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🌍 英語学習

🗣️ CLT(コミュニカティブ・アプローチ)とは|英語授業での始め方と実例

✍️ 原田英語が厳選・執筆🗓 2026-09-28📖 6分🎁 読了で +10XP
「コミュニケーション重視の授業に」と言われても、具体的に何を変えればいいのか迷う先生は多いはずです。CLT(Communicative Language Teaching)は、特定の手順というより「言葉は意味を伝え合うために使うもの」という考え方の束です。この記事では、その考え方を中学・高校の50分授業に落とし込み、40人クラスでも回せる具体的な活動例とセットで紹介します。

CLTとは何か:「練習」から「伝え合い」へ

CLT(コミュニカティブ・アプローチ)は、1970年代ごろから広がった外国語教育の考え方です。それまで主流だった文型の反復練習(パターン・プラクティス)に対して、「実際に意味をやり取りする中でこそ言葉は身につく」という立場をとります。

特定の教科書や手順が決まっているわけではなく、いくつかの共通する特徴でとらえると分かりやすくなります。

  • 意味のやり取りがある:相手が知らない情報を伝える、意見を交換するなど、話す「必然性」がある
  • 目的・場面・状況がある:誰に、何のために話すのかがはっきりしている
  • 流暢さも大事にする:正確さだけでなく、止まらずに伝え続ける力も育てる
  • 学習者が主役:教師の説明時間より、生徒が英語を使う時間を増やす

日本の学習指導要領でも、コミュニケーションを行う目的・場面・状況を明確に設定した言語活動が重視されています。CLTはその考え方と相性のよい土台だと言えます。

ポイント:CLTは「文法を教えない授業」ではありません。文法を「使うための道具」として位置づけ直す考え方です。

「伝え合い」の必然性を作るインフォメーション・ギャップ

CLTの授業づくりで一番使いやすいのがインフォメーション・ギャップです。ペアの2人が別々の情報を持ち、英語で聞き合わないと課題が完成しない状態を作ります。

授業例:中2「過去形」で週末の予定表を埋める

  1. Aさんには「Kenの週末」、Bさんには「Yukiの週末」の表を配る(土日の午前・午後に何をしたか)
  2. 相手の表の空欄を、質問して埋める
  3. 最後に「2人の共通点」を1文で書く

生徒が使う英語の例です。

  • What did Yuki do on Saturday morning?
  • She played tennis with her sister.
  • Really? Ken played tennis, too!

教師の指示は短く、英語でモデルを見せます。

  • Work in pairs. A, don't show your sheet to B.
  • Ask questions and fill in the blanks.
  • You have three minutes. Ready, go!

ポイントは、答えが教科書に書いていないことです。相手に聞かないと分からない状況が、自然な質問を生みます。

文法指導とどう両立させるか:PPPとの組み合わせ

「CLTだと文法が定着しないのでは」という心配はもっともです。実際の授業では、文法の明示的な説明とコミュニケーション活動を組み合わせるのが現実的です。

よく使われる流れがPPP(Presentation → Practice → Production)です。

  1. Presentation(5〜8分):場面の中で新出文法を見せる。例:先生の週末の写真を見せながら I went to Kyoto. I ate yudofu. と話す
  2. Practice(10分):口頭ドリルやペアでの短い言い換え練習
  3. Production(15〜20分):インフォメーション・ギャップや、自分のことを話す活動

CLTの考え方を取り入れるなら、Practiceの段階から少しずつ「意味」を入れていくのがコツです。たとえば、ただ動詞を過去形に変えるドリルではなく、「本当のことを言う」ルールにするだけで、生徒は内容を考え始めます。

  • Did you watch TV last night? — Yes, I did. I watched a baseball game.

同じ文型でも、自分の本当の情報を言うだけで意味のやり取りになる。これが一番手軽な第一歩です。

40人クラスで回すための工夫

40人のクラスでペア活動をすると、「うるさくなる」「日本語になる」「誰が話したか分からない」という悩みが出てきます。次の工夫で、かなり回しやすくなります。

  • 時間を短く区切る:最初は90秒。タイマーをスクリーンに映すと集中が続きます
  • 役割を明確に:「窓側がA、廊下側がB」と座席で決めておけば、毎回説明する必要がありません
  • ペアを変える:Change partners! の合図で、前後や斜めの人と組み直す。3回繰り返すと同じ英語を3回言うことになり、自然に練習量が増えます
  • 日本語OKの言葉を決める:分からない単語だけは「How do you say ○○ in English?」と聞く、というルールにする
  • 最後に2〜3ペアだけ発表:全員の前で話すのが苦手な生徒には、先生が近くで聞いた良い例を紹介する形にします

机間指導のときは、全部を直そうとせず、よく出ている間違いを1つだけメモしておき、活動後に全体で扱います。

よくある失敗と、その立て直し方

CLT型の活動を入れ始めたときによくある失敗を3つ挙げます。

1. 活動の目的が生徒に伝わっていない

「なぜこれをするのか」が分からないと、生徒は作業として済ませてしまいます。活動前に「ゴール」を1文で示しましょう。例:By the end of this activity, you can talk about your weekend for 30 seconds.

2. 準備なしでいきなり話させる

即興は大事ですが、使う表現を持たないまま話させると沈黙が続きます。黒板に「使えそうな表現」を3〜5個書いておくだけで、話し出しやすくなります。

3. 活動後の振り返りがない

楽しかったけれど何も残らない、を避けるために、最後の3分で「言いたかったけど言えなかった英語」を書かせます。次の授業の最初にそれを取り上げると、学びがつながります。

ポイント:CLTは一度で完成しません。1単元に1つ、意味のやり取りがある活動を入れるところから始めましょう。

教科書1ページをCLT型に変える3つのアレンジ

新しい教材を作らなくても、いつもの教科書の1ページを少しアレンジするだけでCLTらしい活動になります。

1. 本文を「質問し合う材料」にする

本文を読んだあと、生徒に答えが本文に書いてある質問を1つ、書いていない質問を1つ作らせます。

  • 本文にある質問:Where did Emma go last summer?
  • 本文にない質問:If you were Emma, what would you do there?

後者は正解がないので、ペアで意見を交換する自然なきっかけになります。

2. 登場人物になりきって話す

対話文の登場人物の「その後」を想像して、ペアで30秒の会話を作ります。Continue the conversation. What will they say next? と指示するだけで、既習表現を使った創造的なやり取りが生まれます。

3. 新出文法の「本当の使い道」を探す

たとえば現在完了を学んだら、Have you ever...? を使ってクラスの中で「一番珍しい経験をした人」を探す活動にします。Find someone who... 形式のワークシートは準備も簡単で、教室を歩き回るので大人数でも盛り上がります。

  • Have you ever eaten kusaya?
  • No, I haven't. Have you?

どれも「生徒が自分のことを言う」「相手の答えが予想できない」という共通点があります。この2つがそろえば、教科書の練習もコミュニケーションに変わります。

明日から使える1週間の導入プラン

いきなり授業全体を変える必要はありません。1週間で少しずつ試すプランです。

  • 月曜:帯活動に「本当のことを言うQ&A」を2分入れる(例:What time did you get up today?)
  • 火曜:教科書本文の内容について、ペアで1つずつ質問を作って聞き合う
  • 水曜:インフォメーション・ギャップのワークシートを1枚作って試す
  • 木曜:活動のあとに「言えなかった英語」を回収
  • 金曜:回収した表現を全体で共有し、もう一度同じ活動をペアを変えてやる

同じ活動を「もう一度」やると、1回目よりずっと英語が出るようになります。生徒自身が上達を実感できる瞬間を、ぜひ作ってみてください。

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よくある質問

CLTを取り入れると、テストの点数が下がりませんか?
文法の説明や練習をやめるわけではないので、必ずしも下がるとは限りません。説明・練習・活用のバランスを取り、活用の場面でも既習文法を使う設計にすると、知識と運用がつながりやすくなります。
英語が苦手な生徒が多いクラスでもできますか?
できます。話す内容の型(モデル文)と使える表現を先に示し、時間を短く区切るのがコツです。単語1つで答えてもOKという段階から始め、徐々に文で話せるようにしていきましょう。
CLTとTBLTはどう違うのですか?
CLTはコミュニケーションを重視する広い考え方で、TBLT(タスク中心の指導)はその流れの中で「タスク」を授業の中心に置く具体的な指導法の一つと考えると分かりやすいです。
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英語の神動画図鑑 編集部(原田英語)
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