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宇宙でいちばん大きな星は?「大きさ」と「重さ」でチャンピオンが違った

宇宙でいちばん大きな星は?「大きさ」と「重さ」でチャンピオンが違った

読む前に予想してみよう!

宇宙で一番重い星は、一番大きい星でもある

研究カード(どんな研究?)
対象
大質量星・赤色超巨星
規模
個別の恒星の観測
研究の種類
観測研究(分光・高解像度撮像)
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

半径が太陽の1,000倍を超える赤色超巨星は複数あるが順位は入れ替わり中。最も重い星R136a1は太陽の約200倍の質量と推定される。

ひとことで言うと一番大きい星と一番重い星は、ちがう星だった!

もくじ
  1. 大きさ部門:赤くふくらんだ「赤色超巨星」
  2. 重さ部門:タランチュラ星雲の「R136a1」
  3. 重い星は「大きい」とは限らない
  4. 星の重さには「上限」がある?
  5. 重い星ほど「太く短く」生きる
  6. まとめ

「宇宙でいちばん大きな星は?」

ネットで検索すると、いろいろな名前が出てきます。それもそのはず。じつはこの質問、「大きさ(半径)」で比べるか、「重さ(質量)」で比べるかで、答えがまったく変わるのです。

01大きさ部門:赤くふくらんだ「赤色超巨星」

大きさで最大級なのは、星の一生の終わりに近づいて赤く大きくふくらんだ星、赤色超巨星たちです。

半径が太陽の1,000倍以上と推定される星が、いくつか知られています。もし太陽の位置に置いたら、木星の軌道あたりまで飲みこんでしまうほどの大きさです。

ところが、どれが1位かははっきりしません。

  • 星までの距離の測定が少し変わるだけで、計算される大きさが大きく変わる
  • 赤色超巨星は外側のガスがぼんやり広がり、どこまでが星かの境目が決めにくい
  • 明るさが変化する星も多い

そのため、ランキングは新しい観測のたびに入れ替わります。「最大の星」として有名な名前も、のちの研究で小さく見直されることがよくあります。

太陽と比べると、赤色超巨星は桁ちがいに大きい
太陽と比べると、赤色超巨星は桁ちがいに大きい

02重さ部門:タランチュラ星雲の「R136a1」

重さのチャンピオンは、はっきりしています。南半球の空に見える大マゼラン雲の中、タランチュラ星雲にある若い星団R136の星、R136a1です。

03重い星は「大きい」とは限らない

ここが面白いところです。R136a1は、太陽の200倍前後も重いのに、半径は太陽の数十倍ほどと考えられています。赤色超巨星にくらべると、ずっとコンパクトです。

重くて若い星は、表面温度が数万℃と非常に高温で、青白く強烈にかがやきます。明るさは太陽の数百万倍にもなります。一方、赤色超巨星は表面温度が3,000℃台と低く、そのかわり外側が大きくふくらんでいます。

「重い=大きい」ではない。これが、星の世界のおもしろいところです。

04星の重さには「上限」がある?

星は、重くなるほど中心で激しく燃え、外向きに押し出す光の力も強くなります。あまりに重いと、その光の力が重力に勝って、星の外側を吹き飛ばしてしまいます。そのため、星の重さにはある程度の上限があると考えられてきました。

R136a1のような星は、その上限ぎりぎり、あるいはそれを超えるような星として注目されています。重い星どうしが合体して生まれた、という考え方もあります。

05重い星ほど「太く短く」生きる

重い星は燃料を猛スピードで使うため、寿命は数百万年ほどしかありません。太陽の寿命(約100億年)と比べると、ほんの一瞬です。

06まとめ

宇宙でいちばん大きな星は、「大きさ部門」と「重さ部門」でチャンピオンが別でした。しかも、大きさの順位は今も入れ替わり中です。

宇宙の「いちばん」は、測り方しだいで答えが変わる。そこに、天文学のむずかしさと面白さがつまっています。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIf you search for the biggest star in the universe, you will find many different names. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

If you search for the biggest star in the universe, you will find many different names. This is because the answer changes depending on whether you compare size or mass. The largest stars by size are red supergiants near the end of their lives, and several are thought to be more than 1,000 times wider than the Sun.

However, their ranking keeps changing, because a small change in the measured distance can greatly change the calculated size. The heaviest known star, R136a1, is in a young star cluster in the Large Magellanic Cloud. A 2022 study estimated its mass at about 170 to 230 times that of the Sun. Even so, it is fairly compact.

115 words ・ CEFR B1

和訳を見る

宇宙でいちばん大きな星を検索すると、さまざまな名前が出てきます。これは、大きさで比べるか質量で比べるかによって答えが変わるからです。大きさで最大の星は、一生の終わりに近い赤色超巨星で、いくつかは太陽の1,000倍以上の幅があると考えられています。

しかし、測定された距離が少し変わるだけで計算される大きさが大きく変わるため、その順位は入れ替わり続けています。最も重い既知の星R136a1は、大マゼラン雲の中の若い星団にあります。2022年の研究は、その質量を太陽の約170〜230倍と推定しました。それでも、この星はかなりコンパクトです。

4択リーディングクイズ

Q1. Why do people find many different names for the biggest star?

Q2. Why does the ranking of red supergiants keep changing?

Q3. What does the passage say about the size of R136a1?

重要単語

  • supergiantC1
    名詞超巨星A red supergiant can be larger than Jupiter's orbit. super(超)+giant(巨人)。red giant(赤色巨星)より大きい段階。
  • massiveB2
    形容詞質量の大きい、重いR136a1 is the most massive star known. 日常では「巨大な、大規模な」(a massive earthquake)。科学では mass(質量)が大きいという意味になる。
  • radiusB2
    名詞半径The radius of the star is hard to measure. 複数形は radii(レイディアイ)。diameter(直径)とセットで。within a 5 km radius「半径5km以内」。
  • clusterB2
    名詞星団、集団R136 is a cluster of young, hot stars. 「かたまり」が基本義。感染症の「クラスター」も同じ語。
  • estimateB2
    名詞推定値The new estimate is smaller than the old one. 名詞は /ˈestɪmət/、動詞は /ˈestɪmeɪt/。rough estimate「概算」。
  • luminosityC1
    名詞光度(星が出す光の総量)Radius is calculated from luminosity and temperature. luminous(光る)の名詞形。lumin-(光)は illuminate(照らす)とも同じ語根。
  • engulfC1
    動詞飲みこむ、包みこむThe giant star would engulf the inner planets. en-(中に)+gulf(深い淵)。The fire engulfed the building. のように災害の描写でも使う。

動画でもっと知る

宇宙でいちばん大きな星って何?実は「大きさ」と「重さ」でチャンピオンが別。大きさ部門は太陽の1,000倍以上の赤色超巨星たち(順位は研究ごとに入れ替わる)。重さ部門は太陽の約200倍の「R136a1」らしい。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. Crowther et al. (2010) The R136 star cluster hosts several stars whose individual masses greatly exceed the accepted 150 M⊙ stellar mass limit, MNRASdoi.org
  2. Kalari et al. (2022) Resolving the Core of R136 in the Optical, The Astrophysical Journaldoi.org
  3. NSF NOIRLab: Sharpest Image Ever of Universe's Most Massive Known Starnoirlab.edu
  4. ESO: Stars Just Got Biggereso.org