やさしい英語で多読!【音声つき】

【やさしい英文de多読!】<43> Your Water Was Once Inside a Dinosaur あなたの飲む水は、かつて恐竜の体を通った水だった ~英文を楽しく&音声つきで読もう!~

原田英語マン
原田英語マン
今日のテーマは「あなたの飲む水は、かつて恐竜の体を通った水だった」です。地球の水は何十億年もリサイクルされ続けており、確率的にはコップ一杯の水の中に恐竜の体を通過した分子がほぼ確実に含まれています。壮大なスケールの科学トリビアをやさしい英語で読んでみましょう!

📖 英文(225 words)

Have you ever looked at your glass of water and thought, “Where did this water come from?” The answer may surprise you. The water you drink today is almost certainly the same water that dinosaurs drank millions of years ago. In fact, scientists say the chance is nearly 100 percent.

Here is why. The Earth has been recycling the same water for over four billion years. Water evaporates from oceans and lakes, rises into the sky, becomes clouds, and falls as rain. This is called the water cycle. No new water is made, and almost none is lost. The water just keeps moving around.

Now think about the numbers. One glass of water contains an enormous number of molecules—about 6.7 septillion. That is 6,700,000,000,000,000,000,000,000. The total amount of water on Earth is huge, but these molecules have been mixing and moving for billions of years. Dinosaurs ruled the Earth for 186 million years during the Mesozoic era. They drank, sweated, and released water every day.

Scientists calculated the probability. Because dinosaurs lived for such a long time and used so much water, almost every molecule in your glass has passed through a dinosaur’s body at least once. Interestingly, the chance is much higher for dinosaurs than for any single human, because humans have only existed for about 200,000 years.

So tonight, when you drink a glass of water, remember: a T-Rex may have drunk that same water!

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📝 重要語句

recycling:リサイクルする
using something again and again(何かを繰り返し使うこと)
evaporates:蒸発する
changes from liquid to gas because of heat(熱で液体が気体に変わること)
water cycle:水循環
the natural process of water moving around the Earth(水が地球上をめぐる自然の仕組み)
molecules:分子
the smallest pieces of a substance that still have its properties(物質の性質を保つ最小の粒子)
enormous:膨大な
extremely large in number or size(数や大きさがとてつもなく大きい)
septillion:一兆の一兆倍
a number with 24 zeros(ゼロが24個つく数)
Mesozoic era:中生代
the time period when dinosaurs lived, about 252 to 66 million years ago(恐竜が生きていた時代、約2億5200万年前から6600万年前)
calculated:計算した
used math to find an answer(数学を使って答えを出した)
probability:確率
how likely something is to happen(何かが起きる可能性の高さ)
existed:存在した
was real or alive(実在した、生きていた)

🇯🇵 日本語訳

コップ一杯の水を手に取り、「この水、どこから来たんだろう?」と思ったことはありませんか? 答えを聞いたら、きっと驚くはずです。あなたが今日飲んでいる水は、何百万年も前に恐竜が飲んでいたのとほぼ同じ水なのです。しかも科学者によれば、その確率はほぼ100パーセント。

理由はこうです。地球は40億年以上にわたって、同じ水をぐるぐるとリサイクルし続けています。海や湖から蒸発した水は空に昇り、雲になり、雨となって降り注ぐ——これが「水循環」です。新しい水が作られることはなく、失われることもほとんどありません。水はただ、形を変えながら地球をめぐり続けているのです。

ここで数字の話をしましょう。コップ一杯の水には、途方もない数の分子が含まれています。その数、約6.7秭(じょ)——6,700,000,000,000,000,000,000,000個です。地球全体の水の量は膨大ですが、これらの分子は何十億年もかけて混ざり合い、移動し続けてきました。恐竜が地球を支配していた中生代は、実に1億8600万年にもおよびます。恐竜たちは毎日のように水を飲み、汗をかき、体から水分を排出していました。

科学者が確率を計算したところ、恐竜がこれほど長い期間にわたって大量の水を使っていたため、あなたのコップの中のほぼすべての分子が、少なくとも一度は恐竜の体を通過していることがわかりました。興味深いことに、恐竜と水分子を「共有」している確率は、特定の人間と共有する確率よりもはるかに高いのです。人類が誕生してからまだ約20万年しか経っていないのですから。

さあ、今夜コップ一杯の水を飲むとき、こう思い出してみてください——ティラノサウルスも、まさにその水を飲んでいたかもしれないのです!

🦕 コラム:地球の水は「宇宙生まれ」だった

コップの中の水が恐竜の体を通過していたという話だけでも十分に驚きですが、その水の「出生地」を遡ると、さらにスケールの大きな物語が広がっています。

🔸 水は地球より先に「宇宙」で生まれた

私たちが毎日飲んでいる水は、実は約45億年前——つまり地球そのものが誕生した頃にはすでに存在していたと考えられています。フランスのグルノーブル惑星科学天体物理学研究所のセシリア・チェッカレッリ博士らの研究によれば、水の大部分は太陽系が形成される過程で、巨大な分子雲の中の塵の粒の表面で水素と酸素が結合して生まれました。つまり、水は地球より先に宇宙で生まれていたのです。では、その水はどうやって地球にたどり着いたのでしょうか? 有力な説のひとつは「微惑星(planetesimal)」——氷を含む小さな天体が地球に衝突して水を運んできた、というもの。小惑星や彗星が何度も地球にぶつかることで、少しずつ水が蓄えられていきました。初期の地球はマグマに覆われた灼熱の世界でしたが、やがて冷却が進み、大気中の水蒸気が雨となって降り注ぎ、海が形成されたのです。

🔸 水分子は「永遠」ではない——植物が壊している

「水は永遠に同じ分子のまま存在するのか?」という疑問が浮かぶかもしれません。実は、水分子は意外と壊れやすいのです。最大の「敵」は植物。光合成の過程で、植物は水分子を分解して酸素を取り出します。地球上の全生物がこれを10億年以上にわたって続けてきた結果、すべての水分子は歴史上何十回も分解され、再び組み合わさるというサイクルを経ています。つまり「同じ水分子」が恐竜の時代からそっくりそのまま残っているわけではなく、同じ水素原子と酸素原子が何度も組み替わりながら受け継がれてきた、と考えるほうが正確です。

🔸 「恐竜の水」が確実な理由——数字のマジック

もう少し具体的に数字を見てみましょう。コップ一杯(約200グラム)の水に含まれる分子数は約6.7×10²⁴個。一方、地球の水圏全体をコップ一杯ずつに分けると、約7×10²¹杯分になります。つまり「1杯の水の分子数」は「地球全体のコップの数」の約1,000倍。仮に1杯の水を地球上の全水に均等に混ぜたとすると、どこから汲んだ1杯にもその水の分子が約1,000個含まれる計算になります。恐竜は1億8600万年もの間、毎日水を飲み続けていたわけですから、あなたのコップに「恐竜を通過した分子」がゼロである確率は、天文学的に小さいのです。

水は宇宙で生まれ、地球に届き、恐竜の体を通り、植物に分解され、再び結合し、雲になり、雨になり——そして今、あなたのコップの中にいます。45億年の壮大な旅路を経た一杯の水。そう思うと、何気ない「水を飲む」という行為が、ちょっと特別なものに感じられませんか?

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