📖 英文(225 words)
Every year on March 3, Japanese families celebrate Hinamatsuri, or the Doll Festival. It is a special day to wish for girls’ health and happiness. Families display beautiful dolls called hina-ningyo on red platforms. The dolls wear traditional clothes from the Heian period, about 1,000 years ago. They look like an emperor, an empress, and their court.
But Hinamatsuri did not start as a happy celebration. Surprisingly, it began as a way to remove bad luck. Long ago, people made simple dolls from paper or straw. They rubbed the dolls on their bodies to move their bad luck onto them. Then they put the dolls on small boats and sent them down a river. This custom is called nagashibina, meaning “floating dolls.” Some places in Japan still do this today.
Over time, the dolls became more beautiful and expensive. People stopped sending them down rivers and started keeping them at home. During the Edo period, rich families began competing to have the most gorgeous dolls. A full seven-tier set can have 15 dolls and cost over one million yen!
Hinamatsuri is also called “Peach Festival” because peach trees bloom around this time. In China, peaches were believed to chase away evil spirits. Special foods like chirashizushi, clam soup, and diamond-shaped rice cakes called hishimochi are enjoyed on this day. The three colors of hishimochi — pink, white, and green — represent peach blossoms, snow, and fresh green leaves.
🔊 音読用音声
📝 重要語句
to do something special for a happy event(うれしいできごとのために特別なことをする)
to put something where people can see it(人が見られるところに物を置くこと)
something people have done for a very long time(人々が長い間ずっと行ってきたもの)
to take something away(何かを取り去ること)
dry stems of plants like rice or wheat(稲や麦などの植物の乾いた茎)
something people in a place usually do(ある場所の人々が普通にしていること)
to try to be better than others(他の人より上手にやろうとすること)
very beautiful and impressive(とても美しくて素晴らしい)
when a flower opens(花が開くこと)
bad ghosts or demons(悪い幽霊や鬼のようなもの)
🇯🇵 日本語訳
毎年3月3日、日本の家庭では「ひな祭り」をお祝いします。女の子の健やかな成長と幸せを願う特別な日です。家族は「雛人形」と呼ばれる美しい人形を赤い段飾りに並べます。人形たちは約1,000年前の平安時代の装束をまとい、天皇・皇后とその宮廷の人々を模しています。
ところが、ひな祭りの始まりは華やかなお祝いとはかけ離れたものでした。驚くことに、その起源は「厄払い」だったのです。昔の人々は紙やわらで素朴な人形を作り、体にこすりつけて厄を移しました。そしてその人形を小さな舟に乗せ、川に流したのです。この風習は「流しびな」と呼ばれ、今でも日本各地で行われている地域があります。
時代が進むにつれ、人形はどんどん美しく高価なものになっていきました。川に流すのではなく、家に飾るようになったのです。江戸時代になると、裕福な家同士がより豪華な雛人形を競い合うようになりました。七段飾りのフルセットには15体もの人形が並び、お値段は100万円を超えることも!
ひな祭りは「桃の節句」とも呼ばれます。ちょうどこの頃に桃の花が咲くからです。中国では桃に邪気を払う力があると信じられていました。この日はちらし寿司、はまぐりのお吸い物、そしてひし形のお餅「菱餅」などの特別な料理が並びます。菱餅のピンク・白・緑の三色は、桃の花・雪・若葉を表しているのだそうです。
🎎 コラム:知ると楽しい!ひな祭りトリビア
ひな祭りには、意外と知られていない面白い話がたくさんあります。知ればきっと、今年のひな祭りがもっと楽しくなるはずです。
🔸「片付けないとお嫁に行けない」は本当?
ひな祭りが終わったら、すぐにお雛様を片付けないと婚期が遅れる——この有名な言い伝え、科学的な根拠はまったくありません。しかし、この迷信にはちゃんとした意図がありました。「きちんと片付けができない子は、しっかりした大人になれませんよ」という、しつけの知恵だったのです。また、雛人形はもともと厄を引き受ける「身代わり」。厄が移った人形をいつまでも飾っておくのは縁起が悪い、という考えもあったようです。
🔸 菱餅がひし形なのはなぜ?
菱餅のあのユニークな形には諸説あります。最も有力なのは「菱(ひし)の実」を模したという説。菱は水草の一種で、繁殖力が非常に強いことから子孫繁栄の願いが込められました。また、ひし形の尖った角には、節分の柊と同じく「魔除け」の意味もあるのだとか。面白いことに、菱餅を食べるときは角をちぎって丸くしてから食べるのが縁起がよいとされています。「角が立たない」=人間関係が円満になる、という願掛けです。
🔸「雛あられ」は菱餅から生まれた
実は雛あられの起源は菱餅にあるといわれています。江戸時代、天気のよい日にお雛様を外に持ち出して春の景色を見せる「雛の国見せ」という風習がありました。そのお出かけのときに菱餅を砕いて持ち歩きやすくしたのが、雛あられの始まりなのだそうです。
🔸 桃太郎とひな祭りの意外なつながり
ひな祭りが「桃の節句」と呼ばれる理由は、旧暦3月3日がちょうど桃の花が見頃だったからです。しかし、桃が選ばれたのは美しさだけではありません。古代中国では桃は「邪気を払う果実」として崇められていました。あの「桃太郎」が桃から生まれたのも、桃に「鬼(=邪気)を退治する力」があると信じられていたからなのです。ひな祭りに桃の花を飾る風習と、桃太郎伝説は、実は同じ根っこでつながっているのですね。
🔸 おひな様からハローキティまで
現代のひな祭りは、伝統を守りつつも進化を続けています。ディズニーキャラクターやハローキティの雛人形セットが登場するなど、若い世代にも親しみやすい形に。また、最近ではペット用の小さなひな飾りや、マンション向けのコンパクトな一段飾りも人気です。形は変わっても、「大切な人の幸せを願う」という気持ちは1,000年前と変わりません。

