
King's Day (Netherlands)
国王の日(オランダ)の由来と歴史(詳しく)
いつから?なぜ?名前の意味は? 国王の日(オランダ)の本当の話を、確かな資料でたどります。
1国王の日の由来:5歳のお姫さまの誕生日から
始まりは1885年8月31日。オランダの王女ウィルヘルミナの5歳の誕生日でした。国がひとつにまとまるきっかけにしようと考えた人たちが、この日を「プリンセスの日(Prinsessedag)」として祝ったのです。
1890年、父の国王ウィレム3世が亡くなり、ウィルヘルミナはわずか10歳で女王になります。翌1891年から、この日は「女王の日(Koninginnedag)」になりました。8月31日は学校の夏休みの最終日だったので、すぐに子どもたちのお祭りとして人気が出ます。
祝日の日付は、王さまや女王さまが代わるたびに変わってきました。1949年からはユリアナ女王の誕生日の4月30日に。2014年からは、今の国王ウィレム=アレクサンダーの誕生日である4月27日になり、名前も「国王の日(Koningsdag)」に変わりました。

2国王の日の歴史:花を届ける行列から、王さまが町へ来る日へ
ユリアナ女王の時代、人々はスーストダイク宮殿へ花やプレゼントを届けに行きました。女王の家族はバルコニーからそれを迎え、宮殿の前には何キロもの行列ができました。1950年代半ばからは、この花の行列がテレビで中継されます。
1980年に即位したベアトリクス女王は、自分の誕生日(1月31日)ではなく、母と同じ4月30日をそのまま使いました。母への敬意からです。冬の1月では、外でのお祭りに向かないという理由もありました。そしてベアトリクス女王は、人々に来てもらうのではなく、自分から地方の町を訪ねるようになります。
この「王さまが町へ来る」形は今も続いています。王の家族は毎年1つの町を訪れ、パレードや音楽、地元の人たちの出し物を楽しみます。2025年はドゥーティンヘム、2026年はドックムでした。そのようすはテレビで生中継されます。
🕰️ 国王の日(オランダ)の年表
- 1885年8月31日王女ウィルヘルミナの5歳の誕生日に、最初の「プリンセスの日」。
- 1891年ウィルヘルミナ女王のもとで、最初の本格的な「女王の日」。
- 1949年ユリアナ女王の誕生日、4月30日に移る。
- 1980年ベアトリクス女王が即位。母への敬意から4月30日を続ける。
- 2014年ウィレム=アレクサンダー国王の誕生日、4月27日の「国王の日」に。この年は27日が日曜日で、26日に祝った。
- 2026年国王の家族がフリースラント州のドックムを訪問。
3国王の日の過ごし方:国じゅうがオレンジとフリーマーケットに
国王の日の朝、町はオレンジ色にあふれます。オレンジのTシャツ、オレンジのかつら、オレンジの帽子。髪をオレンジに染める人もいます。このオレンジ大好きぶりには「オラニエヘクテ(オレンジ熱)」という名前までついています。オレンジ色の飲み物も人気です。お菓子屋さんでは、ふだんはピンク色の糖衣がかかったカスタードのお菓子「トンプース」が、この日のころだけオレンジ色になります。
もうひとつの名物が「フライマルクト(自由市場)」です。国王の日は、政府が許可なしの路上販売を認める、1年でただ1日の日。しかも税金もかかりません。人々は古いおもちゃや服など、使わなくなった物を道ばたに並べて売ります。アムステルダムのフォンデル公園では、子どもたちが自分のおもちゃや服を売る市が開かれます。ユトレヒトの市は、前の晩から夜通し開かれることで知られています。
前の晩は「国王の夜」と呼ばれ、若者たちが夜通しパーティーを楽しみます。首都アムステルダムは人口約85万人ですが、当日は最大100万人の訪問者がやってくると言われます。通りや広場だけでなく、運河の上までお祭りの会場になります。
🎁 シンボルと小物
王家オラニエ=ナッサウ家にちなむ色。かつらや帽子まで全身オレンジにする人もいます。
この日だけ、許可なしで道ばたで物を売れます。子どもたちのお店もたくさん出ます。
パイ生地にカスタードをはさんだお菓子。ふだんはピンクの糖衣が、この時期はオレンジに。
4日本の天皇誕生日とくらべると?
「国のトップの誕生日が祝日」という点で、国王の日は日本の天皇誕生日とよく似ています。日本の天皇誕生日も、天皇が代わると日付が変わります。今の天皇誕生日は2月23日です。
大きなちがいは、祝い方です。日本の天皇誕生日には皇居で一般参賀が行われますが、町じゅうが仮装をしたり、道ばたで物を売ったりはしません。オランダでは、王さまの誕生日が国民全員のお祭りの日になっているのです。
もうひとつおもしろいのは、ベアトリクス女王が母の誕生日の4月30日を自分の時代にも使い続けたこと。誕生日でない日を「女王の日」にしたわけです。季節や天気まで考えて祝日を決めるところに、外で楽しむお祭りらしさが表れています。
5国王の日のよくある誤解とホントのところ
誤解1:オランダがオレンジ色なのは、果物のオレンジから
ホント:オランダ王家の「オラニエ=ナッサウ家」の名前から来ています。オラニエ(Orange)は、もとは南フランスにあった「オランジュ公国」の地名です。1544年、オランダ独立の父と呼ばれるウィレム(沈黙公)がこの領地を受けつぎ、一族はオラニエ=ナッサウ家を名乗るようになりました。
誤解2:ニンジンがオレンジ色なのは、オランダ人が王家のために品種改良したから
ホント:よく聞く話ですが、言い伝えのほかに説得力のある証拠はないとされています。オレンジ色のニンジンを描いた絵は、6世紀のものから残っています。ただ、18世紀の初めにオランダの農家が「ロング・オレンジ」という品種を育て、今のオレンジ色のニンジンが広まるもとになったのは確かです。
💡Fun Facts国王の日(オランダ)の豆知識 6連発
国王の日の始まりは1885年。5歳の王女ウィルヘルミナの誕生日を祝う「プリンセスの日」でした。
King's Day started in 1885 as a birthday party for a five-year-old princess.
1年でこの日だけ、許可なしで路上で物を売ることができます。税金もかかりません。
On King's Day, anyone can sell things on the street without asking the city.
ふだんピンク色のお菓子「トンプース」が、国王の日のころはオレンジ色になります。
A pink Dutch cake called tompouce turns orange for King's Day.
ベアトリクス女王の誕生日は1月31日。でも33年間、母の誕生日の4月30日に「女王の日」を祝いました。
Queen Beatrix was born in January, but her day was in April.
オランダの「オレンジ」は、南フランスの地名「オランジュ」から来ています。
The Dutch royal name Orange comes from a place in the south of France.
1年に1度のフリーマーケットは、ユトレヒトでは前の晩から夜通し開かれます。
In the city of Utrecht, the King's Day market goes on all night.
▶️Videos & Links国王の日(オランダ)の動画とリンク集
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