900点台からは「1問単位」で考える
900点台の人は、リスニングもリーディングもほぼ最後まで余裕を持って解けています。それでも950点以上に届かないのは、次のような数問のミスが残っているからです。
- 一瞬の聞き逃し(数字、否定語、固有名詞)
- 紛らわしい語法(似た意味の動詞の使い分け、前置詞の細かな違い)
- Part 7の細部(「すべての支店で」と「一部の支店で」のような範囲の違い)
- ケアレスミス(マークのずれ、設問の読み違い)
ここからは、1回分の模試を解いたら間違えた数問を徹底的に解剖することが勉強の中心になります。
ポイント:900点台では、間違いは「成長のための貴重な材料」です。1問あたり10分かけて原因を突き止める価値があります。
4週間のプラン(平日90分・休日3時間)
1週目:ミスの解剖
- 休日:公式問題集1回分を通しで解く
- 平日:間違えた問題と迷った問題を、1問ずつ「原因・再発防止策」の2行で記録
2週目:リスニングの精聴
- 平日:Part 3・4を毎日1セット、全文ディクテーション
- 毎日:聞き取れなかった部分だけを集めた「弱点音声メモ」を作って聞き返す
3週目:語法と細部の読解
- 平日:Part 5で迷った問題の語法を辞書で確認し、自作の例文を2つ作る
- 平日:Part 7の文書を、設問に関係ない部分も含めて精読する日を週2回
4週目:本番シミュレーション
- 休日:本番と同じ時間帯に通し練習。マークの確認手順まで本番どおりに行う
- 平日:解剖ノートの見直し
リスニングの「一瞬の聞き逃し」をなくす
900点台の聞き逃しは、多くの場合「全体は理解できたのに、1語だけ抜けた」というタイプです。特に注意したいのは次のような部分です。
- 否定語:We haven't received ~ と We have received ~ の違い
- 数字:fifteen と fifty のような似た数字
- 比較・変更:instead of / rather than のように、情報を入れ替える表現
自作の例で確認しましょう。
- We'll hold the training session in Room B instead of the main hall.
設問が「Where will the training session be held?」なら答えは Room B です。main hall が最後に聞こえるので、印象に残るのはそちらかもしれません。instead of の後ろは「採用されなかった方」という構造を、体で覚えておくことが大切です。
全文ディクテーションのすすめ
1セット分を全文書き取ると時間はかかりますが、自分が聞き流している機能語(冠詞、前置詞、助動詞)がはっきり見えてきます。900点台からの伸びには、この「見えていなかった部分」を減らす作業が効きます。
紛らわしい語法を例文で固める
Part 5の語法問題では、似た意味でも文の形が違う単語の使い分けがよく問われます。自作の例文で確認しましょう。
- The manager suggested that we postpone the launch.(suggest + that節)
- The manager recommended postponing the launch.(recommend + 動名詞)
- The manager advised us to postpone the launch.(advise + 人 + to不定詞)
どれも「提案・助言する」という意味ですが、後ろに続く形が違います。suggest us to do の形は、一般的に誤りとされる使い方です。
語法の復習ルール
- 迷った単語は、辞書で後ろに続く形を必ず確認する
- 自分で例文を2つ作り、1つはビジネス場面、1つは日常場面にする
- 1週間後に、例文を見ずに書けるか確認する
900点台の人ほど「知っているつもり」の単語が多いので、辞書を引く習慣が差をつけます。
解剖ノートの書き方と1日の時間割
解剖ノートの書き方
間違えた問題1問につき、次の4行を書きます。
- 問題の場所:Part 4、何問目か
- 自分の答えと正解:どちらを選んだか
- 原因:例「instead of の後ろを答えにした」「NOT問題で選択肢Cの根拠を探さずに選んだ」
- 再発防止策:例「instead of を聞いたら、前の情報に印をつける」
原因は、できるだけ具体的に書くことが大切です。「集中力不足」「ケアレスミス」のようなまとめ方では、次に何をすればいいかがわかりません。
1か月たつと、原因の欄に同じような内容が何度も出てくるはずです。それがあなたの「ミスの癖」です。癖がわかれば、本番でその場面が来たときに意識的に注意できます。
平日90分の時間割
- 朝(20分):解剖ノートの見直しと語法の例文チェック
- 通勤・通学(25分):弱点音声メモの聞き返しとシャドーイング
- 夜(45分):Part 3・4の全文ディクテーション、またはPart 7の精読
英語に触れる幅を広げる
900点台では、TOEICの問題以外の英語、たとえばビジネス記事や英語ニュースに触れる時間を少し取るのもおすすめです。TOEIC形式から離れた英文に慣れておくと、本番で見慣れない話題の文書が出ても落ち着いて読めます。ただし、それは練習時間の一部にとどめ、中心は解剖と精聴に置きましょう。
リーディングは「範囲」と「条件」に注目
900点台のリーディングのミスで多いのが、本文の範囲や条件を読み落とすケースです。
自作の例で考えてみましょう。
- 本文:The discount applies to all items except electronics, and only for online orders placed before March 31.
- 選択肢:The discount is available for all products purchased online.
選択肢は一見正しそうですが、本文には except electronics(電化製品を除く)と before March 31(3月31日より前)という条件があります。そのため、この選択肢は本文の内容と一致しません。
注意したい言葉
- except / excluding(〜を除いて)
- only / at least / up to(範囲を限定する言葉)
- some / most / all(範囲の広さを表す言葉)
これらの言葉に印をつけながら読むと、範囲の読み違いによるミスはかなり減らせます。
よくある失敗と本番のルーティン
失敗1:問題数をこなすことに満足する
900点台で模試を何回も解くだけでは、同じ種類のミスが繰り返されがちです。1回分を解いたら、その何倍もの時間を解剖に使いましょう。
失敗2:マークの確認をしない
高得点になるほど、マークのずれ1つが痛い失点です。パートの区切りなど、自分で確認のタイミングを決めておきます。
失敗3:スコアの上下に一喜一憂する
900点台では、受験回ごとの問題との相性で数十点程度の上下が起きることもあります。1回の結果より、解剖ノートの原因が減っているかを見る方が、実力の伸びを正しく判断できます。
1か月後に解剖ノートを見返し、「同じ原因のミスが2回以上出ていない」なら、950点以上を狙える状態に近づいています。



