3
    Schools should teach students how to tell fact opinion.
  4. 4
    Convenience often comes at the of privacy.
  5. 5
    仕事の自動化の推計が研究で大きく違う主な理由は?

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