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🌍 英語学習

🧩 TBLT(タスク中心の指導)とは|中学・高校の授業例と進め方

✍️ 原田英語が厳選・執筆🗓 2026-09-28📖 6分🎁 読了で +10XP
TBLT(Task-Based Language Teaching)は、「文法を学んでから使う」のではなく、「課題を英語で解決する中で言葉を学ぶ」指導法です。聞いたことはあっても、実際の50分授業にどう組み込むかイメージしにくいかもしれません。この記事では、タスクの定義から授業の流れ、中学・高校の具体例、40人クラスでの工夫までをまとめます。

TBLTの「タスク」とは何か

TBLTでいう「タスク」は、単なる練習問題ではありません。研究者によって定義に幅はありますが、一般的には次のような条件を満たす活動を指します。

  • 意味が中心:どの文法を使うかより、何を伝えるかが大事
  • 情報や意見の「ギャップ」がある:相手の知らないことを伝える、意見の違いを調整する
  • 学習者が自分の言語資源を使う:決められた文型ではなく、知っている英語を総動員する
  • 言語以外の成果物がある:「旅行プランが決まる」「ランキングができる」など、ゴールがはっきりしている

たとえば「過去形を使って文を5つ書く」はエクササイズ(練習)です。一方、「ALTの先生に、自分の町でおすすめの週末の過ごし方を1つ提案して選んでもらう」はタスクです。

ポイント:タスクかどうかは「英語を使った結果、何かが決まる・完成するか」で判断すると分かりやすくなります。

授業の基本の流れ:プレタスク→タスク→ポストタスク

TBLTの授業は、大きく3つの段階で組み立てるのが一般的です。

1. プレタスク(5〜10分)

テーマへの関心を高め、必要そうな語彙を少しだけ確認します。ここで文法を長く説明しないのがポイントです。モデルとなるやり取りを先生が見せたり、短い音声を聞かせたりします。

2. タスク(15〜20分)

ペアやグループで課題に取り組みます。先生は机間を回り、困っているグループにヒントを出しますが、答えは教えません。その後、代表グループが結果を発表する「レポート」の段階を入れることもあります。

3. ポストタスク/言語フォーカス(10〜15分)

タスク中に先生がメモしておいた「言いたかったけど言えなかった表現」や「よく出た誤り」を取り上げ、ここで初めて文法や表現を整理します。最後に、同じタスクをもう一度(ペアを変えて)行うタスクの繰り返しを入れると、表現が改善されていくのを生徒自身が実感できます。

授業例①:中学2年「修学旅行の自由行動プランを決めよう」

比較表現を学ぶ単元に合わせたタスク例です。

タスク:4人グループで、京都の自由行動(3時間)の行き先を2か所決める。条件は「予算1人1,000円以内」「移動は30分以内」。

配布物:観光地カード6枚(写真、入場料、移動時間、おすすめポイントが英語で書いてある)。カードは4人で分けて持ち、自分のカードは見せずに英語で説明するルールにします。

生徒から出てくる英語の例です。

  • My place is Kinkakuji. It costs 500 yen.
  • Is it far from the station?
  • Fushimi Inari is cheaper than Kinkakuji.
  • I think Nijo Castle is more interesting.

成果物:Our plan: We will go to ___ and ___ because ___. を書いて提出。

ポストタスクでは、グループ活動で先生が拾った more cheap のような誤りを取り上げ、比較級の作り方を整理します。生徒は「さっき言いたかったこと」を学ぶので、説明が頭に入りやすくなります。

授業例②:高校1年「学校の新ルールを提案しよう」

意見を述べる表現を使う、高校向けのタスクです。

タスク:「生徒会に提案する新しい学校のルール」をグループで1つ決め、理由を2つ添えて1分で発表する。

進め方は次のとおりです。

  1. 個人で、あったらいいルールを英語で2つメモ(3分)
  2. グループで出し合い、1つに絞る(8分)。使う表現例:I think we should be allowed to use smartphones at lunch. / I agree, but what about...? / How about...?
  3. 発表原稿を作る(7分)
  4. 別のグループと発表し合い、質問を1つずつする(7分)

発表の型をスクリーンに出しておくと、英語が苦手な生徒も参加しやすくなります。

  • Our idea is ___.
  • First, ___. Second, ___.
  • So we think ___.

ここでは「正しいルールを作ること」ではなく、相手を説得できたかを成功の基準にします。聞き手に「賛成か反対か」を手で示してもらうと、話し手の達成感が生まれます。

40人クラスでの運営のコツと評価

グループタスクを40人で回すときのポイントです。

  • 役割カードを配る:司会(Leader)、時間係(Timekeeper)、書記(Writer)、英語チェック係(English Checker)。英語チェック係は「日本語が出たら英語で言い直そう」と声をかける役です
  • 成果物を必ず残す:発表だけでなく、1枚の紙やスライドに結論を書かせると、評価の材料にもなります
  • タイマーと合図を固定:One minute left! / Time's up! を毎回同じ言い方で
  • 発表は全グループでなくていい:時間がなければ、グループ同士で発表し合う形にすれば10グループが同時に発表できます

評価は、タスクの達成(条件を満たしたプランになっているか)と、英語の使用(伝わる英語で話せたか)の2観点のシンプルなルーブリックで十分です。毎回全員を評価しようとせず、単元の最後のタスクだけを記録に残す評価にするなど、負担を分けましょう。

タスクの難易度を調整する方法

同じタスクでも、条件を少し変えるだけで難易度を上げ下げできます。クラスの実態に合わせて調整しましょう。

やさしくする方法

  • 選択肢を減らす(観光地カード6枚→4枚)
  • 準備時間を与える(話す前に2分間、個人でメモを書く)
  • 使える表現をリストで示す
  • 成果物を「表を埋める」程度の軽いものにする

難しくする方法

  • 条件を増やす(予算に加えて「雨の日でも楽しめること」)
  • 意見が分かれるように情報を設計する(どの選択肢にも長所と短所がある)
  • 準備時間なしで即興で話す
  • 成果物を「説得力のある提案文」にする

生徒への指示の例です。

  • You have two minutes to plan. You can write notes, but not full sentences.
  • Your group must agree on one answer.
  • If you disagree, give a reason.

最初はやさしめの設定で成功体験を作り、同じ型のタスクを繰り返す中で少しずつ条件を増やしていくと、生徒は「前よりできるようになった」と実感できます。タスクの繰り返しと難易度の調整は、TBLTを長く続けるための大事な工夫です。

よくある失敗と改善のヒント

  • タスクが難しすぎる:語彙が足りずに日本語だらけになるなら、プレタスクで使えそうな単語を5つだけ提示する
  • 一部の生徒だけが話す:情報を分けて持たせる(ジグソー形式)と、全員が話さないと完成しない構造になる
  • 言語フォーカスが抜ける:楽しかったで終わらないよう、最後の10分は必ず表現の整理にあてる
  • 毎回新しいタスクを作ろうとして疲れる:同じ型のタスクを、テーマだけ変えて使い回す(旅行プラン→文化祭の出し物→遠足の行き先)

まずは1単元に1回、単元の最後に「まとめのタスク」を置くところから始めてみてください。教科書の文法単元の順番はそのままに、出口にタスクを置くだけで、生徒の「何のために学ぶのか」がはっきりします。

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よくある質問

TBLTでは文法を教えないのですか?
教えないわけではありません。タスクの前に長く説明するのではなく、タスクの後に、生徒が必要と感じた表現や誤りを取り上げて整理する流れが一般的です。教科書の文法単元と組み合わせる「タスクを取り入れた指導」も広く行われています。
中学1年生でもタスクはできますか?
できます。たとえば「好きな食べ物をインタビューしてクラスの人気ランキングを作る」のように、使う英語が少なくても成果物がはっきりしているタスクなら、入門期から取り組めます。
タスクの評価はどうすればいいですか?
タスク達成と英語の使用の2観点程度のシンプルなルーブリックがおすすめです。毎回記録するのではなく、単元末のタスクだけを記録に残すなど、評価の頻度を調整すると負担が減ります。
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英語の神動画図鑑 編集部(原田英語)
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