学習環境デザイン(場所と合図を決める)
Study Environment Design
3秒でわかる勉強する場所を決め、場所を合図に始める

「この机に座ったら英語」「この電車に乗ったらリスニング」のように、場所と勉強をセットにしておく方法です。場所が合図になるので、毎回やる気を出さなくても勉強が始まります。その机からはスマホやマンガを遠ざけ、教材だけを置いておきます。慣れたら、復習はときどき別の場所でやるのがコツです。
たとえるなら
布団に入ると眠くなり、台所に立つとお腹がすくように、場所には体を切りかえる力があります。学習環境デザインは、その力を英語に向ける工夫です。机が「英語のスイッチ」になれば、やる気を探す必要がなくなります。

目から鱗・知ってた?
2つの部屋で勉強したほうが、よく思い出せる?
Smith, Glenberg & Bjork(1978年)の実験では、同じ単語リストを2つの違う部屋で学んだ人のほうが、同じ部屋で2回学んだ人より、別の部屋でのテストでよく思い出せました。いろいろな場所で復習すると、場所に頼らない記憶になると考えられています。
その思い込み、実は…
カードをタップすると答えが出ます勉強は同じ場所でやったほうが覚えられる
始める合図としては決まった場所が役立ちますが、覚える面では、Smith らの実験で2つの部屋で学んだほうが別の部屋でよく思い出せました。習慣づくりは同じ場所で、復習はときどき別の場所で、が合わせ技です。
やる気が出ないのは気持ちの問題だ
気持ちより環境の影響が大きいことがよくあります。スマホが目に入る場所では、やる気があっても手が伸びます。誘惑を遠ざけ、教材だけが目に入る場所を作るほうが確実です。
なぜ効く?
Wood & Neal(2007年)は、習慣は行動と場所などの合図の結びつきから生まれ、いったんできると合図を見ただけで行動が起きやすくなると論じました。一方、Smith, Glenberg & Bjork(1978年)の実験では、同じ内容を2つの違う部屋で学んだ人のほうが、同じ部屋で2回学んだ人より、別の部屋でのテストでよく思い出せました。
やり方
- 家の中で「英語専用の場所」を1つ決める(机のこの席、リビングのこの椅子など)
- その場所には英語の教材とイヤホンだけを置き、スマホは別の部屋に置く
- 「この電車に乗ったら単語アプリ」など、移動の場所にも英語を1つ結びつける
- 2週間は、その場所に座ったらとにかく5分だけ英語をする
- 覚えた内容の復習は、カフェや図書館など別の場所でもやって、場所が変わっても思い出せるようにする
動画で見て、まねする
使い方:集中しやすい環境の作り方を聞き、英語用の机から片づける物を3つ決めます。スマホは別の部屋に置くなど、気が散る原因を1つ取りのぞきます。
使い方:注意力の扱い方を聞いたら、勉強する場所での通知の切り方を決めます。その机に座ったら最初の1分で通知を切る、という動作を勉強開始の合図にします。
使い方:図書館の環境音を流すと、自宅の机を英語用の場所にする合図になります。再生したら英語だけをすると決め、ほかの作業はしません。
使い方:ゆっくり丁寧な英語の講義です。英語字幕で見て、勉強の質を上げるヒントをメモし、自分の勉強場所のルールに1つ加えます。
レベル別のやり方
家の中に英語専用の場所を1つ決め、スマホを遠ざけて、毎日5分だけそこで英語をする
家と通勤・通学の場所それぞれに、決まった英語の学習を1つずつ結びつけて、毎日続ける
習慣の場所は固定したまま、復習は週に数回カフェや図書館など別の場所で行い、記憶を強める

今日の5分チャレンジ
家の中に英語専用の場所を1つ決め、スマホを別の部屋に置いてから、その場所で5分間、単語の復習をしましょう。
できたかチェック
日本人の落とし穴
日本の家はスペースが限られ、勉強もゲームも食事も同じテーブルでしがちです。それだと、テーブルに座っても頭が「勉強の時間だ」と切りかわりません。専用の席が無理なら、英語のときだけ使うランチョンマットやスタンドライトを置くだけでも合図になります。
よくある失敗
- 勉強する場所にスマホを置いたままにする
- ベッドの上で勉強して、眠る場所と勉強の場所が混ざる
- いつも同じ場所でしか復習せず、ほかの場所で思い出せない
立場別メニュー
| 中学生 | 勉強机の上を英語の教材だけにして、座ったら単語を5分やる |
| 高校生 | 図書館の決まった席を、英語の長文専用の場所にする |
| 大学生 | 空きコマに使う場所を決め、そこでは TOEIC の勉強だけをする |
| 社会人 | 通勤電車やカフェの決まった席を、英語のリスニングの場所にする |
| 大人のやり直し | 台所でお茶をいれる間を、英語のポッドキャストの時間にする |