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🎲 授業アクティビティ集中学校高校📖 約9分

One-Sentence Summary(1文要約)― 本文を「20語以内の1文」にまとめて、読みの芯をつかむ

教科書1パートを読んだら、20語以内の英語1文にまとめる。何を残して何を捨てるかを考えるので、精読のあとの「結局何が言いたいの?」がはっきりします。テスト前の本文の復習にも。

⏱ 時間
10-15分
🧰 準備
なし
👥 形態
個人→ペア→全体
🎯 技能
リーディング・ライティング・復習
📶 CEFR
A2-B1
🛡️
このページのウラ取り 出典 2 件 ― 原田英語.comが集めて読んだ論文・専門書・公的資料。DOI・ISBN・公式ページは書誌データベースとも照合済み 原田英語.comと校閲担当が、主張と出典を1つずつ照合・AI(Codex)による独立チェック済み(2026-10-18) ウラ取りの仕組み →
One-Sentence Summary(1文要約)― 本文を「20語以内の1文」にまとめて、読みの芯をつかむのイメージ
💡ねらい
  • 本文の大事な情報(だれが・何をして・どうなった/何が言いたいか)と、細かい情報を区別する。
  • 型を使って、自分の言葉で20語以内の英文1文にまとめる。
  • ペアで比べて、より正確で短い1文に書き直す。

One-Sentence Summary ってなに?

ひとことで言うと、教科書の1パートを読んだあと、その内容を「20語以内の英語1文」にまとめる活動です。決まった型を使って書き、ペアで比べて書き直します。

🎈たとえるなら

「その映画、ひとことで言うとどんな話?」と聞かれて答えるときと同じです。あらすじを全部しゃべる人より、「気の弱い主人公が、友だちに背中を押されて夢をかなえる話」と一言で言える人の方が、話がわかっています。大事なのは、細かいところを捨てて、芯だけを残すことです。

精読の授業のあと、「で、このパートは結局何の話?」と聞くと、教科書の1文目をそのまま読み上げる生徒がいます。One-Sentence Summary は、20語以内という制限で、生徒に「何を捨てるか」を考えさせます。全部を入れたくなる気持ちを抑えて、芯だけを残す。その判断から、本文の芯をつかめているかの一端が見えます。ただし英語で書く力にも左右されるので、要約の出来だけで「読めていない」と決めつけないようにします。

リテリングとのちがい

リテリング One-Sentence Summary
形 口で言うことも書くこともある(このサイトの活動では主に口で)。何文でも 書いて、20語以内の1文
中身 おもな出来事や情報を、ある程度くわしく順序立てて組み立て直す いちばんの芯だけを選んで縮める
いちばん考えること 何をどの順で話すか 何を捨てるか

やり方を3ステップで

  1. 型を知る:物語文なら "___ wanted ___, but ___, so ___."、説明文なら "This part is about ___, and the main point is that ___." を使う。
  2. 1人で書く:本文の文を写さず、自分の言葉で20語以内の1文にまとめ、語数を数える。
  3. ペアで直す:2人の要約を比べて、大事な情報が入っているか・いらない細部がないかを話し合い、1文に作り直す。

授業の流れ(分ごと)

時間 活動 先生の動き
0:00〜2:00 型の提示と先生の実演(前のパートで) 良い要約・悪い要約を比べて見せる
2:00〜5:00 個人で1文要約(20語以内) 語数を数えさせる
5:00〜8:00 ペアで比べ、より良い1文を作る 机の間を回りながら、良い要約をメモしておく
8:00〜11:00 2〜3ペアが発表、先生のモデルと比較 必要な情報・不要な情報を板書
11:00〜13:00 チェックリストで自己点検・書き直し 要約をノートに残させる
One-Sentence Summary(1文要約)― 本文を「20語以内の1文」にまとめて、読みの芯をつかむの教室の配置と動き方
🗺️ 教室の配置と動き方(イメージ)
👣手順
  1. 前提:本文の内容理解(Q&A や語句の確認)が終わったあとに行う。初めての本文でいきなりやると、難しすぎる。
  2. 型の提示:物語文なら「Somebody wanted …, but …, so ….」、説明文なら「This part is about …, and the main point is that ….」を板書。
  3. 先生の実演:前の授業のパートで、長すぎる要約(細部を全部入れたもの)と、短くて芯をとらえた要約を並べて見せ、「どちらが良い?」と聞く。
  4. 個人で書く(3分):教科書を見ながらでよい。ただし本文の1文をそのまま写すのは禁止。書いたら語数を数えて横に書く。
  5. ペアで比べる(3分):2人の要約を比べ、「大事な情報が入っているか」「いらない細部が入っていないか」を話し合い、2人で1文に作り直す。
  6. 発表と比較(3分):2〜3ペアに発表してもらい、最後に先生のモデル要約を見せる。「どの情報が全員の要約に入っていた?」と聞いて、大事な情報を板書する。
  7. 自己点検(2分):チェックリストで自分の要約を見直し、必要なら書き直す。要約はノートに残し、テスト前に読み返す「本文のまとめ」にする。
🗣️先生の英語(そのまま使える)
TSummarize this part in one sentence. Twenty words or less.
TUse this pattern: "Somebody wanted …, but …, so …."
TDon't copy a sentence from the textbook. Use your own words.
TCount your words. Write the number next to your sentence.
TNow compare with your partner. Which information is important? Which is not?
S1I wrote, "Mika liked drawing, but she was shy, so Sora helped her and she made a poster."
S2Nice. But we don't need "she liked drawing." Let's say what happened at the end.
TGreat discussion. Here is my summary. Compare it with yours.
TLook. Everyone wrote "Mika" and "poster." That's the core of the story.
🏫そのまま使える素材

要約の型(物語文)

  1. ___ wanted ___, but ___, so ___.(Somebody-Wanted-But-So)
  2. At first ___, but in the end ___.
  3. When ___ happened, ___ decided to ___.
  4. This is a story about a ___ who ___.

要約の型(説明文・意見文) 5. This part is about ___, and the main point is that ___. 6. The writer says that ___ because ___. 7. ___ is important because ___. 8. ___ has both good points and bad points: ___ and ___. 9. There are ___ ways to ___: ___, ___, and ___.

要約の型(スピーチ・手紙) 10. The speaker wants us to ___. 11. ___ wrote this letter to ___ to tell them ___.

使える「言いかえ」の語(細部をまとめるとき) 12. dogs, cats and birds → animals / pets / Monday to Friday → on weekdays / was happy, smiled and danced → was very happy / many people came and took pictures → it was popular

語数制限の段階(実践例):中2は25語以内 → 中3は20語以内 → 高校は15語以内、のように、習熟度や本文の長さに応じて調整する。短めの制限は言いかえを促すことがあるが、短すぎると大事な情報が落ちるので、様子を見て決める。

🔁アレンジ
  • 小学校:絵本を読んだあと、「This story is about ___.」の空欄に1語(a cat / friends)を入れる。
  • 中学:教科書の各パートごとに1文要約を書き、単元の最後に4〜5文をつなげると、単元全体の要約(リテリングの原稿)になる。
  • 高校:段落ごとに要約し、最後にそれらをもとに全体を1文にする。語数を15語以内にすると、名詞化(the increase of … など)や言いかえが必要になる。
  • 大人数クラス:ペアの1文を小さなホワイトボードに書いて掲げ、クラス全体で比べる。似た要約を集めると、大事な情報が見えてくる。
  • 苦手な生徒が多いクラス:型の空欄を埋めるだけにする(Mika wanted to ___, but she was ___, so ___.)。語の選択肢を板書する。
  • オンライン・タブレット:共有スライドに全員が1文要約を書き込み、匿名で人気投票。語数カウントのツールで制限を確かめさせる。
📊評価のポイント

1文要約は、本文の理解(読むこと)と、短くまとめて書く力(書くこと)を合わせた統合型の課題です。定期テストに「本文を20語以内の英語1文で要約しなさい」を統合問題として入れると、活動と評価がつながります。そのときは、読むこと(中心の内容をつかめたか)と書くこと(内容を整理して英文にできたか)を、それぞれの評価規準に照らして分けて見ます。

観点 見るところ A(十分満足) B(おおむね満足) C への手立て
知識・技能 英文の正確さ・語数 正確な英文1文で、語数制限内 意味は伝わるが小さなまちがいがある 型の空欄埋めから
思考・判断・表現 大事な情報の選び方 中心となる人物・出来事・主張がすべて入り、細部がない 中心の情報は入っているが、細部も混ざる 「なくても話が通じる情報は?」と聞く
主体的に学習に取り組む態度 書き直しと振り返り ペアの意見やモデルと比べて試行錯誤しながら書き直し、振り返りで気づいたこと(例:結末を入れる)を次のパートの要約に生かそうとしている ペアの意見を受けて書き直そうとしている チェックリストの1項目だけに注目させる

主体的に学習に取り組む態度は、1回の書き直しだけで評定せず、単元のいくつかのパートの要約と振り返りを通して見ます。

⚠️よくあるつまずきと対処
  • 本文の1文をそのまま写す→「本文の文をそのまま使うのは禁止」と最初に伝える。いくつかの出来事を1つにまとめる(stopped and took pictures → attracted many visitors)、まとめる語(animals)を使うなど、内容の言いかえの例を示す。人物の名前は要約の中に残してよい。
  • 細部を全部入れて長くなる→ 語数制限を必ず守らせる。「この語を消しても意味は通じる?」と1語ずつ確かめさせる。
  • 大事な情報が抜ける(結末がない など)→ 物語文は「最初・問題・結末」の3つが入っているかをチェックリストで確認する。
  • 文法が崩れて1文にならない→ 型を使えば1文になることを示す。どうしても長くなる場合は2文まで認める段階を踏む。
  • 読めていない生徒が書けずに止まる→ 要約の前に、ペアで本文を日本語で口頭要約させてから英語にする。
🔬なぜ効く?

児童生徒を対象にした実験・準実験研究をまとめたメタ分析では、読んだ内容について書くこと(要約や、質問に答えて書くことなど)が、その内容の理解を高めることが示されました 1。ただし、この研究の対象は主に英語を母語とする児童生徒で、外国語として英語を学ぶ生徒の研究ではありません。

心理学者による学習法の評価では、要約は「有用性が低い(low utility)」学習法に分類されています。効果がないという意味ではなく、効果が得られる条件が限られ、訓練も必要だという評価です。この総説では、要約は上手に書ける学習者にとっては役に立つ一方、多くの学習者は要約のしかたを教わる必要があり、そのための訓練の手間がかかることなどが理由として挙げられています 2。したがって、「要約しなさい」と課題を出すだけでなく、型やモデルを示し、書き直しを支えることが大切だと考えられます。このページでは、その具体例として、型を教え、良い要約と悪い要約を比べさせ、ペアで書き直させる手順を取り入れています。ただし、1文要約やペアでの書き直しの効果そのものを直接調べた研究ではありません。

❓ よくある質問

Q. 1文要約にはどんな型を使いますか?

物語文なら「Somebody wanted …, but …, so ….」、説明文なら「This part is about …, and the main point is that ….」を板書します。型を使えば1文にまとまることを示し、どうしても長くなる場合は2文まで認める段階を踏みます。

Q. 本文の1文をそのまま写してしまう生徒には?

「本文の文をそのまま使うのは禁止」と最初に伝えます。いくつかの出来事を1つにまとめる、まとめる語(animals など)を使う、といった内容の言いかえの例を示します。読めていない生徒には、先にペアで日本語で口頭要約させてから英語にします。

Q. 細部を全部入れて長くなってしまうときは?

20語以内の制限を必ず守らせ、「この語を消しても意味は通じる?」と1語ずつ確かめさせます。逆に大事な情報が抜けないよう、物語文は「最初・問題・結末」の3つが入っているかをチェックリストで確認します。

Q. 要約させると、本当に読みが深まりますか?

読んだ内容について書くことが理解を高めるというメタ分析がある一方 1、学習法の評価では、要約は訓練が必要で効果が得られる条件が限られるため「有用性が低い(low utility)」学習法に分類されています 2。「要約しなさい」だけでなく、型を教え、良い例と比べ、ペアで書き直させる手順を取り入れるのがおすすめです(この手順そのものの効果を調べた研究ではありません)。

🎁 玉手箱で使えるツール

原田英語の「英語の先生の玉手箱」の無料ツール。登録なしで授業にそのまま使えます。

📑 出典(2件)

本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。

  1. Graham, S., & Hebert, M. (2011). Writing to read: A meta-analysis of the impact of writing and writing instruction on reading. Harvard Educational Review, 81(4), 710-744. doi:10.17763/haer.81.4.t2k0m13756113566 ✔ DOI照合済読んだ内容について書く(要約など)と読解が深まることを示したメタ分析(英語を母語とする児童生徒が中心)
  2. Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013). Improving students' learning with effective learning techniques: Promising directions from cognitive and educational psychology. Psychological Science in the Public Interest, 14(1), 4-58. doi:10.1177/1529100612453266 ✔ DOI照合済10種類の学習法を評価した総説。練習テストと分散学習を「有用性が高い」、要約・線引き・再読を「有用性が低い」と総合評価

最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら