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英語の5文型は日本だけ?アメリカが5文型の代わりに教える「動詞パターン」約30種を徹底解説!

🌎 GLOBAL ESL STANDARD

日本は「5文型」、
世界は「25の動詞パターン
──この差が英語力の差になる

A.S.ホーンビーが日本で生んだ「Verb Pattern」の全貌と、
日本人がこの知識で英語力を劇的に上げる方法

「英語の文型は5つ」──日本の英語教育で絶対に習うこの常識。
しかし英語圏の学習者用辞書とESL教育の現場では、まったく違うアプローチが主流です。
動詞を「5つの箱」に無理やり押し込むのではなく、個々の動詞が持つ固有の「パターン」を辞書的に学ぶ
──その数25パターン(細分類を含めると50以上)。これが「Verb Pattern」の世界です。

1日本の「5文型」と世界の「Verb Pattern」──根本的な発想の違い

まず、両者の発想の違いを明確にしましょう。日本の5文型は「文の構造を5つに分類する」というアプローチ。一方、ホーンビーに始まるVerb Patternは「動詞ごとに使えるパターンを覚える」というアプローチです。

🇯🇵
日本式:5文型アプローチ
「文」を5つの型に分類する
SV / SVC / SVO / SVOO / SVOC
全ての英文をこの5つに当てはめる
演繹的(トップダウン)
🌎
欧米ESL式:Verb Patternアプローチ
「動詞」ごとの使い方を学ぶ
25の動詞パターン(細分類で50以上)
各動詞がどのパターンで使えるかを辞書で確認
帰納的(ボトムアップ)

たとえるなら、日本式は「全ての生物を5つの界に分類する」という生物学的分類法。Verb Pattern式は「この動物はどんな環境で、何を食べ、どう行動するか」を一匹ずつ観察する動物行動学。どちらも「英語の構造を理解する」という目的は同じですが、切り口がまったく異なります。

💡

ここで重要なのは、「5文型が間違い」ではないということ。5文型は英語の大枠を掴むには有効です。しかし、実際に英語を「使う」段階になると、5文型だけでは説明できない現象が大量に出てくる。そこをカバーするのがVerb Patternなのです。

2A.S.ホーンビーとは何者か──「学習者用辞書」の革命児

Verb Patternの体系を築いた人物──それがアルバート・シドニー・ホーンビー(A.S. Hornby, 1898-1978)です。イギリス生まれの英語教育者・辞書編纂者で、実は日本と深い縁がある人物です。

BIOGRAPHY

A.S.ホーンビーの生涯と業績

1898
イギリス・チェスターに生まれる。ロンドン大学(UCL)で学ぶ
1924
来日。大分高等商業学校(現・大分大学の前身)で英語教師に。日本人学習者が英語の動詞の使い方に苦労する姿を間近で観察
1933
ハロルド・パーマーの招きで上京。英語教授研究所(IRET)で語彙・文法の研究に従事し、後に研究誌の編集も担当
1942
『Idiomatic and Syntactic English Dictionary(ISED)』を東京の開拓社から出版。世界初の本格的な上級学習者用英英辞典で、動詞パターンを辞書に体系的に記載した画期的な試み。同年、日米開戦後の抑留を経て日英交換船で帰国
1948
オックスフォード大学出版局(OUP)が『A Learner’s Dictionary of Current English』として再刊。改訂を重ね、現在の『Oxford Advanced Learner’s Dictionary(OALD)』(第10版)へ。世界で最も売れている英英辞典の一つ
1954
『A Guide to Patterns and Usage in English』出版。25の動詞パターンを体系化した決定版(後の改訂版では細分化され、50以上の下位パターンに)
1978
死去。1961年に設立したホーンビー教育トラストは、現在も世界の英語教師を支援し続けている

驚くべきことに、Verb Patternの原点は「日本人の英語学習の困難」への観察から生まれたのです。ホーンビーは1924年から1942年まで約18年間、日本で教壇と研究に立ち続け、日本人学生が「この動詞の後にはtoが来るのか、-ingが来るのか」で混乱する姿を見続けました。その経験から「動詞ごとに使えるパターンを明示すべきだ」という発想に至ったのです。

ネイティブスピーカーは「文型」で文を作らない。動詞を選び、その動詞が許す構造で文を組み立てる。学習者にもそのプロセスを教えるべきだ。

── A.S.ホーンビーの教育思想を要約(原文の引用ではありません)
🔗

皮肉な歴史:ホーンビーは「日本の学習者のために」Verb Patternを体系化し、その成果はOALDやLDOCEなど世界中の学習者用辞書と英語圏のESL教育に受け継がれました。一方、体系が生まれた当の日本では、C.T.オニオンズの分類に由来する5文型がいまだに主流──というのが現在の状況です。

3Verb Patternの全体像──25パターンを体系的に理解する

ここからが本題です。Verb Patternとは具体的にどのようなものなのか。ホーンビーが体系化した25パターン(細分類を含めると50以上)の中から、日本人学習者にとって特に重要なものを本記事では約20パターンに再整理して解説します。

⚠️

大前提:Verb Patternは「文型」とは違います。「この動詞はこのパターンで使える」「この動詞はこのパターンでは使えない」という動詞ごとの”取扱説明書”です。同じ動詞でも複数のパターンを持つことが普通です。なお、本記事のVP番号(VP1〜20)は理解しやすさを優先した本記事独自の整理で、ホーンビー原典の番号付けとは異なります。

カテゴリA:動詞+名詞句系(Verb + NP)
パターン 構造 例文 5文型では
VP1 V(自動詞のみ) Birds sing. 第1文型(SV)
VP2 V + 補語(形容詞/名詞) She became a doctor. 第2文型(SVC)
VP3 V + NP(目的語) I enjoyed the movie. 第3文型(SVO)
VP4 V + NP + NP She gave me a book. 第4文型(SVOO)
VP5 V + NP + 補語 They elected him president. 第5文型(SVOC)

ここまでは5文型とほぼ対応しています。「なんだ、同じじゃないか」と思いましたか?ここからが本番です。

カテゴリB:5文型では分類不能──to不定詞・動名詞系
パターン 構造 例文 日本人の躓きポイント
VP6 V + to不定詞 I want to go. want/hope/decideなどはto不定詞のみ
VP7 V + 動名詞(-ing) I enjoy swimming. enjoy/avoid/finishなどは-ingのみ
VP8 V + to不定詞 or 動名詞(意味ほぼ同じ) It started to rain / raining. start/begin/continueなど
VP9 V + to不定詞 or 動名詞(意味が変わる!) I stopped to smoke. / I stopped smoking. 超頻出。remember/forget/tryなど
🎯

ここが核心です。日本の5文型では、”I want to go.” も “I enjoy swimming.” も同じように扱われがちです。しかしVerb Pattern的には、この2つはまったく別物。wantの後にはto不定詞しか来ない。enjoyの後には-ingしか来ない。この「動詞ごとの制約」を知らないから、日本人は “I enjoy to swim.”(×)のような間違いを犯すのです。

カテゴリC:that節・wh節・引用系
パターン 構造 例文
VP10 V + that節 I think (that) he is right.
VP11 V + wh節 I wonder where she went.
VP12 V + NP + that節 She told me that she was leaving.
VP13 V + NP + wh節 He asked me where I lived.
カテゴリD:使役・知覚・NP+不定詞/分詞系
パターン 構造 例文 注意点
VP14 V + NP + to不定詞 I want you to come. ask/tell/advise/expect等
VP15 V + NP + 原形不定詞 I made him go. make/let/have(使役)
VP16 V + NP + 現在分詞 I saw her dancing. 知覚動詞(進行中の動作)
VP17 V + NP + 過去分詞 I had my car repaired. 使役・被害の「have/get」
カテゴリE:前置詞・副詞辞系
パターン 構造 例文 ポイント
VP18 V + 前置詞 + NP I depend on you. 動詞+前置詞のセット。前置詞は動詞が決める
VP19 V + 副詞辞(句動詞) Please sit down. phrasal verbの体系的整理
VP20 V + NP + 副詞辞 I picked the book up. 目的語と副詞辞の語順問題

KEY INSIGHT

5文型 ≒ VP1〜VP5。残りの大部分が「5文型の外」にある。

日本の5文型はVerb Patternの最初の5つにほぼ対応しています。つまり5文型は、25パターンあるVerb Patternのうち最初の5つ前後しかカバーしていないのです。残りの大部分──to不定詞/動名詞の使い分け、that節の取り方、句動詞、知覚・使役構文──これらは5文型の「外」にあり、日本の教育では「例外」や「熟語」として断片的に教えられています。

📋 COMPLETE REFERENCE

Verb Pattern 主要動詞リスト

各パターンの代表的な動詞を一覧化。辞書で確認する際のガイドとしてお使いください。

VP1
V(自動詞のみ)
例:Birds sing.
arriveappearcomedieexistfallgohappenlaughrisesleepswimwalkwork
VP2
V + 補語(形容詞/名詞)
例:She became a doctor.
bebecomefeelgetgrowkeeplookremainseemsmellsoundtasteturn
VP3
V + NP(目的語)
例:I enjoyed the movie.
buyeatenjoyhavehitknowlikelovemakeneedreadtakeusewant
VP4
V + NP + NP(二重目的語)
例:She gave me a book.
bringbuycookgivelendofferpasssendshowteachtell❌ explain❌ suggest❌ describe
⚠ 赤字の動詞はSVOOで使えそうに見えるが、このパターンを取れない!(日本人最頻出ミス)
VP5
V + NP + 補語
例:They elected him president.
callconsiderelectfindkeepleavemakenamepaintthink
▼ ここから先が「5文型の外」── 日本の教科書では体系的に教わらない領域 ▼
VP6
V + to不定詞
例:I want to go.
agreechoosedecideexpecthopelearnmanageofferplanpretendpromiserefuseseemwantwish
VP7
V + 動名詞(-ing)
例:I enjoy swimming.
admitavoidconsiderdenyenjoyfinishgive upimaginekeepmindmisspostponepracticequitsuggest
VP8
V + to不定詞 or 動名詞(意味ほぼ同じ)
例:It started raining / to rain.
begincontinuehatelikelovepreferstart
VP9 ★超重要
V + to不定詞 or 動名詞(意味が変わる!)
rememberforgetstoptryregretmeango on
⚠ toか-ingかで意味が完全に変わる!入試・TOEIC超頻出パターン
VP10
V + that節
例:I think (that) he is right.
agreebelievedecidediscoverexpectfeelhopeknownoticerealizesaysuggestthink
VP11
V + wh節
例:I wonder where she went.
askdecidediscoverexplainforgetknowrememberunderstandwonder
VP12-13
V + NP + that節 / wh節
例:She told me that…
adviseaskconvinceinformremindshowteachtellwarn
VP14
V + NP + to不定詞
例:I want you to come.
adviseallowaskcauseenableencourageexpectforceinviteorderpermitpersuaderemindtellwantwarn
VP15
V + NP + 原形不定詞(使役・知覚)
例:I made him go.
makelethaveseehearwatchfeelnotice
VP16-17
V + NP + 現在分詞 / 過去分詞
例:I saw her dancing. / I had my car repaired.
catchfindgethavehearkeepleaveseewatch
VP18-20
V + 前置詞 + NP / 句動詞(phrasal verb)
例:I depend on you. / Pick it up.
agree withbelong todepend onlisten tolook atlook forrefer towait forbreak downcarry outcome up withfigure outgive uplook uppick upput offtake offturn on/off
📌

このリストの使い方:上のリストを丸暗記する必要はありません。重要なのは「一つの動詞が複数のパターンを持つ」という感覚を掴むこと。たとえば ask は VP11(ask where…)、VP13(ask him where…)、VP14(ask him to do…)と3つ以上のパターンを持ちます。新しい動詞に出会ったら、OALDやLDOCEで「どのパターンを持つか」を確認する──その習慣が英語力を根本から変えます。

4具体例で実感!──5文型では説明できない英語の現実

理論はわかった。では、5文型とVerb Patternで実際にどれほど説明力が違うのか、具体例で体感してみましょう。

ケース①:suggest は「SVOO的な発想」で使えない問題
❌ 日本人がやりがちな間違い:
I suggested him to go to the doctor.
× suggestは「V + NP + to不定詞」パターンを持たない!
✅ 正しいパターン:
I suggested that he (should) go to the doctor.(VP10: V + that節)
I suggested going to the doctor.(VP7: V + 動名詞)

同じ「提案・助言」系でも、advise は “advise him to go” と言えるのに、suggest は「V + NP + to不定詞」を許しません。5文型の発想ではこの違いを説明できない。Verb Patternなら一目瞭然。

ケース②:explain の後に「人」を直接置けない問題
❌ 日本人がやりがちな間違い:
Please explain me the reason.
× explainは「V + NP + NP」(SVOO)パターンを持たない!
✅ 正しいパターン:
Please explain the reason to me.(VP18: V + NP + 前置詞 + NP)
Please explain why it happened.(VP11: V + wh節)

tell me / show me とは違い、explain me とは言えない。「第4文型をとれる動詞」と「とれない動詞」を区別するのがVerb Patternの真骨頂。

ケース③:stop / remember / try──to と -ing で意味が変わる

VP9 パターン

🔹 stop
I stopped to smoke. = タバコを吸うために立ち止まった(目的)
I stopped smoking. = タバコを吸うのをやめた(中止)
🔹 remember
I remembered to lock the door. = 鍵をかけることを忘れずにやった(これからの行為)
I remembered locking the door. = 鍵をかけたことを覚えている(過去の行為)
🔹 try
I tried to open the window. = 窓を開けようとした(が開かなかったかも)
I tried opening the window. = 試しに窓を開けてみた(実際に開けた)

5文型の発想ではどちらも同じ「SVO」。しかし意味がまったく違う。Verb Patternでは to不定詞と動名詞を明確に区別するため、この違いが構造的に可視化されます。

ケース④:知覚動詞──原形・現在分詞・過去分詞で意味が変わる
VP15:V + NP + 原形不定詞

I saw her cross the street.

→ 彼女が道を渡り切るのを見た(動作の完了)
VP16:V + NP + 現在分詞

I saw her crossing the street.

→ 彼女が道を渡っている途中を見た(動作の進行中)
VP17:V + NP + 過去分詞

I saw the street blocked by police.

→ 道が警察に封鎖されているのを見た(受動の状態)

5文型では3つとも「第5文型(SVOC)」扱い。しかしVerb PatternではVP15・VP16・VP17の3パターンに明確に分かれ、意味の違いが構造に反映されます。

5なぜ英語圏のESL教育はVerb Patternを重視するのか

Verb Patternはイギリス生まれの体系ですが、その発想は英語圏のESL(English as a Second Language)教育に広く浸透しています。特に世界中から移民・留学生が集まるアメリカのESL現場では、「動詞+to不定詞/動名詞」のリスト学習が文法教材の定番。「すぐに使える実用性」を最優先するこの環境が、Verb Patternアプローチとの相性を抜群にしています。

理由①:多国籍の学習者に「一つの文法体系」を教えるのが困難

アメリカのESLクラスには、スペイン語話者、中国語話者、アラビア語話者、韓国語話者…とあらゆる母語の学習者がいます。それぞれの母語の文法構造が異なるため、「5文型のような一律の枠組み」を教えてもピンとこない学習者が大量に出てくる。それよりも「この動詞はこう使う」「この動詞にはtoが来る」という個別具体的な情報の方が、母語に関係なく全員に役立つのです。

理由②:「辞書を引く力」を育てる教育哲学

英語圏のESL教育は「自立した学習者を育てる」ことを重視します。Verb Patternは学習者用辞書(OALD、LDOCEなど)の動詞エントリーに体系的に記載されているため、「辞書を引けばパターンがわかる」という自学自習のサイクルが回ります。

📖

例:OALDで “suggest” を引くと──
suggest doing sth
suggest (that)...
suggest sth to sb
のように、使えるパターンが一目でわかる。「adviseと同じ発想で suggest him to〜 でもいいよね?」という間違いが起きません。

理由③:Communicative Language Teaching(CLT)との親和性

1980年代以降、英語圏のESL教育はCLT(コミュニカティブ・ランゲージ・ティーチング)が主流になりました。文法を「知識」として教えるのではなく、「コミュニケーションの中で文法を身につける」アプローチです。

Verb Patternは「この動詞をこの場面でこう使う」という実践的な単位なので、CLTの授業に自然に組み込めます。一方、5文型は抽象的すぎて「この場面でどう使うか」に直結しにくい。

文法は目的ではなく手段である。学習者が必要とするのは「この動詞を使って何が言えるか」であり、「この文は第何文型か」ではない。

── コミュニカティブ教授法(CLT)の基本理念を要約
理由④:コーパス言語学の発達

1990年代以降、大規模なコーパス(言語データベース)の発達により、「ネイティブが実際にどのパターンで動詞を使っているか」が数値で分析できるようになりました。この研究成果がVerb Patternの記述をさらに精緻にし、ESLの教科書や学習者用辞書に反映されています。

まとめると:英語圏のESL教育がVerb Patternを重視する理由は、①多国籍対応、②自律学習促進、③CLTとの親和性、④コーパスによる裏付け──の4点。いずれも「実際に英語を使えるようにする」という実用主義が背景にあります。

6日本の「5文型」の功罪──何が良くて、何が限界なのか

ここで公平に、日本の5文型の「良い点」と「限界」を整理しておきましょう。Verb Patternを礼賛するだけでは片手落ちです。

✅ 5文型の功(良い点)
① シンプルで覚えやすい
5つだけなので、英語学習の入口として「英語の大枠」を掴むには最適。初学者の安心感にもつながる。② 読解力の基盤になる
長文読解で「この文のSはどれ?Vはどれ?」と分析する力は、5文型の訓練で鍛えられる。受験英語では特に有効。

③ 100年以上の実績
C.T.オニオンズの分類(1904年)に由来し、細江逸記らを通じて定着して以来、日本の英語教育を支えてきた実績は無視できない。

❌ 5文型の罪(限界)
① 「例外」が多すぎる
to不定詞 vs 動名詞、句動詞、前置詞の選択…5文型では説明できないことが山ほどある。② 「分類する力」≠「使う力」
文型を分類できても、正しい英文を作れるとは限らない。分析と産出は別のスキル。

③ 動詞の個性を無視する
suggest と tell を同じ「与える系の動詞」として扱うのは、リンゴとトマトを同じ「赤い食べ物」として扱うようなもの。実用場面では区別が必要。

💡

結論:5文型は「英語の大枠を理解するための入門ツール」としては優秀。しかし「英語を実際に使うためのツール」としては不十分。理想は「5文型で大枠を掴み、Verb Patternで個々の動詞の使い方を深める」という二段階のアプローチです。

7Verb Patternを活用した最強の学習法──今日から始める3ステップ

ここからは実践編です。日本人学習者がVerb Patternの考え方を取り入れて、今日から英語力を上げるための具体的な方法を3ステップで紹介します。

STEP 1:学習者用英英辞書を「動詞パターン辞書」として使う

最も即効性のある方法がこれです。OALD(Oxford Advanced Learner’s Dictionary)やLDOCE(Longman Dictionary of Contemporary English)を引いたら、意味よりも先に「パターン表記」を見る習慣をつけましょう。

📖 OALDで “suggest” を引いた場合:
suggest sth (to sb) ── (人に)〜を提案する
suggest doing sth ── 〜することを提案する
suggest (that)... ── 〜してはどうかと提案する
suggest sb to do sth ── ❌ この形は載っていない!

→ つまり “I suggested him to read this.”(×)ではなく “I suggested reading this.”(✅)や “I suggested that he read this.”(✅)が正しいとわかる。

STEP 2:「動詞パターンノート」を作る

新しい動詞に出会ったら、意味と一緒に「どのパターンで使えるか」をノートに記録します。以下のようなフォーマットがおすすめ。

📝 動詞パターンノートの例
動詞 使えるパターン 使えないパターン
suggest V + -ing / V + that節 / V + NP V + NP + to不定詞 ❌
advise V + -ing / V + NP + to不定詞 / V + that節 ──
enjoy V + -ing / V + NP V + to不定詞 ❌
explain V + NP / V + NP + to sb / V + that節 / V + wh節 V + NP + NP(SVOO)❌

ポイントは「使えないパターン」も記録すること。間違いの予防に直結します。

STEP 3:「パターン瞬間英作文」で体に染み込ませる

知識を「使える力」に変える最終段階です。動詞パターンを意識しながら瞬間英作文を行います。

🎯 練習例:suggest のパターンを全て使い切る
日本語:彼女は早く出発することを提案した。
① V + -ing:She suggested leaving early.
② V + that節:She suggested that we (should) leave early.
③ V + NP:She suggested an early departure.

一つの日本語に対して、使えるパターンを全て使って英作文する。これを繰り返すと、動詞パターンが無意識レベルで身につきます。

🔄

3ステップの循環

辞書でパターンを確認(STEP 1)

ノートに記録・比較(STEP 2)

瞬間英作文で体に入れる(STEP 3)

また新しい動詞で STEP 1 へ

8おすすめ辞書・教材──Verb Patternが学べるリソース

Verb Patternを本格的に学ぶためのリソースを紹介します。「学習者用英英辞書」こそが最強の動詞パターン教材です。

★★★
Oxford Advanced Learner’s Dictionary(OALD)
ホーンビーが編纂した辞書の系譜を継ぐ最新版(第10版)。動詞パターンの表記が体系的で詳細。Verb Patternを学ぶなら第一選択。オンライン版(oxfordlearnersdictionaries.com)は無料で使えます。各動詞の項目に構文パターンが明記されており、例文も豊富。
★★★
Longman Dictionary of Contemporary English(LDOCE)
OALDと並ぶ二大学習者用辞書。動詞パターンの表記がOALDとは若干異なるが、例文の自然さと語義の明快さに定評あり。オンライン版(ldoceonline.com)も無料。大規模コーパスに基づいた頻度情報も充実。
★★☆
A.S. Hornby『A Guide to Patterns and Usage in English』
ホーンビーが25の動詞パターンを体系化した原典。1954年初版・1975年改訂第2版(OUP)。新刊では入手困難だが、古書や図書館で入手可能。英語教師や言語学に興味がある人向け。学術的だが、Verb Patternの「なぜ」を理解するには最適。
★★☆
Cambridge Grammar of English(Carter & McCarthy)
ケンブリッジ大学出版の包括的な英文法書(2006年)。コーパスに基づいて動詞の振る舞いを詳しく解説。「なぜこの動詞はこのパターンを取るのか」という理論的背景を知りたい人に。
💻

無料で今すぐ始められる方法:OALDオンライン版(oxfordlearnersdictionaries.com)にアクセスし、普段よく使う動詞を10個引いてみてください。意味ではなく「パターン表記」に注目する。それだけで、英語の見え方が変わるはずです。

まとめ──「動詞から英語を見る」という発想の転換

日本の5文型は「文を分類する」ためのツール。
ホーンビーのVerb Patternは「動詞を使いこなす」ためのツール。
両者は対立するものではなく、補完し合うものです。

5文型はVerb Patternの最初の5パターンにほぼ対応する──残りの大部分が「未知の領域」
動詞ごとに「使えるパターン」と「使えないパターン」がある──これを知るだけでミスが激減
suggest / explain──日本人が間違えやすい動詞こそVerb Patternの恩恵が大きい
学習者用英英辞書が「最強の動詞パターン教材」──OALD・LDOCEは無料でオンライン利用可能
辞書 → ノート → 瞬間英作文の3ステップで「知識」を「使える力」に変換
Verb Patternの生みの親ホーンビーは、日本で約18年間英語を教え、研究した経験からこの体系を生み出した

5文型で「英語の骨格」を理解し、
Verb Patternで「動詞の筋肉」を鍛える。
この二刀流こそが、日本人の英語力を次のレベルに引き上げる鍵です。

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