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英語学習サイトの選び方名サイトでも合わなければ遠回り。選ぶ基準はたった3つ

原田英語6分で読める研究・公式情報 2件第13章の1/6節

英語学習サイトの選び方のイメージ

英語の素材は「少し難しいほうが伸びる」。よく聞く言葉ですが、読解の研究が示す目安は、かなりやさしい側にあります。知らない語が20語に1語でも、1ページに十数語の分からない語が出てきて、それがぎりぎりの線です。評判のいいサイトなのに、いつのまにか開かなくなる。それはサイトの良し悪しとは限りません。では、自分に合うサイトは、どこを見れば見分けられるのでしょうか。

この節の目次(6項目)
  1. 選ぶ前に「何のために」を1行で書く
  2. レベル:知らない語は50語に1つまで
  3. 続けやすさ:毎日開けるかで決まる
  4. 受け身で終わらせない「前・中・後」
  5. サイトは「役割分担」で組む
  6. 神サイト図鑑と診断の使い方

01選ぶ前に「何のために」を1行で書く

サイト選びで最初にすることは、サイトを探すことではありません。自分が何を伸ばしたいかを1行で書くことです。

  • 例:「英検準2級のリスニングで、会話問題を聞き取れるようにしたい」
  • 例:「仕事のメールを、辞書を引く回数を半分にして読めるようにしたい」
  • 例:「海外の動画を、字幕つきなら楽しめるようになりたい」

目的が決まると、必要なサイトの種類が決まります。

伸ばしたい力向いているサイトの種類確かめるポイント
聞く音声+スクリプト(台本)つきの教材スクリプトが無料で読めるか
読むレベル別の記事・多読用の読み物同じ話がやさしさ別に並んでいるか
単語例文と音声つきの辞書、単語カード自分で例文を足せるか
話す・書く添削・AI・練習相手のサービス年齢の条件、直してくれる量
試験試験団体の公式サンプル最新の形式に合っているか

「全部伸ばしたい」は目的になりません。今の3か月で一番困っていることを1つ選びます。残りは次の3か月に回して大丈夫です。

02レベル:知らない語は50語に1つまで

次はレベルです。英語の素材は「少し難しいほうが伸びる」と思われがちですが、研究の目安はかなりやさしい側にあります。

読解の研究では、文中の語の98%を知っている状態が快適に読める目安、95%が最低ラインとされています(Laufer & Ravenhorst-Kalovski, 2010)。98%は50語に1語、95%は20語に1語が知らない語という計算です。20語に1語でも、1ページに十数語の分からない語が出てきます。これがぎりぎりの線です。

1分でできる「レベル判定」

  1. サイトの記事やスクリプトから、最初の100語くらいを選ぶ。
  2. 意味が分からない語に印をつける(固有名詞は数えない)。
  3. 2つ以下なら多読・多聴向き、3〜5つなら精読・精聴向き、6つ以上なら今は見送る。

聞く素材でも同じです。スクリプトを読んで分からない語が多いものは、聞いても分かりません。聞く前にスクリプトで判定するのが近道です。

聞く素材は「2段階」で判定する

  1. スクリプトの最初の100語で、知らない語を数える(読んで分かるか)。
  2. 音声を1分だけ、文字を見ずに聞く。話の半分以上が分かれば合格(聞いて分かるか)。

1は合格なのに2で落ちるなら、その素材は「読めるけれど聞き取れない」状態です。これは悪いことではなく、リスニングの練習にいちばん向いている素材です。文字を見ながら聞き、音と単語を結びつける練習から始めます。

レベル表示のあるサイトは、CEFR(A1〜C2の6段階)で示されていることが多いです。英検との対応はおおまかに、3級がA1、準2級がA2、2級がB1、準1級がB2くらいと考えると探しやすくなります。表示はあくまで目安なので、最後は上の100語テストで決めます。

03続けやすさ:毎日開けるかで決まる

内容がよくても、開かなければ効果はゼロです。続けやすさは、次の6つでチェックします。

  1. 無料でどこまで使えるか:全部無料か、一部無料か。途中で有料の壁に当たると止まりやすい。
  2. 1回の長さ:5〜15分で1区切りになるか。長い素材は、自分で区切れるか。
  3. スクリプト・字幕:音声や動画に文字がついているか。あとから確かめられるか。
  4. スマホで使えるか:通学・通勤の時間に開けるか。
  5. 更新されているか:最後の更新がずっと前のサイトは、音声が止まったりリンクが切れたりすることがある。
  6. 広告や通知:広告が多すぎて気が散らないか。

ここで大事なのは、完璧なサイトを探さないことです。6つ全部を満たすサイトはほとんどありません。自分にとって外せない2つ(たとえば「スクリプト」と「スマホ」)を決め、それを満たせば合格にします。

「1週間お試し」で決める

候補が決まったら、本格的に使う前に1週間だけ試します。毎日5分でいいので開き、7日のうち何日開けたかを数えます。5日以上なら合格、3日以下なら、内容がよくても今の生活に合っていないということです。サイトの良し悪しを頭で考えるより、実際に開いた日数のほうが正直な答えを出してくれます。

英語大全の神サイト図鑑では、更新が止まっているサイトに印をつけています。印のあるサイトは、過去の教材を読む用には使えても、毎日のメインにはしないほうが安全です。

04受け身で終わらせない「前・中・後」

サイトを開いて読む・聞くだけでは、分かったつもりで終わりがちです。どのサイトでも、前・中・後の3つの小さな作業を足すと、学び方が変わります。

前(30秒):予想する

タイトルと写真だけ見て、「どんな話か」「出てきそうな単語」を3つ書きます。予想があると、読む・聞くときに答え合わせの目的ができます。

中:1つだけ課題を決める

  • 聞く素材なら「数字と固有名詞だけ聞き取る」
  • 読む素材なら「各段落の最初の文に線を引く」
  • 動画なら「知らない言い回しを3つメモする」

課題は1つで十分です。全部をやろうとすると、どれも浅くなります。

後(2分):自分の言葉で出す

内容を英語1〜2文でまとめます。例:

  • The article says that many cities are adding bike lanes to cut traffic.(その記事によると、多くの町が渋滞を減らすために自転車レーンを増やしている)

うまく書けなくても大丈夫です。思い出して書こうとする作業そのものが、記憶を強くします。最後に、使えそうな表現を1つ単語カードに入れて終わりです。

05サイトは「役割分担」で組む

サイトは数を増やすより、役割を決めて組み合わせると続きます。基本の形は「メイン1つ+サブ2つ」です。

役割頻度内容
メインほぼ毎日目的に直結する教材(例:レベル別のリスニング教材)
サブ1週2〜3回単語・発音の確認(辞書、単語カード)
サブ2週1回〜気が向いたとき楽しむ用(好きな分野の動画、ポッドキャスト)

組み合わせの例

  • 中学生:メインは学校の教科書の音声と音読。サブにレベル別のやさしいニュース、楽しむ用に学習者向けの動画チャンネル。
  • 大学生:メインはレベル別リスニング教材を毎日1本。サブに英英辞典と単語カード、楽しむ用に講演動画。
  • 社会人:メインは通勤中のポッドキャスト(スクリプトつき)。サブに仕事で使う分野の記事、週末に好きなドラマを英語字幕で。

3か月たったら見直します。メインが簡単すぎたらレベルを1つ上げ、開かなくなったサイトは外します。サイトを外すのは失敗ではなく、調整です。

06神サイト図鑑と診断の使い方

英語大全には、海外の英語学習サイト・ポッドキャスト・動画チャンネル・辞書・アプリを集めた神サイト図鑑があります。800を超えるサイトを、対象(中学生・高校生・大学生・社会人・やり直しなど)、カテゴリ(聞く・読む・単語・辞書・動画など)、CEFRレベルで絞り込めます。

図鑑の使い方

  1. まず「カテゴリ」を、最初の見出しで書いた目的に合わせて1つ選ぶ。
  2. 次に「対象」と「レベル」で絞る。
  3. おすすめ度の高いものから3つだけ開き、100語テストでレベルを確かめる。
  4. 合格したものを、メイン・サブに割り当てる。

どれから始めればいいか分からないときは、神サイト診断(4つの質問)から入ります。目的と今のレベルを答えると、最初の1つの候補が出ます。

中高生と保護者へ

図鑑には、利用に年齢の条件があるサービス(SNS、言語交換、AI など)も載っています。中高生は、まず年齢の条件がない学習サイトや辞書から使い、年齢の条件があるサービスは保護者と一緒に規約を確かめてから使ってください。

この節の答え

知らない語が少ない素材を、目的別に、毎日開ける形で選ぶ

今日からのやり方

  1. 伸ばしたい力を1つ決め、「何のために」を1行で書く
  2. 図鑑でカテゴリ・対象・レベルを絞り、候補を3つ選ぶ
  3. 各サイトの最初の100語で、知らない語の数を数える
  4. 合格したサイトをメイン1つ・サブ2つに割り当てる
  5. 使うたびに「予想→課題1つ→英語1〜2文でまとめ」をする
  6. 3か月ごとに、レベルと続いているかを見直す

レベル別:あなたならこうする

初級 A1〜A2

学習者向けで、音声とスクリプトがそろったサイトを1つだけ選びます。100語に知らない語が2つ以下のものから始め、同じ教材を何度も聞いて読むほうが、新しいサイトを探すより伸びます。

中級 B1

メインをレベル別のリスニングかリーディング教材にし、サブに英英辞典と単語カードを足します。週1回は、好きな分野のネイティブ向けの素材を「楽しむ用」に入れておきます。

上級 B2〜

学習者向けを卒業し、ネイティブ向けのニュース・講演・ポッドキャストをメインにします。分野を1つに絞って続けると、語彙がくり返し出てきて理解が速くなります。

よくある失敗と対策

おすすめを全部登録して、どれも続かない

使うのはメイン1つとサブ2つまでにします。残りは図鑑のブックマークに置いておき、3か月の見直しのときに入れ替えます。

背伸びして難しいサイトを選ぶ

100語に知らない語が6つ以上なら、今は見送ります。やさしい素材を大量にこなすほうが、理解できる量も、続く日数も増えます。

開いて眺めるだけで終わる

使うたびに、内容を英語1〜2文でまとめて終わります。思い出して書く2分が、眺めるだけの20分より記憶に残ります。

TODAY
1 MIN

今いちばん伸ばしたい力を、1行の文にしてメモする

友だちに出したい、この節の3問

タップで答え。「X で出題する」で、そのまま問題として出せます。

13-1英語の教材選び、ちょうどいい難しさの目安はある?

研究では、文中の語の98%を知っていれば快適に読め、95%が最低ラインという目安が示されています。98%は「50語に知らない語が1つ」。思ったよりずっとやさしい素材が、伸びる素材です。

X で出題する

13-1教室の外で英語に触れる量は効く?

ベルギーの学習者を調べた研究では、字幕なしの動画やネット、本で英語に触れる量が多い人ほど語彙が多く、その関係は学習年数より強く出ました。相関の研究ですが、教室の外の時間が大事だと分かります。

X で出題する

13-1英語学習サイトは、たくさん使うほど伸びる?

逆になりがちです。毎回「今日はどれを開くか」を考えるだけで時間と気力が減ります。メイン1つとサブ2つまでに絞り、1つのサイトに1つの役割だけを持たせると続きます。

X で出題する

X でポストLINEB!

この節の根拠(研究・公式情報)

読解には、文中の語の98%を知っている状態(約8,000語族)が最適、95%(4,000〜5,000語族)が最低ラインという2つの目安を提案した。

Laufer, B., & Ravenhorst-Kalovski, G. C. (2010). Lexical threshold revisited: Lexical text coverage, learners' vocabulary size and reading comprehension. Reading in a Foreign Language, 22(1), 15–30.出典を開く ↗

ベルギーの学習者79人を調べ、字幕なしのテレビ・映画、ネット、本や雑誌に触れる量と語彙力に正の関係があった。教室外の接触の効果は学習年数より大きかった(相関の研究)。

Peters, E. (2018). The effect of out-of-class exposure to English language media on learners' vocabulary knowledge. ITL – International Journal of Applied Linguistics, 169(1), 142–168.出典を開く ↗

よくある質問

無料サイトだけで力はつきますか?

つけられます。聞く・読む・単語の練習は、質の高い無料の教材がそろっています。ただ、話す・書くは直してくれる相手がいると伸びやすいので、そこだけ有料サービスや学校を使う、という組み合わせも考えられます。

日本のサイトと海外のサイト、どちらがいい?

目的しだいです。文法の説明や試験対策は日本語の教材が分かりやすく、生きた英語を大量に浴びるのは海外のサイトが得意です。説明は日本語、練習の素材は海外、と分けると両方の良さが使えます。

レベル表示がないサイトはどう判断しますか?

最初の100語で、知らない語の数を数えます。2つ以下なら多読・多聴向き、3〜5つなら精読・精聴向きです。聞く素材も、スクリプトで同じように判定できます。