WASEDA / SCHOOL OF COMMERCE
早稲田 商学部の英語は
200点中80点。落とせない
2022〜2026年の全25大問を1問単位で解剖。
2025・2026年度は問題冊子と解答例の原本で全設問を検証しました
早稲田商学部の英語は、地歴・公民型で200点中80点=40%。早稲田の文系学部の中でも英語の比重が突出して高い設計です。
そして中身も独特です。マーク一辺倒ではなく記述問題が毎年5〜6問。大問Ⅰは5年連続で「同僚同士のオフィス会話」。出典は単行本ではなく、ほとんどが新聞・雑誌・ウェブメディアの記事です。
この記事では、2025・2026年度については問題冊子と解答例の原本にあたり、下線部の語句・空所の答えを1つ残らず拾いました。そこから逆算した暗記素材と解法、2027年度の予想までを渡します。
SECTION 01
まず全体像。英語40%という配点の重さ
商学部の一般選抜は2方式で、併願はできません。出願時にどちらか1つを選びます。
地歴・公民型
390名
外国語(90分/80点)・国語(60分/60点)・地歴公民(60分/60点)=計200点
数学型
150名
外国語(90分/60点)・国語(60分/60点)・数学(90分/60点)=計180点
英語の問題は両方式で同一です。数学型では素点80点を60点に調整して使います。したがって英語の比重は、地歴・公民型で40%(80/200)、数学型で33%(60/180)。地歴・公民型の40%は、早稲田の文系学部の中でも最上位クラスの重さです。
試験日は2月21日、1時限(10:00〜11:30)が外国語。国語と地歴公民が各60分なのに対し、英語だけが90分という点にも注目してください。それだけ英語で差をつけさせる設計になっています。
英語4技能テスト利用型は、もうありません
商学部の「一般選抜(英語4技能テスト利用型)」は2024年度入試を最後に募集停止となり、2025年度入試以降は実施されていません。同時に地歴・公民型の募集人員が355名から390名へ増員されています。
古い対策記事には4技能型の記述が残っていることがあるので注意してください。いまの商学部を受けるなら、英語の学科試験は避けて通れません。
問題の骨格──5年間変わらない5題構成
Ⅰ
会話文
同僚同士のオフィス会話。約365〜487語。10択の空所補充+下線部言い換え+記述
Ⅱ〜Ⅴ
長文読解4本
1本あたり約510〜1,230語(実測、平均約780語)。設問は3〜6問構成
語数について、正直に書いておきます。市販の過去問データベースでは著作権処理の都合により英文が省略されている大問があります。ただし2025・2026年度は問題冊子の原本で全5題を確認済みです。5題すべてが読める2024年度で本文計3,766語、2022年度で3,027語。おおむね年3,000〜3,800語と見ておけば実態から外れません。
90分で3,000語超を読み、しかもマークと記述の両方を処理する。これが商学部の英語です。速く読む力と、書ける力の両方が要求されます。
2025年度には公式の「問題訂正」が出ています
2025年度の英語では、大学から入試問題の訂正が公表されました。問題冊子5ページ、Ⅱ設問3の1.の選択肢(d)が、
(誤)increased opportunities … →(正)many opportunities …
という内容です。本文には lots of outdoor free play とあり、「増えた機会」では本文とずれてしまうための訂正でした。
過去問を解くときは、大学公式サイトの訂正情報も必ず確認してください。市販の問題集が訂正前の表記のままになっていることがあります。
SECTION 02
過去5年 出題マップ──25大問を1枚に並べる
2022〜2026年に出た英文と出典を並べます。商学部の性格が一目で分かります。
2026
Ⅰ
展示会用のノベルティ(swag)の予算が抜けていた、と同僚に相談する会話
Ⅱ
学資積立プラン(529プラン)離れと、柔軟な資産形成/The New York Times, 2025年7月26日
Ⅲ
AIチャットボットでスペイン語を学んだ筆者の体験記/The Guardian, 2025年3月24日
Ⅳ
内言(inner speech)を読み取る脳インプラントと、パスワードによる保護/Nature, 2025年8月14日
Ⅴ
AI音楽と、学習データにされたアーティストへの報酬/WIPO Magazine, 2025年5月6日
2025
Ⅰ
人事評価がうまくいったので昇給を求めるべきか、と同僚に相談する会話
Ⅱ
子どものスポーツにも労働法のような最低年齢規制が必要か/The New York Times, 2024年7月26日
Ⅲ
幸福を追い求めるほど不幸になる(Maussらの研究)/The Guardian, 2021年1月10日
Ⅳ
レストラン業界のグリーンテック導入と食品ロス/Restaurant Technology News, 2024年4月22日
Ⅴ
AIの時代に人間は何が得意か/予測AIの落とし穴/The New Yorker, 2024年8月6日
2024
Ⅰ
商談をダブルブッキングしてしまい、同僚に助けを求める会話
Ⅱ
ティム・バーナーズ=リーとウェブの初期構想/slate.com, 2022年12月3日
Ⅲ
スーパーヨットは気候に対する窃盗か/The New York Times, 2023年4月10日
Ⅳ
2023年はAIの転換点だったのか/forbes.com, 2023年6月23日
Ⅴ
リーダーシップの「MOVE」フレームワーク/Harvard Business Review, 2023年1-2月号
2023
Ⅰ
PRコンサル募集の締切をめぐって電話で打ち合わせる会話
Ⅱ
なぜ嫌われるセルフレジが小売を席巻するのか/CNN Business, 2022年7月10日
Ⅲ
赤城乳業の値上げ謝罪CMと日本の値上げ/The Wall Street Journal, 2022年8月11日
Ⅳ
運動が食欲を抑える仕組み(抗空腹分子)/The Times, 2022年8月9日
Ⅴ
iPhone紛失から始まった米中のネット交流/M. Steger『Globalization: A Very Short Introduction』2020
2022
Ⅰ
近所の友人に頼みごとをする電話の会話
Ⅱ
マラソンが教える「不快でいることに慣れる」力/thecut.com, 2016年6月29日
Ⅲ
幼児期健忘──なぜ赤ん坊の記憶は残らないのか/cnn.com, 2021年8月13日
Ⅳ
エルサルバドルのビットコイン法定通貨化/slate.com, 2021年6月16日
Ⅴ
多様性と企業業績のビジネスケース/McKinsey『Diversity wins: How inclusion matters』2020
この表から読み取れる3つの事実
① 長文20本のうち18本が新聞・雑誌・ウェブメディアの記事です。NYT、Guardian、WSJ、CNN、Forbes、Harvard Business Review、The New Yorker、Nature、slate。単行本・報告書は2本だけ。文学部・文化構想学部が単行本中心なのと正反対です。
② 記事が新しい。2026年度入試(2026年2月実施)で使われた4本は、2025年3月・5月・7月・8月に公開されたもの。試験のわずか半年〜1年前の記事です。
③ テーマはビジネス・経済・テクノロジー・健康科学が軸。学資プラン、値上げ、ビットコイン、AI、多様性経営、リーダーシップ。商学部らしい選定が一貫しています。
SECTION 03
大問Ⅰ 会話文|2026年度に起きた「10択の二段構え」
商学部の大問Ⅰは、5年連続で職場の会話です。約365〜487語と短く、ここは最速で終わらせるべき大問です。
ところが2026年度で構成が変わりました。原本で確認した違いは、次のとおりです。
設問1
会話表現の10択(5問)
前置詞の10択(4問)/新設
設問2
下線部(イ)〜(ハ)の言い換え
会話表現の10択(4問)
設問3
記述(整序・英訳・抜き出し)
下線部(イ)〜(ハ)の言い換え
つまり「10個から選び、各選択肢は一度だけ」という枠を2つに増やしたのが2026年度の変化です。そして注目すべきは、増えた枠が前置詞だったこと。実際に問われたのは次の4つです。
before you went home( ⅰ )the day → for その日はもう終わり、の for
( ⅱ )the minimum, we should be ready … → at at the minimum(最低でも)
We don’t want to stand( ⅲ )as the one company that is too cheap … → out stand out(悪目立ちする)
I’ll be( ⅳ )contact again later. → in in contact(連絡を取る)
選択肢は along / among / at / away / before / for / in / out / to / with の10個。難単語はひとつもありません。句動詞と前置詞句を、意味ではなく形で押さえているかを見ています。
会話文には、設問になっていないイディオムも大量に埋まっている
ここが見落とされがちです。設問になっている表現だけを覚えても足りません。2025年度の会話文を原本で読むと、本文中にこれだけ入っています。
over the moon(大喜びで)/gave it the thumbs up(承認した)/learned the ropes(コツを覚えた)/went above and beyond(期待以上のことをした)/rock the boat(波風を立てる)/ahead of the pack(周囲より抜きん出て)/a hot job market(売り手市場)/strike while the iron is hot(好機を逃さない)/a no-brainer(考えるまでもないこと)/Thanks a million(本当にありがとう)/The quicker the better(早いほどよい)
このうち設問になったのは over the moon、went above and beyond、a no-brainer の3つだけ。残り8つは「読めて当然」として扱われています。会話文を読み切るには、設問の倍の量のイディオムが要る、ということです。
2026年度の下線部3つも同じ発想
pay out of pocket(自腹で払う)→ 正解は personally/spring for tote bags(おごって買う)→ pay/cover it(費用をまかなう)→ make up for。
いずれも「基本語の口語的な用法」です。難単語ではなく、cover や spring のような普通の語が別の意味で使われたときに反応できるか。そこが問われています。
SECTION 04
記述26問の正体|19問が語句整序だった
商学部が文学部・文化構想学部と決定的に違うのが、ここです。記述問題が毎年5〜6問出ます。過去5年で計26問。内訳を数えました。
語句整序
19問
空所を埋めるために〔 〕内の語を並べ替える。圧倒的な主役
本文からの抜き出し
4問
下線部の内容を具体的に書いた箇所を、語数指定で抜き出す
日本語の英訳
2問
会話中の日本語を英訳。語数や使用語の指定つき(2023・2024)
書き換え
1問
下線文の書き換えとなるように適語を書く(2023年度Ⅱ)
つまり記述対策=語句整序対策と言い切ってよい構成です。そして商学部の語句整序には、4つの条件パターンがあります。ここを知らずに本番で初見だと、確実に時間を食われます。
すべての語を使う
8問
余りなし。1語でも余ったら組み立てが間違っている
不要な語が2つ含まれる
7問
最頻出のひっかけ。似た語(higher/higherなど)が並ぶ
不要な語が1つ含まれる
2問
2022年度Ⅲ、2025年度Ⅰ
足りない語を1語補う
2問
2023年度Ⅲ、2024年度Ⅰ。自分で語を足す最難関パターン
(併記)n番目の語が指定
5問
三番目・四番目・五番目の語が与えられる。強力なヒント
2026年度は「1つの設問で2か所」という新形式も出た
2026年度Ⅴの設問5は、【X】と【Y】の2か所を、1つの語群から並べ替えて両方作るという形式でした。しかも「大文字小文字の区別はしない」「【X】の三番目の語は与えられている」という条件つき。
正解は X:The more (we) are exposed to / Y:the stronger those connections。the 比較級構文を、前半と後半に分けて作らせる設計です。
語群は are / connections / exposed / more / stronger / the / the / those / to の9語。2か所に分けて全部使い切るという発想を知らないと、手が止まります。
残り7問の記述──抜き出し4問は「語数指定」が命
語句整序以外の7問のうち、4問が本文からの抜き出しです。共通しているのは語数が指定されていること。2022年度は「連続した2語」、2024年度は「2語」、2023年度は「6語」、そして2025年度Ⅴは「9語以上14語以内」でした。
2025年度Ⅴの下線部(A) the correlation が指す内容を抜き出す問題。正解は
patients with asthma tended to recover from pneumonia faster(thatを含めても可)。
数えるとちょうど9語で、指定の下限ぴったりです。「9語以上14語以内」と言われたら、本文中で意味の切れ目になる9〜14語のかたまりを探す。長すぎても短すぎても0点なので、書き写したあとに必ず指で数えてください。
【STEP 0】条件を丸で囲む(ここを読み飛ばすと全滅)
□ すべての語を使う(余りなし)
□ 不要な語が1つ/2つ
□ 足りない語を1語補う → 補うのは機能語(no/so/to/that/of)
□ n番目の語が指定されている
□ 空所が2か所ある(2026年度Ⅴの新形式)
【STEP 1】空所の前後を先に読み、文型を決める
空所の前が主語で切れている → 動詞から始まる
空所の前が前置詞 → 動名詞か名詞から始まる
空所の後ろにピリオド → 空所の中で文が完結する
【STEP 2】語群から「動詞」と「接続詞・関係詞」を抜き出す
動詞の数=節の数。動詞が2つなら接続詞か関係詞が要る
動詞が2つあるのに接続詞がない → それが「足りない語」
【STEP 3】かたまりを作る
to+動詞原形/助動詞+原形/前置詞+名詞
冠詞a・theは必ず名詞とセットにする
the が2つ以上ある → the 比較級構文を疑う
【STEP 4】n番目の指定があれば、そこから逆算する
三番目が決まっているなら、1〜2番目の候補は激減する
【STEP 5】並べたら声に出して読む
余りが出た → 条件を読み直す(不要語ありだったか)
足りない → 機能語を1語補う
【STEP 6】本文に戻して意味が通るか確認
整序は文法問題ではなく読解問題。文脈で最終確認する
SECTION 05
下線部言い換え──2025・2026の全38問を公開
マーク問題で最も多いのが下線部の言い換えです。5年で26設問群。2025・2026年度については、問題冊子の原本から下線部の語句と正解をすべて拾いました。ここが本記事の中核です。
2025年度|語句レベルの言い換え17問
Ⅰ 会話文(人事評価と昇給)
over the moon 大喜びで → delighted/went above and beyond 期待以上のことをした → did more than expected/a no-brainer 考えるまでもない → an obvious choice
Ⅱ 子どものスポーツと最低年齢
imposed 課した → mandated/condemned 非難した → denounced/exorbitant 法外な → outrageous/devised 考案した → formulated
Ⅲ 幸福の追求というパラドックス
bemusement 困惑 → confusion/counterintuitive 直感に反する → unexpected/inadvertently うっかり → accidentally
Ⅳ レストランのグリーンテック
implications 影響・帰結 → consequences/substantial かなりの → considerable/facilitated 促進された → assisted
Ⅴ AIと人間の強み
agonize over 苦悩して迷う → carefully consider/conundrum 難問 → dilemma/on the cusp of 〜の瀬戸際に → at the tipping point of/fallibility 誤りうること → imperfection
2026年度|語句レベルの言い換え14問
Ⅰ 会話文(展示会のノベルティ予算)
pay out of pocket 自腹で払う → personally/spring for おごって買う → pay/cover 費用をまかなう → make up for
Ⅲ AIチャットボットで学ぶスペイン語
cue きっかけの言葉 → prompt/amplify 増幅する → expand/obscure 分かりにくい・マイナーな → rarely considered
Ⅳ 内言を読み取る脳インプラント
straightforward 単純明快な → simple/exhausting and uncomfortable → fatiguing and unpleasant/impairments 障害 → deficiencies
Ⅴ AI音楽とアーティストへの報酬
painstakingly 丹念に → carefully/remunerates 報酬を払う → rewards/posits 措定する・主張する → proposes/Given 〜が与えられれば → With/precludes 妨げる → prevents
31語を並べて分かる、商学部の語彙レベル
exorbitant、conundrum、fallibility、remunerates、precludes、counterintuitive。準1級〜1級レベルの単語が確かに混ざります。ただし半分は over the moon、spring for、cover、Given のような基本語の別用法です。
とくに2026年度Ⅴの Given an input → With an input は象徴的でした。Given を「与えられた」と訳す知識ではなく、前置詞的に「〜があれば」と読む感覚が問われています。難単語帳だけでは埋まらない部分です。
文単位の言い換え7問──これは語彙問題ではない
下線部が文まるごとで、その解釈を選ばせる形式が別にあります。2025年度Ⅱで3問、2026年度Ⅲで4問。設問文も「意味にもっとも近いもの」ではなく「内容にもっとも近いもの」「言い換えとしてもっとも適当なもの」と書き分けられています。
2025年度Ⅱ
・a model for youth sports that isn’t hellbent on producing Olympians(オリンピック選手の量産に血眼になっていない仕組み)
・It’s hard not to swoon over these athletic wunderkinds(天才少年少女に見とれずにはいられない)
・a system that allows scant room for dabbling in multiple sports(複数競技をつまみ食いする余地がほとんどない仕組み)
2026年度Ⅲ
・I’d never attempt such an ambitious sentence with a human, but Christian, an AI chatbot, gets me.
・Sophisticated chatbots can remove these “disfluencies” because they’re trained to recognise patterns that don’t contribute to meaning.
・As much as I enjoy Christian’s company, he’s no Maria.
・I also want to learn how to simultaneously listen and formulate a reply.
見てのとおり、hellbent on、swoon over、dabble in、no Maria(マリアには及ばない)のような比喩と口語が仕込まれています。前後2文を読まずに選ぶと必ず外れます。この7問は語彙問題ではなく読解問題です。
2025・2026 下線部言い換え31語(暗記用リスト)
コピー
【2025年度】
over the moon → delighted/大喜びで
went above and beyond → did more than expected/期待以上のことをした
a no-brainer → an obvious choice/考えるまでもないこと
imposed → mandated/課した
condemned → denounced/非難した
exorbitant → outrageous/法外な
devised → formulated/考案した
bemusement → confusion/困惑
counterintuitive → unexpected/直感に反する
inadvertently → accidentally/うっかり
implications → consequences/影響、帰結
substantial → considerable/かなりの
facilitated → assisted/促進された
agonize over → carefully consider/苦悩して迷う
conundrum → dilemma/難問
on the cusp of → at the tipping point of/〜の瀬戸際に
fallibility → imperfection/誤りうること
【2026年度】
pay out of pocket → personally/自腹で払う
spring for → pay/おごって買う
cover → make up for/費用をまかなう
cue → prompt/きっかけの言葉
amplify → expand/増幅する
obscure → rarely considered/マイナーな、分かりにくい
straightforward → simple/単純明快な
exhausting and uncomfortable → fatiguing and unpleasant
impairments → deficiencies/障害
painstakingly → carefully/丹念に
remunerates → rewards/報酬を払う
posits → proposes/主張する
Given 〜 → With 〜/〜があれば
precludes → prevents/妨げる
【文単位で問われた表現(前後2文を読んで解く)】
hellbent on -ing/〜に血眼になっている
swoon over/〜に見とれる
dabble in/〜をつまみ食い程度にやる
he's no Maria/マリアには到底かなわない
disfluencies/言いよどみ
SECTION 06
空所補充──2026年度Ⅱの「A〜J 10連発」を解剖
空所補充は5年で24設問群。言い換えに次ぐ第2の柱です。そして2026年度Ⅱでは、1つの長文に空所が(A)〜(J)の10個という、この学部で最大規模の空所補充が出ました。原本から全10問の正解を並べます。
A
Wanting
分詞構文。Wanting to learn more,+主節
B
into
lock funds into 〜(資金を〜に縛りつける)
C
While
対比の接続詞。「65%が貯蓄する一方で、529利用は4分の1未満」
D
Among
Among those who 〜(〜した人のうち)
E
ballooning
分詞の形容詞用法。ballooning tuition costs(膨れ上がる学費)
to
be subject to 〜(〜の対象となる)
across
come across 〜(偶然見つける)
H
land
land a job(職を得る)。hire・quitとの区別
I
avenue
avenue=手段・選択肢。bypass・detourとの区別
J
over
control over 〜(〜に対する裁量)
10問中6問が「前置詞・接続詞・分詞」
into、While、Among、to、across、over。半分以上が機能語です。残る ballooning・land・avenue・Wanting も、難単語というよりコロケーションと品詞の問題。
つまり2026年度Ⅱの10連発は、実質的に「前置詞・句動詞・分詞の総合テスト」でした。大問Ⅰ設問1の前置詞10択と、完全に同じ狙いです。
もう一つの型──接続副詞の空所
2026年度Ⅴと2025年度Ⅲには、段落と段落をつなぐ副詞を選ぶ空所が並びました。
2026年度Ⅴ:Therefore(だから)/For instance(たとえば)/Instead(そうではなく)/Unless(〜でない限り)
2025年度Ⅲ:Far from(〜どころか)/replicated(追試された)/savour(味わう)
とくに2026年度Ⅴの Instead は、「脳は録音のように曲を丸ごと保存しない。そうではなく、パターンを符号化する神経経路を作る」という否定→訂正の流れ。空所の前が否定文なら Instead を疑う、という反射を持っておくと速いです。
■ まず「選択肢の品詞」を見て、問題の型を判定する
前置詞が4つ並ぶ → コロケーション問題。直前の動詞・形容詞だけ見る
接続副詞が4つ並ぶ → 論理問題。空所の前後の文の関係だけ見る
-ing / -ed / to 不定詞が混ざる → 分詞構文か形容詞用法。主語との関係を見る
名詞が4つ並ぶ → 語義問題。本文のテーマ語彙とつながるものを選ぶ
■ 接続副詞の反射
前が否定文 → Instead(そうではなく)
前が一般論、後ろが具体例 → For instance
前が原因、後ろが結果 → Therefore / Consequently
前後が逆 → In contrast / On the contrary / Far from
条件を足す → Unless / Assuming / Provided
■ 前置詞のコロケーション(2025・2026の実出題)
be good at / hinge on / step in / look upward at
lock A into B / be subject to / come across / control over
for the day / at the minimum / stand out / be in contact
■ 消去の共通ルール
選択肢を入れて、その一文だけを声に出して読む
文法的に破綻するものはその場で消える
残った2つは、段落全体の論理で決める
■ 時間ルール
1問45秒。10問並ぶ大問では、確信のあるものから埋める
迷ったものは飛ばし、他が埋まってから残りで消去する
下線部の言い換え
26設問群
ほぼ全大問に出る。最頻出
空所補充
24設問群
前置詞・接続副詞・語句。2026年度Ⅱは10連発
内容一致(4択)
16設問群
1設問群あたり3〜5問
タイトル選択
6問
2026年度は2問、2023年度も2問。2022年度は0問
T/F判定
4設問群
2022年度に2群、2024・2025年度に各1群。1群5〜7問
T/Fは出た年に大量失点する
2025年度Ⅳは
7問、2024年度Ⅳは5問。出る年はまとまった配点が動きます。2025年度Ⅳの正解は
F・T・
F・
F・T・T・T で、
Tが4つ、Fが3つ。偏りを期待して勘で埋めるのは危険です。
2025年度Ⅳの(1)は「予測不能な風のエリアに風力タービンを導入したことで、再生可能エネルギーを使うレストランが2022年から2023年で5分の1増えた」→
F。本文は「安定した風のパターンがある地域(consistent wind patterns)」であり、20%増の原因も限定していません。
「本文に似た数字がある」だけでTにすると、確実に落とします。条件・因果・範囲の3点を必ず照合してください。
2026年度Ⅴの「見出し組み合わせ」は逆算で解く
本文の5つのパートに入る見出しを1〜5から選び、その
組み合わせを(a)〜(h)から1つ選ぶ形式です。正解は
(g)、すなわち〔イ〕4→〔ロ〕3→〔ハ〕2→〔ニ〕1→〔ホ〕5でした。
見出しは、1. AI music training detector/2. Ethical AI music generator from text/3. How AI music is made/4. How we learn music — the original neural network/5. Licensing music datasets for machine learning。
解き方:8つの選択肢すべてで〔イ〕が4に固定されています。つまり〔イ〕は考えるだけ無駄。差がつくのは〔ロ〕〜〔ホ〕だけです。確信のある1つを決めれば、8択が2〜3択に落ちます。
この「選択肢の共通部分を先に消す」やり方は、組み合わせ問題の鉄則です。5つを独立に考えてはいけません。
SECTION 08
会話表現50──大問Ⅰの実出題リスト全公開
大問Ⅰの10択は、毎年10個×5年で50個。全部並べます。★が正解。各選択肢は一度しか使えないルールなので、選ばれなかった表現も含めて覚える価値があります。
2026年度|来年度の予算案を相談する会話
★You could say that. まあそんなところだね/★Why would we need that? なぜそれが必要なの?/★It’s not that simple. そう単純じゃないんだ/★Keep me in the loop. 逐一知らせておいて
(選ばれなかった6つ)How dare you say that? よくもそんなことを/I’ll get back to you. 後で連絡するよ/I’ll stay on top of it. 私が把握しておく/That’s the spirit. その意気だ/We’re in the same boat. お互い様だね/Why don’t we keep it? そのままにしない?
2025年度|人事評価と昇給を相談する会話
★Way to go! よくやった!/★Don’t sweat it! 気にしないで/★I’d better sit tight. じっと待つほうがよさそうだ/★I’ll give it a go. やってみるよ/★Get back to me soon. すぐ連絡してね
(選ばれなかった5つ)It’s my fault. 私のせいだ/That doesn’t ring a bell. ピンとこない/That’s a shame. 残念だね/You’re on thin ice. 危ない橋を渡っている/You’ve got money to burn. 金が有り余っている
2024年度|商談のダブルブッキングを相談する会話
★Did you really? 本当に?/★Exactly. まさにそのとおり/★I get that. それは分かるよ/★Never mind. 気にしないで/★Sure thing. もちろん、いいよ
(選ばれなかった5つ)Count me in. 私も参加する/Don’t mention it. どういたしまして/I can’t say for sure. はっきりとは言えない/I made it up. でっち上げた/Who else? 他に誰が?
2023年度|PRコンサル募集の締切をめぐる電話
★Never been better! 絶好調だよ/★I’m glad to hear that! それはよかった/★It should be fine. 大丈夫なはずだ/★Point taken. 言いたいことは分かった/★That sounds good to me. それでいいと思う
(選ばれなかった5つ)Absolutely not. とんでもない/I wish I could. できればいいのだが/I’ll get back to you. 後で連絡する/That’s a pity. 残念だ/To each his own. 人それぞれだね
2022年度|近所の友人に頼みごとをする電話
★I’m glad to hear that. それはよかった/★I should warn you, though. ただ、言っておくけど/★I’m happy to help. 喜んで手伝うよ/★Better you than me! 自分じゃなくてよかった/★I owe you one. 借りができたね
(選ばれなかった5つ)How does that sound? どう思う?/I can’t complain. まあ悪くないよ/I can’t help you there. それは力になれない/I hadn’t thought of that. それは考えていなかった/I have no idea. 見当もつかない
50個を分類すると、覚えるべきものが見える
応答・相づち(Exactly. / I get that. / Point taken. / You could say that.)、承諾と辞退(Sure thing. / Count me in. / I wish I could. / I can’t help you there.)、励ましと慰め(Way to go! / Don’t sweat it! / That’s the spirit. / Never mind.)、状況報告(Never been better! / I can’t complain. / I’d better sit tight.)、依頼と約束(Keep me in the loop. / I’ll get back to you. / I owe you one.)。
この5グループで50個のほぼ全部を占めます。単語帳ではなく、口語表現集を1冊やることが直接得点になります。
【過去5年で正解になったもの(24個)】
You could say that./まあそんなところだ
Why would we need that?/なぜそれが必要なの?
It's not that simple./そう単純じゃない
Keep me in the loop./逐一知らせておいて
Way to go!/よくやった!
Don't sweat it!/気にしないで
I'd better sit tight./じっと待つほうがよさそうだ
I'll give it a go./やってみるよ
Get back to me soon./すぐ連絡してね
Did you really?/本当に?
Exactly./まさにそのとおり
I get that./それは分かるよ
Never mind./気にしないで
Sure thing./もちろん、いいよ
Never been better!/絶好調だよ
I'm glad to hear that!/それはよかった
It should be fine./大丈夫なはずだ
Point taken./言いたいことは分かった
That sounds good to me./それでいいと思う
I should warn you, though./ただ、言っておくけど
I'm happy to help./喜んで手伝うよ
Better you than me!/自分じゃなくてよかった
I owe you one./借りができたね
I'll get back to you./後で連絡するよ
【ダミーで出た=正解になってもおかしくない(26個)】
How dare you say that?/よくもそんなことを
I'll stay on top of it./私が把握しておく
That's the spirit./その意気だ
We're in the same boat./お互い様だね
Why don't we keep it?/そのままにしない?
It's my fault./私のせいだ
That doesn't ring a bell./ピンとこない
That's a shame./残念だね
You're on thin ice./危ない橋を渡っている
You've got money to burn./金が有り余っている
Count me in./私も参加する
Don't mention it./どういたしまして
I can't say for sure./はっきりとは言えない
I made it up./でっち上げた
Who else?/他に誰が?
Absolutely not./とんでもない
I wish I could./できればいいのだが
That's a pity./残念だ
To each his own./人それぞれだね
How does that sound?/どう思う?
I can't complain./まあ悪くないよ
I can't help you there./それは力になれない
I hadn't thought of that./それは考えていなかった
I have no idea./見当もつかない
【同系統でまだ出ていない要注意表現(予想30)】
Fair enough./なるほど、もっともだ
That's a relief./それは安心した
No worries./気にしないで
It slipped my mind./うっかり忘れていた
I'm swamped./手が回らないほど忙しい
Let me sleep on it./一晩考えさせて
I'll take a rain check./またの機会にするよ
That's news to me./それは初耳だ
You have a point./一理あるね
I beg to differ./私は意見が違います
Let's play it by ear./臨機応変にやろう
It's up in the air./まだ未定だ
I'm all ears./ぜひ聞かせて
Suit yourself./好きにすれば
That's beside the point./それは論点ではない
I'll keep that in mind./覚えておきます
Don't get me wrong./誤解しないでほしい
Long story short./手短に言うと
That's easier said than done./言うは易し
Let's touch base next week./来週また連絡を取ろう
I'm on it./すぐ取りかかります
Consider it done./任せてください
That's not my call./私が決めることではない
It's a long shot./可能性は低いけどね
We'll cross that bridge when we come to it./その時に考えよう
I hate to break it to you./言いにくいのだけど
Let's call it a day./今日はここまでにしよう
I'm drawing a blank./まったく思い出せない
That works for me./それで大丈夫です
Better late than never./遅くてもやらないよりまし
SECTION 09
語句整序19問の全解答と、4つの条件パターン
記述の主役である語句整序を、5年分すべて並べます。正解を音読して、構文のクセを体に入れてください。同じ構文が繰り返し狙われていることが分かります。
2026 Ⅱ
すべての語を使う
made it tricky to find the right investment strategies
2026 Ⅲ
三番目の語を指定
my clients (often) make the corrections I’m hoping for
2026 Ⅳ
すべての語を使う
but those associated with internal speech were
2026 Ⅳ
四番目の語を指定
suggesting that the (BCI) can detect spontaneous self-talk
2026 Ⅴ
2か所・三番目指定
X:the more (we) are exposed to / Y:the stronger those connections
2025 Ⅰ
不要な語が1つ
likely to give you a raise
2025 Ⅱ
不要な語が2つ
to start putting the children’s interests
2025 Ⅲ
五番目の語を指定
as they recognised how (little) time they had to achieve it
2025 Ⅲ
すべての語を使う
of the many more exciting activities that they could have been
2024 Ⅰ
足りない語を1語補う
you are no longer available at that time
2024 Ⅱ
三番目の語を指定
a reasonable (approximation) of whether something you read
2024 Ⅲ
不要な語が2つ
making these overgrown toys a bit more costly
2023 Ⅲ
足りない語を1語補う
so that we can continue to ensure the survival of the
snack industry
2023 Ⅳ
不要な語が2つ
hold the key to understanding how exercise could aid weight loss
2023 Ⅴ
不要なものが2つ
Chinese people offering him help in finding ‘orange man’
2022 Ⅰ
不要な語が2つ
can I drop [come] by your place
2022 Ⅲ
不要な語が1つ
forming memories than with maintaining them
2022 Ⅳ
不要な語が2つ
not just holding Bitcoin but spending it too
2022 Ⅴ
不要な語が2つ
the higher the representation, the higher the likelihood of
19問を見て分かる、狙われる構文
the 比較級 〜, the 比較級 〜(2022Ⅴ、2026Ⅴ)が5年で2回。not just A but B(too)(2022Ⅳ)、make it C to do(2026Ⅱ)、so that S can V(2023Ⅲ)、how+形容詞+名詞(2025Ⅲ)、could have been(2025Ⅲ)、分詞の後置修飾(2026Ⅳ、2023Ⅴ)。
難構文ではありません。受験生が「知ってはいるが自分では組み立てられない」レベルの構文が、正確に選ばれています。だから対策は明快で、この19問を暗唱できるまで音読するのが最短です。
2026 Ⅱ made it tricky to find the right investment strategies
2026 Ⅲ my clients often make the corrections I'm hoping for
2026 Ⅳ but those associated with internal speech were
2026 Ⅳ suggesting that the BCI can detect spontaneous self-talk
2026 Ⅴ the more we are exposed to / the stronger those connections
2025 Ⅰ likely to give you a raise
2025 Ⅱ to start putting the children's interests
2025 Ⅲ as they recognised how little time they had to achieve it
2025 Ⅲ of the many more exciting activities that they could have been
2024 Ⅰ you are no longer available at that time
2024 Ⅱ a reasonable approximation of whether something you read
2024 Ⅲ making these overgrown toys a bit more costly
2023 Ⅲ so that we can continue to ensure the survival of the snack industry
2023 Ⅳ hold the key to understanding how exercise could aid weight loss
2023 Ⅴ Chinese people offering him help in finding 'orange man'
2022 Ⅰ can I drop by your place
2022 Ⅲ forming memories than with maintaining them
2022 Ⅳ not just holding Bitcoin but spending it too
2022 Ⅴ the higher the representation, the higher the likelihood of
【狙われた構文の一覧】
the 比較級 〜, the 比較級 〜/〜すればするほど…
not just A but B (too)/AだけでなくBも
make it C to do/〜するのをCにする
so that S can V/SがVできるように
how + 形容詞 + 名詞/どれほど〜か
could have been + 〜/〜だったかもしれない
分詞の後置修飾(those associated with 〜)
動名詞+前置詞(in finding / with maintaining)
be no longer 〜/もはや〜でない
hold the key to -ing/〜への鍵を握る
【記述の答案作法】
綴りミスは失点。書いたら必ず1語ずつ指で追って確認する
大文字・小文字、アポストロフィ、ピリオドまで写す
条件(不要語・補う語・n番目)を最後にもう一度読み返す
SECTION 10
出典はほぼ全部が「記事」──そこから何が言えるか
セクション02の出題マップで見たとおり、長文20本のうち18本が新聞・雑誌・ウェブメディアの記事でした。これは対策上、3つの意味を持ちます。
① 英文の構造が「記事型」になる
冒頭に具体的な人物やエピソード、次に一般化、そして専門家のコメント、最後に見通し。この順番がほぼ固定です。2026年度Ⅱも「サンディエゴのベイリー夫妻」から始まり、2023年度Ⅴも「バーでiPhoneをなくした記者」から始まります。
読み方:冒頭のエピソードは主張ではありません。「で、何が言いたいのか」は第2〜3段落に出ます。
② 固有名詞・数字・肩書きが大量に出る
記事なので、人名・企業名・研究機関名・パーセンテージが次々に登場します。2023年度Ⅱには「1,000人の買い物客の調査で67%が…」という数字が出てきます。
読み方:固有名詞は覚えず、記号として印をつけるだけ。ただし数字には必ず丸をつける。内容一致とT/Fは数字を狙ってきます。
③ 時事性が高い。ただし「知識」は要らない
2026年度は2025年3〜8月の記事が4本中4本。試験の半年〜1年前のニュースが素材になります。
ただし勘違いしないでください。背景知識がないと解けない問題は出ません。必要なのは知識ではなく、「そのテーマの英単語を知っていること」です。AI、気候、暗号資産、DEI、リスキリング。これらの分野語彙を押さえておけば十分です。
日々の英字ニュースが、そのまま対策になる唯一の学部
文学部が文芸批評、文化構想学部が学術書。それに対し商学部はジャーナリズムです。
だから対策も変わります。1日1本、英字ニュースのビジネス・テクノロジー欄を読む。これが商学部にとっては最も費用対効果の高い勉強です。しかも出典媒体は絞れています(NYT、Guardian、WSJ、CNN、Forbes、HBR、The New Yorker)。
記事を読むために必要な「分野語彙」
背景知識そのものは要りません。必要なのはそのテーマの英単語です。過去5年の20本から、繰り返し出てくる語を6分野に整理しました。これを押さえておけば、初見のテーマでも読み負けません。
【職場・キャリア】
performance review/人事評価
give someone a raise/昇給させる
budget proposal/予算案
stakeholder/利害関係者
deadline/締切
take over for/〜の代わりを務める
be on hand/すぐ対応できる状態にある
go to great lengths/骨を折る
keep someone in the loop/情報を共有し続ける
stay on top of/把握し続ける
【企業・経営】
business case/事業としての合理性
margin/利益率
operating cost/運営費
supply chain/供給網
disruption/破壊的変化
scale up/規模を拡大する
overhead/間接費
turnover/離職率、売上高
merger/合併
incentive/誘因、報奨
【経済・金融】
legal tender/法定通貨
volatility/変動の激しさ
inflation/price hike/物価上昇、値上げ
pass on costs/コストを転嫁する
purchasing power/購買力
subsidy/補助金
remittance/送金
portfolio/資産構成
return on investment/投資収益
recession/景気後退
【テクノロジー】
generative AI/生成AI
training data/学習データ
algorithm/アルゴリズム
automation/自動化
reskilling/学び直し
platform/プラットフォーム
decentralization/分散化
brain-computer interface/脳とコンピュータの接続
self-checkout/セルフレジ
tipping point/転換点
【サステナビリティ】
carbon footprint/炭素排出量
emissions/排出
sustainability/持続可能性
energy efficiency/エネルギー効率
food waste/食品ロス
carbon tax/炭素税
renewable/再生可能な
offset/相殺する
resource-hoarding/資源の独占
green technology/環境技術
【社会・組織】
diversity and inclusion/多様性と包摂
representation/(構成比としての)代表性
equity/公正
regulation/規制
exploitation/搾取
minimum age requirement/最低年齢要件
burnout/燃え尽き
well-being/心身の良好な状態
accountability/説明責任
transparency/透明性
SECTION 11
90分の時間配分と、解く順番
90分で本文3,000語超、マーク約60問、記述5〜6問。商学部で最も多い失敗は「記述に手が回らないまま終了」です。順番の設計がそのまま点数になります。
1番目
Ⅰ 会話文
12分
最短。記述も易しい。ここで確実に稼いでリズムを作る
2〜5番目
Ⅱ〜Ⅴ 長文
各18分
短い大問から着手。設問数と本文量をざっと見て順番を決める
残り
見直し
6分
記述の綴りと条件、マークずれの確認だけに使う
開始2分で「並べ替え問題」の場所だけ確認する
試験開始直後、まず全5大問をめくって記述問題(語句整序・抜き出し・英訳)がどこにあるかだけを確認し、問題番号に印をつけてください。5〜6か所です。
これをやっておくと、各大問を解くときに「この大問には記述が2つある」と分かった状態で時間を配れます。逆に確認せずに進むと、最後の大問で初めて記述2問に気づいて詰みます。
本番用タイムテーブル(過去問演習でそのまま使う)
コピー
開始 0分 ─ 全大問をめくり、記述問題の位置に印(2分)
2分 ─ 大問Ⅰ 会話文(記述まで含めて完了させる)
14分 ─ 長文1本目(短いものから)
32分 ─ 長文2本目
50分 ─ 長文3本目
68分 ─ 長文4本目
84分 ─ 見直し(記述の綴り/条件/マークずれ)
終了 90分
【途中チェックポイント】
14分時点で大問Ⅰが終わらない → 記述だけ残して次へ
50分時点で長文2本が終わっていない → 内容一致を優先し
言い換えを勘で埋める
84分に達したら、解いていない設問はすべて機械的に埋める
【捨てる基準】
言い換え・空所補充は1問45秒。超えたら飛ばす
内容一致は1問90秒。本文に戻って見つからなければ飛ばす
語句整序は3分。組み上がらなければ、部分的にでも書いて出す
→ 白紙は0点。並びが半分合っていれば拾える可能性がある
【最後の6分でやること】
1. 記述解答欄の綴りを1語ずつ指で追う
2. 条件(不要語・補う語・n番目)を読み直す
3. マーク番号のずれを、大問の変わり目だけ確認する
ここから先は過去5年の実測からの推定です。的中を保証するものではありません。
予想①|大問5題・会話文1本+長文4本(確度:極めて高い)
大問Ⅰが会話文、Ⅱ〜Ⅴが長文読解。5年間まったく揺れていません。記述も5〜6問で、うち3〜5問が語句整序という比率が続くとみています。
予想②|大問Ⅰの10択は「別の品詞」に化ける可能性
2026年度で、会話表現10択に加えて前置詞10択が新設されました。「10個から選び、各選択肢は一度だけ」という枠は維持されています。2027年度も会話表現は残るとみますが、そこに前置詞・副詞・句動詞の10択が併設される可能性は高い。熟語の前置詞まで詰めておくのが安全策です。
予想③|出典は引き続き「直近1年の記事」
2026年度は4本すべてが2025年3〜8月の記事でした。2027年度も2026年前半に公開された記事が中心になる可能性が高い。媒体はNYT、Guardian、WSJ、CNN、Forbes、Harvard Business Review、The New Yorker、Nature が有力です。
予想④|語句整序で狙われる構文
the 比較級構文は5年で2回出ています。加えて、まだ出ていないが商学部が好みそうな構文としてnot so much A as B/It is not until 〜 that/no sooner 〜 than/what is called/the way S V/had it not been for を挙げておきます。いずれも「知ってはいるが自力で組めない」レベルで、この学部の出題傾向にぴったり合致します。
予想⑤|T/F判定は「出る年と出ない年がある」
5年で4設問群。2022年度が2群、2024・2025年度が各1群で、2023年度と2026年度は0群でした。出る前提で練習はしておきつつ、出なくても慌てない。出た場合は1群5〜7問とまとまるので、その大問に時間を多めに配ります。
予想⑥|テーマ予想
4本の内訳は①AI・テクノロジー ②ビジネス・経済 ③健康・心理 ④社会課題という配分が5年続いています。2027年度もこの4点セットで来るとみています。
2027年度 予想トピック20(読み込んでおく順)
コピー
01 AIエージェントと業務の自動化 AI agent/workflow
02 AIと著作権・学習データの対価 licensing/opt-out
03 AI時代の採用と新卒市場 entry-level/hiring freeze
04 リスキリングと生涯学習 reskilling/upskilling
05 リモートワークと出社回帰 hybrid work/return-to-office
06 サブスクとダイナミック・プライシング subscription/surge pricing
07 インフレと賃上げ wage growth/cost of living
08 円安と輸出入 exchange rate/import cost
09 少子高齢化と労働力不足 labor shortage/aging society
10 サプライチェーンと経済安全保障 supply chain/reshoring
11 暗号資産とステーブルコイン stablecoin/regulation
12 キャッシュレスと金融包摂 cashless/financial inclusion
13 気候変動と企業の情報開示 disclosure/net zero
14 サーキュラーエコノミー circular economy/recycling
15 食料システムと代替タンパク alternative protein/food security
16 SNSと若者のメンタルヘルス screen time/well-being
17 睡眠・運動と生産性 sleep debt/cognitive performance
18 ジェンダーギャップと賃金格差 pay gap/glass ceiling
19 観光公害とオーバーツーリズム overtourism/carrying capacity
20 スポーツビジネスと放映権 broadcasting rights/sponsorship
【使い方】
1トピック15分。日本語の解説記事を1本読み、
上のキーワードを英語で書き出して意味を確認するだけでよい。
20トピック×15分=5時間。これで分野語彙の穴はほぼ埋まる。
【さらに効く習慣】
週3回、英字メディアのビジネス欄の見出しだけ10本読む。
商学部の長文はほぼ記事。見出しに慣れると
タイトル選択問題が驚くほど楽になる。
商学部志望は、記述(語句整序)を最初に始めるのが鉄則です。マーク対策は他学部の勉強と共通しますが、記述だけは商学部専用の時間が要ります。
1か月目
記述の土台
本記事の語句整序19問を暗唱できるまで音読。市販の整序問題集を1冊、通しで1周
2か月目
会話文と語彙
会話表現50+予想30を潰す。ビジネス語彙60を並行して回す
3か月目前半
通し演習
90分フルセットを週2回。必ず「開始2分で記述の位置を確認」から始める
3か月目後半
分野語彙と再演習
予想トピック20を消化。間違えた設問だけを3周目
前日
確認だけ
語句整序19問と会話表現50を眺める。新しい問題には手を出さない
他学部の過去問は流用しにくい
文学部と文化構想学部は大問構成が完全に同一なので相互に流用できますが、商学部の形式は早稲田の中でも独自です。会話文+長文4本+記述という組み合わせは他学部にありません。
したがって商学部の過去問は、可能な限り古い年度まで遡って解く価値があります。形式が独自であるぶん、慣れがそのまま点数になります。
SECTION 14
落ちる人に共通する7つのパターン
パターン1|記述を後回しにして終了
毎年5〜6問ある記述に手をつけないまま90分が終わる。最も多い失敗です。
処方:開始2分で記述の位置に印。各大問で記述から先に着手する。
パターン2|整序の「条件」を読み飛ばす
不要語2つのところを全部使おうとして詰まる。逆に、足りない語を補う問題で語を足さない。
処方:条件文に必ず丸をつけてから語群を見る。19問中11問に何らかの条件がついています。
パターン3|会話文を軽視する
Never been better! や I owe you one. は、その場で考えて出るものではありません。知らなければ0点です。
処方:本記事の50表現+予想30を、日本語→英語で言えるまで回す。
パターン4|冒頭のエピソードを主張だと思い込む
出典が記事なので、必ず個人のエピソードから始まります。そこを筆者の主張と誤読すると、タイトル問題も内容一致も崩れます。
処方:主張は第2〜3段落。冒頭は「つかみ」だと割り切る。
パターン5|T/Fを常識で判断する
出た年は1群で5〜7問。ここを常識判断で流すと、まとまった失点になります。
処方:本文に根拠が見つからなければF。根拠の行に線を引いてから答える。
パターン6|数字を読み飛ばす
記事には割合・年数・金額が頻出し、内容一致とT/Fはそこを狙います。
処方:読みながら数字に必ず丸をつける。設問で数字が出たら本文の丸に戻る。
パターン7|記述を白紙で出す
組み上がらないからと空欄にする。白紙は確実に0点です。
処方:語群の中で確信のあるかたまり(to+動詞、前置詞+名詞)だけでも並べて書く。部分的に合っていれば拾える可能性があります。
この記事のまとめ
◆英語は地歴・公民型で200点中80点=40%。90分。落とせない科目
◆大問Ⅰは5年連続でオフィス会話。10択の会話表現が毎年10個
◆記述は5年で26問。うち19問が語句整序。条件の読み落としが命取り
◆長文20本中18本が新聞・雑誌の記事。2026年度は4本とも直近1年の記事
◆マークの主役は「下線部の言い換え」と「空所補充」。この2つで大半が決まる
商学部の英語は、読むだけでは足りません。
書けることまで含めて、対策です。