長文読解No.192確認問題集あり

設問先読みはするべき?研究と実戦から出す結論

結論は「原則、設問文だけ先に、選択肢は読まない」。研究で分かっていることと経験則を分けて、形式ごとの使い分けまで示す。

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まずはこの3つ

  1. 設問文は先に読む。選択肢は先に読まない
  2. 先に問いを持つと問われた所は残りやすい。他は研究で分かれる
  3. 先読みの深さは「戻れるかどうか」で決める
研究で分かっていること

教育心理学では、文章の前に置く質問(事前質問)の効果が昔から調べられてきた。まとめると、問われた情報の記憶は上がりやすい。一方、問われていない情報は研究によって結果が分かれ、下がった研究(Peeck 1970 など)も、上がった研究(動画を使った Carpenter & Toftness 2017 など)もある。質問を文章の前に置くか後に置くかでは、問われた情報への効果は同程度で、問われていない情報は「後に置く」ほうが有利だったとするレビューもある(Hamaker 1986 など。Latimier et al. 2019 の整理による)。

研究の限界

これらは「文章から学んで覚える」研究で、時間制限のある入試の得点を直接比べたものではない。下の形式別のおすすめは、研究の傾向をふまえた経験則として読む。

先読みのメリット・デメリット

「根拠」の列で、研究に沿う所と経験則を区別した。

内容根拠
長所探す物が決まり、該当箇所で目が止まる研究(問われた情報は残りやすい)
長所設問は本文の予告。話題が先に分かる経験則
長所根拠を探して読み直す時間が減る経験則
短所答え探しの飛ばし読みで、全体の流れを失う研究(問われない情報が下がる例)
短所選択肢のダミーの内容が頭に残る経験則
短所先読みそのものに時間がかかる経験則

どこまで先読みする?4段階

時間はあくまで目安。おすすめは段階2。

段階やること目安使いどころ
0 先読みなし本文の1行目から読む0秒設問が主旨・要約だけの時
1 種類だけ内容一致か、下線部か、タイトルかを確認10秒どの長文でも最低限
2 設問文まで疑問詞とキーワードに丸。何を探すか決める30秒〜1分基本はここ
3 選択肢まで選択肢を全部読んでから本文へ数分原則しない(短い英問・告知文は例外)

形式別のおすすめ(経験則)8

物語・論説は本文を頭から通して読む(広告・告知文は探し読み)。先読みは「何を探すか」を決めるだけ。

  1. 1下線部・指示語・語彙
    番号と位置だけ確認すれば十分。下線部まで読み進めたら、その場で前後を見て解く。
  2. 2空所補充
    先読みはほぼ不要。空所に来たら前後の論理と品詞から入る物を予想し、それから選択肢を見る。
  3. 3内容一致(段落ごと)
    設問文の主語・キーワードに丸。選択肢は、該当する段落を読み終えてから照合する。
  4. 4内容一致(全体から選ぶ)
    選択肢は先に読まない。各段落の要点を余白にメモし、最後にまとめて照合する。
  5. 5主旨・タイトル
    「全体を読む前提」と決めるためにだけ見る。段落ごとに要点を一言でメモしながら進む。
  6. 6英問英答
    疑問詞で求められる情報と答えの形を予想しておく(Why → 理由・目的で because / to do、How(方法)→ by doing など)。該当箇所の文型まで予想できる。
    Why did she quit the team?→「やめた理由」を探しながら読む
  7. 7広告・メール・告知文
    設問を先に読み、日時・金額・条件など探す情報を決めてからスキャン(拾い読み)。短い設問なら選択肢まで見てよい。
  8. 8NOT・EXCEPT 問題
    先読みの段階で NOT に大きく印。逆を選ぶ事故を防ぐのが、先読みのいちばん確実な得点効果。
    Which is NOT mentioned as a reason?→ 理由として「書かれていない」ものを探す

60秒でやる先読みの手順5

  1. 1
    設問の数と種類を数える内容一致・下線部・タイトルなど。最終問が全体型かどうかを確認。
  2. 2
    疑問詞とキーワードに丸固有名詞・数字・年号は本文で見つけやすい目印になる。
  3. 3
    NOT・EXCEPT に印読み違えると答えが全部逆になる。
  4. 4
    設問を段落に割り振る設問は本文の順に並ぶことが多い。問1は前半、最終問は後半と見当をつける。
  5. 5
    タイトルと第1段落から読むここからは本文を通して読み、段落ごとに該当する設問を解く。

実演:設問文だけで本文が見える

オリジナルの設問例。設問文は本文の「予告編」になっている。

設問文先読みで分かること
What problem did the town face in the 1990s?前半に「昔の問題」。昔⇔今の対比で進む文章と予想
Why did Dr. Lee change her mind?途中で考えが変わる。逆接の後に新しい主張が来る
What does "a double-edged sword" in paragraph 4 mean?第4段落に長所と短所の両方が書かれている
Which of the following is NOT true about the app?アプリの特徴が複数並ぶ。NOT に印
Which is the best title for the passage?全体型。段落ごとの要点メモが必要

やりがちな先読みミス5

  • ✕選択肢まで全部読み込んでから本文へ
    ○設問文だけ読み、選択肢は該当箇所を読んだ後に
    ダミーの内容が頭に残り、本文を「確かめ読み」してしまう
  • ✕先読みしたキーワードの所だけ拾い読み
    ○本文は頭から通して読み、キーワードで減速する
    問われていない所を飛ばすと、論理の流れを失う
  • ✕先読みした設問の内容を全部覚えようとする
    ○「何を探すか」だけ頭に置く
    覚えきれず、本文を読む集中が削られる
  • ✕設問のキーワードが本文に出たら即答する
    ○その段落の最後と、直後の逆接まで読んでから解く
    直後の However でひっくり返ることがある
  • ✕時間切れ寸前でも本文を頭から読み続ける
    ○残り数分なら設問→該当箇所だけを探して読む
    非常手段。読み切れないなら探し読みのほうが点になる
リスニングとの違い

リスニングでは選択肢まで先読みするのが基本だ。音声は自分で戻して聞き直せないので、何を聞き取るかを先に決めておく(2回流れる問題もある)。長文は時間内なら読み返せるので、先読みは軽く、本文の理解に時間を回す。「戻れるかどうか」が先読みの深さを決める。

確認テスト

  1. 1
    長文の先読みで基本となる深さは?
  2. 2
    事前質問の研究で、比較的はっきりしている結果は?
  3. 3
    Why did Dr. Lee change her mind? を先読みした。本文で特に注意するのは?
  4. 4
    最終問がタイトル選択の時、先読みで決めることは?
  5. 5
    リスニングで選択肢まで先読みするのが基本な理由は?

参考にした資料

設問の先読みを一覧にまとめ、A4 2枚で印刷できる無料PDFにしました。Web版は赤シート・覚えたチェック・カード・4択テストつき。

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