読解で英単語を増やす方法|文脈推測と出会い直しの仕組み
単語帳でがんばって覚えた単語も、英文の中で出会うとすぐには意味が出てこない。逆に、何度も読んだ物語に出てきた単語は、なぜかずっと覚えている。そんな経験はありませんか。英文を読むことは、単語を「生きた形」で身につける最高の方法の一つです。この記事では、読解を通して語彙を増やすための、推測・記録・出会い直しの仕組みを紹介します。

01読むことで単語が身につく理由
単語帳で覚える学習と、読みながら覚える学習には、それぞれ得意分野があります。
- 単語帳:短時間で多くの単語の「意味」を知ることができる
- 読解:単語が実際にどう使われるか(一緒に使われる語、ニュアンス、文法的な使い方)を知ることができる
たとえば単語帳で「reach=着く、届く」と覚えても、reach a decision(決定に至る)や reach out to(手を差し伸べる、連絡をとる)のような使い方は、英文の中で出会わないとなかなか身につきません。
また、1回の出会いで単語を覚えられることは少なく、いろいろな文脈で何度も出会うことで、少しずつ記憶に定着していくと考えられています。たくさん読むことは、この「何度も出会う」機会を自然に作ってくれるのです。
ポイント:読解で語彙を増やすコツは、「1回で覚えよう」とせず、「何度も出会う仕組み」を作ることです。
使い方:多読と語彙学習の関係を、読む前・読んでいる最中に分けて語る講演です。単語帳で先に知る段階と、読んで出会い直す段階の役割分担を確かめます。
02知らない単語の割合と読みやすさ
語彙の研究では、文章の中の知らない単語が少ないほど、内容を理解しやすいことが知られています。テキスト中の語のおよそ98%を知っていると、辞書なしでも快適に読めるという研究結果がよく引用されます。
98%というのは、50語に1語くらいしか知らない単語がない状態です。1ページが250語なら、知らない単語は5語程度。これは、「推測しながら楽しく読める」レベルの目安と考えてよいでしょう。
逆に、知らない単語が10語に1語もあると、推測するための手がかり自体が足りなくなり、読むのが苦しくなります。語彙を増やすための読書は、知らない単語が少ない、やさしめの英文で行うのが効率的です。
使い方:語彙サイズテストとその意味を語るインタビューです。自分の語彙量を知ることが英文選びにどうつながるかを聞き、98%の目安と結びつけます。
0398%の目安を確かめる道具と、出会い直しを仕組みにするサイト
「知らない単語が少ない英文」を選ぶ・記録する・出会い直す、の3つを道具で支えます。
| 道具 | 特徴 | 使い方 |
|---|---|---|
| Compleat Lexical Tutor | 英文を貼ると単語の難しさを色分けする | 読む前の英文を貼り、難しい単語の割合を見て、98%の目安に近いかを確かめる |
| LingQ | 好きな英文を読み、知らない単語を色で管理できる | 一度調べた単語は色が変わるので、別の英文で出会い直したときに気づける(無料版は単語数に上限あり) |
| Readlang | ウェブの英文をクリックで訳し、単語カードにできる | 火曜メニューの「3〜5語だけ確認」を、出てきた文ごとカードにする |
| ER Central | 20段階のやさしい英文を読んで聞ける | 知らない単語が少ない段階を選び、推測の練習に使う |
| センテンスマイニング | このサイトの「文ごと覚える」練習 | 記録した文を登録し、意味を思い出してから確認する復習に使う |
1本の英文でやる手順
- Lextutor で英文の難しさを確かめ、難しすぎたら1段階やさしい英文に替える
- 読みながら知らない単語に印をつけ、言い換え・対比・具体例のヒントで推測する
- 3〜5語だけ辞書で確かめ、文ごと記録する
- 1週間後、同じテーマの英文を読み、記録した語に出会えたかチェックする
04文脈から意味を推測する4つのヒント
知らない単語に出会ったら、すぐに辞書を引く前に、まず推測してみましょう。推測すること自体が、単語への注意を高め、記憶に残りやすくしてくれます。
ヒント1:言い換え・説明
The city is facing a drought, a long period with little or no rain.
カンマのあとに drought の説明がついています。「長期間雨がほとんど降らない状態」=干ばつ、とわかります。that is、or、in other words なども言い換えの目印です。
ヒント2:対比
Unlike his cheerful sister, Tom was quite gloomy.
Unlike があるので、gloomy は cheerful(明るい)の反対、「暗い、陰気な」と推測できます。but、while、however も対比の手がかりです。
ヒント3:具体例
She loves citrus fruits such as oranges, lemons, and grapefruit.
such as 以下の例から、citrus fruits は「柑橘類」だとわかります。
ヒント4:単語の形(語源・接頭辞・接尾辞)
unbelievable は un(否定)+ believe(信じる)+ able(〜できる)で「信じられない」。こうした部品を知っていると、初めて見る単語でも意味の見当がつきます。
よく出る部品の例を挙げておきます。
- re-(再び):rebuild(建て直す)、rewrite(書き直す)
- pre-(前に):preview(下見)、prehistoric(有史以前の)
- -less(〜がない):careless(不注意な)、endless(終わりのない)
- -ful(〜に満ちた):peaceful(平和な)、helpful(役に立つ)
推測のあとは確認する
推測は外れることもあります。読み終えてから、特に気になった単語だけ辞書で確認しましょう。推測が当たっていたらそれだけで記憶が強まり、外れていたら「意外だった」という驚きで記憶に残ります。どちらにしても、推測なしで辞書を引くより得るものがあります。
05どの単語を調べて、どう記録するか
出会った知らない単語を全部調べると、読書が止まってしまいます。調べる単語は、次の基準で絞りましょう。
- 何度も出てくる単語:その文章の理解に欠かせない可能性が高い
- 話の流れがわからなくなる単語:推測できず、先に進めない場合
- 自分でも使いたいと思った単語・表現
逆に、1回しか出てこない専門用語や固有名詞は、飛ばしてかまいません。
記録は「文ごと」に
単語だけをメモするのではなく、その単語が出てきた文ごと記録するのがおすすめです。
- 単語:reluctant(気が進まない)
- 出てきた文:He was reluctant to tell his parents about the test.
- 自分の例文:I was reluctant to get up early on Sunday.
自分の例文を1つ作るだけで、単語が「見たことがある語」から「使える語」に一歩近づきます。
復習のタイミング
記録した単語は、翌日・数日後・1週間後のように、時間をあけて見直すと記憶に残りやすくなります。見直すときは、いきなり意味を見るのではなく、元の文を読んで意味を思い出してから確認しましょう。
06読解で語彙を増やす1週間メニュー
1日20〜25分を想定したメニュー例です。
- 月曜:やさしめの英文を15分読む。知らない単語に印をつけ、推測だけしておく
- 火曜:月曜の印の単語のうち、3〜5語だけ辞書で確認し、文ごと記録する
- 水曜:新しい英文を15分読む+月曜の記録を見直す
- 木曜:水曜の単語を3〜5語、文ごと記録し、それぞれ自分の例文を作る
- 金曜:同じテーマの英文を読み、記録した単語にもう一度出会えないか探す
- 土曜:好きな本を30分読む。記録は1〜2語だけ
- 日曜:1週間の記録を見直し、意味を思い出せなかった単語に印をつけて来週へ
使い方:たくさん読むことで語彙や表現に自然に触れられるという考え方の動画です。金曜メニューの「同じテーマで出会い直す」をする前に見て、読む量の目標を決めます。
07単語帳学習との組み合わせ方とよくある失敗
単語帳と読解は「両輪」
単語帳で意味を先に知っておくと、英文で出会ったときに「あ、これだ」と気づけます。逆に、英文で出会った単語を単語帳で見つけると、「生きた例」と結びついて記憶が強まります。単語帳で覚えた単語に、読解で出会い直すことを意識すると、両方の効果が高まります。
よくある失敗
- 全部の単語を調べる:読む量が減り、出会い直しの機会も減ってしまいます。1回の読書で調べるのは5語程度までにしましょう。
- 難しすぎる英文で語彙を増やそうとする:知らない単語が多すぎると推測ができず、辞書引きの作業になってしまいます。
- 記録して満足する:ノートに書くだけでは覚えられません。見直しと想起をセットにしましょう。
- 意味を1つだけで覚える:多くの単語には複数の意味や使い方があります。出会った文の中での意味を大切にしましょう。
08まとめ:推測して、記録して、また出会う
読解で語彙を増やすポイントをまとめます。
- 知らない単語が少ない、やさしめの英文を使う
- 言い換え・対比・具体例・単語の形から推測する
- 調べる単語は絞り、文ごと記録して自分の例文を作る
- 時間をあけて見直し、新しい英文で出会い直す
今日は、やさしめの英文を1本読んで、知らない単語を1つだけ推測してから辞書で確認してみてください。
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よくある質問
推測が外れると、間違った意味で覚えてしまいませんか?
そのリスクはあるので、何度も出てくる単語や大事そうな単語は、読み終えてから辞書で確認しましょう。推測と確認をセットにすれば、外れた推測もかえって記憶に残るきっかけになります。
読解だけで単語帳は不要になりますか?
読解だけでも語彙は増えますが、試験で必要な語彙を効率よく押さえるには、単語帳との組み合わせがおすすめです。単語帳で意味を知り、読解で出会い直すことで、記憶が強まります。
英英辞書と英和辞書はどちらを使えばいいですか?
意味をすばやく確認したいときは英和辞書、単語のニュアンスや使い方を知りたいときは英英辞書が便利です。学習者向けの英英辞書はやさしい英語で説明されているので、中級以上の人は試してみる価値があります。
読了ボーナス


