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英検準1級『でる順パス単』5訂版→6訂版は何が変わった?― 870項目入替の全貌と、最短で追いつく学習法 ―

EIKEN GRADE PRE-1 × VOCABULARY STRATEGY

英検準1級『でる順パス単』
5訂版→6訂版は何が変わった?

― 870項目入替の全貌と、最短で追いつく学習法 ―

「5訂版を持っているけど、6訂版に買い替えるべき?」「削除された語はもう覚えなくていいの?」英検準1級の定番単語帳『でる順パス単』の改訂をめぐって、受験生の間で混乱が広がっています。実は今回の改訂、本編1900項目のうち870項目が実質入替という過去最大級の大改訂。この記事では、新旧両版と最新3回の過去問54問を突き合わせた照合データをもとに、「何が変わり、何を優先して覚えるべきか」を徹底解説します。

CHAPTER 01

6訂版で何が変わったのか:数字で見る大改訂

5訂版と6訂版は、どちらも本編1900項目(単語1600+熟語300)という枠組みは同じです。ところが中身を照合すると、単語762語+熟語108語、合計870項目が実質的に入れ替わっていました。入替率は実に45.8%。半分近くが別の語になった計算です。

さらに6訂版には、これまでなかった新設パートが270項目分追加されています。

項目 5訂版 6訂版 変化
単語編 1600 1600 762語を入替
熟語編 300 300 108熟語を実質入替
分野別表現編 なし 200 新設(66項目は5訂版から移動)
W/S表現編 なし 70 新設(14項目は5訂版から移動)
全収録項目 1900 2170 +270

「マイナーチェンジ」ではなく、収録方針そのものを組み替えた大改訂。これがすべての出発点です。

CHAPTER 02

「消えた語」の正しい見方:削除≠不要

ここで多くの人が誤解しがちなポイントがあります。5訂版本編から外れた870項目のうち、80項目は削除ではなく、6訂版の新設編へ「移動」しています。つまり「本編から消えた=6訂版に載っていない」「削除された=覚えなくてよい」とは限らないのです。

区分 項目数 学習上の扱い
6訂版本編に追加 870 最優先。新しい頻度分析で本編入りした項目
本編から新設編へ移動 80 捨てない。分野・要約・英作文・面接で使う語として再配置
6訂版全体から非収録 790 優先度は下がるが、英検以外の読解では必要になり得る

5訂版で覚えた語彙は無駄になりません。土台はそのまま活かしつつ、差分だけを効率よく上書きする。これが正しい戦略です。

CHAPTER 03

なぜここまで入れ替わったのか:3つの理由

理由1:分析範囲が「過去5年」から「過去20年」へ
分析期間が4倍に広がったことで、短期間だけ目立った語よりも、長い期間で繰り返し出題される語が重視されるようになりました。

理由2:「知っている語」から「使える語」へ
2024年度から準1級は語彙・読解問題が一部減り、ライティングが1題から2題に増加。要約問題も加わり、意味を知るだけでなく、要点を整理して英語で表現する力が問われる試験に変わりました。

理由3:分野別表現と発信表現の新設
分野別表現200項目+ライティング・スピーキング表現70項目が追加され、語彙問題だけでなく、長文・要約・英作文・面接まで見据えた構成になりました。

改訂のポイント 5訂版 6訂版
分析対象 過去5年 過去20年
本編 単語1600+熟語300 単語1600+熟語300
追加パート なし 分野別200+W/S70
学習の軸 語彙頻度中心 語彙頻度+分野+発信技能

なお、1語ごとの採用・削除理由は公表されていません。本記事の分析は、収録位置、語族、最新問題との一致から読み取れる傾向の整理です。

CHAPTER 04

最新3回の過去問と照合:カバー率は74.1%→90.7%

では、この大改訂は実際に「当たる」ようになったのでしょうか。最新3回の語彙問題54問と両版を突き合わせた結果がこちらです。

回次 5訂版
完全一致
6訂版本編
完全一致
6訂版全体
完全一致
増加
2026年度 第1回 7/18(38.9%) 9/18(50.0%) 10/18(55.6%) +3
2025年度 第3回 8/18(44.4%) 15/18(83.3%) 15/18(83.3%) +7
2025年度 第2回 9/18(50.0%) 15/18(83.3%) 15/18(83.3%) +6
3回計 25/54(46.3%) 39/54(72.2%) 40/54(74.1%) +16
語族・関連見出し含む 33/54(61.1%) 49/54(90.7%) 参考値

照合は2段階で行っています。①見出し完全一致(正答語句と見出し語が同じ)、②語族・関連見出し(派生語、品詞違い、関連熟語で収録)。6訂版は完全一致だけで74.1%、語族まで含めると90.7%をカバー。5訂版との差は歴然です。

ただし注意点がひとつ。「×」は必ずしも「載っていない」を意味しません。たとえば正答が censor でも、単語帳には censorship の形で載っているケースがあります。この「語族の壁」を越える方法は、CHAPTER 07で解説します。

CHAPTER 05

最優先18項目:ここから覚える

最新3回の正答語句のうち、「5訂版では見出し一致せず、6訂版では見出し一致した」語句がちょうど18項目あります。つまり、5訂版ユーザーが最も差をつけられやすい語。買い替え直後は、まずこの18項目から着手してください。

No. 語句 意味 例文
1 turbulence 乱気流;混乱 The plane entered severe turbulence.
2 extract を抜き取る;抽出する The dentist extracted the damaged tooth.
3 go under 倒産する;沈む The small company nearly went under.
4 evade を逃れる;回避する The suspect tried to evade the police.
5 tentative 暫定的な We made a tentative schedule.
6 anatomy 解剖学;身体構造 Students studied human anatomy.
7 ascent 上昇;登頂 The climbers began their ascent at dawn.
8 collide 衝突する Two satellites could collide in space.
9 autonomy 自治;自律性 The region demanded greater autonomy.
10 cosmopolitan 国際的な Tokyo has a cosmopolitan atmosphere.
11 gleam かすかに光る;光 The metal gleamed in the sunlight.
12 take on を引き受ける;雇う She took on a difficult assignment.
13 audible 聞き取れる His voice was barely audible.
14 tolerate を容認する;耐える We should not tolerate discrimination.
15 indebted 恩義がある I am deeply indebted to my mentor.
16 batch 一回分;ひとまとまり The factory produced a new batch.
17 evoke を呼び起こす The song evokes childhood memories.
18 shoot down を撃ち落とす;却下する The committee shot down the proposal.

例文は本記事用に作成したオリジナルです。意味は最新回で使われたものを優先しています。各語は「①意味を即答→②例文を音読→③1週間後に再テスト」の3段階でチェックしましょう。

CHAPTER 06

4週間アップデートプランと1日20分ルーティン

学習順は「最優先18 → 追加870 → 新設270」。この順番を4週間に落とし込むと、次のようになります。

範囲 実行方法
第1週 最優先18+追加単語 No.1〜250 毎日40〜50語。意味→英語、英語→意味の両方向
第2週 追加単語 No.251〜500+追加熟語54 句動詞は前置詞・副詞の方向イメージを確認
第3週 追加単語 No.501〜762+追加熟語54 直近3回で出た語に★を付けて再テスト
第4週 分野別200+W/S70 要約・英作文で実際に使う。移動80項目も復習

1日20分の進め方
0〜5分:前日の誤答20語を再テスト → 5〜12分:新規20〜30語を意味・発音・品詞で確認 → 12〜17分:例文を音読し、目的語・前置詞まで覚える → 17〜20分:3語を使って英文を作る、または1文を要約する。

⚠ 避けたい4つの学習法

・6訂版を買った直後に、1ページ目から既知語まで全部やり直す

・削除790語を「もう出ない語」と判断して完全に捨てる

・見出し語だけ覚え、派生語・目的語・前置詞・語法を確認しない

・新設270項目を単語問題対策だけとして扱い、要約・英作文・面接で使わない

CHAPTER 07

語族トレーニング:×を△に変える技術

最新回の分析から見えた受験生の弱点は3つ。①派生語(censorship を知っていても censor が出ると答えられない)、②多義語・語法(add up to 〜 と add up「つじつまが合う」を区別できない)、③分野語彙(心理学、気候変動、古代史、生命倫理、公衆衛生、広告とテーマが広い)。

このうち①は、見出し語を1語だけ暗記するのではなく、動詞・名詞・形容詞を1セットで確認するだけで大きく改善します。

中心語 関連語 意味のつながり
censor censorship 検閲する/検閲
cite citation 引用する/引用・違反切符
deficient deficiency / deficit 不足している/不足
abbreviate abbreviated / abbreviation 短縮する/短縮された/略語
tolerate tolerance / tolerant 容認する/寛容/寛容な
evoke evocation / evocative 呼び起こす/喚起/想起させる

単語帳に censorship があれば censor を、cite があれば citation を答えられる状態を目指す。これだけで、完全一致の「×」が語族の「△」に変わり、実戦での取りこぼしが激減します。

CHAPTER 08

要約・英作文への活かし方

6訂版の新設270項目は、単語問題ではなく発信技能のためのパートです。最新回の要約問題は「公共水道へのフッ化物添加:利点と懸念」を60〜70語でまとめる形式、意見論述は「広告が消費行動に与える影響」を120〜150語で論じる形式でした。

要約 60〜70語:3文の基本形
①テーマ・導入(The passage discusses …)→ ②利点・賛成側(Supporters argue that … because …)→ ③問題・反対側(However, critics point out that …)。固有名詞を並べるより、「誰にどんな利点があるか」「何が管理しにくいか」をまとめる力が問われます。

意見論述 120〜150語:4段落の基本形
Introduction(立場を明示、20〜25語)→ Body 1(理由1+具体例、35〜45語)→ Body 2(理由2+具体例、35〜45語)→ Conclusion(立場を言い換える、15〜20語)。

新設編の表現、たとえば in terms of …(…の点では)、in favor of …(…に賛成して)、address(問題に対処する)、long-term(長期的な)、priority(優先事項)は、そのまま答案の骨格になります。表現を単独で暗記せず、1つのテーマについて「賛成文」「反対文」「要約文」の3種類を作ってみてください。語彙が受動知識から発信語彙に変わります。

TODAY’S ENGLISH

今日の英語:最優先18から厳選5語

turbulence / 乱気流;混乱

The plane entered severe turbulence.(飛行機は激しい乱気流に入った)

evade / を逃れる;回避する

The suspect tried to evade the police.(容疑者は警察から逃れようとした)

tentative / 暫定的な;ためらいがちな

We made a tentative schedule.(私たちは暫定的なスケジュールを作った)

evoke / を呼び起こす

The song evokes childhood memories.(その歌は子ども時代の記憶を呼び起こす)

shoot down / を撃ち落とす;案を却下する

The committee shot down the proposal.(委員会はその提案を却下した)

CONCLUSION

まとめ:買い替えの判断と、最短で追いつく順番

6訂版は本編1900項目のうち870項目(45.8%)が実質入替、さらに新設270項目を追加した大改訂

最新3回54問のカバー率は、完全一致で74.1%、語族込みで90.7%。5訂版との差は明確

ただし「本編から消えた80項目」は新設編へ移動。削除≠不要と心得る

学習順は「最優先18 → 追加870 → 新設270」。4週間プランで無理なく上書きできる

見出し語は語族セットで覚え、新設表現は要約・英作文で実際に使って定着させる

単語帳の改訂は、試験そのものの変化を映す鏡です。準1級が「知っている語」から「使える語」を試す試験に変わった今、学習法も一緒にアップデートしていきましょう。この記事が、あなたの合格への最短ルートになれば嬉しいです。

出典・注記

・旺文社『英検準1級 でる順パス単』5訂版・6訂版の収録項目照合、および最新3回(2025年度第2回・第3回、2026年度第1回)の語彙問題54問との突き合わせ分析に基づく。個別語の採用・削除理由は公式には示されておらず、本記事の分析は収録位置・語族・出題実績から読み取れる傾向の整理である。掲載の例文はすべて本記事用に作成したオリジナル。

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