パラグラフライティングとは何か
パラグラフ(paragraph)は日本語で「段落」と訳されますが、英語のパラグラフは日本語の段落よりもずっと役割がはっきりしています。
英語の説明文や意見文では、一般に1つのパラグラフで1つの主張(トピック)だけを扱うのが基本です。そして、その主張を段落の最初の方で宣言し、残りの文でそれを支える、という形で書かれます。
この構造は大きく3つのパーツでできています。
- トピックセンテンス(topic sentence):この段落で言いたいことを1文で示す
- 支持文(supporting sentences):理由・具体例・説明で主張を支える
- 結論文(concluding sentence):主張をもう一度まとめる、または次へつなぐ
日本語の作文では、話の流れを追いながら最後に言いたいことが出てくる書き方もよく見られます。一方、英語の論理的な文章では「結論を先に」が基本です。読み手は各段落の最初の文を読むだけで、文章全体の流れをつかめるようになっています。
ポイント:パラグラフの1文目は「予告編」。読み手に「この段落では何の話をするか」を先に約束します。
トピックセンテンスの書き方
トピックセンテンスは、段落全体の方向を決める一番大事な1文です。良いトピックセンテンスには2つの条件があります。
- テーマ(何について)がはっきりしている
- 主張(それについてどう思うか・何を言うか)が入っている
次の例を比べてみましょう。
- × Smartphones are popular.(事実を述べただけで、主張がない)
- × There are many things to say about smartphones.(何も言っていないのと同じ)
- ○ Smartphones can be a powerful tool for learning English.(テーマ=スマホ、主張=英語学習に役立つ)
さらに、広すぎないことも大切です。「Technology has changed the world.」は正しい文ですが、1つの段落で支えきるには大きすぎます。「Online dictionaries have made it easier for students to look up words quickly.」くらいまで絞ると、支持文が書きやすくなります。
トピックセンテンスを作る質問
書く前に、次の質問に日本語で答えてみてください。
- この段落は何についての話?(テーマ)
- それについて、一言で何が言いたい?(主張)
- その主張は、3〜4文で支えられる大きさ?
この3つに答えられれば、トピックセンテンスはほぼ完成です。
支持文と結論文で段落を完成させる
支持文は「理由+具体例」がセット
支持文の役割は、トピックセンテンスの主張を「なるほど」と思わせることです。よく使われる組み立ては、理由を述べてから具体例で支える形です。
例として、1つのパラグラフを書いてみます。
Smartphones can be a powerful tool for learning English. First, they allow learners to study in short periods of free time. For example, a student can review ten words on the train to school. In addition, many apps give instant feedback on pronunciation, which is difficult to get from a textbook alone. Because of these advantages, using a smartphone wisely can make English study more effective.
分解すると次のようになります。
- トピックセンテンス:スマホは英語学習の強力な道具になりうる
- 支持文1(理由):すき間時間に勉強できる
- 支持文2(具体例):通学の電車で10語復習できる
- 支持文3(理由):発音のフィードバックがすぐもらえる
- 結論文:うまく使えば効果的
結論文は「言い換え」でまとめる
結論文でトピックセンテンスをそのままコピーすると、くどい印象になります。同じ内容を別の言葉で言い直すのがコツです。上の例では「powerful tool」を「make English study more effective」と言い換えています。
短い英作文(1段落だけ)の場合は、結論文があると文章が締まります。複数の段落がある長めの文章では、結論文の代わりに次の段落への橋渡しを書くこともあります。
よくある失敗:段落が崩れる3パターン
1. 途中で話がずれる
スマホと英語学習の段落なのに、途中で「でもスマホの使いすぎで目が悪くなる」と書いてしまうケース。内容として間違いではありませんが、トピックセンテンスの主張とは関係がありません。段落の主張と関係ない文は、どんなに良い内容でも削るか、別の段落に移しましょう。
2. 具体例がない
Smartphones are useful. They are very convenient. They help students a lot. のように、抽象的な言い換えを繰り返すだけの段落はよく見かけます。読み手は「具体的には?」と思ったままです。数字、場面、人物など、目に浮かぶ例を1つは入れましょう。
3. 1つの段落に主張が2つ
「スマホは学習に便利で、しかも友だちとの連絡にも欠かせない」のように、2つのテーマを1段落に入れると焦点がぼやけます。主張が2つあるなら段落を2つに分けるのが基本です。
ポイント:書き終えたら、段落の各文に「これはトピックセンテンスを支えている?」と聞いてみる。答えがNOの文が、段落を崩している犯人です。
1週間でパラグラフに慣れる練習メニュー
パラグラフライティングは、短い文章で何度も型を回すほど身につきます。1日15〜20分のメニュー例です。
- 月(読む):英語の教科書や学習者向けニュースの段落を3つ選び、各段落のトピックセンテンスに線を引く
- 火(作る):「朝型生活」「部活」「オンライン授業」などのテーマで、トピックセンテンスだけを5つ書く
- 水(支える):火曜のトピックセンテンスから1つ選び、理由と具体例を日本語でメモする
- 木(書く):水曜のメモをもとに、5〜6文のパラグラフを英語で書く
- 金(削る):木曜のパラグラフを見直し、主張と関係ない文を消す、具体例を足す
- 土(逆向き):別のテーマで、結論文から先に書いてみる。「言いたいこと」がはっきりする練習になる
- 日(見直し):1週間で書いたトピックセンテンスを並べ、「テーマ+主張」が入っているかチェック
慣れてきたら、2段落、3段落と増やしていきましょう。段落が増えても、1つ1つの段落の作り方は同じです。この型は、自由英作文や英検のライティング、IELTSのエッセイなど、ほとんどの英作文の土台になります。



