原田先生のとっておきの話

【イラン・イスラエル戦争をわかりやすく解説】なぜ今?原因・歴史・核問題・日本への影響まで5分で理解

MIDDLE EAST CRISIS × HISTORY

なぜ今、イランとイスラエルが
戦争をしているのか?

― かつての親友が宿敵になるまでの46年を、5分で完全理解 ―

⚡ 速報:2026年2月28日

本日(2月28日)、イスラエルと米国がイランへの軍事攻撃を再び開始しました。2025年6月の「12日間戦争」に続く大規模攻撃です。テヘランで爆発が相次ぎ、イランも報復ミサイルを発射。中東全域に緊張が広がっています。この記事では、なぜこの2つの国がここまで争うことになったのか、その全体像を徹底解説します。

ニュースを見て、多くの方がこう思ったのではないでしょうか。

「イランとイスラエルって、そもそもなんで戦争してるの?」「場所も離れてるし、直接的な領土問題もなさそうなのに……」

実はこの疑問、とても本質的です。そして答えを知ると、「元親友同士の国が、あるきっかけで宿敵に変わり、40年以上かけて憎しみが蓄積し、ついに爆発した」という、まるで壮大なドラマのような物語が見えてきます。

🤝 第1章:信じられないけど、昔は「親友」だった

今では想像もできませんが、1970年代までイランとイスラエルは中東で最も仲の良い同盟国でした。

当時のイランは「パフラヴィー朝」という王制の国で、国王(シャー)が西欧化・近代化を進める親米国家。イスラエルとの間には直行便が飛び、情報機関同士(イランのSAVAKとイスラエルのモサド)が協力し合い、経済面でも軍事面でもがっちり手を組んでいました。

1970年代のイランとイスラエル

🇮🇷 イラン ←✈️ 直行便あり ✈️→ 🇮🇱 イスラエル

情報共有・経済協力・石油供給 → ベストパートナー

なぜ仲が良かったのか?理由はシンプルです。両国とも「アラブ諸国ではない」という共通点を持っていました。イスラエルはユダヤ人国家、イランはペルシャ人国家。アラブ世界に囲まれた中で、お互いに「味方」が必要だったのです。

🔥 第2章:1979年 ― すべてを変えた「イラン革命」

1979年、世界史を揺るがす大事件が起きます。イラン・イスラム革命です。

西欧化を進める国王パフラヴィー2世に対して、「イスラム教の教えに立ち返れ!」と民衆が立ち上がりました。革命を率いたのは、亡命先のフランスから運動を指導していたシーア派の宗教指導者ホメイニ師

国王は国外に逃亡し、イランは「イラン・イスラム共和国」として生まれ変わります。

ビフォー・アフター

🇮🇷 革命前 → 親米・親イスラエル・西欧化路線の王制国家

🇮🇷 革命後 → 反米・反イスラエル・イスラム原理主義の宗教国家

新政権のスローガンは「アメリカに死を、イスラエルに死を」。イスラエルとの国交は即座に断絶されました。昨日までの親友が、一夜にして「地上から消し去るべき敵」に変わったのです。

ここから、46年にわたる「宿敵」の歴史が始まります。

🎭 第3章:直接は戦わない ―「代理戦争」という戦い方

しかし、革命から40年以上、イランとイスラエルは直接戦争をしませんでした。なぜでしょうか?

答えは「代理戦争」です。イランは自分の軍隊を直接ぶつける代わりに、中東各地の武装組織を支援して「盾」にしました。

武装組織 拠点 役割
ヒズボラ レバノン イスラエルの北の脅威
ハマス ガザ地区 イスラエルの南の脅威
フーシ派 イエメン 紅海の航行を脅かす
シーア派民兵 イラク・シリア 中東各地でイランの影響力を拡大

これらをまとめて「抵抗の枢軸」と呼びます。イランはこのネットワークでイスラエルを四方から包囲していたのです。いわば、自分の手は汚さずに、周辺国の武装組織を「駒」として使う戦略です。

☢️ 第4章:最大の火薬庫 ―「イランの核開発」

代理戦争に加えて、もうひとつイスラエルを追い詰めたのがイランの核開発問題です。

2002年、イラン国内に未申告の核施設が存在することが発覚。イランは「平和利用だ」と主張しましたが、国際社会は疑いの目を向けます。

核開発問題の流れ

2002年 ― イランの秘密核施設が発覚

2010年 ― 「スタックスネット」ウイルスでイラン核施設にサイバー攻撃(米・イスラエルの仕業とされる)

2015年 ― 「イラン核合意(JCPOA)」成立。核開発を制限する代わりに経済制裁を解除

2018年トランプ大統領(第1期)が核合意から一方的に離脱。経済制裁を再開

2020年以降 ― イランが核濃縮の制限を撤回し、高濃縮ウランの蓄積を加速

ここで理解すべき重要なポイントがあります。イスラエルは過去にも、周辺国の核施設を先制攻撃で破壊してきた歴史があるということです。1981年にイラクの原子炉を、2007年にシリアの核施設を爆撃しています。「中東でイスラエル以外が核を持つことは絶対に許さない」――これがイスラエルの不変の方針です。

💣 第5章:2023年10月7日 ― ハマスの奇襲が「歯車」を動かした

長年続いた代理戦争の均衡を一気に崩したのが、2023年10月7日のハマスによるイスラエル奇襲攻撃でした。

ガザからの大規模テロで1,200人以上が犠牲になったこの事件は、イスラエル建国以来最大の危機となりました。イスラエルは猛反撃に転じ、ガザへの大規模軍事作戦を開始。さらに、レバノンのヒズボラとも交戦し、そのリーダーを次々と暗殺します。

結果として何が起きたか?

イランが40年かけて築いた「抵抗の枢軸」が
ドミノ倒しのように崩壊していった

ハマスは壊滅的打撃を受け、ヒズボラの指導部は壊滅、シリアのアサド政権は崩壊。イランの「盾」は次々と消え、イラン自身が丸裸の状態で、イスラエルと向き合わなければならなくなったのです。

⚔️ 第6章:2025年6月 ―「12日間戦争」の勃発

そして2025年6月13日未明、ついにその時が来ます。

イスラエルは「ライジング・ライオン作戦」と名付けた先制攻撃を開始。戦闘機200機とドローンでイラン各地の核施設・軍事施設100か所以上を攻撃しました。さらに、イラン国内に潜入させた工作員による暗殺作戦も同時に実行し、革命防衛隊トップのサラミ司令官や参謀総長、核科学者ら多数を殺害しました。

攻撃に踏み切った3つの理由

❶ イランが「核兵器開発まであと数週間」と米軍が警告した

❷ トランプとイランの核交渉の2か月の期限が前日に切れた

❸ 代理勢力(ハマス・ヒズボラ)が壊滅し、イランが孤立していた

イランも報復としてイスラエルに弾道ミサイルを発射。12日間にわたる攻撃の応酬の末、6月22日にはアメリカも参戦し、バンカーバスター爆弾でイランの核施設を空爆。イランはカタールの米軍基地にミサイルを撃ち込み、中東全域が火の海になりかけました。

最終的に、トランプ大統領のSNS投稿で突然の停戦が発表。イラン側の死者は約1,000人、イスラエル側は29人という結果でした。

🔄 第7章:なぜ8か月で再び戦争に? ― 2026年2月28日

12日間戦争後の停戦は、あくまで「一時停止」でした。問題の根本は何も解決していなかったのです。

停戦後に起きたこと

🔸 イラン議会がIAEA(国際原子力機関)との協力を停止する法律を可決

🔸 IAEA査察官がイランから追放される

🔸 イランが核開発の継続を宣言

🔸 2025年12月、イラン国内で経済危機を背景に大規模抗議デモが発生

🔸 2026年2月、米イラン間でジュネーブ協議 → 合意には至らず

トランプ大統領は2月24日の一般教書演説で「世界最大のテロ支援国家が核兵器を持つことは絶対に許さない」と宣言。米国は空母2隻を中東に派遣し、圧力を最大限に高めていました。

2月26日のジュネーブ協議が「最後のチャンス」と報じられる中、イラン側はウラン濃縮の完全放棄を拒否。そして本日2月28日――米国とイスラエルの共同軍事作戦が開始されました。

トランプ大統領はSNSで「イラン国民よ、我々の攻撃が終わったら政権を奪い取れ」と、体制転換すら促す異例のメッセージを発信しています。

🗺️ 全体の流れを年表で整理

出来事
~1970s イランとイスラエルは親密な同盟国
1979 イラン革命。反米・反イスラエル国家に転換。国交断絶
1980s~ イランがヒズボラ・ハマスなど武装組織を支援(代理戦争)
2002 イランの秘密核施設が発覚
2015 イラン核合意(JCPOA)成立
2018 トランプが核合意から離脱。イランが核開発を加速
2023.10 ハマスのイスラエル奇襲攻撃。ガザ戦争開始
2024 イスラエルがヒズボラ壊滅、シリア・アサド政権崩壊。イランの包囲網が瓦解
2025.6 「12日間戦争」勃発。イスラエルがイラン核施設を先制攻撃。米も参戦
2025.12 イラン国内で大規模抗議デモ。死傷者3,000人以上との報道
2026.2.28 米・イスラエルが再びイランを攻撃。イランも報復。現在進行中

🤔 結局、何が対立の「核心」なのか?

ここまで読んでいただくと、この対立が「単なる領土争い」ではないことがよく分かると思います。核心にあるのは、大きく3つの構造的な問題です。

❶ イデオロギー対立

イラン:「イスラエルはイスラムの聖地を不法占拠する存在であり、消滅すべき」
イスラエル:「我が国の存在を否定する国を許すわけにはいかない」

❷ 核の脅威

イスラエル:「自国を滅ぼすと公言する国が核を持つことは絶対に阻止する」
イラン:「平和利用の権利がある。核保有国イスラエルこそ問題」

❸ 地域覇権争い

イラン:シーア派の盟主として中東での影響力を拡大したい
イスラエル(+米国):イランの勢力圏拡大を阻止し、中東の秩序を維持したい

この3つが絡み合っているからこそ、簡単には解決できない。そして2026年の今、「外交で解決できなかった以上、軍事力で決着をつける」という判断が下されたのが、今回の攻撃なのです。

🇯🇵 日本への影響は?

「中東の戦争なんて日本には関係ない」――そう思うかもしれませんが、実は日本にとって極めて深刻な問題です。

日本の原油輸入の約9割は中東に依存しています。もしイランがホルムズ海峡(中東の石油輸送の大動脈)を封鎖すれば、日本のエネルギー供給は壊滅的な打撃を受けます。実際に2025年の12日間戦争でも、原油価格が急騰しました。今回の攻撃でも「原油90ドル超まで上昇の可能性」が報じられています。

日本政府は本日NSC(国家安全保障会議)を開催。外務省はイラン在留邦人約200人に「商用便があるうちに速やかに国外退避」を呼びかけています。

✨ まとめ ― 「なぜ今」が分かる5つのポイント

イランとイスラエルは1970年代まで親密な同盟国だったが、1979年のイラン革命で180度関係が反転した

イランは40年以上、ハマスやヒズボラなどの武装組織を使った「代理戦争」でイスラエルを包囲してきた

2023年のハマス奇襲以降、イスラエルがイランの代理勢力を次々と壊滅させ、イランが「丸裸」になった

イランの核開発が「兵器級」に達しつつあることが、イスラエルにとって「待てない」レベルの脅威となった

外交交渉が決裂し、「軍事的解決」しか残されていないとイスラエルと米国が判断した

歴史は、突然何かが始まるわけではありません。何十年もの積み重ねが、ある瞬間に「臨界点」に達して爆発する。今回の戦争もまさにそうです。

この記事が、「なぜ今なのか」を理解する一助になれば幸いです。情勢は刻一刻と変化しています。最新の情報にはぜひ注意を払ってください。

⚠️ 注意:この記事は2026年2月28日時点の情報に基づいています。情勢は急速に変化する可能性があります。最新情報はNHK・外務省海外安全情報などでご確認ください。

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