Part 2の形式と、なぜ難しく感じるのか
Part 2は、1つの質問または発言に対して、3つの応答が音声で流れ、最もふさわしいものを選ぶ問題です。IIBCの公式案内では25問、選択肢は3つ。問題用紙には質問も選択肢も印刷されておらず、音声は1回だけです。
選択肢が3つなので一見やさしそうですが、苦手な人が多いパートでもあります。理由は大きく3つあります。
- 最初の数語を聞き逃すと、ほぼ解けない:疑問詞(When / Where / Who など)が文頭に来るため
- 正解が「質問に直接答えていない」ことがある:「分かりません」「〜に聞いてください」といった返事が正解になる
- 文字の手がかりがゼロ:写真も設問もなく、耳だけが頼り
つまりPart 2は、単語力よりも会話の流れを読む力が問われるパートです。
ポイント:「質問に対して、人間として自然な返事はどれか」を考える。文法的な正しさだけでは選べません。
最初の3語に全集中する
Part 2で最も大切なのは、文頭の疑問詞と主語・動詞を確実に聞き取ることです。以下は編集部の作例です。
- When will the new printer be delivered?(新しいプリンターはいつ届く?)
- Where should I put these boxes?(この箱はどこに置けばいい?)
- Who's in charge of the budget report?(予算報告書の担当は誰?)
- Why was the meeting postponed?(なぜ会議は延期に?)
- How often do you visit the branch office?(支店にはどのくらいの頻度で行く?)
When と Where、How long と How often は、聞き逃すと全く別の答えを選んでしまいます。練習のときは、音声を最初の2〜3秒で止めて「今の疑問詞は何だった?」と自分に確認するトレーニングが効果的です。
Yes/No疑問文のときは
Do you〜? / Have you〜? / Is there〜? のような疑問文には、Yes/Noで始まる答えも正解になりえますが、Yes/Noの後ろの内容が質問と合っているかまで確認しましょう。Yes と言いながら中身が噛み合っていない選択肢は、よくある誤答です。
正解になりやすい「遠回しな応答」のパターン
Part 2らしさが出るのが、質問に直接答えない正解です。職場の会話を想像すると、実はとても自然なものばかりです。
Q: When is the client meeting?(顧客との打ち合わせはいつ?)
- 分からない系:I haven't been told yet.(まだ聞いていません)
- 人に振る系:Ms. Tanaka is handling the schedule.(田中さんが日程を担当しています)
- 確認中系:Let me check the calendar.(カレンダーを確認しますね)
- 前提を変える系:It's been canceled.(それは中止になりました)
どれも「いつ?」に日時で答えていませんが、会話としては成立しています。
平叙文(ふつうの文)への応答
Part 2では、質問ではなく発言が流れることもあります。
- 発言:The copy machine is out of paper again.(コピー機がまた紙切れだ)
- 応答例:I'll get some from the supply room.(備品室から取ってきます)
発言の「困りごと」や「提案」に対して、手助けや意見で返すのが自然な流れです。
よくあるひっかけと消去法
誤答の作り方にも典型があります。
- 同じ単語・似た音の単語:質問に meeting と出てきたので、応答にも meeting が入っている。あるいは copy に対して coffee。音が似ているだけで内容が噛み合わないなら×。
- 疑問詞とずれた答え:When の質問に「会議室で」(Where の答え)、Who の質問に「来週です」(When の答え)。
- 主語や時制のずれ:Did you〜?(過去)に対して I will.(未来)など。
- 連想ワード:「予算(budget)」の質問に「会計(accounting)」を含む無関係な応答。
選択肢が3つしかないので、「明らかに×」を2つ消せれば残りが正解です。自信がなくても、消去法で残ったものを選ぶ判断を練習しておきましょう。
ポイント:質問と同じ単語が聞こえたら、まず疑う。Part 2では「音のかぶり」は誤答のサインになりやすいです。
Part 2の練習ステップと1週間メニュー
Part 2は短いので、すき間時間の練習にぴったりです。
練習ステップ
- 問題を解く(1回目は本番どおり)
- スクリプトを見ながら、質問と3つの応答をすべて音読する
- 誤答について「なぜ×か」を一言で言えるようにする(例:「時制ずれ」「同じ単語」)
- 質問だけを聞いて、自分で自然な応答を英語で言ってみる
4番目が特に効果的です。自分で答えを作ってみると、「遠回しな応答」も含めて答え方の幅が見えてきます。
1週間メニュー(1日10〜15分)
- 月:WH疑問文だけを10問。疑問詞を聞き取る練習
- 火:Yes/No疑問文・否定疑問文を10問
- 水:平叙文・依頼・提案を10問
- 木:月〜水の誤答をすべて解き直し、音読
- 金:質問だけを聞いて自作の応答を声に出す(10問)
- 土:Part 2を25問通しで。最後まで集中が切れないか確認
- 日:休み、または間違いノートを眺めるだけ
否定疑問文・付加疑問文・依頼への答え方
Part 2で迷いやすいのが、否定疑問文や付加疑問文です。以下は編集部の作例です。
- Didn't you send the invoice yesterday?(昨日、請求書を送らなかったの?)
- The seminar starts at nine, doesn't it?(セミナーは9時からですよね?)
日本語の感覚だと「はい、送っていません」のように答えたくなりますが、英語では否定の形は気にせず、事実がどうかだけで Yes / No を決めます。送ったなら Yes, this morning. 送っていないなら No, I'll do it now. です。そもそも Part 2では、Yes / No を使わずに I sent it this morning. のように事実だけを答える選択肢が正解になることもよくあります。
依頼・提案・申し出
- Could you review this draft by noon?(正午までにこの下書きを見てもらえますか?)→ Sure, I'll look at it after lunch./I'm afraid I'm busy until three.
- Why don't we take a short break?(少し休憩しませんか?)→ That's a good idea.
Why don't we〜? は「なぜ〜しないのか」ではなく提案です。理由を答えている選択肢(Because〜)は、ひっかけであることが多いので注意しましょう。
よくある失敗とまとめ
Part 2で伸び悩む人に多い失敗を挙げておきます。
- 1問迷ったまま次の問題に入ってしまう:次の質問の冒頭を聞き逃し、連続ミスになる。迷ったら即マークして切り替える
- スクリプトを確認しない:「何となく間違えた」で終わると、疑問詞の聞き逃しなのか、応答パターンを知らないのか原因がわからない
- 直接答えている選択肢だけを探す:遠回しな応答を最初から候補から外してしまう
Part 2は、問題数が25問とリスニング全体の4分の1を占めるパートです。ここが安定すると、リスニング全体のスコアも底上げされます。今日はまず、公式問題集のPart 2を10問だけ解き、質問に対して「自分ならどう返すか」を英語で言ってみることから始めましょう。



