ENGLISH TEACHER’S BRIEFING · CATTLE CAMP EDITION
中高英語教師のための授業アイデア&最新情報
2026年6月26日(金)| Vol.131|白ナイルの牛飼いキャンプより
CAMP I ── 今日のヘッドライン
次期学習指導要領「骨子案」公表 ── 高校卒業時に“全員がAIを使いこなす”時代へ
文科省・情報・技術ワーキンググループが6月25日、次期学習指導要領の取りまとめ骨子案を公表しました。2040年代の社会を見据え、高校卒業時には全員がAIを使いこなせるレベルを目標に掲げ、小学校に新領域を付加、中学校には新教科を創設するなど、学びの枠組みが抜本的に再編されます。外国語ワーキングでも「AIを含むデジタル学習基盤の活用」が明記される方向で、英語授業でのAI活用は“現場任せ”から“標準装備”へと舵が切られます。生成AIで自分の考えを英語で表現する活動の充実も示されており、私たちの授業設計そのものが問われる転換点です。
CAMP II ── 5分でできる帯活動
対象:中1〜高校 | 時間:5分 | 準備:不要
① 先生がある名詞(例:library)を心に決める。
② 生徒は 形容詞1語+関係する動詞1語だけで“焼き印”ヒントを出す:“quiet… read.”
③ 3ヒントで当てられたらチームに1点。1語ずつ削るほど高得点。
💡 牛に焼き印を押すように「最小限の言葉で本質を刻む」練習。語彙の核を掴む力と、即興の語選択が鍛えられます。
対象:中2〜高校 | 時間:5分 | 準備:不要
① 1人目が短い文を言う:“I bought a bag.”
② 次の人は修飾語を1つだけ積み足す:“I bought a heavy bag.”
③ at the market → yesterday … と穀物の俵のように積み上げ、崩した(文法が壊れた)人で交代。
💡 修飾語の位置と語順感覚が体で身につきます。後置修飾・前置詞句の置き場所を“積む”感覚で復習できます。
CAMP III ── AI × 英語指導 最前線
トピックを入れるだけで、指導案・ワークシート・小テスト・読解教材を一気に生成するAIアシスタント。カリキュラムに沿った教材づくりに加え、特別支援(ASN)対応の調整ツールや画像作成も内蔵。学年・難易度を指定すれば、同じ題材を複数レベルに展開できます。
🎓 活用例:教科書の1単元を入力 → A1とB1の2バージョンの読解教材を作り、習熟度別の帯活動に流用。
完全無料のAI発音・スピーキング学習アプリ。単発のドリルではなく、実際の場面(ストーリーや対話)の中で発音を練習でき、母音・子音・リズム・強勢をAIが細かくフィードバック。語彙・文法と発音が同時に育つ設計です。
🎓 活用例:教科書の対話文を題材に、家庭学習で「場面ごと音読+発音チェック」。翌日の授業はアウトプットから始められます。
CAMP IV ── 英語教育ニュース FLASH
🇯🇵 全国学力テスト
2026年度の全国学力テストで初めて本格導入された中学英語のCBTスピーキング。公開された全7問では、「留学生との電話で翌日の天気を15秒以内に伝える」といった即興のやり取りが問われました。準備時間なしで話す力をどう日常授業で育てるか──帯活動設計のヒントになります。
🇯🇵 次期指導要領・外国語
外国語ワーキングの取りまとめ案では、AI活用格差の是正へ「デジタル学習基盤の活用」を明記。高校科目は「英語コミュニケーション(総合)/(発信)」に再編され、すでにB2相当以上の生徒には必履修科目の履修免除・振替を認める制度も検討中。指導の前提が大きく動きます。
🌍 GLOBAL
EdWeekが米国2校の実践を紹介。多言語学習者の最大の壁は計算ではなく“ことば”だとして、授業冒頭の自己開示トーク、少人数指導、母語の活用(translanguaging)、Kahoot等での復習を組み合わせ、安心して発話できる教室をつくる事例です。教科を英語で学ぶ生徒への足場かけの参考に。
🔗 EdWeek ── How Two Schools Are Rethinking Math for English Learners
CAMP V ── 超絶使える!英語学習ツール
同じニュースを7段階のレベルで読める教材サイト。音声・穴埋め・ディスカッション課題付きで、レベル別リーディングの帯活動にそのまま使えます。
早口言葉のデータベース。音素ごとに難易度別の英文を集めており、/r/ /l/ /θ/ など日本人が苦手な音の発音ウォームアップに最適。
CAMP VI ── 世界の教室
2011年に独立した世界で最も若い国・南スーダンは、独立と同時に英語を唯一の公用語・教育言語に採用しました。多くの教師がアラビア語で教育を受けてきた中での大転換であり、「教える側も学びながら英語へ移行する」という、世界でも稀な国家規模の挑戦が今なお続いています。アラビア語・ディンカ語・ヌエル語など多言語が日常に共存し、生徒は複数言語を行き来しながら英語を獲得していきます。
🔑 明日から使えるテクニック ── “Teacher-Learner”宣言
南スーダンの教室では、教師自身が“学習者でもある”ことを隠しません。これを応用し、授業の冒頭で先生が「今日、私もこの表現を初めて使う」と1つ正直に共有してみましょう。完璧でない姿を見せることで、生徒の「間違えてもいい」という安心感が一気に高まり、発話のハードルが下がります。
CAMP VII ── TODAY’S QUOTE FOR TEACHERS
“Teaching is not telling. Learning is not listening. The work is in the doing, the noticing, and the trying again.”
教えることは“告げる”ことではなく、学ぶことは“聞く”ことではない。本当の学びは、やってみて、気づいて、もう一度試すことの中にある。
— Donald Freeman(ドナルド・フリーマン|ミシガン大学教授・言語教師教育研究の第一人者)
CAMP VIII ── FRIDAY CATTLE-CAMP TALLY
牛飼いキャンプでは夕暮れに群れの頭数を数え、欠けがないか確かめてから一日を終えます。あなたの一週間も、同じように“数えて締め”てみませんか。
🐄 HERDED(連れ帰れたもの)
今週、確かに前進した授業・生徒の一場面を1つ。
🌾 STRAYED(はぐれたもの)
手が回らず流れてしまった1つ。責めずに、来週の囲いに入れ直す。
🔥 NEXT FIRE(次に灯す火)
月曜の最初に灯す“小さな火”を1つだけ決めておく。
📰 ニュース記事
・リシード ── 情報・技術WG、次期指導要領の骨子案公表(6/26)
・EdWeek ── Rethinking Math for English Learners
🛠 ツール・サービス
📬 原田先生のニュースレター Vol.131
haradaeigo.com
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