中高英語教師のための授業アイデア&最新情報ニュースレター

【中高英語教師のための授業アイデア&最新情報】 2026年8月4日(月)~原田先生の英語教育ニュースレター Vol.166~

 

ENGLISH TEACHER’S BRIEFING · KAYA EDITION

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中高英語教師のための授業アイデア&最新情報

2026年8月4日(火) | Vol.166

今号のテーマ:🃹 キュラソー / ハンデルスカーデの色壁と、開いて閉じる浮橋

KAYA I ◆ TODAY’S HEADLINE
全国学力テストの「読み方」が出そろった — 中学英語は4技能CBTを初実施

文部科学省・国立教育政策研究所は7月28日、2026年度「全国学力・学習状況調査」の結果データのCSVレイアウトを公開しました。7月24日には結果データの見方を解説する動画も公開済み。7月16日の結果公表から2週間で、「配る・見せる・読む」の材料が一通りそろったことになります。

今年度の中学校英語は4技能CBTを初めて実施し、結果はIRTバンドの分布という新しい形で示されました。平均正答率だけを眺めて終わると、いちばん知りたい「話すこと」「書くこと」の広がりが読み落とされます。

2学期が始まると、データを開く時間はもう取れません。英語科として「今年はこの1つだけ見る」を今週のうちに決めておくと、9月の教科会が一段速く進みます。

🔗 リシード — 【全国学力テスト】文科省、CSVレイアウト公開…教育委員会の分析支援(7/28)

KAYA II ◆ 今日の帯活動
5分で回せる帯活動アイデア(2本)

🌉 Bridge It in Three(3文で橋をかける)

対象:中2〜高3 | 時間:5分 | 準備:不要

① 黒板に無関係な2語を書く。例:rainlibrary

② ペアで、1文目に rain、3文目に library が入るちょうど3文の話を作る

③ 2文目が「橋」。ここだけで因果をつなぐ

④ 30秒で1組ずつ発表。いちばん語数の少ない橋が勝ち

💡 ポイント:because と so を禁止すると、生徒は時制と語順で因果を示すようになります。接続詞に頼らない因果表現は、そのままライティングの質に効きます。

🎨 Repaint the Sentence(文を塗り替える)

対象:中1〜 | 時間:5分 | 準備:黒板のみ

① 教師が素っ気ない1文を書く。例:“The dog ran.”

② 4ラウンドで1要素ずつ足す:R1 形容詞 → R2 副詞 → R3 前置詞句 → R4 because節

③ ラウンドごとに担当の列を替え、全文を音読。長くなった分だけ声を大きく

④ 最後に元の1文と読み比べ、「どこで絵が変わったか」を日本語で1つだけ言う

💡 ポイント:足す順番を固定するのがコツ。書けない生徒でも4ラウンド目には20語近い文が書けます。ウィレムスタッドの家が同じ形のまま色だけ違うように、骨組みは変えずに表情だけを変える練習です。

KAYA III ◆ AI × 英語指導
今週のAIツール — 教師向け1本/生徒向け1本

FOR TEACHERS

Speakable — 「話す・書く」の課題づくりと一次採点をまとめて

指導のねらいを文章で書くだけで、スピーキング/ライティングの課題をAIが組み立てます。生徒の音声や記述には即時フィードバックが返り、ルーブリック採点は自動。教師は結果を確認して点を調整し、公開のタイミングだけ決めればよい設計です。

ACTFL/WIDAを基準にした熟達度の目安が出るので、「今どのあたりか」を生徒と共有しやすいのが利点。ポートフォリオ機能で1年間の伸びを並べて見られます。40言語以上に対応し、無料の教師アカウントですぐ試せます。

🎓 使いどころ:ESAT-Jや定期考査のスピーキング課題を、録音の山を作らずに回す。夏休み課題の「1日1問」を自動採点で走らせる。

🔗 Speakable 公式サイト →

FOR STUDENTS

Falou — 1レッスン数分、「言えた」を積み上げる

空港・レストラン・買い物といった実場面のミニ会話を、1レッスン数分で回すアプリ。AIが発音にフィードバックを返し、AI Live Tutorと自由に話すこともできます。

2026年6月の大型アップデートでコース全体が再設計され、つまずいた箇所を拾って復習レッスンを組み直す仕組みに。無料で1レッスン試せるので、夏休みの「毎日3分」の受け皿として生徒に渡しやすい形です。

🎓 使いどころ:2学期の帯活動と同じ場面設定でレッスンを指定し、教室での発話とアプリでの発話をつなげる。

🔗 Falou 公式サイト →

KAYA IV ◆ NEWS FLASH
英語教育ニュース 3本

🇯🇵 JAPAN

「生成AIを活用した授業と評価」8/21、早稲田大+オンラインで無料開催

学習情報研究センター主催の「未来の学習コンテンツEX 2026(夏期)」。会場200名・オンライン100名で参加費無料です。生成AIの活用事例は各所で出そろってきましたが、評価まで踏み込む会はまだ多くありません。観点別評価とAI採点の折り合いをどうつけるかは、2学期の英語科で必ず議題に上がります。

🔗 リシード — 未来の学習コンテンツEX「生成AIを活用した授業と評価」8/21(7/27)

🇯🇵 JAPAN

中学校英語教員のB2以上が58.5%、初の目標達成 — 旺文社が調査を読み解く

旺文社教育情報センターが2025年度「英語教育実施状況調査」の分析資料を公開しました。中学校で英語を担当する教員のうちCEFR B2(英検準1級)相当以上は58.5%、目標に初めて到達。生徒側は中3のA1以上が54.6%、高3のA2以上が52.4%で、いずれも過去最高です。数字そのものより、「教員の力量が上がった年に生徒側で何が動いたか」という読み方のほうが校内では使えます。

🔗 リシード — 中高生・教員の英語力向上、中学教員は初の目標達成(7/14)

🌎 GLOBAL

British Council、AI×英語教育の知見を集約 — 8/19には教員養成テーマのウェビナー

British Council の TeachingEnglish が、AIが世界の英語教育でどう使われているかをまとめた調査ページを公開しています。8月19日には「教員養成にAIをどう組み込み、内省的で自律的な学びを支えるか」をテーマにしたウェビナーも予定。生徒のAI利用ではなく教師自身の学び方にAIを置く視点は、校内研修の設計を考えるときの手がかりになります。

🔗 British Council TeachingEnglish — Artificial intelligence and English language teaching

KAYA V ◆ 学習ツール
無料で使える英語サイト 4選

🔎 SKELL skell.sketchengine.eu

単語やフレーズを入れるだけで、実例文・コロケーション・類義語が一画面で出る無料コーパス検索。登録も支払いも不要。「この語、この使い方で合ってる?」という生徒の質問に30秒で答えが出せます。

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📊 Lextutor VocabProfile lextutor.ca/vp/

英文を貼り付けると、頻度レベル別に語彙が色分けされて構成比が出ます。自作プリントや入試過去問が生徒の語彙レベルに合っているかを、感覚ではなく数字で確認できるのが強み。

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🎧 ManyThings.org manythings.org

リスニング、語彙クイズ、ことわざ、スラング、短い聞き取り教材まで小ネタが大量。ページが軽く広告も控えめで、帯活動の素材探しに向きます。長く続いている定番サイト。

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📄 Bogglesworld ESL bogglesworldesl.com

印刷してそのまま使えるワークシートとボードゲームの宝庫。ALTとのティーム・ティーチングで「あと5分」が余ったときの引き出しとして、1本ダウンロードして机に入れておくと効きます。

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KAYA VI ◆ 世界の教室
🃹 キュラソー — 4つの言語が同じ教室にいる、という前提

カリブ海に浮かぶオランダ王国の構成国。人口は約15万人と小さな島ですが、ひとつの教室にパピアメント語、オランダ語、英語、スペイン語が同居しています。家庭で話すのはポルトガル語・スペイン語・アフリカ諸語・オランダ語が混ざって生まれたクレオール語のパピアメント語、学校の教授言語は長らくオランダ語、観光と商業の実用語は英語、目の前のベネズエラとの往来からスペイン語 — 子どもたちは「どの言語で考えるか」を毎日切り替えて育ちます。

注目すべきは2000年代以降の改革です。初等教育でパピアメント語を教授言語に据える方向へ舵を切り、「まず母語で概念を作り、それから別の言語に載せ替える」という考え方を制度として実装してきました。だから英語は「最初の外国語」ではなく「すでに周りにある言語」として学ばれます。港のハンデルスカーデに並ぶ色とりどりの家が、どれも同じオランダ式の骨組みを持っているのと似ています。

🔑 明日から使えるテクニック — 「Same Idea, Two Doors」

新出表現を導入したら、順番を固定します。①まず日本語で「言いたいこと」を一文にさせる → ②その一文を英語で言わせる。一見ただの和文英訳ですが、狙いは別です。「概念を作る言語」と「載せ替える言語」を生徒に意識的に分けさせること。日本語を経由するのを後ろめたく思わせないことで、かえって英語で言い切れる量が増えます。キュラソーの教室が制度としてやっていることを、帯活動5分に縮めた形です。

KAYA VII ◆ QUOTE
今日の一言

“Teachers are active, thinking decision-makers who make instructional choices by drawing on complex, practically-oriented, personalised, and context-sensitive networks of knowledge, thoughts, and beliefs.”

教師とは、複雑で、実践に根ざし、個人化され、文脈に敏感な知識・思考・信念のネットワークを頼りにしながら、指導上の選択を行っていく、能動的で思考する意思決定者である。

— Simon Borg(サイモン・ボーグ)/ 教師認知(teacher cognition)研究, 2003

KAYA VIII ◆ TUESDAY PONTOON
火曜の3行 — 開いて、渡して、閉じる

ウィレムスタッドのクイーン・エマ橋は、船が来るたびに横へ開き、通り過ぎるとまた閉じて人を渡す浮橋です。火曜日は、週のなかで「開いて閉じる」日。手帳の端に3行だけ書いてください。

ABRI (開く)

月曜から開きっぱなしの案件はどれか。1つだけ書き出す。

KRUSA (渡る)

今週、どうしても向こう岸へ渡したい生徒は誰か。名前を1つ。

SERA (閉じる)

今日じゅうに閉じてよい仕事はどれか。1つ決めて、閉じる。

3行そろったら手帳を閉じて、教室へ。橋は開けっぱなしにしておくと、誰も渡れません。

KAYA IX ◆ 1分ティップス
Reverse Route(逆回り机間指導)

机間指導のルートは、意識しないと毎回同じになります。教卓を出て、右の列から、前から後ろへ。同じ順路だということは、毎回いちばん最後に見てもらう生徒が固定されているということでもあります。

次の授業から、前回と逆回りに歩いてみてください。列の順、班の順、右回り/左回り — どれでも構いません。変えるのはルートだけで、声かけの内容も指導事項も一切変えなくていい。

それだけで、「今日は最初に来てくれた」という生徒が毎回入れ替わります。1週間続けると、これまで名前を呼ぶ回数が少なかった生徒が誰だったか、自分でも気づきます。

📎 今号の参考リンクまとめ

NEWS

リシード — 【全国学力テスト】文科省、CSVレイアウト公開(7/28)

リシード — 未来の学習コンテンツEX「生成AIを活用した授業と評価」8/21(7/27)

リシード — 中高生・教員の英語力向上、中学教員は初の目標達成(7/14)

British Council — Artificial intelligence and English language teaching

TOOLS

Speakable — 話す・書くの課題生成+自動採点(教師向け)

Falou — 実場面ミニ会話+AI Live Tutor(生徒向け)

SKELL — 実例文・コロケーション検索

Lextutor VocabProfile — 語彙レベル分析

ManyThings.org — リスニング・語彙クイズ集

Bogglesworld ESL — 印刷ワークシート&ゲーム

📬 原田先生の英語教育ニュースレター Vol.166

haradaeigo.com

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