プランを立てる前の3つの確認
1. 公式情報で日程を確認する
試験の日程は年度ごとに発表されます。2026年度はJNTOの施行要領によると、願書申請が6月1日〜7月9日、筆記試験が8月16日、口述試験が11月29日でした。翌年度の日程はまだわからないので、JNTOの全国通訳案内士試験のページを定期的に確認しましょう。
2. 使える免除を確認する
英検1級やTOEIC公開テストの高得点(L&R 900点以上など)で英語、旅行業務取扱管理者で地理、歴史能力検定で歴史などの免除があります。免除できる科目があれば、その分の時間をほかの科目に回せます。
3. 今の実力を測る
JNTOのホームページで公開されている過去問題(一部)を1回分解いてみましょう。科目ごとに、合格基準点(外国語・地理・歴史は原則70点、一般常識・実務は原則30点)との差を確認します。
この3つをもとに、「どの科目に何割の時間を使うか」を決めるのがスタートです。
1か月目:土台づくりと習慣化
最初の1か月は、全科目に少しずつ触れて、毎日の学習習慣を作ることが目標です。
やること
- 英語:英検準1級〜1級レベルの単語帳を1冊決めて毎日20分
- 日本地理:白地図を用意し、地方ごとに観光地を書き込み始める
- 日本歴史:時代名を並べた年表を作り、代表的な観光地を書き込む
- 通訳案内の実務:観光庁の「通訳ガイドテキスト(初版)」の目次に目を通す
- 一般常識:時事ノートを作り、毎日1件ニュースを書く
ポイント
この時期は、完璧に覚えることより全体像をつかむことを優先します。どの科目にどれくらいの量があるのかが見えてくると、後半の計画が立てやすくなります。
1か月目の終わりにチェック
- 毎日、何かしらの科目に触れられたか
- 白地図と年表に、それぞれ10個以上書き込めたか
- 時事ノートが20件以上たまったか
できていない項目があっても大丈夫。翌月は量を少し減らしてでも、「毎日続ける」ことを優先しましょう。
2〜3か月目:科目別に知識を積み上げる
2か月目からは、苦手科目を中心に知識を積み上げていきます。
2か月目
- 英語:日本がテーマの英文読解を毎日1本。和訳・英訳の対訳ノートを増やす
- 地理:白地図を2周目へ。世界遺産、日本三景、三名園などをグループで覚える
- 歴史:観光地・時代・人物のセットを増やす
- 実務:テキストを1周目は流し読み、2周目でノートにまとめる
3か月目
- 英語:英語で説明する問題に備え、日本文化の用語を英語で定義する練習
- 地理・歴史:過去問を1回分ずつ解き、間違えた所を白地図と年表に追加
- 一般常識:最新の観光白書の目次と概要を読み、要点をメモ
- 実務:自作の○×問題で想起練習
ポイント
3か月目の終わりに、もう一度過去問を解いて、スタート時と比べてみましょう。伸びた科目と伸びていない科目が見えれば、後半の時間配分を調整できます。
4〜5か月目:出願と実戦演習
4か月目(出願の時期)
2026年度の日程を参考にすると、このころが願書の申請期間にあたります。
- 電子申請で願書を提出し、免除申請の書類もアップロード
- 証明書の取り寄せは早めに済ませておく
- 勉強は、過去問を科目ごとに時間を計って解く段階へ
5か月目
- 全科目の過去問を、本番と同じ時間で解く
- 間違えた問題の分野をリスト化し、弱点をつぶす
- 一般常識は、時事ノートと観光白書のメモを見直す
- 余裕があれば、口述試験のプレゼンの型を少しずつ練習し始める
ポイント
過去問を解くときは、点数だけでなく時間配分も記録しましょう。一般常識と実務は20分、地理と歴史は30分、外国語は90分です(2026年度の施行要領で確認)。時間内に解き終える練習が、この時期の大切なテーマです。
6か月目:直前期と筆記後の口述対策
筆記試験の直前
- 新しい教材には手を出さず、白地図・年表・時事ノート・実務ノートの見直しに集中
- 過去問で間違えた問題をもう一度解く
- 試験会場の場所と、当日の持ち物(受験票や本人確認書類)を確認
筆記試験が終わったら
結果の通知を待つ間に、すぐ口述試験の対策を始めましょう。2026年度は、筆記試験から口述試験まで約3か月半ありました。
- プレゼン:定義・具体・意味づけの3文の型で、毎日テーマを3つ話す
- 通訳:日本語の観光案内文を聞いてメモを取り、英語に訳す
- 質疑応答:想定質問を作って答える練習
日本文化のテーマ別の英語説明を集めるには、原田英語の「日本文化ナビ」のようなサイトを音読・暗唱の素材に使うのも一つの方法です(公式教材ではないので、内容は自分でも確認しながら使いましょう)。
1週間の時間割と挫折しないコツ
1週間の時間割(平日1時間半・休日3時間の例)
- 月:英語45分+地理45分
- 火:英語45分+歴史45分
- 水:英語45分+実務45分
- 木:英語45分+一般常識45分
- 金:英語45分+苦手科目45分
- 土:過去問演習2時間+復習1時間
- 日:1週間の総復習と翌週の計画
免除で英語の筆記がない人は、英語の時間を口述の練習と苦手科目に回しましょう。
挫折しないコツ
- 毎日やる量を小さく決める:「白地図に3つ書く」「ニュースを1件メモ」など
- 記録をつける:カレンダーに勉強した科目を書くだけでも、続ける力になる
- 勉強を楽しむ工夫:覚えた観光地に実際に行ってみる、英語で日本を紹介する動画を見る
よくある失敗
- 英語だけに時間を使い、ほかの科目が基準点に届かない
- 免除申請の締め切りを過ぎてしまう
- 筆記後に休んでしまい、口述対策が間に合わない
ポイント:計画は「守るもの」ではなく「直すもの」。毎週日曜日に見直して、自分に合うペースに調整しましょう。
6か月で足りない場合の考え方
ここで紹介したプランは、ある程度の英語力がある人を想定しています。英語の基礎からやり直したい人や、仕事や家庭で勉強時間が限られる人は、6か月では足りないと感じるかもしれません。
1年計画に延ばす
英語の力を伸ばす期間を最初に半年ほど取り、その間に英検1級やTOEICで英語の免除を狙う方法があります。免除が取れれば、残りの半年を日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務と口述対策に集中できます。
2年計画で科目を分ける
前年度に合格した科目は、翌年度に限り免除を申請できます。1年目に確実に合格したい科目を決めて集中し、2年目に残りの科目と口述に挑む計画も考えられます。ただし、免除は翌年度に限られ、申請も自分で行う必要があります。
どの計画でも共通すること
- 公式情報(JNTOの施行要領と観光庁のガイドライン)を必ず確認する
- 英語で日本を説明する練習は、早めに始めるほど有利
- 毎日少しずつ続けることが、いちばん確実な近道
大切なのは、自分の生活に合った無理のない計画を立て、最後まで続けることです。



