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🎲 授業アクティビティ集中学校高校📖 約8分

1分間チャット ― 原稿なしで「とにかく会話を続ける」即興やり取り

お題だけ出して、原稿なしで1分間しゃべり続ける。「時間をかせぐ・聞き返す・相手に質問を返す」といった会話を続ける表現を先に渡しておくと、即興のやり取りを続ける助けになります。

⏱ 時間
5-8分
🧰 準備
なし
👥 形態
ペア
🎯 技能
やり取り・スピーキング・帯活動
📶 CEFR
A2-B1
🛡️
このページのウラ取り 出典 3 件 ― 原田英語.comが集めて読んだ論文・専門書・公的資料。DOI・ISBN・公式ページは書誌データベースとも照合済み 原田英語.comと校閲担当が、主張と出典を1つずつ照合・AI(Codex)による独立チェック済み(2026-10-18) ウラ取りの仕組み →
1分間チャット ― 原稿なしで「とにかく会話を続ける」即興やり取りのイメージ
💡ねらい
  • 準備した原稿に頼らず、その場で考えて英語でやり取りする力を育てる。
  • 言葉につまる・聞き取れない場面を、会話を続ける方略(時間をかせぐ・聞き返す・相手に返す)で乗り切る力を身につける。

1分間チャットってなに?

ひとことで言うと、その場で出されたお題について、原稿を書かずに、ペアと1分間英語の会話を続ける帯活動です。

ここでの「即興」は、学習指導要領の解説の言い方をかみ砕くと、「話す原稿を用意して覚えたり練習したりする準備をせずに、その場で考えて伝え合う」ということです 1。

🎈たとえるなら

キャッチボールです。受けたら(答えたら)、相手に投げ返す(How about you?)。ボールを落としたら、拾ってまた投げる(Pardon? / Let me see.)。大事なのは、きれいな球を投げることより、落としても続けることです。

原稿を書いてから話す活動とのちがい

原稿を書いてから話す 1分間チャット
準備 原稿を書いて覚える なし(お題はその場で発表)
話し方 覚えた文を言う(台本を読む活動に近い) その場で考えて、相手に合わせて返す
止まったら 原稿を思い出そうとする 会話を続ける表現で立て直す

やり方を3ステップで

  1. 道具を渡す:会話を続ける表現(Let me see. / Pardon? / How about you?)を3つだけ確認する。
  2. すぐ話す:お題を聞いたら、ノートを閉じてペアで1分間話す。
  3. 相手を替えてもう1回:困った場面をふり返ってから、相手を替えて同じお題でもう一度話す。

授業の流れ(分ごと)

時間 活動 先生のポイント
0:00〜1:30 会話を続ける表現を3つ確認 ワークシートの表から今日の3つを選ぶ
1:30〜1:40 お題の発表 原稿を書く・練習する時間はとらない
1:40〜2:40 チャット1回目 画面に1分のタイマーを出す
2:40〜3:40 ふり返り 長く止まった場面があったか・困った場面と使えた表現をペアで確認
3:40〜4:40 相手を替えて2回目 困った場面を会話を続ける表現で乗り切る
4:40〜6:00 記録・全体共有 うまく聞き返せたペア・質問で話を広げたペアに、どうしたかを聞く(希望者)
1分間チャット ― 原稿なしで「とにかく会話を続ける」即興やり取りの教室の配置と動き方
🗺️ 教室の配置と動き方(イメージ)
👣手順
  1. 会話を続ける表現を3つだけ板書(1分30秒):考える時間をかせぐ(Let me see. / Well...)、聞き返す(Pardon?)、話を相手に返す(How about you?)。全員で言ってみる。
  2. お題を発表(10秒):その場で発表し、原稿を書いたり練習したりする時間はとらない。慣れたら発表後すぐに始める(始めたばかりの時期や苦手な生徒が多いときは、5秒ほど頭の中で考える時間を認めてもよい)。
  3. チャット(1分):ペアで会話。言葉につまりそうになったら、どちらかが会話を続ける表現(Let me see. / Pardon? / How about you?)を使う約束。会話中は時間や回数を数えず、相手の話に集中する。
  4. ふり返り(1分):「何回止まった?」「どこで困った?」をペアで確認。
  5. 相手を替えてもう1回(1分):同じお題で、1回目に困った場面を会話を続ける表現で乗り切れるか試す。
  6. 記録と共有(1分):ワークシートに、つまった場面と、そのとき役に立った表現を書く。うまく聞き返せたペアや、質問で話を広げたペアに、どうしたかを紹介してもらう(希望者だけ。記録の比べ合いは自分の前回とだけ)。
🗣️先生の英語(そのまま使える)
TNo notebook, no script. Just talk for one minute.
TIf you don't know what to say, say "Let me see..." or "Well..."
TIf you didn't catch it, say "Pardon?"
TWhen you finish your answer, ask your partner the same question: "How about you?"
TToday's topic is ... "Summer or winter?" Ready, go!
SSummer or winter ... let me see. I like summer. I can swim in the sea. How about you?
SPardon?
SDo you like summer or winter?
SAh, I like winter because I like snow.
TTime! Did you get stuck? Where?
TWhen did you use "Let me see" or "Pardon?" Did it help?
TChange partners. Same topic. This time, try to keep the chat going when you get stuck!
🏫そのまま使える素材(お題リスト)

中学向け

  1. Summer or winter?
  2. Dogs or cats?
  3. Rice or bread for breakfast?
  4. Your favorite school lunch
  5. What do you do on rainy days?
  6. Your favorite place in our school
  7. A good present for your friend

高校向け 8. City life or country life? 9. Should students use smartphones in class? 10. Is it better to study alone or with friends? 11. What makes a good teacher? 12. Online shopping: good or bad?

🔁アレンジ
  • 小学校:「Do you like ...? → Yes, I do. / No, I don't. → How about you?」の型を使って30秒。続いたら大きな拍手。
  • 中学:最初は1分。学期ごとに1分30秒、2分と延ばす。1年生から継続して取り組むことが大切です。
  • 高校:お題を社会的な話題にし、2分以上続ける。理由を1つずつ足し、最後に「2人の意見のちがい」を一言でまとめる。
  • 大人数クラス:先生は全ペアを聞けないので、終わったら「長く止まらずに続いた」「止まったけれど立て直せた」「止まってしまった」の3択で手を挙げさせて全体をつかむ。うまく続いたペアに30秒だけ前で再演してもらう。
  • 苦手な生徒が多いクラス:ワークシートの表を見ながら話してよいことにし、まずは30秒から。お題は二択(A or B?)だけにすると始めやすい。
  • オンライン・タブレット:ペアで録音してクラウドに提出。先生は数ペアを聞いて、次回の会話を続ける表現を選ぶ材料にする。
📊評価のポイント
  • 知識・技能:会話を続ける表現・聞き返しの表現を、必要な場面で使えているか。
  • 思考・判断・表現:お題について、その場で考えを述べ、相手の発言に応じて会話を続けているか(即興性)。
  • 主体的に学習に取り組む態度:記録シートでつまった場面や使えた表現をふり返り、次の目標を立てて、次の回で試そうとしているか。

下の表は、練習のときの形成的なフィードバック用です。パフォーマンステストで成績に使うときは、単元の目標や、目的・場面・状況に合わせて評価規準を決め直します。主体的に学習に取り組む態度は、1回の記録だけでなく、何回分かの記録シートで「目標を立てて、次の回で工夫したか」を見ます。

観点 A B C
継続 1分間、自然に会話が続く 沈黙はあるが会話を続ける表現で立て直す 沈黙で会話が終わる
応答 相手の発言に合わせて質問・意見を返す 自分の答えは言えるが相手に返さない 一言で答えるだけ
方略 必要な場面で、聞き返し・つなぎ・関連する質問などを使って、会話を立て直したり広げたりしている 板書やシートを見ながらなら、必要な場面で方略を使える 止まったまま、方略を使えない

方略は「使った種類の数」ではなく「必要な場面で使えたか」で見ます。会話がなめらかに続き、方略を使う必要がなかった場合は、継続と応答の欄で評価します。

⚠️よくあるつまずきと対処
  • 事前に台本を書こうとする生徒がいたら → 書いた原稿を読み合うと、即興のやり取りではなく、台本を読む活動になってしまう。お題はその場で発表し、ノートは閉じさせる。
  • 正確さを気にして話せない生徒には → 解説の「話すこと[発表]」の説明には、即興で話せば多少の誤りやたどたどしさがあるのは当然だという認識を共有することが大切だ、という趣旨の記述があります 1。この考え方は、やり取りのチャットにもそのまま当てはめられます。「間違えてOK、止まらないことが目標」と伝える。
  • 「続けなさい」と言っても続かないときは → 続けるための道具(会話を続ける表現)を先に渡す。今日使う3つを板書し、ふり返りで「どの場面で使えたか」を確認する(回数を競わせると、場面に合わない使い方が増えるので注意)。
  • 1人だけがしゃべり続けるペアには → 「答えたら必ず How about you? で返す」をルールにする。
  • 毎回同じお題で飽きてきたら → お題カードを生徒に引かせる。くじの要素が即興性と楽しさを保つ。
🔬なぜ効く?

中学校学習指導要領の解説では、新しく設けられた「話すこと[やり取り]」の目標で「即興で」が重要な条件とされています。即興で伝え合うとは、原稿を用意して覚えたりする準備の時間をとらず、不自然な間を置かずに相手と事実や意見を伝え合うことだと説明され、会話を続けるために「聞き返す・確かめる」「相づちやつなぎ言葉を使う」「自分のことを伝える」「関連する質問を加える」といった工夫が挙げられています 1。

こうした「会話を続ける方略」は、教えることができるようです。英語を外国語として学ぶ女性の学習者62人を2つのグループに分けた研究では、12週間の授業で、方略を意識させる訓練を受けたグループ(28人)では口頭テストの得点の有意な伸びが見られ、方略への明示的な指導なしに通常のコミュニケーション中心の授業を受けたグループ(34人)の伸びは有意ではありませんでした。伸びた理由の一部として、会話を続ける方略や意味交渉の方略をよく使うようになったことが挙げられています 2。また、会話方略に限らず、読む・書く・語彙なども含む学習方略の指導全体のメタ分析(61研究)では、効果は小〜中程度(d = 0.49)と報告されています 3。なお、どちらもこの1分間チャットそのものを調べた研究ではありません。とくに前の研究は、女性だけの62人で、グループも無作為に分けたものではないため、中高生や男女混合のクラスで同じ効果が出るかは確かめられていません。会話を続ける表現を先に渡すのは、こうした研究と学習指導要領の解説をふまえた実践上の工夫です。

❓ よくある質問

Q. 即興チャットでは、考える時間をとらないのですか?

原稿を書いたり練習したりする時間はとりません。お題はその場で発表し、ノートは閉じさせます(始めたばかりの時期は、5秒ほど頭の中で考える時間を認めてもかまいません)。学習指導要領の解説も、即興で伝え合うことを、原稿を用意して覚えたりする準備の時間をとらずに伝え合うことだと説明しています 1。書いた原稿を読み合うと、即興のやり取りではなく、台本を読む活動になってしまいます。

Q. 会話が続かないときは、どうしますか?

「続けなさい」と言う前に、続けるための道具を渡します。考える時間をかせぐ Let me see. / Well...、聞き返す Pardon?、相手に返す How about you? の3つを板書し、言葉につまりそうになったらどちらかが使う約束にします。ふり返りでは、回数ではなく「どの場面で使えたか」を確認します。

Q. 間違いを気にして話せない生徒には?

「間違えてOK、止まらないことが目標」と伝えます。学習指導要領の解説も、「話すこと[発表]」の説明の中で、即興で話せば多少の誤りやたどたどしさがあるのは当然だという認識を共有することが大切だとしています 1。この考え方はやり取りのチャットにも当てはめられます。

Q. 会話を続ける力は、教えて伸びるものですか?

12週間の授業で会話を続ける方略を意識させる訓練を受けたグループは、口頭テストの得点を有意に伸ばしました 2。会話方略に限らない学習方略の指導全体のメタ分析でも、効果は小〜中程度と報告されています 3。ただし、どちらもこのチャット活動そのものを調べた研究ではありません。

🎁 玉手箱で使えるツール

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📑 出典(3件)

本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。

  1. 文部科学省 (2017). 中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編 公式ページ ✔ リンク確認済中学校外国語科の目標(5領域)・言語材料(語数・文法事項)・指導計画の作成(授業は英語で行うことを基本とする等)を説明した公式の解説
  2. Nakatani, Y. (2005). The effects of awareness-raising training on oral communication strategy use. The Modern Language Journal, 89(1), 76-91. doi:10.1111/j.0026-7902.2005.00266.x ✔ DOI照合済EFL の女性学習者62人。12週間、コミュニケーション方略を意識させる訓練をしたグループが口頭テストの得点を伸ばした
  3. Plonsky, L. (2011). The effectiveness of second language strategy instruction: A meta-analysis. Language Learning, 61(4), 993-1038. doi:10.1111/j.1467-9922.2011.00663.x ✔ DOI照合済学習方略の指導の効果をまとめたメタ分析(61研究)

最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら