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🎲 授業アクティビティ集中学校高校📖 約11分

インフォグラフィック・プレゼン ― 数字と図で「1枚」にまとめ、2分で説明する

読んだ英文や調べた情報を、数字・アイコン・短い英語だけの1枚の図(インフォグラフィック)にまとめ、それを見せながら2分で説明する。図の文字を短い語句にしぼり、キーワードを手がかりに練習することで、原稿の読み上げに頼らず、聞き手を意識して話しやすくなることをねらいます。

⏱ 時間
50分×2コマ(計100分)
🧰 準備
少し
👥 形態
3〜4人グループ
🎯 技能
スピーキング・リーディング・ライティング
📶 CEFR
A2-B1
🛡️
このページのウラ取り 出典 4 件 ― 原田英語.comが集めて読んだ論文・専門書・公的資料。DOI・ISBN・公式ページは書誌データベースとも照合済み 原田英語.comと校閲担当が、主張と出典を1つずつ照合・AI(Codex)による独立チェック済み(2026-10-18) ウラ取りの仕組み →
インフォグラフィック・プレゼン ― 数字と図で「1枚」にまとめ、2分で説明するのイメージ
💡ねらい
  • 読んだり調べたりした情報から、伝える価値のある数字や事実を選び、図で整理する。
  • グラフや数字を英語で説明する表現を使い、聞き手に伝わるように発表する。
  • 発表後の質疑応答で、図の内容について説明を加えたり、意見を伝え合ったりする。

インフォグラフィック・プレゼンってなに?

ひとことで言うと、読んだ英文や調べた情報を、数字・アイコン・短い英語だけの1枚の図(インフォグラフィック)にまとめ、その図を見せながら英語で2分説明する活動です。

インフォグラフィックは、情報(information)を図(graphic)で見せたもの、という意味です。

🎈たとえるなら

駅や空港の案内表示です。長い文章ではなく、矢印・マーク・大きな数字で、一目でわかるようにできています。作る側にとって大事なのは、「何を載せないか」を決めること。たくさんの情報から大事なものを選ぶ点は、要約と共通しています。

文章の多いスライド発表とのちがい

文章の多いスライド・原稿の発表 インフォグラフィック・プレゼン
図・スライドの中身 文章が中心 数字・図・短い語句(1か所10語以内)
話し方 スライドや原稿を読み上げがち 図を指しながら、数字の意味(This means ...)を説明する
準備の中心 文を書く 伝えたいこと1つと、それを支える事実3つを選ぶ

やり方を3ステップで

  1. 選ぶ:英文を読み、「一番伝えたいこと」を1文で決め、それを支える数字・事実を3つ選ぶ。
  2. 描く:A4 か1枚のスライドに、タイトル・大きな数字・アイコン・短い英語を配置する。出典も小さく書く。
  3. 説明する:図を指しながら2分で説明し、聞き手の質問に1分で答える。相手を替えてくり返す。

授業の流れ(分ごと)

1時間目(読む・選ぶ・描く)

時間 先生 生徒
0:00〜7:00 良い例と悪い例のインフォグラフィックを比べる 違いを見つける(文字の量・目立つもの)
7:00〜20:00 テーマの英文(教科書・配布資料)を読ませる 班で読み、数字・事実に下線
20:00〜28:00 Main message と事実3つを決めさせる ワークシート①②
28:00〜50:00 配置の下書き→清書(紙またはスライド) 図を作る

2時間目(説明する・聞く)

時間 先生 生徒
0:00〜5:00 図を説明する表現の練習 自分の図で1文ずつ言ってみる
5:00〜15:00 班内リハーサル(1人2分+聞いた人から助言30秒。4人班で10分) 発表・タイム計測・助言
15:00〜40:00 前半・後半に分けて発表(前半の発表者は自分の席に残り、聞き手が移動。聞き手は評価シート) 1回=2分発表+1分質疑+記入と移動30秒。前半3回 → 役割交代 → 後半3回
40:00〜50:00 全体で「伝わった図」の共通点を共有・振り返り 発表・記入
インフォグラフィック・プレゼン ― 数字と図で「1枚」にまとめ、2分で説明するの教室の配置と動き方
🗺️ 教室の配置と動き方(イメージ)
👣手順
  1. 良い例・悪い例:文字がぎっしりの図と、数字1つを大きく見せた図を並べて投影し、「3秒見て何が伝わる?」と聞く。インフォグラフィックは長い文章を読ませるのではなく、短い文字と図を組み合わせて一目で要点を伝えるものだと確認する。
  2. 材料を読む:教科書の社会的な話題(環境・食品ロス・人口など)の本文や、先生が用意した英文を班で読む。数字・事実に下線を引き、出典を確認する。
  3. Main message:「一番伝えたいこと」を英語1文で決める。これが図のタイトル(または一番大きな文字)になる。
  4. 事実を3つ選ぶ:Main message を支える数字・事実を3つに絞る。選ばなかった情報は、質疑応答のときに使う「控え」にする。
  5. 図にする:まず、元の英文の組み立てに合う配置を選ぶ(比べる話なら左右に並べる、原因と結果なら矢印でつなぐ、問題と解決なら上下に分ける)。そのうえで A4 または1枚のスライドに、タイトル・大きな数字・アイコン(手描きでよい)・短い英語(1か所10語以内)を配置。出典は右下に小さく書く。
  6. 説明の練習:図を説明する表現を練習し、台本はキーワードだけ。班内で1人ずつ2分通して話し、聞いた人が30秒で「よかった点・直すとよい点」を言う(4人班で10分)。2分に収める。
  7. 発表と質疑:図は1人1枚(読む・事実を選ぶところまでは班で相談してよいが、図と発表は各自)。クラスを前半と後半に分ける。前半は各班の半数が自分の席で図を見せて発表し、残りの半数が聞き手として1つずつ席を移動する。1回は「2分発表+1分質問+評価シートの記入と移動30秒」。聞き手は評価シートに「一番印象に残った数字」「質問」と、ルーブリックにそった「よかった点1つ・次に直すとよい点1つ」を書き、発表者に渡す。発表者はそれを読んで、次の回の説明を直す。前半3回が終わったら役割を交代し、後半の発表者も3回発表する。
🗣️先生の英語(そのまま使える)
TLook at these two infographics. Which one can you understand in three seconds?
SB. The big number is easy to see.
TRight. An infographic helps people understand the point at a glance. Use short phrases and clear visuals. Now, read the text and underline numbers.
TWhat's your main message? Write it in one sentence.
SJapan wastes a lot of food every year.
TGood. Choose three facts that support it.
TPractice explaining. "Look at this graph. As you can see, ..."
SLook at this number. According to the text, about half of this food waste comes from our homes.
TGreat. Point at the picture while you talk.
TListeners, ask one question. "Where did you get this information?"
🏫そのまま使える素材

テーマ例(教科書の話題・他教科とつなげて)

  1. Food waste in Japan
  2. Plastic in the ocean
  3. Why bees are important
  4. The aging society in Japan
  5. Renewable energy around the world
  6. The history of the Olympic Games
  7. Endangered animals
  8. Water: how much do we use in a day?
  9. Tourism in our town
  10. The history of a famous invention
  11. Languages spoken around the world
  12. The benefits of walking

グラフ・数字を説明する表現

  • Look at this graph / chart / map.
  • According to the survey / report, ... .
  • As you can see, ... .
  • About one in three students ... .
  • More than half of the class ... .
  • The number of ... increased / decreased from ... to ... .
  • ... is twice as large as ... .
  • Compared with ten years ago, ... .
  • This means that ... .
  • So, what can we do? I suggest that ... .

聞き手の質問

  • Where did you get this information?
  • Why did you choose this number?
  • What surprised you the most?
🔁アレンジ
  • 小学校:クラスの「好きな果物」アンケートを棒グラフにし、Apples are popular. と1文で紹介する程度に。
  • 中学:教科書の本文から数字を1〜2つ選んで図にし、比較級(The number of ... is larger than ... .)で説明する。クラスのアンケートから作るなら Survey & Graph の手順が使える。
  • 高校:社会的な話題の英文を複数読み、情報を組み合わせて図を作る。発表の後、「では私たちはどうすべきか」について意見を述べ合う時間を加える。
  • 大人数クラス:図を教室の壁に貼り、半分の生徒が発表者として図の横に立ち、残りの生徒が図を見て回る。途中で交代すると全員が発表者と聞き手の両方になれる。
  • 苦手な生徒が多いクラス:説明の型(Look at this. This number is ___. It means ___.)を印刷して配る。図の英語は、本文から語句を抜き出してよいことにする。
  • タブレット:スライドアプリやデザインアプリで作成。共有フォルダに全員の図を集め、休み時間にも見られるようにすると、読む量も増えます。
📊評価のポイント
  • 知識・技能:数字や図を説明する表現を使い、図を示しながら話せる。
  • 思考・判断・表現:読んだ情報から Main message に合う事実を選び、聞き手にわかるように図と説明を構成している。質問に、控えの情報も使って答えている。
  • 主体的に学習に取り組む態度:リハーサルで時間や伝わり方を確かめ、図や説明を改善している。ほかの発表を聞いて疑問点を整理し、質問やふり返りを自分の次の発表の改善に生かそうとしている(質問の回数や積極性だけでは評価しない)。
観点 A B C
図の構成 Main message が一目でわかり、事実3つがそれを支えている。出典がある 伝えたいことはわかるが、情報が多すぎる/少なすぎる 文章が多く、何を伝えたいかがわからない
説明 図を指しながら、数字の意味(This means ...)まで説明できる 図の数字を読み上げられる 台本を読み上げている
質疑応答 質問に、控えの情報も使って答えられる 簡単な質問に答えられる 答えられない

聞き手の評価シート(印象に残った数字・質問)は、質問したかどうかではなく、ほかの発表から何を学び、自分の発表をどう直そうとしたかを見る補助資料として使います。

⚠️よくあるつまずきと対処
  • 図に文章をぎっしり書く → 「1か所10語以内」「一番大きな文字は Main message」と数で決める。迷ったら3秒テスト(3秒見て伝わるか)をペアでさせる。
  • 数字の出典があいまい → 出典の欄を必須に。教科書・先生が配った資料・公的機関のサイトに限定すると、調べ学習の時間も短くなる。
  • デザインに時間をかけすぎる → 1時間目の終わりまでに「下書きの配置」まで、と区切る。アイコンは手描きの簡単なものでよい。
  • 発表が数字の読み上げになる → 「数字の後に This means ... を必ず言う」をルールに。数字の意味を自分の言葉で言うことが、発表の中心です。
  • 数字の言い方(大きな数・小数)で詰まる → 1時間目の最後に、自分の図の数字だけを英語で言う練習を3分入れる。
🔬なぜ効く?

高校の学習指導要領の解説では、「論理・表現Ⅰ」のプレゼンテーションについて、聴衆に情報を与えたり提案したりする活動であり、写真・実物・ポスター・スライド・タブレット端末などの視覚的な補助を活用すると、聞き手の注意をひき、理解を深め、発表をわかりやすくするのに効果的だとしています。事前に書いた原稿をそのまま読み上げるだけにしないことも重要だとされています 1。

図にまとめることには、読み手側の研究があります。スペイン語を話す大学生(最終的な分析対象46人)を、インフォグラフィックを使う授業のグループと比較のグループに分けて事前・事後に測った準実験では、インフォグラフィックを使った授業を受けたグループで、画像や「画像+文」についての問いを含む読解が統計的に有意に伸びたと報告されています。授業をした先生の記録では、母語での補助もあるとよいという課題も挙がっています 2。大学での一連の授業の研究で、分析できたのは最終的に残った46人なので、短い学校の授業にそのまま当てはまるとは限りません。読解指導で使う図(グラフィック・オーガナイザー)の研究を整理した論文は、文章の構造(比較・原因と結果など)をそのまま図に表したものの方が効果の根拠が強いと論じています。ただし同じ論文は、第二言語の学習者を対象にした研究がまだ足りないとも指摘しています 3。手順5で元の英文の組み立てに合う配置を選ばせるのは、この考え方を取り入れたものですが、読む側の研究からの間接的な示唆です。発表を聞き合って評価する部分は、仲間の学習成果を評価してフィードバックを返す「相互評価」にあたります。相互評価の54研究をまとめたメタ分析では、評価なしの場合より成績が伸びた(g = 0.31)と報告されています 4。ただしこれは幅広い教科・校種の相互評価一般についての結果で、この2時間のプレゼン活動を直接検証したものではありません。研究の相互評価に近づけるため、手順7では聞き手が「よかった点・直すとよい点」を返し、発表者が次の回で直す形にしています。

ポイント:この活動では、文章から中心になる情報を選び、情報どうしの関係を整理して、図という別の形で表し直します。何が中心で何が細部かを決める点で、要約と共通する作業を含みます。ただし、インフォグラフィックを「作って発表する」ことそのものの効果を調べた研究は少ないのが現状です。上の大学生の研究の授業(全7回)には、インフォグラフィックを作る回も1回含まれていましたが、効果として測ったのは読解で、口頭発表の効果は調べていません 2。図のまとめ方の研究整理も、読解指導についてのものです 3。

❓ よくある質問

Q. 2時間の授業はどんな流れですか?

1時間目は、良い例と悪い例の図を比べ、英文を読んで数字・事実に下線を引き、Main message と事実3つを決めて図を作ります。2時間目は、図を説明する表現を練習し、班内リハーサルのあと、クラスを前半・後半の発表者に分け、聞き手が席を移動しながら、2分発表+1分質疑を各自3回行います。

Q. 図に文章をぎっしり書いてしまう生徒には?

「1か所10語以内」「一番大きな文字は Main message」と数で決めます。迷ったら、3秒見て伝わるかを確かめる「3秒テスト」をペアでさせます。インフォグラフィックは長い文章を読ませるのではなく、短い文字と図で一目で要点を伝えるものだと、最初に確認しておきます。

Q. 発表が数字の読み上げになってしまうときは?

「数字の後に This means ... を必ず言う」をルールにします。数字の意味を自分の言葉で言うことが、発表の中心です。大きな数や小数の言い方で詰まるなら、1時間目の最後に自分の図の数字だけを英語で言う練習を3分入れます。

Q. インフォグラフィックを使うと、英語の力は伸びますか?

スペイン語を話す大学生の準実験では、インフォグラフィックを使った授業を受けたグループで、画像や「画像+文」についての問いを含む読解が有意に伸びたと報告されています 2。ただし、インフォグラフィックを作って発表すること自体の効果を調べた研究は少なく、これは読む側についての研究です。

🎁 玉手箱で使えるツール

原田英語の「英語の先生の玉手箱」の無料ツール。登録なしで授業にそのまま使えます。

📑 出典(4件)

本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。

  1. 文部科学省 (2018). 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編 公式ページ ✔ リンク確認済高校の科目構成(英語コミュニケーションⅠ〜Ⅲ・論理・表現Ⅰ〜Ⅲ)、「支援」の考え方、語数、授業は英語での趣旨を説明した公式の解説
  2. Carcamo, B., & Pino, B. (2025). Developing EFL students' multimodal literacy with the use of infographics. Asian-Pacific Journal of Second and Foreign Language Education, 10. doi:10.1186/s40862-025-00322-3 ✔ DOI照合済スペイン語話者の大学生46人。インフォグラフィックを使った授業を受けたグループは、図と文を合わせて読む読解が伸びた
  3. Jiang, X., & Grabe, W. (2007). Graphic organizers in reading instruction: Research findings and issues. Reading in a Foreign Language, 19(1), 34-55. doi:10.64152/10125/66616 ✔ DOI照合済グラフィック・オーガナイザー(図で情報を整理する道具)の研究を整理した論文
  4. Double, K. S., McGrane, J. A., & Hopfenbeck, T. N. (2020). The impact of peer assessment on academic performance: A meta-analysis of control group studies. Educational Psychology Review, 32(2), 481-509. doi:10.1007/s10648-019-09510-3 ✔ DOI照合済相互評価の効果のメタ分析(54研究)。評価なしや先生だけの評価より成績が伸び、効果はさまざまな条件で安定

最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら