中高英語教師のための授業アイデア&最新情報ニュースレター

【中高英語教師のための授業アイデア&最新情報】 2026年7月9日(木)~原田先生の英語教育ニュースレター Vol.143~

ENGLISH TEACHER’S BRIEFING

原田先生の英語教育ニュースレター

中高英語教師のための授業アイデア&最新情報

2026年7月9日(木)| Vol.143 | حبر الصخر — Ink of the Rock

▚ TABAQA I | 今日のヘッドライン

河合塾AI教材「tokuMo」が本日7/9アップデート — 高校7教科3万1,000問体制へ、英語もAI個別最適化の時代に

河合塾の高校向けAI搭載ICT教材「tokuMo(トクモ)」が、本日2026年7月9日にアップデートされます。「歴史総合」「数学III」の新規追加などで7教科の収録問題数は合計約3万1,000問に。英語を含む全教科でAIによる個別最適化学習・課題作成サポートが標準装備される流れが、いよいよ加速しています。1IDあたり月額1,100円で、学校単位なら2か月の無料トライアルも。生徒一人ひとりの「つまずき」にAIが寄り添う時代、私たち教師の役割は「何を教えるか」から「どう考えさせるか」へと静かに移りつつあります。

参考:リシード — 河合塾のAI教材「tokuMo」歴史総合・数学III追加…3万1,000問収録

▚ TABAQA II | 5分でできる帯活動

今日の授業ですぐ使える2つのアイデア

▶ Mosaic Sentence(モザイク・センテンス)

対象:中2〜高校 | 時間:5分 | 準備:不要

やり方:

① 先生が「かけら(単語)」を5〜6個バラバラの順で板書:because / rain / stayed / we / home / heavy

② ペアで、そのかけらを全部使って意味の通る1文を「組み立てる」:“We stayed home because of the heavy rain.”

③ 早く正しく組めたペアが、そのかけらを1つ足して文を「増築」してよい

④ 各ペアの完成文を発表し、語順・接続の違いを見比べる

💡 ポイント:ペトラのモザイクのように「小さなかけらを並べて全体をつくる」感覚で、語順と文構造の意識が自然に育ちます。接続詞・前置詞の運用練習にも最適。

▶ Two-Shift Retell(二部制リテル)

対象:中1〜 | 時間:5分 | 準備:教科書本文

やり方:

① クラスを「午前シフト」「午後シフト」の2チームに分ける(ヨルダンの二部制学校にちなんで)

② 午前シフトが教科書本文を30秒で音読・黙読

③ 本を閉じ、午前シフトが覚えている内容を英語で午後シフトに「引き継ぐ」

④ 午後シフトが「抜けている情報」を1つ質問し、午前シフトが答える

💡 ポイント:「引き継ぎ」という必然性がリテリングに目的を与えます。過去形・要約表現の運用と、疑問文づくりが同時に鍛えられます。

▚ TABAQA III | AI × 英語指導 最前線

今週の注目AIツール

🍎 教師向け:Colleague AI — 「同僚」のように授業準備を丸ごと支える

米国のNSF・IES・教育省から総額1,800万ドル超の研究助成を受けて開発された、K-12教師向けの統合AIプラットフォーム。指導案作成・習熟度別の教材差別化・小テストとルーブリックの生成・採点・フィードバックまでを一つの流れでこなします。バラバラのツールを渡り歩く必要がなく、「作る→配る→評価する」までが地続きに。生成物はGoogle Drive・OneDriveへ保存・共有でき、印刷も整った体裁で出力されます。

✔ 標準・ルーブリックに合わせて教材を自動調整
✔ 手書き答案もAIが採点補助、最終判断は教師が保持
✔ 50言語以上に対応した生徒向けAIチューターも内蔵
✔ 研究に基づき実際の教室で検証済み

🎓 活用例:英作文の課題を出題→ルーブリックを読み込ませて一次採点→クラス全体の弱点をダッシュボードで把握し、翌日の授業の冒頭で共通のつまずきを解説。

Colleague AI 公式サイト →

📱 生徒向け:Talkberry — AIチューターと「間違えても大丈夫」な英会話

学習者のペースに合わせて難易度を調整するAI言語チューター。リアルタイムの発音・文法フィードバックと、現実の場面を想定したインタラクティブな会話練習が特長で、25言語に対応。人前だと緊張して話せない生徒も、まずAI相手に「安全な失敗」を重ねられます。進捗が分析ダッシュボードで可視化されるため、生徒自身が伸びを実感しやすいのも利点。ALTが来ない日のスピーキング練習の補完に。

Talkberry.ai 公式サイト →

▚ TABAQA IV | 英語教育ニュース FLASH

おさえておきたい最新3本

🇯🇵 JAPAN | 校務DX

文科省、生成AIとセキュリティの指針を改訂 — 「次世代校務DX」へ

文部科学省が、次世代校務DXの推進に向けて生成AIの活用と学校情報セキュリティに関する指針を改訂しました。校務での生成AI利用が広がるなか、安全性と利便性を両立させる枠組みづくりが進んでいます。英語科でもAIで教材や所見を作る場面が増えるいま、「どこまでAIに任せ、どこは人が担うか」を各校で線引きする指針として要チェックです。

参考:リシード — 文科省、生成AIとセキュリティ指針を改訂…次世代校務DX

🇯🇵 JAPAN | 探究教材

小中高向け探究教材ポータル「企業教材ライブラリー」正式公開

ケシオンが、企業が制作した小中高向けの教材を集約したポータルサイト「企業教材ライブラリー」を正式公開しました。探究学習の教材を探す学校現場と、知見を次世代教育に生かしたい企業をつなぐ狙いです。実社会の題材は、英語×社会課題のCLIL帯活動やライティングのテーマ選びにそのまま使える素材の宝庫になりそうです。

参考:リシード — 小中高校向け探究教材ポータル「企業教材ライブラリー」公開…ケシオン

🌍 GLOBAL | 教育とテクノロジー

「学校でのテクノロジーへの反発は行き過ぎか?」— ISTELive 26からの問い

Education Weekが、教育現場でのテクノロジー活用をめぐる揺り戻しを論じています。翻訳・アクセシビリティのツールは多言語学習者や障害のある生徒の学びを広げ、AI採点は教師の負担を軽くし得る一方、批判的思考を奪い生徒のライティングを肩代わりするような使い方は教室にふさわしくない、と指摘。「価値を足すか、思考を引くか」という問いは、AIと向き合う私たちにそのまま響きます。

参考:Education Week — Is the Backlash Against Tech in Schools Going Too Far?

▚ TABAQA V | 超絶使える英語学習ツール

今週の4つ道具

🎧 Tips Talks (British Council)

教師向けの短い実践音声・動画シリーズ。授業アイデアやクラスルーム・イングリッシュのヒントを、通勤時間などスキマで学べます。

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📰 Breaking News English

時事ニュースを7段階の難易度で読める無料教材サイト。同じ記事がレベル別に用意され、穴埋め・ディクテーション・ディスカッション課題まで完備。差別化指導に最適です。

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✍️ Twinkl Wordsearch / ワークシート

語彙のワードサーチや語順並べ替えなど、印刷して使えるプリント素材が豊富。帯活動の「あと5分」を埋める即戦力になります。

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🗣 Elllo (English Listening Lesson Library Online)

世界中の話者による生きた英語インタビュー音声が2,500以上。多様なアクセントに触れられ、スクリプト・語彙解説・クイズ付き。完全無料でリスニング指導に。

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▚ TABAQA VI | 世界の教室から

🇯🇴 ヨルダン ── 「危機のなかで英語を教える」国

アラビア語を母語とするヨルダンでは、英語が小学1年から必修で、大学の多く(特に理工・医学系)は英語を教授言語(EMI)とする「英語=高等教育・就労への鍵」の国です。しかし本当に独自なのは、その過酷な現実のなかでの英語教育。人口の相当数を占めるシリア難民の子どもたちを受け入れるため、多くの公立校が午前・午後の「二部制(double-shift)」で運営され、限られた時間と教室で英語を含む全教科を教えています。トラウマを抱えた子ども、母語も途切れがちな子どもに、第二言語をどう届けるか——ヨルダンの教室は「言語習得は平穏な環境の産物」という前提そのものに問いを投げかけています。

🔑 明日から使えるヒント

ヨルダンの二部制教室で重視されるのは「短い時間で心理的安全を確保する」こと。授業の最初の1分を “How are you today? Point to a word.” のように、感情を表す単語カード(tired / okay / happy / nervous)から1枚選ばせる活動にしてみましょう。英語で自分の状態を表す小さな一歩が、その日の発話への心のハードルを下げます。「正しさ」より「まず口を開くこと」を認める空気づくりに。

▚ TABAQA VII | 今日の一言

TODAY’S QUOTE FOR TEACHERS

“When learners speak, they are not just practicing language. They are investing their identity — and asking to be heard.”

学習者が言葉を発するとき、彼らはただ言語を練習しているのではありません。自分のアイデンティティを賭け、「聞いてほしい」と願っているのです。

— Bonny Norton(ボニー・ノートン|応用言語学者・「アイデンティティと投資」理論)

▚ TABAQA VIII | 木曜のふりかえり

Thursday Strata(木曜の地層)

ペトラの岩肌が幾層もの地層でできているように、一週間の学びも積み重なった「層」でできています。木曜の今日、3つの層をそっと掘り返してみましょう。

▸ SEDIMENT(堆積) 今週、生徒の中に確かに積もったと感じる力は何ですか。目立たなくても、静かに溜まっているもの。

▸ FAULT(断層) うまくいかず「ずれ」が生じた場面は。そのずれは、次にどんな調整を促していますか。

▸ SPRING(湧き水) 金曜に向けて、どの生徒の「もっと話したい」という小さな湧き水を後押ししますか。

▚ TABAQA IX | 今日の1分ティップス

「訂正」を「選択」に変える

生徒の誤りを直すとき、正解を渡す代わりに2つの選択肢を示して選ばせてみましょう。“I go to Tokyo yesterday” → “Which is right: ‘go’ or ‘went’?” 答えを与えられるより、自分で選んだ方が記憶に残ります。ヨルダンの多忙な二部制教室でも使われる、短時間で生徒の思考を動かす省エネ添削術。1問1秒、テンポよく。

📬 原田先生のニュースレター Vol.143

haradaeigo.com

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