英語で間違いが怖い人へ|話す不安を減らす考え方と練習法
「文法を間違えたら笑われるかもしれない」「発音が変だと思われたらどうしよう」。英語を話すときにこうした不安を感じるのは、まったくおかしなことではありません。むしろ、真面目に勉強してきた人ほど、間違いに敏感になりがちです。この記事では、なぜ間違いが怖くなるのかを整理し、不安を少しずつ小さくしていく考え方と練習法を紹介します。

01間違いが怖くなるのは自然なこと
学校の英語では、テストで間違えると点数が引かれます。何年もそうした環境で勉強してきたのだから、「間違い=よくないこと」と感じるのは自然です。
でも、会話の目的はテストとは違います。会話の目的は気持ちや情報を伝え合うことで、多少の文法ミスがあっても、意味が伝われば会話は成り立ちます。
たとえば、次の文には文法ミスがあります。
- Yesterday I go to the park with my friend.
正しくは went ですが、Yesterday があるので、聞き手は「昨日公園に行ったんだな」とちゃんと理解できます。会話の相手が気にするのは、ミスよりも「あなたが何を伝えたいか」です。
言語習得の研究者クラッシェンは、不安や緊張が強いと学習がうまく進みにくいという考え方(情意フィルター仮説)を提唱しました。この仮説にはさまざまな議論がありますが、「リラックスできる環境のほうが話しやすい」という点は、多くの学習者が実感していることではないでしょうか。
ポイント:会話はテストではない。「正しさ」より「伝わったか」を合格ラインにしてみましょう。
使い方:失敗のあとにどう立ち直り次につなげるかを描くTED-Edのアニメです。この節の「会話の目的はテストと違う」を、失敗の受け止め方から考え直します。
02よくある思い込みを書き換える
間違いへの不安は、いくつかの思い込みから大きくなっていることがあります。
思い込み① 「完璧に話せないと恥ずかしい」
英語を第二言語として使う人は世界中にたくさんいて、さまざまなアクセントや言い回しで話しています。完璧な英語で話している人のほうが、むしろ少数派です。
思い込み② 「間違えたら相手に迷惑」
相手にとって大切なのは、あなたが話そうとしてくれていることです。聞き返されたら、言い直せばいいだけです。
思い込み③ 「上達してから話そう」
話す力は、話すことで伸びます。「準備ができたら話す」と決めていると、その日はなかなか来ません。
書き換えの例
- 「間違えたら恥ずかしい」→「間違えたら、正しい言い方を知るチャンス」
- 「発音が変だと思われる」→「伝われば合格。発音は少しずつ直せばいい」
- 「うまく話せなかった」→「今日は3文話せた」
できたことに目を向ける習慣をつけると、話すことへのハードルが少しずつ下がっていきます。
使い方:英語を話す不安をテーマにした 6 Minute English の回です。不安を表す英語の表現を2つ覚え、この節の思い込みを英語で書きかえてみます。
03ミスしても会話を続けるフレーズ
間違いが怖い理由の一つは、「間違えたらどうしていいかわからない」ことです。ミスしたとき用のフレーズを持っておくと、安心感が大きく変わります。
言い直す
- Sorry, I mean ...(すみません、つまり〜です)
- Let me say that again.(もう一度言いますね)
- Actually, what I wanted to say is ...(言いたかったのは〜です)
言葉が出てこない
- How do you say ... in English?(〜って英語でなんて言いますか?)
- I don't know the word, but it's something like ...(単語がわからないけど、〜みたいなものです)
伝わっているか確認する
- Does that make sense?(伝わっていますか?)
- Am I saying it right?(言い方、合っていますか?)
会話例
- A: What did you do yesterday?
- B: I go... sorry, I went to a museum. It was very... how do you say... 混んでいる?
- A: Crowded?
- B: Yes! Crowded. Thank you. It was very crowded.
途中で言い直したり、単語を聞いたりしても、会話はちゃんと成り立っています。こうしたやりとりは、学習者にとっても相手にとっても自然なことです。
使い方:会話中に単語が出てこなくなったときの対処法をやさしい英語で解説する動画です。この節の言い直しのフレーズと一緒に使える方法を1つ選びます。
04不安を小さくする段階別トレーニング
いきなり人前で話すのが怖いなら、段階を踏んで慣らしていきましょう。
ステップ1:一人で話す
誰にも聞かれない場所で、独り言や音読をします。まずは英語を声に出すこと自体に慣れます。
ステップ2:録音して聞く
自分の声を録音して聞きます。最初は恥ずかしいですが、慣れてくると「思ったより通じそう」と感じられることが多いです。
ステップ3:AIや文字チャットで話す
AI会話アプリや、英語でのテキストチャットは、相手の表情を気にせずに練習できます。
ステップ4:オンライン英会話(1対1)
最初のレッスンで I'm nervous about speaking English. Please be patient with me. と伝えておくと、気持ちが楽になります。講師は学習者の間違いに慣れています。
ステップ5:グループや対面の場
少人数のグループレッスン、英語カフェ、交流会など。ここまで来られたら大きな前進です。
大事なのは、少し怖いけれど、できそうなレベルを選ぶことです。怖すぎるステップに挑んで失敗すると、かえって不安が強くなることがあります。
使い方:英語力ゼロから独り言英会話を1か月続けた成長記録です。ステップ1の一人で話す練習を続けるイメージをつかみ、自分の記録のつけ方を決めます。
05段階別トレーニングに使う道具の一覧
一人練習からグループまでの5つの段階に、使いやすい道具を当てはめると、次に何をすればいいかがはっきりします。
| 段階 | 使う道具 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. 一人で話す | スピーキング練習 | まずは声に出すことだけを目標にする |
| 2. 録音して聞く | Vocaroo | 録音はリンクを知っている人なら誰でも聞けるので、個人情報は話さない |
| 3. AIと話す | Speak & Improve | ケンブリッジのAIに話して練習できる。要登録なので、中高生は保護者と相談 |
| 4. 1対1で話す | Cambly、italki | オンラインで講師と話せる。料金は講師やプランで違う。未成年は利用規約の年齢条件を確かめ、保護者と相談 |
| 5. グループで話す | 学校の英語部、地域の英会話サークル | 知らない人が集まる場は、主催者や場所を確かめてから参加する |
次の段階に進む目安
- 今の段階で、1週間に3回以上できたら次に進む
- 不安が強くなったら、1つ前の段階に戻ってよい
- 段階を上がるたびに、「できたこと」を1つノートに書く
06よくある失敗と1週間メニュー
よくある失敗
- ミスを全部直そうとする:録音を聞いて、全部の間違いを直そうとすると疲れてしまいます。1回につき1つだけ直せば十分です。
- 他人と比べる:SNSで流暢に話す人を見て落ち込むより、1か月前の自分と比べましょう。
- 話す前に文を完璧に組み立てる:頭の中で完成させてから話すと、タイミングを逃します。短く言ってから足していくイメージで。
1週間メニュー(1日10分)
- 月曜:今日やったことを独り言で3文言う(間違えてもOK)。
- 火曜:ミスしたとき用のフレーズを声に出して覚える。
- 水曜:1分間話して録音し、「できたこと」を1つメモする。
- 木曜:AI会話アプリで5往復やりとりする。
- 金曜:録音を聞き、直したいミスを1つだけ選んで直す。
- 土曜:オンライン英会話で、I'm nervous, but I'll try my best. から始める。
- 日曜:今週「できたこと」を3つ書き出す。
「できたこと」を記録するのは小さなことですが、自信の土台になります。
レッスン前の「お守りメモ」
オンライン英会話や英語の授業の前に、次の3つを紙に書いて手元に置いておくのもおすすめです。
- 困ったとき用:Sorry, I mean ... / How do you say ... in English?
- 今日話したいこと:最近の出来事を1つ(例:I started running last week.)
- 今日の目標:「質問を1つする」「言い直しを怖がらない」など1つだけ
メモがあるだけで「詰まっても大丈夫」という安心感が生まれ、緊張がやわらぎやすくなります。
07まとめ:間違いは上達の途中にあるもの
英語で間違えるのが怖いのは、真剣に取り組んできた証拠でもあります。でも、話す力は、間違えながら話すことでしか伸びません。
- 会話の合格ラインは「伝わったか」
- ミスしたら Sorry, I mean ... で言い直せばいい
- 一人練習→録音→AI→1対1→グループと、段階を踏んで慣らす
- 他人ではなく、昨日の自分と比べる
今日は、誰もいない場所で「今日あったこと」を英語で3文だけ言ってみてください。文法が間違っていても大丈夫。声に出せたこと自体が、今日の「できたこと」です。
このコラムで使うサイト・アプリ
もっと見たい人へ
今日やること
よくある質問
間違いを直されると落ち込んでしまいます。
直されるのは、あなたの英語が相手に届いている証拠でもあります。訂正されたら Thank you! と言って、正しい言い方を1回くり返してみましょう。落ち込む前に行動を1つ決めておくと、気持ちを切り替えやすくなります。
発音が悪いのが恥ずかしいです。
英語は世界中でさまざまなアクセントで話されており、通じることが何より大切です。気になる音があれば少しずつ練習すればよく、発音が完璧になるまで話すのを待つ必要はありません。
オンライン英会話で緊張して話せません。
最初に I'm nervous about speaking. と伝えるだけでも気持ちが楽になります。話したいことを3つメモしてからレッスンに臨む、フリートークではなく教材を使ったレッスンから始める、などの工夫も効果的です。
読了ボーナス


