まずはこの3つ
- 報道は結論が先、論説・エッセイは後半に主張が多い
- 科学記事の may・suggest・linked to は断定に変えない
- 引用は「誰の言葉か」。記者や筆者の意見と混ぜない
出典になりやすい英文の種類と型
種類ごとに、要点が置かれやすい場所の傾向がある。最後は本文の流れで確認する。
| 種類 | 主な掲載先 | 文章の型 | 要点の位置 |
|---|---|---|---|
| 報道記事 | 新聞・通信社のニュース | 結論→詳細→背景(逆ピラミッド) | 第1段落 |
| 論説・コラム | 新聞・雑誌の意見欄 | 問題提起→一般論→反論→主張 | 逆接の後・最終段落 |
| 特集・ルポ | 新聞・雑誌の長い記事 | 人物の場面→要点の段落→展開 | 冒頭の場面の直後 |
| 科学ニュース | 科学ニュースサイト・科学欄 | 発見→方法→専門家の声→限界 | 第1段落と最後の留保 |
| 研究者の解説 | 研究者が一般向けに書く記事 | 身近な疑問→研究の紹介→意味 | 冒頭の問いの答え |
| 一般書 | 科学・心理・歴史の一般向けの本 | 章の一部を抜き出したもの | 段落の主題文 |
| エッセイ・体験記 | 一人称のコラム・随筆 | 体験→気づき→一般化 | I realized の後 |
| 物語・小説 | 短編・長編の一部 | 場面と心情の変化 | 結末・最後のセリフ |
報道・特集記事の読み方4
- 1第1段落に答えがある報道記事は、いちばん大事な事実(誰が・何を・いつ・どこで)を最初の1〜2文に置く。後の段落ほど細部と背景になる。A small town in Spain has banned cars from its center, hoping to cut air pollution.スペインの小さな町が、大気汚染を減らそうと中心部への車の乗り入れを禁止した。(これが記事の結論)
- 2引用は誰の言葉かsaid / told / according to の中身は情報源(取材相手・資料)の言葉で、記者の意見ではない(事実報告のことも意見のこともある)。「筆者は〜と考えている」という選択肢は、誰の言葉かを確認する。"This is just the beginning," said the mayor.「これはほんの始まりだ」と市長は言った。(市長の意見)
- 3見出しには独特の文法過去の出来事も現在形で書く、予定は to+動詞、冠詞と be 動詞は省くことが多い。タイトル選択の選択肢も、この見出しの形で書かれることがある。Scientists find ancient city under lake科学者らが湖底で古代都市を発見(現在形=過去の出来事)Mayor to step down next month市長、来月辞任へ(to=これからの予定)
- 4特集は「要点の段落」を探す長い特集記事は、ある人物の具体的な場面から始まり、その直後に「この話は〜という大きな流れの一例だ」と記事の要点を述べる段落が来る。Maria is one of millions of young people who now work from home.マリアは、今や自宅で働く何百万人もの若者の一人だ。(場面→全体の話題へ)
科学ニュースの読み方5
設問で最も差がつく型。発見・方法・限界の3つを分けて読む。
- 1研究報告の決まり文句A new study suggests that… / Researchers found that… / published in(学術誌名)。that 以下が発見の中身で、第1段落にまとまっている。A new study suggests that short walks after meals may lower blood sugar.新しい研究によると、食後の短い散歩が血糖値を下げるかもしれない。
- 2ぼかし語の強さを保つmay / might / could / suggest / appear to は「断定していない」合図。選択肢で現在形の断定に変わっていたら言い過ぎ。
- 3linked to は因果ではないbe linked to / be associated with / be related to は「関係がある(相関)」だけ。cause / lead to(原因になる)と読みかえると誤答。Heavy social media use is linked to poor sleep.SNSの使いすぎは睡眠の質の悪さと関係がある。(どちらが原因かは言っていない)
- 4留保の段落は設問の宝庫However, the researchers caution that… / The study was small / More research is needed。研究の限界は内容一致の定番。The researchers caution that the study only included adults over 60.研究者らは、この研究が60歳を超える大人しか対象にしていない点に注意を促している。
- 5研究に関わっていない専門家who was not involved in the study は第三者の評価の合図。研究者本人の主張と、外部の専門家の意見を区別する。
論説・一般書・エッセイの読み方4
- 1論説は筆者の立場が明確一人称(I / we)や should / must / need to が立場の手がかり。前半の一般論を逆接でひっくり返す型が多い。※冒頭で主張を言い切る論説もある。
- 2一般書の抜粋は文脈が欠ける本の途中から切り出すため、as we saw earlier のような前の章への言及が出ることがある。分からない所は深追いせず、段落の主題文を追う。
- 3研究者の解説は問いから入るWhy do we…? / Have you ever wondered…? と身近な疑問で始め、自分や他の研究者の研究で答えることが多い。冒頭の問いと、その答えの段落を結ぶ。
- 4体験記は気づきが主張体験そのものより、終盤に多い気づき(I realized / I learned / Looking back)と、主語が I から we・people に広がる所が主張の手がかり。
原田英語の分析:The Guardian
原田英語の分析では、英紙 The Guardian の記事が日本の大学入試の長文によく使われている。理由として、無料で全文が読めること(※利用状況により無料登録を求められることもある)、環境・テクノロジー・心理学・教育などテーマが幅広いことを挙げる。狙われやすい記事の型は、論説(Opinion)、長い特集(The Long Read)、一人称の体験記(Experience)の3つだとしている。
入試用の書き換えで起きること
出典の英文は、そのままではなく出題用に手が入ることが多い。
| 書き換え | 読むときの注意 |
|---|---|
| 難しい語に注(*)をつける | 注は先に見る。話題と難語が分かる |
| 段落や文を削る | つながりが急な所は、削られた所と割り切る |
| 語や文を易しく言い換える | 原文より読みやすい。知らない語は推測でよい |
| タイトルを付けかえる・外す | タイトル問題は本文全体から判断する |
その読み方、ここでずれる4
- ✕本文の may reduce stress を「ストレスを減らす」と読む○may のぼかしを保った選択肢を選ぶ可能性を断定にすり替える定番の言い過ぎ
- ✕linked to を「〜が原因で」と訳す○「〜と関係がある」と訳し、因果は保留相関と因果のすり替えは科学記事の頻出ダミー
- ✕記事中の専門家の発言を筆者の意見とする○said / according to の主語を確認する報道記事の記者は中立が原則。意見は取材相手のもの
- ✕見出しの現在形を「今起きていること」と読む○見出しの現在形は、たいてい過去の出来事見出しは現在形で臨場感を出す決まり
練習での読み方(1本15〜20分)6
本物の記事で練習するときの手順。入試の長文の予習にもなる。
- 1見出しと第1段落を読む報道なら結論、論説なら問題提起がここにある。
- 2種類を判定する報道・論説・特集・科学・エッセイのどれか。要点の位置が決まる。
- 3要点に線、引用に印誰の言葉かを区別しながら、段落ごとに一言でメモ。
- 43行で要約する日本語でよい。言えなければ主張をつかめていない。
- 5語は5つだけ記録全部調べない。くり返し出た語・話題の中心の語だけ。
- 6時間を記録する語数と時間からWPMを計算し、伸びを記録する(→速読の科学)。
本物の英文に触れる5
確認テスト
- 1報道記事で、いちばん大事な事実が置かれやすいのは?正解は 第1段落。結論→詳細→背景の逆ピラミッド
- 2Eating breakfast is associated with better grades. から言えるのは?正解は 朝食と成績には関係がある。associated with=相関だけ
- 3見出し Teen climber to attempt Everest の意味は?正解は 10代の登山家がエベレストに挑む予定。見出しの to=これからの予定
- 4科学ニュースで内容一致の設問になりやすい段落は?正解は 研究の限界を述べる段落。caution / more research is needed
参考にした資料
長文の出典メディアを一覧にまとめ、A4 3枚で印刷できる無料PDFにしました。Web版は赤シート・覚えたチェック・カード・4択テストつき。