Part 1はどんな問題?まず形式を正しく知ろう
Part 1は、問題用紙に印刷された1枚の写真について、音声で流れる4つの短い説明文から、写真を最もよく表しているものを1つ選ぶ問題です。IIBCの公式案内によると、問題数は6問、選択肢は4つで、説明文は問題用紙に印刷されていません。音声は1回しか流れません。
つまり、Part 1で試されているのは「写真を見て、どんな英語が流れてきそうかを予測し、流れてきた英語を正確に聞き取る力」です。文法や語彙のレベルはそれほど高くありませんが、動詞の形や前置詞のわずかな違いで正誤が決まるため、ぼんやり聞いていると意外に落とします。
6問しかないのに大事な理由
- テスト開始直後なので、ここで耳を英語モードに切り替えられるかが後のパートに響く
- 1問のミスで「あれ?」と動揺すると、Part 2の最初の数問まで引きずりやすい
- 出てくる表現のパターンが比較的限られていて、練習の成果が出やすい
ポイント:Part 1は「全問正解を狙うウォーミングアップ」。短時間の対策で安定させられるパートです。
写真の種類別:よく出る表現の型
Part 1の写真は、大きく「1人の人物」「複数の人物」「人のいない物や風景」の3タイプに分けられます。タイプごとに、流れてきやすい英語の形が違います。以下はすべて編集部が作った例文です。
① 1人の人物の写真
人物の動作を現在進行形で説明する文が中心です。
- A woman is typing on a keyboard.(女性がキーボードで入力している)
- A man is reaching for a file on a shelf.(男性が棚のファイルに手を伸ばしている)
- She's wearing a helmet.(ヘルメットを身につけている=状態)
② 複数の人物の写真
「全員に共通する動作」か「一人だけの動作」かを区別するのが鍵です。
- Some people are seated around a table.(何人かがテーブルを囲んで座っている)
- One of the men is pointing at a screen.(男性の一人が画面を指さしている)
③ 人のいない写真
物の位置や状態を表す文が多くなります。
- Some chairs have been stacked against the wall.(いくつかの椅子が壁際に積み重ねられている)
- A bicycle is parked next to a bench.(自転車がベンチの横に止めてある)
- Plants are being watered.(植物に水がやられているところ)※人がいないのにこの文なら誤り
最後の例のように、is being +過去分詞(受け身の進行形)は「今まさに誰かがその動作をしている」ことを表します。人が写っていない写真でこの形が聞こえたら、多くの場合は誤りの選択肢です。
よくあるひっかけパターン5つ
Part 1の誤答選択肢には、いくつかの典型的な作り方があります。知っておくだけで、迷う時間がぐっと減ります。
- 動作と状態のすり替え:写真の人が眼鏡を「かけている状態」なのに、選択肢は He's putting on glasses.(今かけようとしている動作)。wearing は状態、putting on は動作です。
- 写っている名詞を使った別の文:写真に窓があるので window という単語が聞こえるが、内容は「窓を開けている」など写真と違う。
- 似た音の単語:walk と work、copy と coffee など、音が近い語で混乱させる。
- 位置関係のずれ:on(上に)と under(下に)、next to(隣に)と across from(向かいに)の違い。
- 推測しすぎの説明:「会議の準備をしている」「旅行に出かけるところだ」など、写真だけでは判断できない内容。
特に2番目は要注意です。「知っている単語が聞こえた=正解」と反射的に選ぶと、ここで落とします。単語ではなく、文全体が写真と一致しているかで判断しましょう。
ポイント:迷ったら「写真から100%言えることか?」と自問する。言い切れないものは選ばない。
本番での解き方:写真の見方の順番
音声が流れる前の数秒で、写真をどう見るかが勝負です。次の順番で見ると、情報を整理しやすくなります。
- 人がいるか、いないかを確認する
- 人がいれば、手元と視線(何を持っているか、どこを見ているか)を見る
- 人がいなければ、目立つ物の位置と状態(積まれている、並んでいる、置かれている)を見る
- 背景にある物(窓、階段、植物など)を軽くチェックする
このとき、頭の中で英語を完璧に組み立てる必要はありません。「typing」「shelf」「stacked」のように、キーワードをいくつか思い浮かべておくだけで十分です。
消去法を使う
4つの選択肢を聞きながら、問題用紙の余白ではなく頭の中で○×をつけていくのがおすすめです。問題用紙への書き込みはルール上認められていないので、指先で選択肢の位置を押さえるなど、自分なりの方法を練習で決めておきましょう。「確実に×」を消していけば、最後に残ったものが答えになります。
毎日10分の練習法と1週間メニュー
Part 1の練習は、問題を解く量よりも写真と英語を結びつける回数が大切です。
基本の練習ステップ
- 公式問題集などの写真を見て、音声を流す前に英語で1〜2文言ってみる
- 音声を流して解く
- スクリプトを見て、正解の文と誤答の文をそれぞれ音読する
- 誤答の文について「写真のどこが違うのか」を一言でメモする
身の回りでもできます。通勤中の風景を見ながら「A man is waiting for the train.」のように心の中で実況するだけでも、Part 1の表現が口と耳になじみます。
1週間メニュー(1日10分)
- 月:人物1人の写真を5問。動作を表す動詞をノートに書き出す
- 火:複数人物の写真を5問。「全員」か「一人」かに注目
- 水:人のいない写真を5問。受け身の形(have been +過去分詞など)を音読
- 木:月〜水で間違えた問題を解き直す
- 金:身の回りの写真(スマホのアルバム)を英語で3文ずつ描写
- 土:Part 1を通しで2セット。ディクテーション(書き取り)も1問
- 日:お休み、または1週間のメモを見直すだけ
よくある失敗とまとめ
最後に、Part 1でスコアを落としがちな人に共通する失敗を整理します。
- 写真を見る前に音声が始まってしまう:ディレクション(説明)の間に写真を先に確認しておく
- 聞こえた単語だけで選ぶ:文全体と写真を照らし合わせる習慣をつける
- 1問の迷いを引きずる:分からなければ最もらしいものをマークして即座に次へ
- スクリプトを確認しない:聞き取れなかった原因(音のつながり、知らない単語)を特定しないと同じミスを繰り返す
Part 1は、出てくる表現がある程度パターン化されているぶん、努力がそのまま結果に出やすいパートです。まずは今日、公式問題集のPart 1を1セット解き、誤答の選択肢も含めて全文を音読してみましょう。それだけで、次の模試での聞こえ方が変わってくるはずです。



