700点台の失点は「分類」すると見えてくる
700点台の人の間違いは、パートごとにばらばらに見えて、実はいくつかの型に分けられます。1か月の最初に、公式問題集1回分の間違いを次の4つに分類してみましょう。
- A:知識不足(単語や文法を知らなかった)
- B:聞き逃し・読み飛ばし(知っているのに気づけなかった)
- C:言い換えに気づかなかった(内容は理解していた)
- D:時間不足(最後まで解けなかった、焦って選んだ)
700点台では、AよりもBとCが多いことがよくあります。その場合、単語帳を増やすより、細部を正確に聞く練習や、言い換えの復習に時間を使う方が効果的です。
ポイント:分類の結果を数えて、一番多い型から対策します。「何となく全部やる」をやめるのが、700点台からの伸ばし方です。
4週間のプラン(平日80分・休日3時間)
1週目:失点の分類と弱点パートの決定
- 休日:公式問題集1回分を通しで解き、間違いをA〜Dに分類
- 平日:一番失点の多いパートを毎日1セット、分類しながら復習
2週目:Part 3・4の細部を聞く
- 平日:Part 3・4を毎日2セット。解いたあと、スクリプトを見ずにもう一度聞き、聞き取れなかった部分をディクテーション
- 毎日:シャドーイングを10分
3週目:Part 7の複数の文書
- 平日:ダブル・トリプルパッセージを毎日1〜2セット。文書同士をつなぐ情報に印をつける
- 毎日:言い換えノートに5組追加
4週目:Part 5の語彙問題と通し練習
- 平日:Part 5の語彙問題を中心に毎日20問
- 休日:もう1回分を通しで解き、1週目の分類結果と比べる
Part 3・4の「細部」を聞き取る練習
700点台で残りやすいのが、数字、時間、場所、理由などの細部を問う設問です。
自作の会話で考えてみましょう。
- W: The workshop was supposed to start at two, but the speaker's flight was delayed.
- M: Then let's move it to four and let everyone know by e-mail.
設問が「What time will the workshop most likely begin?」なら、最初に聞こえる two ではなく、後から出てくる four が答えです。TOEICでは、最初に出た情報が後で変更される展開がよく見られます。
細部を聞くためのディクテーション
- 1セットを解いて答え合わせ
- スクリプトを見ずに、1文ずつ止めながら書き取る
- 書けなかった部分をスクリプトで確認し、なぜ聞こえなかったか(音のつながり、知らない単語、速さ)をメモ
1日1セットでも、2週間続けると、自分が聞き落としやすい音の傾向が見えてきます。
Part 5の語彙問題を落とさない
語彙問題は、意味の近い単語から文脈に合うものを選ぶ問題です。700点台で落としやすいのは、意味は合っているのに、一緒に使う言葉が合わない選択肢に引っかかるケースです。
自作の例です。
- The company plans to ( ) its operations to Asia next year.
(A) expand (B) increase (C) grow (D) rise
どれも「増える・広がる」系ですが、operations to Asia と一緒に使って「事業をアジアに拡大する」という意味になるのは (A) expand です。rise は目的語をとらない自動詞なので、ここには入りません。
語彙問題の復習法
- 正解の単語と、一緒に使われていた言葉をセットでメモする(expand operations)
- 不正解の選択肢も、それぞれどんな場面で使うかを1行で書く
このひと手間で、次に同じ単語が別の文で出たときに迷わなくなります。
Part 7の複数の文書は「つなぐ情報」に印をつける
700点台から800点へ進むとき、Part 7の複数の文書(2つまたは3つの文書を読んで答える問題)の正答率は大きなポイントになります。
複数の文書の問題には、2つの文書の情報を組み合わせないと解けない設問が含まれます。自作の例で考えてみましょう。
- 文書1(お知らせ):Orders over 100 dollars qualify for free delivery.
- 文書2(注文メール):I would like to order 5 boxes of paper at 18 dollars each.
設問「What is suggested about the order?」の答えは「送料無料にならない」です。5箱×18ドル=90ドルで、100ドルに届かないからです。どちらか一方の文書だけを読んでも答えは出ません。
印のつけ方
- 金額・日付・人名・条件(over, at least, only など)に下線を引く
- 同じ人物や商品が2つの文書に出てきたら、両方に同じ印をつける
- 設問に「suggested」「most likely」があるときは、組み合わせ問題の可能性を疑う
1日1セットの復習法
解いたあとに「どの設問が組み合わせ問題だったか」を振り返り、どの文書のどの情報をつなげたかを矢印で書き込みます。この作業を続けると、本文を読んでいる最中に「この条件は後で使いそうだ」と気づけるようになります。
1週間で5〜7セットこなせれば、複数の文書への苦手意識はかなり薄れているはずです。
平日80分の時間割と週末の使い方
平日80分の時間割
- 朝(20分):言い換えノートの見直しと、前日の間違いの解き直し
- 通勤・通学(20分):シャドーイングと、前日に解いた音声の聞き直し
- 夜(40分):その日の重点パートを解き、A〜Dの分類つきで復習
週末の使い方
週末は、平日に解いた問題の中から「分類B・C」の問題だけを集めて解き直します。同じ問題でも、1週間たつと意外に忘れているものです。2回目に正解できれば、その型は身についてきた証拠です。
700点台は、仕事や学業との両立で時間が限られる人が多い段階です。平日にできなかった分を週末に詰め込むより、平日の最低ライン(朝の20分だけ、など)を守る方が、1か月後の伸びにつながります。
よくある失敗とメンタルの整え方
失敗1:苦手パートを避けて得意パートばかり練習する
得意パートの練習は気持ちがいいですが、伸びしろは少なめです。分類で見つけた弱点に、練習時間の半分以上を使いましょう。
失敗2:1問のミスを引きずる
700点台では、本番で「今のは自信がない」と思う問題がどうしても出てきます。引きずると次の先読みが遅れ、連続して失点しがちです。迷った問題は選んだら忘れると決めておきます。
失敗3:本番直前に新しい教材を始める
直前期は、これまでに解いた問題の復習と言い換えノートの見直しが中心です。新しい教材に手を出すと、復習の時間が削られます。
1か月後、分類の中でBとCが減っていれば、確実に前進しています。800点はその積み重ねの先にあります。



