立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)発、現場の英語教員が中心となって運営する実践共有プラットフォーム「AI英語教育ラボ」に、スタディポケットが協賛すると6月15日に発表しました。教員が自作・運用する生成AIツールのAPI利用料・トークン費用・サーバー維持費を部分的に負担します。同ラボは、生徒が英作文を書き、AIのフィードバックを受けながら書き直し・清書まで進められるアプリ「DraftIA」を公開・運営しています。
「補助金で導入したが2年目以降の運用が続かない」——多くの現場が抱えるこの課題に、企業が運用費の側面から伴走する新しいかたちです。教員主導のAI実践が「個人の有志」から「共有される資産」へ。今日の写本は、その一頁目を綴るところから始めましょう。
対象:中学2年〜高校 | 時間:5分 | 準備:不要
▶ やり方:
① 先生がアルファベット1文字を黒板に大きく書く(例:B)
② 生徒AがそのBで始まる単語で文を作る:“Birds build nests in spring.”
③ 生徒Bは前の文の最後の単語の頭文字(spring→S)で続ける:“Spring smells sweet.”
④ しりとり式に文をつないで「写本の一頁」を完成させる
✦ ポイント:頭韻(alliteration)を意識させると一気に楽しくなります。中世の写本職人が頭文字を飾ったように、生徒も「その文字で始まる言葉」を探す目が育ちます。
対象:中学1年〜 | 時間:5分 | 準備:短い英文1つ
▶ やり方:
① 先生が3〜4文の短い話を読む(1回だけ)
② ペアの片方が話を再現。ただし必ず接続詞でつなぐ(and / but / so / because / then)
③ もう片方が、抜けた部分を「組紐を結び直す」ように補う
④ 2人で1本の「途切れない物語の紐」を完成させる
✦ ポイント:ケルトの組紐は「始まりも終わりもない一本の線」。文を点ではなく流れでつなぐ感覚=談話標識(discourse marker)の運用が自然に鍛えられます。
任意のトピック・YouTube動画・配布資料・貼り付けテキストから、カリキュラム準拠のゲーム化クイズと授業スライドを数分で自動生成するAIツール。語彙テストや文法確認をチーム対抗のゲーム形式にでき、生徒の取り組み状況をダッシュボードで把握できます。無料アカウントで主要機能が利用可能、Canva連携にも対応。
✦ 教科書本文のURLを貼るだけでクイズ化
✦ チームモードで「写本の問答」のように対話を誘発
✦ 自作問題と既成ライブラリの両方から選べる
🎓 活用例:帯活動「Illuminated Initial」で扱った語彙を、Gibblyでその場でゲーム化クイズにして定着確認!
生徒が自分のノート・PDF・授業動画・貼り付けテキストから、AIでフラッシュカードと練習テストを自動生成できる無料の学習プラットフォーム。間隔反復(spaced repetition)モードで長期記憶に定着させられ、Quizletのセットも1クリックで取り込み可能。Learn Mode・練習テストが無料で無制限に使えます。
東京都教育委員会は6月12日、都立学校の中高生を対象に、生成AI等で社会・地域の課題を解決するプロダクトづくりに挑む「都立学校AI Lab」を始めると発表。初級(動画教材でアプリ開発の基礎)から中級(集合型ワークショップ)まで生徒のレベルに応じた3段階で展開します。英語×探究・プレゼンの場としても注目です。
eラーニング戦略研究所(デジタル・ナレッジ)の調査で、教員の生成AI利用が校務(84.2%)・授業準備(74.4%)を中心に広がっていることが判明。効果として「校務の効率化」54.9%、「授業準備の時短」51.9%に加え、「新しい授業アイデアが得られる」29.3%も。英語授業の帯活動・教材作りのヒント源として使う先生が増えています。
EdWeekのLarry Ferlazzo連載が、英語学習者(EL)を教える教師たちのAI実践を紹介。「英語だけで考えさせる」のではなく、まず生徒の母語でAIに概念を説明させて土台を作り、その後に英語のインプットで知識を広げる——という二段構えが効果的だと現場教師が報告。画像・動画生成AIで理解を支える視覚教材づくりも広がっています。
🔗 参考:EdWeek — ‘What in the ChatGPT Is This?’: How EL Teachers Are Navigating AI Use(5/13)
レベル別のリスニング教材を無料で大量公開。プリ/ポストの語彙練習とクイズ付きで、自然な会話音声に耳を慣らせます。30年以上続く定番サイト。
パラグラフ・ライティングを「ブレインストーム→アウトライン→ドラフト→推敲」と段階別に導く無料ツール。書く手順を可視化でき、英作文指導の足場かけに最適。
コロケーションや語の使われ方を実例から学べる無料の語彙演習集。単語を「文脈ごと」覚えさせたい時に。穴埋め・並べ替え演習が自動生成されます。
英語の母語圏でありながら、アイルランドではアイルランド語(ゲール語)が第一公用語として学校教育の柱に位置づけられています。ゲール語のみで全教科を教える「Gaelscoil(ゲールスコール)」では、子どもたちは英語を母語に持ちながら、別言語で数学や理科を学ぶイマージョン環境に身を置きます。注目すべきは、二言語のあいだを行き来する力——ある言語で得た理解を、もう一方の言語で言い直す「トランス言語実践(translanguaging)」が、弱みではなく強みとして積極的に活かされている点です。
🔑 明日から使えるテクニック
難しい概念は、いったん日本語で考えさせてから英語で言い直させる「Say it again in English」の一手間を。例:内容を母語でペアに30秒説明 → そのあと同じ内容を3文だけ英語で。「母語で理解した土台を英語に架け橋する」——アイルランドの教室が示すこの順序は、本日のEdWeekニュース(ELの母語スキャフォールディング)とも響き合います。
“Language is the most prominent feature of human cognition and the means whereby we make sense of our experience.”
言語は人間の認知のもっとも際立った特徴であり、私たちが自らの経験に意味を与えるための手段である。
水曜は一週間の真ん中。中世の写字生が本文の脇に小さな書き込み(marginalia)を残したように、今週の授業の「余白」に3行だけ書き込みましょう。1分で完成します。
✒ GLOSS(注釈):今週うまくいった一場面を1行で
例:A student finally used “because” on her own.
✦ FLOURISH(飾り):もう一度やるなら足したい工夫を1行
例:Give 10 more seconds of wait time.
❡ NEXT PAGE(次頁へ):木金に試す小さな一歩を1行
例:Try the retell activity with Class 2.
📌 同じノートの「余白」に毎週水曜書き続けると、数週間後にはあなただけの「授業の写本」が綴られていきます。本文(毎日の授業)より、余白の書き込みのほうが後で効いてくることがあります。
帯活動は「同じ枠・違う中身」で。進め方のルールは固定し、中身(語彙・トピック)だけを毎回変えるのが続けるコツです。生徒がルールを覚える労力をゼロにできれば、その分のエネルギーを英語を使うことに全振りできます。写本の罫線(ルール)は変えず、書く言葉だけを新しくする——そんなイメージで。
