英語タイトルには大きく3つのパターンがある
アニメや映画が海外で公開されるとき、タイトルの付け方はおおむね次の3つに分かれます。
- 直訳型:日本語の意味をほぼそのまま英語にする
- 意訳型:内容や雰囲気が伝わるように、言葉を大きく変える
- ローマ字型:日本語の読みをそのままアルファベットで書く
たとえばスタジオジブリの作品では、「となりのトトロ」が *My Neighbor Totoro*、「魔女の宅急便」が *Kiki's Delivery Service*、「千と千尋の神隠し」が *Spirited Away* という英語タイトルで知られています。1つ目はほぼ直訳、2つ目は主人公の名前を入れた形、3つ目は内容を短く表した意訳です。
どのパターンになるかは、作品ごとに配給会社や出版社などが判断します。ですから「必ずこう訳す」という法則はありません。ただ、パターンを知っておくと、英語タイトルを調べるときや、自分で説明するときにとても役立ちます。
直訳型からわかる英語の語順
直訳型のタイトルは、日本語と英語の語順の違いを学ぶのにぴったりです。
日本語は「〜の…」と、説明が前に来ます。一方英語は、核になる名詞が前、説明が後ろに来ることが多いです。
- 「海の上の図書館」→ *The Library on the Sea*(図書館が先)
- 「約束の夏」→ *The Summer of Promises*(夏が先)
- 「僕の小さな相棒」→ *My Little Partner*(形容詞は名詞の前)
※上の例はこの記事のために作った架空のタイトルです。
このように、前置詞 of / on / in / with を使って後ろから説明を足すのが英語の基本パターンです。英作文で「〜の…」をうまく訳せない人は、タイトルの訳し方を観察すると感覚がつかめます。
練習:好きな作品の日本語タイトルを見て、「核になる名詞はどれ?」と考えてみましょう。
意訳型からわかる「伝える」発想
意訳型のタイトルは、単語を置き換えるのではなく、作品の核心を英語話者に伝わる形で言い直すという発想で作られます。
日本語のタイトルには、次のような「そのままでは訳しにくい」要素がよく含まれます。
- 言葉遊びやダジャレ
- 日本の文化を前提にした言葉(神隠し、学園祭など)
- 長い文章のようなタイトル
こうしたとき、英語では短く、動詞や名詞1〜3語で核心を表すことがよくあります。*Spirited Away* も、「神隠し」を説明するのではなく、「さらわれていく」という出来事そのものを表しています。
この発想は、英語で何かを説明するときにもそのまま使えます。日本語を1語ずつ訳そうとして詰まったら、「一言でいうと何の話?」と考えてみましょう。
- 「部活に青春をかける話」→ *a story about kids who give everything to their club*
- 「人間関係に悩む高校生の話」→ *a story about high schoolers dealing with friendship problems*
ローマ字型とサブタイトル付きの形
最近は、日本語の読みをそのままローマ字にしたタイトルもよく見かけます。日本のアニメが広く知られるようになり、日本語の響きそのものが作品の魅力の一部と考えられるケースが増えたためだと言われています。
また、日本語タイトル+英語のサブタイトル、という組み合わせもあります。
- *Hoshizora no Machi: The Town Under the Stars*(※架空の例)
この形は、ファンが日本語タイトルでも英語タイトルでも検索できるという利点があります。
注意したいのは、同じ作品でも地域や媒体によって英語タイトルが違うことがある点です。マンガ版とアニメ版で違う、最初の公開時と後の再公開で違う、ということもあります。海外の人と話すときは、公式サイトや公式配信サービスでの表記を確認するのが確実です。
もし英語タイトルがわからなければ、次のように言えば大丈夫です。
- In Japanese, it's called "〇〇." I'm not sure about the English title.(日本語では〇〇っていうんだ。英語のタイトルはわからないけど)
英語タイトルで作品を紹介するときの例文
英語タイトルがわかったら、実際に作品を紹介する文も準備しておきましょう。タイトルの書き方には、ちょっとしたルールがあります。
- 作品名は、書くときはイタリック体か引用符(" ")で示すのが一般的
- タイトルの中の主な単語は大文字で始める(冠詞や短い前置詞は小文字のことが多い)
紹介の例文(作品名は〇〇で表します):
- Have you seen 〇〇? It's one of my favorite anime films.(〇〇って見たことある? 大好きなアニメ映画の一つなんだ)
- It's known as 〇〇 in English.(英語では〇〇というタイトルで知られているよ)
- The original Japanese title means something like "the girl who ...."(元の日本語タイトルは「〜する少女」みたいな意味なんだ)
最後の文のように、元のタイトルの意味を説明できると、会話がとても盛り上がります。英語タイトルと日本語タイトルの違いは、海外のファンにとっても興味深い話題だからです。「英語タイトルのほうがわかりやすいね」「日本語タイトルのほうが詩的だね」など、感想を言い合うのも良い練習になります。
自分で英語タイトルを考えるトレーニング
タイトルの訳し方を学んだら、実際に自分で英語タイトルを付けてみましょう。これは要約力と語彙力を同時に鍛える、とても良い練習になります。
手順
- 好きな作品(アニメでも本でもOK)を1つ選ぶ
- 日本語で「どんな話か」を1文で書く
- その中の一番大事な名詞と動詞を選ぶ
- 英語で3〜5語のタイトルを3案作る
- 公式の英語タイトルがあれば比べてみる
例(架空の作品)
- 日本語の内容:「料理が苦手な高校生が、食堂を立て直す話」
- 案1:*The Cafeteria Rescue*
- 案2:*Cooking Class Zero*
- 案3:*Saving the School Kitchen*
公式タイトルと違っていても問題ありません。「なぜ公式はこの言葉を選んだのか」を考えることで、英語話者の感覚が少しずつわかってきます。
よくある失敗と1週間メニュー
よくある失敗
- 日本語タイトルをそのまま言って通じないと焦る:英語タイトルを事前に調べておくか、内容を説明すればOKです。
- カタカナ英語をそのまま英語だと思い込む:日本のタイトルに使われるカタカナ語が、英語では違う意味だったり使われなかったりすることもあります。
- 非公式の訳を正式タイトルとして紹介する:ファンの間の呼び名と公式タイトルが違うこともあるので確認しましょう。
1週間メニュー(1日10分)
- 月:好きな作品5本の公式英語タイトルを調べてメモ
- 火:それぞれ「直訳・意訳・ローマ字」のどれかを分類
- 水:意訳型のタイトルについて、なぜその言葉を選んだか考える
- 木:1作品の内容を英語1文で説明する
- 金:その作品に自分で英語タイトルを3案付ける
- 土:英語で作品紹介を30秒話してみる
- 日:振り返り。覚えたタイトルを声に出す
今日はまず、いちばん好きな作品の英語タイトルを調べてみてください。意外な訳に驚くかもしれません。



