心理学ホント

友達になるには約90時間、親友には200時間以上。「友達作りに必要な時間」を測った研究

友達になるには約90時間、親友には200時間以上。「友達作りに必要な時間」を測った研究

読む前に予想してみよう!

親友になるには、ふつう数十時間いっしょに過ごせば十分だ

研究カード(どんな研究?)
対象
米国の成人と大学1年生
規模
355人+112人
研究の種類
調査+9週間の追跡調査
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

米カンザス大の研究で、知り合いが「友達」になるまでの時間を調べると、気軽な友達で約50時間、友達で約90時間、親友には200時間以上が目安だった。

ひとことで言うと親友は「時間をかけて」できる。200時間はだいたい毎日1時間で約7か月!

もくじ
  1. 「友達になるまでの時間」を数えてみた
  2. ただ一緒にいればいいわけではない
  3. 人づきあいは「エネルギー」を使う
  4. まとめ

新しいクラス、新しい部活、新しい職場。周りはどんどん仲良くなっているように見えるのに、自分にはまだ「友達」と呼べる人がいない——。

そんなとき、「自分に何か問題があるのかな」と落ち込んでしまうかもしれません。でも、ちょっと待ってください。もしかしたら、単純に"時間"が足りていないだけかもしれないのです。

アメリカの研究者が、「友達になるには何時間かかるのか」を本気で測った研究があります。

01「友達になるまでの時間」を数えてみた

研究から見えてきた"目安"は次のとおりです。

  • 気軽な友達になる(合計):約50時間
  • 友達になる(合計):約90時間
  • 親しい友達になる(合計):200時間以上

200時間というと、毎日1時間いっしょにいても半年以上。親友は、一朝一夕ではできないのです。

入学やクラス替えから1〜2か月で「まだ親友がいない」と悩むのは、計算上ごく自然なこと。周りが仲良さそうに見えても、その多くはまだ「気軽な友達」の段階かもしれません。

02ただ一緒にいればいいわけではない

ここで大事なポイントがあります。研究では、時間の「中身」も関係していました。

授業や仕事で同じ場所にいるだけの時間よりも、一緒に遊ぶなど、余暇の活動をした時間のほうが親しさと結びついていました。さらに、「最近どう?」と近況を話す、冗談を言い合うといった何気ない日常のおしゃべりも、関係を深めることにつながっていました。

親友への道のりは、楽しい時間とおしゃべりの積み重ね
親友への道のりは、楽しい時間とおしゃべりの積み重ね

03人づきあいは「エネルギー」を使う

この研究の背景には、「人づきあいにはエネルギーが要る」という考え方があります。

研究者のホールは、人が使える"社交エネルギー"には限りがあり、誰にどれだけ時間とエネルギーを使うかで関係が決まっていく、という理論を提案しています。新しい友達を作るのが大変なのは、限られたエネルギーを新しい相手に"投資"する必要があるからです。

逆に言えば、時間をかけないと友情はしぼんでいきます。イギリスの研究では、高校を卒業して進学した若者を1年半追跡したところ、会う回数や連絡が減った友達ほど、親しさが下がりやすかったことが分かっています。家族との関係は、それに比べて下がりにくかったそうです。

04まとめ

友達は、時間をかけて"育てる"もの。研究によると、親しい友達になるには200時間以上かかるのが目安でした。

今、まだ友達が少なくても大丈夫。一緒に笑ったり、ご飯を食べたり、くだらない話をしたりする時間を、少しずつ積み重ねていきましょう。その時間が、いつか「親友」という形になって返ってきます。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerStarting at a new school can be lonely, but a study from the University of Kansas suggests that the problem… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Starting at a new school can be lonely, but a study from the University of Kansas suggests that the problem may simply be time. The researcher conducted two surveys. In the first, 355 adults who had recently moved described the people they had met and how much time they had spent together. In the second, 112 first-year university students reported on two new acquaintances three times over nine weeks.

The results suggested that it takes about 50 hours to become casual friends, about 90 hours to become friends, and more than 200 hours to become close friends. However, not all time was equal. Time spent having fun or chatting about everyday life was more strongly linked to closeness than time spent in class or at work.

126 words ・ CEFR B1

和訳を見る

新しい学校での生活の始まりはさみしいこともありますが、カンザス大学の研究は、問題が単に時間なのかもしれないと示しています。研究者は2つの調査を行いました。1つ目では、最近引っ越した大人355人が、知り合った人たちと、いっしょに過ごした時間について答えました。2つ目では、大学1年生112人が、新しい知り合い2人について、9週間で3回報告しました。

結果は、気軽な友達になるには約50時間、友達になるには約90時間、親しい友達になるには200時間以上かかることを示していました。しかし、すべての時間が同じではありませんでした。楽しんだり日常生活についておしゃべりしたりして過ごした時間のほうが、授業中や仕事中に過ごした時間よりも、親しさと強く結びついていました。

4択リーディングクイズ

Q1. Who took part in the first survey?

Q2. What kind of time was most strongly linked to closeness?

Q3. What does the writer mean by "not all time was equal"?

重要単語

  • acquaintanceB2
    名詞知り合いHe is just an acquaintance, not a close friend. be acquainted with ~「~と知り合いだ・~に精通している」。make the acquaintance of ~ は硬い表現。
  • casualB1
    形容詞気軽な、くだけたWe had a casual chat after school. casual clothes「普段着」。反対は formal。
  • closenessB2
    名詞親しさCloseness grows with shared time. close は発音で意味が変わる:/kloʊs/(近い・親しい)と /kloʊz/(閉める)。
  • relocateB2
    動詞引っ越す、移転するHer family relocated to a new city. re(再び)+locate(置く)。move より硬く、仕事や会社の移転にも使う。
  • investB2
    動詞(時間や労力を)注ぎ込むYou need to invest time in friendships. invest A in B「AをBに投資する」。お金だけでなく時間・労力にも使える。
  • reassuranceC1
    名詞安心させること、安心感Her kind words gave me reassurance. reassure(安心させる)の名詞形。sure(確かな)が中に入っている。

動画でもっと知る

4コマでわかる

友達になるには約90時間、親友には200時間以上。「友達作りに必要な時間」を測った研究の4コマ漫画
友達になるには何時間いっしょに過ごせばいい? 米国の研究では、気軽な友達まで約50時間、友達で約90時間、親友には200時間以上が目安だったらしい。新しいクラスで友達ができないと焦ってる人、まだ時間が足りないだけかも。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Hall (2019) How many hours does it take to make a friend?, Journal of Social and Personal Relationshipsdoi.org
  2. Hall & Davis (2017) Proposing the communicate bond belong theory: Evolutionary intersections with episodic interpersonal communication, Communication Theorydoi.org
  3. Roberts & Dunbar (2011) The costs of family and friends: An 18-month longitudinal study of relationship maintenance and decay, Evolution and Human Behaviordoi.org