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🎲 授業アクティビティ集中学校高校📖 約8分

ジグソー活動 ― 情報を分け持ち、英語で教え合って1枚の絵を完成させる

本文や資料を4つに分け、それぞれの「専門家」が英語で説明し合ってはじめて全体がわかる。全員に「話さなければならない理由」がある協同学習の定番です。

⏱ 時間
30-45分
🧰 準備
しっかり
👥 形態
グループ(4人)
🎯 技能
やり取り・スピーキング・リーディング
📶 CEFR
A2-B1
🛡️
このページのウラ取り 出典 3 件 ― 原田英語.comが集めて読んだ論文・専門書・公的資料。DOI・ISBN・公式ページは書誌データベースとも照合済み 原田英語.comと校閲担当が、主張と出典を1つずつ照合・AI(Codex)による独立チェック済み(2026-10-18) ウラ取りの仕組み →
ジグソー活動 ― 情報を分け持ち、英語で教え合って1枚の絵を完成させるのイメージ
💡ねらい
  • 自分しか持っていない情報を、相手にわかるように英語で説明する経験をさせる。
  • 聞く側も、全体を理解するために本気で聞き、質問する状況をつくる。

ジグソー活動ってなに?

ひとことで言うと、1つの教材をいくつかに分けて班の1人ひとりが別々の部分を担当し、同じ担当どうしで内容を確かめてから元の班に戻り、英語で説明し合って全体を完成させる協同学習です。 班の人数や分け方は決まっていません。このページでは4人班・4分割(A〜D)で行います。

🎈たとえるなら

ジグソーパズルです。1人が持っているのは1ピースだけ。全員のピースがそろわないと絵にならないので、だれもが「話さなければならない理由」を持ちます。大事なのは、元の班に戻る前に、同じピースを持つ人どうし(専門家グループ)で説明の練習をしておくことです。

インフォメーション・ギャップとのちがい

広い意味では、ジグソーもインフォメーション・ギャップ(情報の「すき間」をやり取りで埋める活動)の一つです。ちがいは人数や情報の量ではなく、情報の分け方にあります。

インフォメーション・ギャップ(一般) ジグソー
情報の分け方 一方だけ、または両方が、相手の知らない情報を持つ 全員が教材の別々の一部を持ち、全員が「伝える人」にも「聞く人」にもなる
このサイトでの実施例 ペアで表の空欄を1問ずつ聞き合う 4人班。専門家グループで準備 → 元の班で1人1分30秒ずつ説明し、聞き手が質問

やり方を3ステップで

  1. 専門家になる:同じパートの人が集まり、英文を読んでキーワードを5つメモし、1分で説明する練習をする。
  2. 教え合う:元の班に戻り、1人ずつ自分のパートを英語で説明する。聞き手は表にメモし、1つ質問する。
  3. まとめる:班で「日本との共通点と違い」を英語2文にまとめ、全体で共有する。

授業の流れ(分ごと)

時間 活動 先生のポイント
0:00〜3:00 元の班でパート分担・やり方の説明 A〜D のカードを配る
3:00〜13:00 専門家グループで読む・キーワードメモ 音読2回・わからない語の確認
13:00〜16:00 専門家グループで説明の練習 1人1分、英語で言ってみる
16:00〜24:00 元の班で説明(1人1分30秒×4) 聞き手は必ず1つ質問
24:00〜30:00 班で表とまとめの2文 共通点・相違点
30:00〜35:00 全体共有 2〜3班を指名して発表。残りの班はワークシートを提出
ジグソー活動 ― 情報を分け持ち、英語で教え合って1枚の絵を完成させるの教室の配置と動き方
🗺️ 教室の配置と動き方(イメージ)
👣手順
  1. 教材を4分割する:例「4つの国の学校生活」の短い英文を A〜D に分ける(ワークシートのオリジナル英文)。教科書の本文を段落で分けてもよい。
  2. 元の班(4人)でパートを決める:A〜D を1人1つ担当。机は4人で向かい合わせ。
  3. 専門家グループ(10分):同じパートの人が教室の四隅に集まり、内容を確認。音読を2回してから、「説明メモ」をキーワード5つまでで作る(文は書かない)。
  4. 説明の練習(3分):専門家グループの中でペアになり、メモを見ながら1分ずつ説明し合う(同時に練習するので、グループの人数が多くても3分で全員が練習できる)。
  5. 元の班に戻って説明(各1分30秒×4人):聞き手は表にメモし、質問を最低1つする。
  6. まとめの課題(6分):班で「日本との共通点と違い」を英語で2文にまとめる。
  7. 全体共有(5分):2〜3班を指名して2文を発表させ、先生が板書で整理する。残りの班のワークシートは集めて、次の授業のはじめにいくつか紹介する(40人・10班が全部発表すると5分では終わらない。全班に発表させるなら共有を10分にし、全体を40分の授業で行う)。
🗣️先生の英語(そのまま使える)
TYou are the Part A expert. Go to the corner with the other A members.
TRead it aloud twice. Then write down five key words. No full sentences.
TPractice your explanation. You have one minute each.
TGo back to your home group. Explain your part in English.
SMy part is about Finland. Students have a short break after every lesson.
SEvery lesson? Really? What do they do?
SThey often go outside, even in winter.
TListeners, ask at least one question. "What does ... mean?" "Can you say that again?"
TNow, as a group, write two sentences: one similarity and one difference.
SLike Japan, students at some schools in Kenya help clean their classrooms.
🏫そのまま使える素材(ジグソーにしやすい題材11)
  1. 世界の学校生活(4か国)※ワークシートにオリジナル英文
  2. 4人の偉人の伝記:生まれ・業績・名言を1人ずつ
  3. 4つの季節の行事:日本の行事を ALT に紹介する文
  4. 環境問題の4つの原因:プラスチック・森林・水・エネルギー
  5. 4つの職業のインタビュー:仕事内容・大変なこと・やりがい
  6. 4つの国の朝ごはん:食べ物・時間・だれと
  7. 物語の4場面:場面ごとに分け、元の班で順番を並べかえる
  8. 観光地の紹介4か所:班で「修学旅行の行き先」を1つ決める
  9. スマホ利用の4つの資料:賛成・反対・データ・体験談(高校)
  10. 4つの発明品:いつ・だれが・何のために
  11. 教科書本文の4段落:段落ごとの要約を持ち寄って全体の要約を作る
🔁アレンジ
  • 小学校:4枚の絵カード(4人の好きなもの)を分けて持ち、"He likes soccer." と伝え合って表を完成させる簡易版に。
  • 中学:教科書本文の段落ジグソー。専門家グループで音読を2回してから説明に入ると、英語での説明が安定する。
  • 高校:異なる立場の4つの資料を分け、元の班で意見をまとめる。ミニ・ディベートの準備にもなる。
  • 大人数クラス:40人なら4人×10班。専門家グループが10人になるので、さらに5人ずつ2つに分けると話しやすい。
  • 苦手な生徒が多いクラス:専門家グループで「説明の型」(My part is about ... . First, ... . Second, ... .)を配り、穴埋めしてから練習する。パートの英文はさらに短く。
  • オンライン・タブレット:パートごとの資料を別々に配信し、ブレイクアウトルームで専門家→元の班の順に部屋を移る。
📊評価のポイント
  • 知識・技能:自分のパートの内容を、既習の語句や文で正しく説明できているか。
  • 思考・判断・表現:聞き手にわかるように要点を選んで伝え、班で共通点・相違点をまとめられているか。
  • 主体的に学習に取り組む態度:説明の練習や元の班での説明をふり返り、相手に伝わるように言い方・質問のしかたを直そうとしているか(質問の回数など1回の行動だけで評定しない)。
評価項目(主な観点) A B C
説明(知識・技能) 既習の語句や文を使い、自分のパートの内容を意味の通じる英語で説明できる メモを見ながら、止まりつつも英語で説明できる 英文を読み上げる・日本語で説明
聞き手(思考・判断・表現) 必要に応じて聞き返したり確かめたりして、相手の要点を正確に表にまとめる 相手の要点をおおむね表にまとめる 表が埋まらない
まとめ(思考・判断・表現) 表の情報から共通点と相違点を1つずつ選び、読み手に伝わる英語2文にまとめる 共通点か相違点の一方を、伝わる英語1文にまとめる 書けない・表の情報と合わない
⚠️よくあるつまずきと対処
  • 説明が日本語になったら → 専門家グループで「英語で1分説明する練習」をはさむと、元の班で英語で説明しやすくなります。メモは原則キーワードだけにする(言葉にするのに時間がかかる生徒には、説明の型や短い原稿を認め、練習しながら少しずつキーワードに減らす)。
  • パートの難しさがバラバラで1つの班が止まったら → 分量と難しさをそろえる。どうしても難しいパートには、語注・図・説明の型をつけたり、2人で1パートを担当させたりして支える(得意な生徒にばかり難しいパートを割り当てると役割が固定するので、担当は毎回入れかえる)。
  • 聞き手が受け身になったら → 「質問を1つ」「表にメモ」など、聞き手にも役目を持たせる。
  • 欠席者が出てパートが抜けたら → 欠けた情報そのものを補う。たとえば、授業の前に班を組み替えて4人班にそろえる、残った生徒の1人がそのパートも専門家グループで準備して2つ説明する、隣の班の同じパートの専門家が説明に来る、など。各パートの要点カードを用意しておくと、どうしても補えない班に配れる。
  • 時間が足りなくなったら → 専門家グループの時間を前の授業の宿題(パートを読んでくる)に回し、本時は説明から始める。
🔬なぜ効く?

ジグソーの強みは「情報の交換が必須」になることです。古典的な教室研究では、情報交換が任意のタスクより、交換しないと課題が終わらないタスクの方が、聞き返し・理解の確認・繰り返しといった会話の調整が多く起き、先生主導の全体活動よりもペアやグループの方が調整が多くなりました 1。学習者どうしのグループワークは、タスクの組み立てに注意すれば、一斉授業に代わる有力な形だと論じられています 2。

協同学習全体については、1995年以降の教室での研究65本をまとめたメタ分析で、学力には中程度のプラスの効果(Hedges' g = .54)が確認されました。ただし著者自身が、出版バイアス(効果が出た研究ほど論文になりやすいこと)を統計的に補正しても、なお推定が楽観的になっている可能性と、ふだんの教室で行った準実験が中心で、ほかの要因を統制しにくいという限界を挙げています。学習への態度への効果は統計的にはプラスでも小さく(ES = .15)、著者も小さいと評価しています。しかも態度について分析できたのは13研究だけで、一般化には注意が必要です。また、学力への効果の大きさは、教科・年齢・文化によって変わることが示されています 3。また、英語の授業で「話す力」をジグソーで伸ばしたという研究は、このページを書くときに確認できた範囲では小規模な個別研究が多く、効果を一般化するには注意が必要です。

❓ よくある質問

Q. 英語の授業でのジグソーの進め方は?

①元の班(4人)で A〜D のパートを分担 ②同じパートの人が集まる専門家グループで読み、キーワード5つまでの説明メモを作る ③メモを見て1分で説明する練習 ④元の班に戻って1人1分30秒ずつ英語で説明 ⑤班で共通点と違いを2文にまとめ、全体で共有、の流れです。

Q. 説明が日本語になってしまうときは?

専門家グループで「英語で1分説明する練習」をはさむと、元の班で英語で説明しやすくなります。メモは原則キーワードだけにし、必要な生徒には説明の型や短い原稿を認めて、練習しながら少しずつ減らします。聞き手にも「質問を1つ」「表にメモ」という役目を持たせると、受け身になりません。

Q. 欠席者が出てパートが抜けたら?

欠けた情報そのものを補います。授業の前に班を組み替えて4人にそろえる、残った生徒の1人がそのパートも準備して説明する、隣の班の同じパートの専門家が説明に来る、などです。各パートの要点カードを用意しておくと安心です。パートの分量と難しさはそろえておき、難しいパートには語注・図・説明の型をつけて支えます(担当は毎回入れかえ、役割を固定しない)。時間が足りなければ、パートを読むのを前の授業の宿題にします。

Q. ジグソーには効果がありますか?

協同学習全体のメタ分析では、学力には中程度のプラスの効果が確認されています(学習への態度への効果は小さく、分析できた研究も少ないものでした)。また学力への効果の大きさは、教科・年齢・文化によって変わります 3。英語の授業で話す力をジグソーで伸ばしたという研究は、確認できた範囲では小規模なものが多く、一般化には注意が必要です。

🎁 玉手箱で使えるツール

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📑 出典(3件)

本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。

  1. Doughty, C., & Pica, T. (1986). "Information gap" tasks: Do they facilitate second language acquisition?. TESOL Quarterly, 20(2), 305-325. doi:10.2307/3586546 ✔ DOI照合済情報交換が「必須」のタスクほど、聞き返し・言い直しなどの会話の調整が多く起きることを示した古典的研究
  2. Long, M. H., & Porter, P. A. (1985). Group work, interlanguage talk, and second language acquisition. TESOL Quarterly, 19(2), 207-228. doi:10.2307/3586827 ✔ DOI照合済学習者どうしのグループワークを、第二言語習得研究の立場から支持した古典的論文
  3. Kyndt, E., Raes, E., Lismont, B., Timmers, F., Cascallar, E., & Dochy, F. (2013). A meta-analysis of the effects of face-to-face cooperative learning. Do recent studies falsify or verify earlier findings?. Educational Research Review, 10, 133-149. doi:10.1016/j.edurev.2013.02.002 ✔ DOI照合済協同学習の効果を教科をまたいでまとめたメタ分析(65本)。学力と態度にプラス

最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら